先日行われた衆院補選で、ある立候補者が他の候補者の立会演説の場所に押しかけて大音量でその候補者のネガキャンを繰り返していた。そして補選が終わり、その候補者の所属する政党関連施設が家宅捜索を受けた。この選挙妨害ともとれるような騒動は、ネットの中では選挙中にかなり話題になっていて酷い話だという事になっていた。そして、このまま彼らのようなやり方が野放しになっていたらこれからの選挙が滅茶苦茶になるぞという声がネットでは言われていた。
しかし、結局のところ新聞や地上波TVといったいわゆるメジャーな報道機関はこの件にほとんど触れてはこなかった。今回の捜索を受けての報道開始。東京の選挙区でのことなのだから、キー局にとっては自分たちのテリトリー内での出来事。知らなかったはずはないのだが…。
この候補者の言いぐさが、札幌での安倍元首相の応援演説への大声での罵声が言論の自由の侵害とする判決が出るのなら、私の行為も言論の自由に当たるはずだというもの。まあ、そういう理屈で演説の妨害をやりだす奴がいつかは現れるという危惧が現実となっただけなのだ。
確かに、ネットで演説会場を探し出して大勢で押しかけて演説を大声でかき消すようにして妨害するやり方は同じ。札幌の時に、いわゆる左の人たちを警察が妨害だとして排除した時に言論封殺だと紙上やTVで言っていた連中が今回の様子を見てどう思ったのだろうか。安倍さん批判ならというマスコミ世論を作り出して、地裁判決とはいえ言論の自由の妨害だとする判決までだしてしまったというのは明らかに異常だと思う。
結論を言えば、あの時に安倍批判をやりに集まった連中を排除したのは間違いではなかったという事ではないだろうか。マスコミが自分たちの味方だと思った人々のやることは言論の自由で、連中のやり放題を通してしまうのは間違いだしダブルスタンダードの極みではないのだろうか。
そんなことをマスコミたちはやったから、なかなか今回の選挙妨害については自分たちから批判の声は上げられなかったのに違いない。さすがにそれをやると、ネットから自分たちがやったことを叩かれるだろうし、それぐらいの恥は知っていたと思いたい。
そんな裏で、自民党が今更にこの手の妨害に対して法規制をするべきだと言い出したのには呆れるしかありません。あれだけ、安倍さんがやられ放題だった時には一言も言えなかったのが、マスコミの空気が変わってきたとたんに言い出すとは…。政権時に言い出すと言論弾圧と叩かれるから言いにくかったのかもしれませんが、こういうマスコミの方しか向いていない今の自民党だから保守的な支持層からそっぽを向かれての今の有様なのだと思います。