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ときめきの日々を過ごしたい

小説破壊の碑

2008-11-17 12:53:02 | Weblog
藤村と丑松しのぶ碑に落葉

丑松の児落葉となりし碑に集ふ



             第一章    (一)

 蓮華寺(れんげじ)では下宿を兼ねた。瀬川丑松(うしまつ)が急に転宿(やどがへ)を思ひ立つて、借りることにした部屋といふのは、其蔵裏(くり)つゞきにある二階の角のところ。寺は信州下水内郡(しもみのちごほり)飯山町二十何ヶ寺の一つ、真宗に附属する古刹(こせつ)で、丁度其二階の窓に倚凭(よりかゝ)つて眺めると、銀杏(いてふ)の大木を経(へだ)てゝ飯山の町の一部分も見える。さすが信州第一の仏教の地、古代を眼前(めのまへ)に見るやうな小都会、奇異な北国風の屋造(やづくり)、板葺の屋根、または冬期の雪除(ゆきよけ)として使用する特別の軒庇(のきびさし)から、........」
で始まる、島崎藤村の長編小説「破壊」の主人公「瀬川丑松」が飯山小学校に赴任し、下宿していた小説の舞台となった古刹蓮華寺(真宗寺)が自宅のすぐそばにある。その「真宗寺」に小説破壊の碑が建っている。毎日のようにこの碑に見学者が訪れている。