ガリバー通信

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星野仙一物語

2005年09月06日 | プロスポーツ
 一昨日だったと思うが、民放の「グレートマザー」という番組で、現在阪神タイガースのシニアディレクターという肩書きで活躍中の、前監督、星野仙一氏の生い立ちから中高の野球人生、そして明治大学から中日ドラゴンズへとプロ野球に進んだ半世紀に及ぶ人生が放送されていた。

 星野の背景には、いつも父を幼くして亡くした一人息子にとって偉大であり、一番の理解者であった母、敏子の大きな愛があった。また東京六大学時代に慶応大学のマドンナ的女性と恋におちて、プロ野球選手としての一年目の大活躍を経て、芙佐子さんとシーズンオフに結婚し、二人の娘さんに恵まれたのだが、彼女の大きな支えがあったのである。

 しかし、二度目の中日監督としてセリーグ制覇をして胴上げされる少し前に、惜しくも不治の病の「白血病」で最愛の妻、芙佐子さんを亡くし、阪神タイガース監督として2年目の2003年9月15日の優勝決定で胴上げされる二日前に、偉大なる母、敏子さんを見送ったのである。

 星野仙一という男は現在59歳になる素敵な男であるが、幼少期から小学三年生になった時、父の居ない母子家庭の経済的貧しさの中で、千円の大金を出してグローブを母が買い、非行に走ったりグレないようにと野球の道へと母が導いたそうなのである。

 現在はプロ野球界にとって欠かせない大きなご意見番となった星野仙一ではあるが、亡くなった母と妻、そして今唯一幼い頃からの仙一を一番よく知る、姉、美和子の3人の女性なくしては、存在し得なかったのである。

 健康状態が一番心配で、阪神の18年ぶりのセリーグ優勝を導いた2003年の秋に、監督としては引退したはずの星野仙一が、今何と「読売巨人軍の監督」として招聘されようとしているのである。

 阪神ファンの心の中は複雑であり、憎き敵であるジャイアンツの監督だけは引き受けて欲しくないというのが、多くのファン心理だろうが、中日ファンにとっては、とんでもないよ、星野仙一は中日ドラゴンズの宝であり、2年間だけ阪神再建のために貸してやったに過ぎないのに、阪神ファンが星野の巨人入りをとやかく言うのは、お門違いだと思っているらしい。

 ともかく、日本のプロ野球界にとって、今や脳梗塞で倒れて現在リハビリ中とは言え、ミスタージャイアンツである、長嶋茂雄、巨人軍永久名誉監督が病気療養中なので、星野仙一しか大きな視野で、これからの野球界を見守っていける人材は居ないのである。

 その星野仙一を、何と現在のシニアディレクターとしての顧問料八千万円から、破格の日本の野球人として最高給となるであろう、年俸10億円で誘っているというから驚きである。

 弱体巨人軍を甦らせられるのは遂に星野監督しかないとの、あの巨人軍会長ナベツネさんの一声で、初めての巨人軍選手経験者ではない、外様監督の誕生の可能性が出てきたのである。

 スポーツ新聞の報道によれば、星野が巨人軍の総監督を引き受ける条件として、①ナベツネの勇退、②原前監督の現場助監督復帰、そして③今シーズンの阪神のセリーグ優勝、この三つの条件を提示しているらしいのである。

 なんとも星野さんらしく③の阪神の優勝を条件とするあたり、一応阪神タイガースのシニアディレクターたる立場のけじめをつけ、決断のきっかけとして節目の優勝を上げていることは、阪神ファンとしては何となく嬉しい限りである。

 阪神の監督としては、セリーグ優勝の歓喜はあったが、現ソフトバンク、当時のダイエーホークスに日本シリーズで負けてしまって、日本一を実現できずにたった二年で、ご自身の健康が第一として星野仙一の現場の監督3年目を断念した経緯があるので、今回の巨人監督への道へは、やはり大きな抵抗があるのである。

 しかし小さい頃からの純粋な野球少年で、明治大学からドラフトの時は巨人が法政大学の田淵をとれなかったら、星野を指名すると言いながら指名されず、中日ドラゴンズへドラフトで入団した経緯などもあり、野球人としての最後の花道として、彼が選択することなのだからと心の奥底では納得しつつあるのである。

 さて、阪神、中日のセリーグペナントレースも佳境で、今晩もナゴヤドームで、熾烈な首位決戦をしている両チームに跨る、微妙なファン心理の狭間で、男星野仙一は、どの様な結論を出すのかが楽しみである。

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