ガリバー通信

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水度神社参道。

2012年07月19日 | 季節の話題
 京都府の南部、山城地域の城陽市は、先ほど梅の産地としても梅林が春先に咲き誇る町としても有名なのだが、私はここ数年自家用車で週末に走っている、有機農産物や無添加食品の移動販売八百屋として、毎週通る道のひとつで大変気に入っている道があり、その名は地元の人にとっては馴染み深くても近隣の市町にお住まいの方々にとっては、ご存知ない方もおられると思う「水度神社に通じる水度坂という参道なのである。

 特にこれからの季節は、うだる様な猛暑の夏となるために、私自身も車を走らせつつも、その昼下がりなどは汗だくだくになって、困ってしまうほどの日が多くなるのだが、この「水度坂」に来ると、とても清涼感を感じるほど気分が良くなってしまうほど、周辺の外気温と比べてたぶん2.3度は確実に低いのじゃないかと感じるほど、松が参道の両側に植えられていて、その木陰が車道も歩道も覆い隠しているといった感じの道であり、とても安堵感と共に安らぎすら感じる道なのである。

 位置は城陽市を南北に通っているJR奈良線という一部単線の電車の城陽駅から南へ約200メートル下った踏み切り付近の旧大和街道に面して立つ「一の鳥居」から始まっていて、ここから東へ鴻ノ巣山のふもとにある「二の鳥居」を経て、約600m先に水度神社の本殿があるところまで続いている参道であり、神社に向かって緩やかな上り坂となっている様だが、車で走ると全くそのようには感じないほどの参道なのである。

 数年前にこの道を通って最初に感じたのは、その水度神社の境内の南側にある府立城陽高校の生徒たちが当然登下校にこの参道、つまり水度坂の歩道を上り下りしているのだが、何とも溌剌とした青春時代の真っ只中の女子生徒たちの白いブラウスと少し短めのスカートの制服が、とてもこの松林の中にマッチしていて、素敵だなと感じたのであった。

 その後、何回となく毎週の如く行き来していると、雨の水度坂も清清しいと感じるし、蝉ヶ鳴く真夏でも少し涼しく感じる木漏れ日や木陰が、いろんなシルエットを作っていたり、人々の日常生活を演出しているかの様な素敵かな散歩道でもあると思える様になったのでした。

 かつては水度神社の参拝客で賑わっていた時代があり、参道であるこの水度坂には御茶屋が軒を連ねていたらしく、その時代の風情も想像できる感じのゆったりとした雰囲気であり、現在はバイパスが出来ているため府道となっている旧24号線の交通量の多い幹線道路から、この道に入ると全く異次元とでも言える様な、静寂とゆったりとした時間が流れる感じがするほど、別世界と感じることもあるくらいなのです。

 この参道は概ね城陽市の中心部に位置している感じなのですが、参道の両側は主に松の古木の並木であり、神社の周りはアカマツを交えたシイ林で、周辺が宅地化した現在なのですが、豊かな自然環境を保持しているとして、水度神社と参道の松並木は「京都の自然100選」に選ばれているそうです。

 肝心の水度神社については私はほとんど知らないのですが、山城国風土記の逸文に「久世の郡水渡の社祇社」とあるらしく、風土記が編纂された奈良時代には存在していたらしく、平安時代前期に成立した延喜式には、「水度神社三座」と記されていて、現在は神社本庁に属する「宗教法人、水度神社」と称していて、国の重要文化財に本殿は指定されていて、城陽市内で最も古い建造物だそうです。

 例年、9月30日から10月2日にかけて「マツリ」があり、9月30日に「オイデ」の神を迎え、オタビから行列により子ども神輿を中心に祭具などの順番や担当が決まった整然とした行列があり、10月1日の「ヨミヤ」の夜は、オタビの神前で巫女が鉄湯釜の湯を笹によって参拝客に振りまかれ、安全を祈る[湯立て神事」が行われるそうで、10月2日にマツリは神社へと行列により送られて終るそうです。

 

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1 コメント

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懐かしい (シラハマ)
2012-07-21 04:29:40
30数年前 城陽高校生としては、
水渡神社を取り上げてくださり、
懐かしく、うれしく思います。
ありがとうございます。

あの石段を何度ウサギ跳びで上がったことでしょう。
鴻巣山まで、駆け上がったことでしょう。
青春の汗は、あの場所とともにある。

また、行きたくなりました。
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