ガリバー通信

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チェルノブイリから26年

2012年04月26日 | 感じたこと
今日の夕刊のトップ記事は、小沢一郎元民主党代表の陸山会事件を巡る検察庁の強制起訴で無罪判決が出たことであった。

 私の脳裏には、そんなことよりも大事な原発に纏わる問題点が多様に論じられている中で、1986年4月26日に世界を震撼させた旧ソビエト連邦白ロシアのチェルノブイリ原発が爆発し、地球上のいたるところに放射能汚染の大被害を与えただけでなく、現在は独立したペラルーシ共和国の事故原発の周辺30キロ圏内は人が住めない禁止区域となっていて、当時ソ連が発表した原発事故による死者数は少なかったが、その後事故原発を密閉するための石棺作りにかり出された労働者なども含め、風下の村と呼ばれたウクライナとベラルーシ両国での放射能被害による甲状腺癌をはじめとする死者は多数に及び、今も多くの患者が苦しんでいるのである。

 特に赤ん坊から子どもたちに影響が多大であり、日本のNPO法人をはじめ全世界の医者や科学者の協力の下、多様な支援と援助がなされてはいるが、まだまだ悲惨な原発事故の影響は減少するどころか広まっているのである。

 そんな原発事故先進国?でもある旧ソ連、現在のロシアはやはり社会主義国にありがちな秘密主義的国家体制が続いているため、なかなかチェルノブイリ事故以降の周辺住民の動向や農作物を含む生態系の異常や実情については報告したりしていないこともあって、実際のところの真相はまだ闇の中といった部分が多いと言われている。

 いずれにせよ、26年経ったとはいえ、チェルノブイリの現実はまだまだ余談を許すどころか厳しい現実も迫っているらしく、あの事故後急遽突貫工事で建造された、所謂「死の石棺」と呼ばれる、爆発事故を起こした巨大な4号基を覆う形のコンクリートカバーが、早くも朽ちだしているらしく、新たな更に大きな覆いを造る準備が進んでいるというのである。

 あの忌まわしい世界を震撼させた原発事故からまだ26年しか経っていないのだが、この惨状を更に悪化させないため、つまりこれ以上の放射能漏れを少しでも食い止めるためには、更に巨大な覆いを早急に建造し続けなければならないということは、福島原発事故の今後も、いくら原発4基を既に「廃炉」と決定しているが、今後の後始末に少なくとも数十年以上の期間が必要だし、巨額な処理費用が必要なのである。

 昨年春の福島原発事故から、まだ1年余しか経っていない日本の現状は、決して大飯原発の再稼動などを検討している場合ではなく、福島原発事故の原因の究明と共に、今後の廃炉処理の過程で、これ以上の汚染粋の垂れ流しや放射能漏れを如何に防止するかの対策を講じることが最大の仕事であるのだろう。

 しかし、政府民主党は、原発関連4閣僚、すなわち野田首相、枝野経産相、細野原発担当相と藤村官房長官によるトップ会談によって、何を根拠にかは定かではないが、今夏の関西電力管内での電力の供給不足の予測を最大の理由として、大飯原発の再稼動を求める方向で、福井県と地元おおい町などに説明をしたのである。

 福島原発事故は、昨年春に起きた不幸な事故であったと総括されてしまう様な事故、事件ではなく、今後の日本のエネルギー政策そのものを大きく転換せざるを得ないターニングポイントとして位置づけて、産業界も新たな電力の買い上げ価格の見通しを見定めた上で、太陽熱、風力、地熱などによるクリーンエネルギーの開発、実用化に本腰を入れて取り組めそうな機運が高まっているので、その方向性を拡大し、ここ数年は節電と共に次世代のエネルギー需要も抑制しつつ、安全、安心の社会作りに邁進する好機が来ていると認識しているのだろう。

 一番の問題は、原発関連企業を中心とした「金儲け」を逃したくない利権集団の企業と政治家である。

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1 コメント

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Unknown (旧東独民(脱出に成功しました))
2012-05-03 03:26:37
この件に関しては私はガリバーさんと意見を同じにします。

少なくとも原因をちゃんと究明して
絶対に同じ過ちを犯さないと決意した後に、
もし起こってしまったときの次善の策なりシステムなりを構築するのが先でしょうに。

自民も民主も結局は原発再開みたいな空気を出してるから
次の選挙で維新とほかの新党がくっついた時にはっきりと反原発をポリシーに掲げれば結構票取りますね。
日本でちゃんとした欧州のような緑の党が
できるとしたら今以外にないですね
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