ガリバー通信

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北京五輪は終わったが。

2008年08月28日 | 世界の問題
 八月八日,午後八時に拘って開幕した、中国・北京オリンピックは、先週末、八月二十四日に大々的なセレモニーの閉会式で閉幕した。

 中国がスポーツ大国アメリカを抜いて、金メダルを50以上獲得して、中国にとっては成功裏に華々しく終わった感である。

 しかしである。多くの隠された問題、課題が未解決のまま、オリンピックムードの中で掻き消され、意図的に報道も規制されていた面が多く、忘れられようとしている。

 忘れてはならない事件が、昨年から今年に掛けて中国を取り巻く問題でたくさん起きているからである。

 ひとつは、日本人にとって大事件であった「毒餃子事件」である。

 オリンピック前の中国の食の安全について、全世界で懸念を抱かざるを得なかった「中国産冷凍餃子」事件の真相は、日本政府の遠慮からか、全く真相、原因が突き止められぬまま、迷宮入りの如く「完黙」を続けている。

 しかし、こんな大事件の原因究明に、時間がかかることはあり得ないわけで。日本の捜査当局が厳しく現地に入って、中国当局と調査、聞き込みをすれば分かることなのに、日本側には全くその気がない如く進展がなかった。

 日本政府は、アメリカ政府に対しての従順姿勢と同じく、アジアの大国、中国に対しても気を使って遠慮しているとしか思えないダラシナサであり、十分調査されて犯人や原因が究明されているはずなのに黙って聞こうともしていないのがせ現実である。

 もうひとつは、言わずもがなのチベット問題などの民族問題に対する中国の一方的な見解が聞こえてきただけで、ウイグル自治区での警官集団殺害事件なども含め、その背景にとんでもない漢民族以外への差別や人権侵害が起こっているのである。

 あの北京オリンピック開会式での54少数民族の民族衣装を着た人たちの踊りも、実際はほとんどが漢族が、その装いを身につけてデモンストレーションしていたに過ぎないらしいし、あの歌声の口パク問題にしても、中国特有の見せ方と実際の違いを如実に明らかにしてしまったことでも間違いない隠蔽工作が多々行われていたわけである。

 こんなお国がらの中国が、国家的プロジェクトで、15億近い全中国の民の中から選抜し鍛え、訓練し続けて選ばれたオリンピック選手で、世界一の金メダルをはじめ数々の栄誉を手にしたのは当然のことだろう。

 こんな北京オリンピックの栄光の陰に、隠されてしまったチベット、ウイグル、モンゴルをはじめとする漢族以外の少数民族と称される国民たちの権利と人権の尊重に、世界の世論が厳しく指摘続けないと、この国は本当の意味での民主的国家に脱皮することは出来ないだろう。

 何事も真実は、いずれ明らかになるのである。

 毒入り餃子を仕掛けた人間と、その組織への反撃は、結局日本に向けられたのではなく、中国政府や厳しい労働条件で働かされている労働者の雇用者、会社への報復だった公算が高い。

 中国政府も今回の隠された事実がいずれ明かされて、世界に対して恥なければならない時が来ることは間違いない。

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1 コメント

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米中韓朝に遠慮する日本 (尼ヶ池遍路)
2008-08-30 10:48:19
同感です。主な環日本海諸国等は内々、なりふり構わず強く日本に発言すれば日本外交は引っ込むと明らかに観ています。63年前の強覇権軍事力行使で負けてからは、米中韓朝等にまともな主張もできない、国民を守れない情けない日本国になってしまいました。
他方、今回の中国北京五輪では、都合の悪い事は全て政府主導で隠蔽し、メンツとメダル至上主義に徹し国威発揚の場としたことは、やはり人民不在の非民主化全体主義中国という印象です。かっての全体主義ナチの国威発揚宣伝に利用したベルリン五輪と同等レベルのお祭りであったとの印象です。
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