ガリバー通信

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僕の父は東電社員。

2011年06月25日 | 感じたこと
 先日、毎日小学生新聞に掲載された都内の小学6年生の男児からの手紙「父は東電社員だが、原発事故は世界中の人が無駄に電気を使ったことが原発をつくるきっかけになった」などとする手紙に対して、各地の小学生たちから子どもなりに真剣に考えた賛否の意見が送られてきて話題となっている。

 男子小学生からの手紙の要旨は、突然ですが、僕のお父さんは東電の社員です。(原発事故や計画停電についての東電の責任を指摘した毎日小学生新聞の記事を読んで)無責任だと思いました。
 原子力発電を造ったのは東京電力ですが、つくるきっかけをつくったのは、日本人、いや世界中の人々です。発電所を増やさなければならなかったのは、日本人が夜遅くまでスーパーを開けたり、ゲームをしたり、無駄に電気を使ったからです。
 中でも原発を造らなければならなかったのは、地球温暖化を防ぐためです。温暖化を進めたのは世界中の人々です。
 そう考えると原発を造ったのは、東電も含み、みんなであり、みんなも無責任であるといえます。

 この意見に対して、大人としての見解はさておいて、同じ小学生児童からの反響とでも言うべき、いろんな意見、反論、同感のメッセージがたくさん届いているという現実は、とても嬉しくもあり、なかなか子どもたちも考えてるなと、まず賛美を送りたいと思うのである。

 というのは、実は大人たちの多くが、今までも特に「原発問題」などに対して、あまり考えたり意見を言うことが少なすぎたと思うからでもあり、大人たちは自分たちの利害や立場から、「ノーコメント」だとか、「答えられない」という立場や、本当の気持ち、すなわち「本音」で語ったり、意見したりする人があまりにも少なかった、すなわち「大人たちはずるい」といった感じの印象が私には強かったからでもある。

 つまり、子どもたちの反響や意見は、とても素直であり、父や家族を思う気持ちと共に、世界や日本の人々のことをそれなりに一生懸命に限られた情報や教えられたことを基に、意見しているという実態を感じるからである。

 「ぼくは、東電がまちがっていると思います。」人々が大量に電気を消費するから原発をつくるしかなかったというのは、いいわけにしか聞こえないと思います。安全だといい、人々をだまし、古くなった原子炉をうごかしつづけてきたことにより、事故が起こったしまったことも問題です。(男子児童の)手紙には、原子力にみんながたよっていたから事故が起こったしまったという感じで書いてふったけれど、それは東電の人たちが、福島の人たちに道路をよくしたり、補助金を出したりして、たよらせるようにしむけたのだと、ぼくは思います。」(京都府・小6)

 また、「私は原発事故にかんして国民全体に責任があるという考え方には反対です。電気の無駄使いについては責任があるかもしれませんが、でも私たちは(原発の)危険性についてどれだけ知らされていたでしょうか?学校で習ってきたでしょうか?むしろ、学校の掲示板に、原発はクリーンなエネルギーで、安全で不可欠なものだというポスターがはってありました。そうしたポスターや作文の募集もありました。それをしたのは、東京電力と国です。そんな教育をうけた私たちが、原発はあぶない!つくらないほうがいい!という意見をもつことができたでしょうか。これからみんなで話し合って、大人が何を間違えたのか、を考えていく必要があると思います。」(神奈川県、鎌倉市・小6)

 上記のふたつの意見だけでも、ほんとうに子どもたちの思い、考え方、反響としての意見は立派だと言わざるをえません。特に「大人たちが何を間違えたのか、を考えていく必要がある」との指摘は、菅首相をはじめとする国会議員を筆頭に、東電だけでなく全国の電力事業者に勤める大人たち、そして原子力関連の研究者、経済産業省をはじめとする官僚、お役人たち、そして大きな責任を感じてほしいマスコミ関係者や御用評論家、似非科学者、知ったかぶりのエリート著名人たち、そして私たちに大きな問題提起をされていると思います。

 たかが「小6の男の子の思い」がきっかけではありますが、されど「子どもの素直な思い、感情」をしっかりと大人として受け止めて、原発問題に対する、私たちの意見、考え方を明らかにしていかねばならないと痛感しています。

 間違いなく、反原発、原子力発電と言う大きなリスクと将来に大きな負の遺産とも言うべき永遠に近い危険な廃棄物を残し続ける「原子力」の放射能漏れと影響の危惧は、決して「安全神話」では片付けられない、これからの人類の課題です。戦争や自然破壊と同様に人類の英知で無くして行かねばならない愚策だと断言し続けたいと思います。
 

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