ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

「朝青龍」の引退。

2010年02月04日 | プロスポーツ
 ついに朝青龍が「引退」を表明した。

 今回の初場所中の深夜の泥酔暴力事件で本人も観念したらしく、新理事となった貴乃花親方を含む日本相撲協会理事会で、急遽呼ばれた朝青龍は、具体的事実に関しては「マスコミ報道とはずれがある」としながらも、自分が犯した失態で相撲協会ならびに横綱の名に泥を塗ったと理解して、自らの「引退」を表明するに至ったようである。

 先月16日の初場所途中の深夜4時頃に知人同士だったとは言え、場所中の力士にとってプロスポーツの「戦闘モード」の期間中に、いくら好きな酒だったとはいえ泥酔の挙句、ちょっとした言葉の行き違いから、相手の顎に一ヶ月の怪我を負わせる「暴力」、すなわち「殴った!」わけだから、本人がいくら言い訳しても、「示談が成立」していたとしても、世間、マスコミの批判をかわすことは出来ない苦境に立たされていた。

 朝青龍は15歳でモンゴル共和国、ウランバートルから高知明徳高校に留学し<高砂親方にスカウトされて角界に入門し、超スピード出世で入幕、大関、横綱と駆け上がり、通算700勝に手が届くところまできて、史上3番目の優勝回数25回を達成した強い「横綱」ではあつたが、多くの相撲協会の伝統とシキタリを無視した振る舞いや仮病申告問題では2場所出場停止処分まで受けた、「品位なき横綱」として話題が尽きなかった。

 特に先ほど横綱審議委員会を定年でお辞めになった脚本家の内舘さんとの「やんちゃバトル」では、一方的に内舘委員に「引退勧告」的発言を繰り返しされながらも、委員が病気で退院後顔を合わせると、近寄って声をかけて笑顔で言葉を投げかけるなど、かわいい一面も随所に覗かせた「やんちゃ横綱」だったが、憎めない茶目っ気もあり、人気も実力もあった。

 しかし、伝統と格式?を重んじる「相撲界」にあっては、常に「はみ出し横綱」的存在感が付きまとい、数日前の相撲協会理事選挙では誰に投じたかはわからないが、本人も「相撲界」の改革を信じていただろうに、その新理事会で「引退勧告」的文書と共に、「引退」の引導を託された感じで、「引退」という選択肢しか選ぶことが出来なかったのだろうと推察する。

 「やんちゃ横綱」朝青龍のかわいく、力強い「ガッツポーズ」を多くの相撲ファンは、忘れることはないだろうし、果たして「相撲道」に「品格」が不可欠かどうかも議論が分かれるところだと思うのだが、7年間の「横綱」時代は、間違いなく「大相撲」の看板の一人だったことを思うと、やっぱり残念な気がするのである。

 どの世界でも「型破れの天才」的存在のアスリートはいるものだと思うのだが、日本相撲協会の「伝統と格式」には適応できない面があったとはいえ、自らの相撲の土俵以外の失態で、「引退を余儀なく」された選択を無念に感じているだろうと感じた。

 今朝のマスコミのインタビューでは「まだ相撲を取りたい」と答えていた「朝青龍」だったが、日本のマスコミと旧態依然とした「日本相撲協会」ならびに周辺取り巻きたちなどのプレッシャーに負ける形で、不本意な「引退」宣言となったと推察される、今回の突然の発表であった。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする