goo blog サービス終了のお知らせ 

ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

異教徒をテロと結びつける国

2007年09月12日 | 世界の問題
 今朝はさほど気にならなかった9月11日だったが、仕事の途中に「9.11」が気になりだした。

 2001年9月11日。日本時間の10時近くだったが、その当時のテレビの「ニュースステーション」の途中に飛び込んできた「ビッグニュース」が、後に言う「9.11」と総称される、米国同時多発テロであった。

 ニューヨークのビジネス街マンハッタン島にある、世界貿易センターの高層のツインタワービルに、突然旅客機がぶつかって炎上した衝撃的な映像であった。

 もうひとつのツインタワービルにも、続けて見事に操縦された大型旅客機が突入し炎上し、大パニックとなったのである。

 他にもアメリカ国防省ペンタゴンにも旅客機が突入し、もう一機もテロリストに略奪された上、操縦を誤ったらしく墜落炎上し、多くの旅客機の乗員、乗客が瞬時に亡くなった。

 合計4機の民間旅客機が簡単に?、アルカイダ系のテロリストに乗っ取られて、初期の計画通りの目的地へ誘導、墜落させられたことに驚いたものである。

 失敗したと思われる一機はホワイトハウス、大統領官邸を目指していた憶測も交え、見事な計画の遂行を成し遂げた、アフガラスタンに隠遁していると言われる、アルカイダの総指導者、ビン・ラディン氏の消息と、その指導力が注目を集めた。

 あの忌まわしい「9.11」から満6年が経過した現在、日本では「テロ特措法」の延長問題が、衆参での与野党逆転現象の背景で大騒ぎとなっている。

 本拠本元のアメリカ合衆国では、何と現在はビン・ラディン率いるアルカイダ系のテロリスト探しよりも、国内に多数いる「イスラム系移民」をテロリスト予備軍として捜索する風潮が蔓延し、FBIをはじめとする捜査機関が、テロを未然に防ぐための「おとり捜査」などで、イラム教徒を注視している。

 アメリカ合衆国を自由の国、平等の国として移民してきた、多くのイスラム系移民たちが、とんだとばっちりで、アメリカ国内で生活しにくい状態が増し、閉塞感と共に、多くの不満や反発が生じているらしい。

 すなわち、キリスト教とユダヤ教徒が多いアメリカ合衆国で、政府権力が、たまたま反政府的発言や批判、不満を口にしていたイスラム系の若い青年達を、テロ的行為の遂行予定者として検挙しだしたことから、余計にイスラム教徒たちの不満が増長し、大変な緊張が増していると言うのである。

 結局、ある権力にとって都合の悪い勢力や、異教徒としての民族や人種を、テロという行為の予備軍として差別するという、非人道的傾向が強まっているのである。

 いつの時代にも、こうした差別、抵抗、戦いが、世界中にはあるのだが、世界一の自由と平等を標榜している国、アメリカ合衆国が「イスラム教徒」だけを犯罪者扱いにしている現実は、決して民主的な世界のリーダー国とは言えない蛮行だと言わざるを得ない。

 人は、人種、宗教、身分、性、職種など、あらゆる違いで差別されてはならないものである。

 戦いやテロ的行為は、差別や偏見、そして蔑視から始まるのである。

 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

モンゴルって何処なの?

2007年09月02日 | 世界の問題
 この夏も、モンゴルに行って「心身共にリフレッシュして帰国」と報告すると、大抵の人は、「朝青龍に会った?」とか「向こうではどんな騒ぎですか?」などと質問される。

 その度に、私はモンゴルって言っても、私が20年間ほぼ毎年の様に行っているモンゴルって言うのは、中国の内モンゴルで、あの朝青龍のいるウランバートルを首都とする「モンゴル共和国」とは違いますが、同じ蒙古族のいる遊牧の民が生活する大草原ですと返答しています。

 日本人にとっても歴史上知っているモンゴルは、あの偉大なチンギスハーンが13世紀に築いた「モンゴル帝国」のイメージと「元寇」と称された、日本へのモンゴル族の到来と「神風が吹いて蒙古族の渡来を阻んだ」事等ではないでしょうか。

 現代人にとっての「モンゴル」は、司馬遼太郎、開高健、椎名誠などの作家が紹介するモンゴル国とその民族、大自然、文化、ゲル、草原遊牧生活、モンゴル相撲、ナーダム(草原大祭)などで知られていると思います。

 しかし、巷での話題で登場するモンゴルは、朝青龍を筆頭とする日本の大相撲で大活躍する「相撲力士」の話題と、北海道を中心とする「ジンギスカン」と失礼なネーミングされた「羊料理」が主の様です。

 一体、「モンゴル」とは、どう説明されるべきなんでしょうか。また何処に在るのでしょうか。

 現在の世界の中では、モンゴル族が主に居住している地域は、大きく三つに分かれているといわれています。

 最大の人口を有しているのが、世界一人口が多い国、中華人民共和国・中国であり、内蒙古自治区に約400万人から500万人いて、その他の地域新疆ウイグル地区をはじめとする中国国内に約500万人から600万人いると言われています。

 次に多いのが、所謂「モンゴル国」、すなわち朝青龍、白鵬などの故郷ウランバートルを中心とする「モンゴル共和国」で、かつてはソビエト連邦の政治的、経済的、文化的影響で支配されていた地域で、ソ連崩壊後自主独立した地域で、約250万人から280万人いると言われています。

 そして三つ目の地域が、現在のロシア連邦の、バイカル湖の周辺に居住する「ブリヤートモンゴル族」で、約20万から30万人いるといわれています。

 その他の地域にも、モンゴル系の民族はユーラシア大陸を中心に多く存在していますが、チンギスハーンノ時代に巨大な騎馬民族として大活躍した名残として、現在国名に「○○○タン」と称されている国々、すなわちウズベキスタン、アフガニスタン、キルギスタン等は、モンゴル族の子孫がいる地域で、モンゴル語で「タン」とは、骨の意だそうです。

 世界に巨大な勢力を広げていた「蒙古族」ですが、今は世界の中で知られている様で、なかなか知られていない国と言っても過言ではないのではないでしょうか。

 かつての東西ドイツや朝鮮半島の北朝鮮と韓国の様に分断された「国家」のひとつである事実は、歴然として「モンゴル族」には、大きな課題としてあります。
 

 
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

バイオエタノール燃料

2007年06月10日 | 世界の問題
 俄かに、バイオエタノールが注目を集めている。

 地球温暖化の大きな原因とされる、自動車排気ガスのCO2、二酸化炭素排出抑制のために、Bioethanolガソリンの活用をアメリカをはじめとする先進諸国がやっきになりだしたのである。

 先日まで行われていた先進国首脳会議とやら、俗に言うサミットにおいても、安倍首相をはじめとする各国首脳たちは、自国の産業界の利益を優先することを忘れず、建前論としての「地球温暖化対策」に対する提案や議論をしたとされている。

 この中でも、バイオエタノール燃料の生産拡大を米国では奨励し、自動車産業も、日本車の販売戦略に対して、バイオエタノールの使用が可能な米国産車の販売にシフトチェンジし、普及に努めていることがわかった。

 しかし、一方でバイオエタノールと称される、アルコール燃料は、サトウキビ、大麦、とうもろこし、大豆などの植物性資源から、グルコースなどを発酵させて作られるので、石油、石炭などの化石燃料から生じる二酸化炭素と違って、カーボンニュートラルと呼ばれる、植物の成長過程で光合成で吸収した大気中の二酸化炭素と相殺されて、循環し総量に変化がないとされているのである。

 しかし、生産、生成蒸留過程では、別な熱源が必要なために、若干の二酸化炭素の発生があると言われている。

 このようなバイオエタノールが注目を集めて、アメリカをはじめとする大農場での生産者にとっては、食用農産物としての出荷よりも、エタノール燃料のための出荷の方が価格的にも有利ということで、大規模なエタノール生産のための農業経営に切り替えるところが出ているのである。

 また、ブラジルを中心とするアマゾン流域では、大規模な森林伐採がなされつつあり、サトウキビやトウモロコシ、麦などの大規模生産が、エタノール燃料のためにされつつあるのが現状である。

 そんなことから、これらを原料とする砂糖や小麦粉や、それらを利用している麺類、ジュースなどの食品の価格が品不足で高騰しているのである。

 アメリカでは、トウモロコシを餌としている鶏や牛が生産する卵や牛乳が高騰した。

 日本でも、輸入に大半を頼っている小麦粉の価格があがり、マヨネーズや全ての食品、加工品に影響が出だしてきている。

 メキシコでは、タコスの生地なのに使われているトウモロコシの高騰で、抗議デモが各地で起きているという。

 2007年度以内に、全世界で販売されている食品の9割が値上がりする可能性があるとされているらしい。

 この背景には、やはりアメリカの農業振興策と自動車産業の巻き返しという、世界的陰謀が、「環境」という隠れ蓑の裏で、ビジネスチャンスとして進行しているのである。

 日本では、沖縄県をエタノールの実験場として、サトウキビ生産地を活用しての試みが政府の支援で急速に始まっている。何か可笑しなことになりつつある。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「不都合な真実」

2007年06月06日 | 世界の問題
 「不都合な真実」って聞いて、皆さんは何を連想されるでしょうか。

 実は、ご存知の方も多いと思いますが、昨年アメリカで制作され、日本では今年の一月に公開された、元アメリカ副大統領アル・ゴア氏の「地球温暖化問題」に対する講演の様子を中心に、彼自身の生い立ちから過去と現在の地球環境の変化を描いたドキュメンタリー映画のタイトルなのである。

 しかし、この「不都合な真実」というキャッチ言葉の迫力とテンションは、いろんな世界中の場面や、人たちに通じる「鋭いキャッチ」なのである。

 昨夜のテレビに、小泉純一郎前自民党総裁、首相がマスメディアの前に久しぶりに登場し、ラフなスタイル、クールビズ姿で、首相引退後に力を入れたいことは、「環境問題」であると語っていたのである。

 私は、とっさに「不都合な真実」を映画化し、センセーショナルな話題を提供はしたが、結局はアル・ゴア氏が資産運用を託している、ヘッドファンド「チューダー・ジョーンズ・インベストメント」が、資産の16%を「代替エネルギー関連銘柄」に投資し、映画及び本、原作によって上昇した関連株を、昨年の11月から売却し、多額の利益を上げたとされる情報を思い出したのである。

 何故かと言うと、政治家、いや政治屋さんたちの考えることが、やはりどこかで金儲けに繋がっているという、ほとんど紛れもない事実に随所で遭遇しているからである。

 どうも胡散臭いのである。

 あの「規制緩和」や「構造改革」を叫んでいた元首相が、今になって、「環境問題」に取り組むなんて。

 実は、隣の町の枚方市で、現在大問題になっている「大型清掃工場」の談合入札に絡む贈収賄事件に、警察幹部や議員、そして副市長が絡んでいたという疑いで、逮捕が相次いでいるのである。

 大阪府警の「談合防止」のためにと近づいた警察官が、実は大手ゼネコンとの「談合」の取りまとめ役を担っていたらしく、市長にも「談合防止のプロ」として近づいていたらしいのである。

 「地球環境」の危機的「温暖化」の問題の真実が迫っていることも事実だが、その背景で、各国、企業が、脱温暖化を目指して、新たな利益と利害の競争を始めているわけである。

 枚方第二清掃工場も、中司枚方市長によれば、最先端の焼却炉と排出ガス規制が出来る工場建設をするとの決意だったのだが、その決意の裏に暗脈する、「利権」が、今回の大林組、警察、行政というトライアングルでの、巨額の税金を無駄にする、「入札談合」であったらしいのである。
 
 65億円もの税金支出が、落札率98%以上で工事請負として落札されていたのである。

 一般的な努力をしての落札率として、80%となっていたとしたら、10億円以上が無駄にはならなかったのである。

 贈収賄として、今のところ公表されている4000万円など、ちょっと頭を使えば、ぼろいもんなのである。

 「不都合な真実」は、たくさん存在している。誠実に働き、汗している多くの労働者の苦労とは裏腹に、たくさんの「不誠実」が存在しているのである。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

6月4日は何の日?

2007年06月04日 | 世界の問題
みなさん!!6月4日、今日は何の日ですか?

平和な?日本の日常の中では、「虫歯予防デイ」なる、6,4を「むし」と呼んで、子供たちをはじめ、大切な歯を虫歯菌から守ろうと呼びかける日となっています。

 しかし、私の記憶に鮮明なのは、1989年6月4日に起きた、「中国天安門事件」です。

 ただし、この6月4日は、第二次天安門事件と呼ばれていて、1976年の4月5日に、周恩来が死亡した時に発生した天安門事件を第一次と称している。

 18年前に発生した、第二次天安門事件は、私には衝撃的な事件であり、テレビ映像で全てが伝わったわけではないが、学生、知識人、労働者達が民主化を求めて運動し、漢民族の王丹、柴玲、ウイグル族出身のウーアルカイシ等が指導したとされている。

 天安門広場では、胡耀邦の追悼集会を契機に、1989年4月頃から、学生達が民主化を求めてストライキを始めていたのだが、全国的な広がりに発展し、天安門広場でカンパを集め始め、天安門広場に政府に物申す人民達が集まりだしたのである。

 そこで、中国政府は6月4日に、人民解放軍を天安門広場に出動させて、デモの鎮圧をはじめたのである。

 武力弾圧をしようとする戦車の前に、ひとりの若者が飛び出して威圧して、その戦車が進めずに戻っていく映像が、中国国内だけでなく、全世界に配信されたのである。

 全世界に、天安門事件の経過が報道されて、世界各国が中国政府を非難し、ヨーロッパ諸国は、対中兵器輸出を禁止するなどの措置がなされ、中国国内では、当時の中国共産党総書記であった、ショウ紫陽氏がデモ隊に同情的な発言をしたことで、失脚したのである。

 この天安門事件は多くの謎の部分もあり、死傷者が多数でたと思われるのに、当時は数名とされ、後に中国政府の発表では死者が319名だとされた。

 この事件の最大の衝撃は、人民解放軍と言う名の人民を守るべき「中国軍」が、自国民を戦車や銃で殺戮したということであった。

 聞くところによると民主化を求める学生、人民を前に、人民解放軍の先頭に立たされたのは、何と北京を中心とする標準語の中国語を話さない、モンゴル出身の人民軍の兵士だったという。

 そして、残虐な殺戮が繰り返されたという現実は、現在もインターネット上の写真の数々や、亡命した民主化指導者の証言などによっても明らかだが、中国政府は口をつぐんで、ネット上のチェックや検索に神経を尖らせている。

 明らかな人権侵害があり、国際的にも多くの非難がなされたが、中国政府はほとんどコメントせず約20年が経過して、来年北京オリンピックを開催するに至るのである。

 中国の民主化、人権尊重、一党独裁からの解放などは、何時になったら実現されるのであろうか。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

涙の再会を果たしたスキー選手

2007年03月01日 | 世界の問題
 昨日、2月18日に、韓国ソウルからのニュースに、昨年のトリノオリンピック、スキーモーグルで銅メダルを獲得した、韓国系米国人、28歳になるドビー・ドーソン選手が、26年ぶりに実の父親である金ジェスさん、53歳と涙の再会をしたと伝えた。

 私は毎日新聞を通して、このとっても喜ばしいニュースを知り、今朝の朝刊の記事に感動すら覚えたのである。

 彼は、昨年のトリノ五輪に米国代表として参加し、フリースタイル男子モーグル競技で豪快なエアを決めて3位に入賞したのだが、ゴールした瞬間にゴーグルをはずして「僕の顔をしっかりと見てくれ!」と世界を転戦するワールドカップをはじめとする競技に出場しながら、幼い頃に生き別れになった実の両親を探したいと思っていたらしい。

 彼は3歳の時、81年に韓国釜山の混雑した市場で離れ離れになり、警察署の前に置き去りにされた格好で、児童養護施設に半年暮らした後、米国人でコロラド州でスキー教師をしていた夫妻に養子として引き取られ、「五輪に出れば、親が名乗り出てくれるかもしれない」とスキーに専念し、最高の舞台に立ったのである。

 韓国の聖職者協会の里親制度をきっかけに米国の養父母に引き取られたのだが、最初の頃は英語もわからず、泣いてばかりだったそうである。

 養父母がスキーを教え始めて、見違えるようにたくましくなり、「スキー仲間のなかでもリーダー的存在にまでなった」養母のデボラさんは語っている。

 14歳まではアルペンスキーやアイスホッケーをしたいたらしいが、1.68cmの小柄な体格でもあったので、モーグルに専念するようになったそうである。

 「実の両親を探すため」に「絶対ワールドカップや五輪に出たい」と分厚い選手層のアメリカチームの中で、見事4人の出場枠をつかんで2006年2月15日に、その気持100%を発揮して、迫力あるすべりで3位の栄冠、銅メダルを獲得したのである。

 韓国のテレビ局や各国の記者に囲まれたドーソンさんは、「両親もテレビで観てるかも知れない」と思って心境を語ったそうである。

 10代の頃は、自分のアイデンティティで悩み、そのたびに踏み誤りそうな人生を修正してくれたのはスキーだったと彼は語り、孤児院で名づけられた「スチョル」をミドルネームにして、故国への郷愁も忘れなかった。

 米国のオリンピック委員会のホームページを通じても実の親を探していたドーソン選手の願いが叶って、再会にこぎつけられたのである。

 父は「私が悪かった。すまない」と涙で謝罪したが、息子は「謝ることは何もない。再会できたことが素晴らしい」としっかりとお互いが抱き合った写真がロイター通信から新聞紙上に載った。

 バス運転手だった父は、「26年前は家計が苦しく、見失ってから孤児院を探し回ったが、あきらめてしまった。立派に成長してくれて良かった」と語り、息子は「責めるために来たのではなく、笑顔を交わすために韓国に来た。父のもみ上げは自分とそっくりだ」と語ったと伝えていて、ほんと「ええ話」の少ない昨今に感動のエピソードとなった。

 

 
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

六カ国協議が合意?

2007年02月13日 | 世界の問題
 今夕のテレビニュースも新聞夕刊も大々的に、「北朝鮮核問題」を巡る六カ国協議が北京での米朝などの二国間協議で合意に達し、議長国である中国が核放棄に向けた合意文書の最終案を各国に提示し、各国も合意に同意して、正式合意がされる見通しと報道した。

 これは素晴らしいニュースなのだろうか。私にはどうも胡散臭い匂いが漂う、国際外交の間で、隠れた米国と北朝鮮との裏約束のようなものがあると思えてならないのである。

 最終案は、初期段階として、北朝鮮は核施設閉鎖と国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れることを明記し、その見返りとして北朝鮮に重油5万トンを提供することになっている。

 さらに核施設の不能化措置をとった段階で、重油百万トンの提供に相当するエネルギー、経済支援を提供することにしており、六カ国が五つの作業部会を設置すると合意したとされている。

 よーく考えてみれば、六カ国協議の米国、ロシア、中国は既に歴然とした核保有国であり、彼らにしてみれば北朝鮮が核保有を断念すれば、他の経済援助、特に北朝鮮が求めている「金融緩和」と称される、北朝鮮マネーの規制緩和が約束されているように思うのである。

 金正日北朝鮮朝鮮労働党総書記は、何を一番望んでいるのであろうか。自分と家族一族郎党の身の安全と豊かな生活の保障であり、北朝鮮全土で飢えや生活苦で苦しむ人民全ての幸せや生活を保障しようなどとは考えていないはずである。

 所詮、人間の権力欲と人間的他のあらゆる願望や欲望は、国家元首と言えども、国民の犠牲の上で、自分達の虚勢が成立しているなんては考えていないと思われるからである。

 日本は、この六カ国協議でほとんど実質的な協議に参加していたとは思えないし、北朝鮮側からすると、日本はアメリカの属国であり、実質的な協議する相手ではないし、すぐに「拉致問題」をテーブルに載せようとするので、彼らには対応したくない相手国となっている。

 日本の経済制裁などは、実質的にはザル状態であり、新潟港への北朝鮮船舶の入港は、昨年10月から禁止されているが、北朝鮮との行き来に、多国籍の船舶が多く利用されていて、第三国の船が北朝鮮経由で頻繁に寄港している事実が確認されている。

 すなわち、日本の北朝鮮への経済封鎖や高級品などの輸出禁止措置などは、表面的なものであり、北朝鮮にとってはほとんど影響がないのかも知れない。

 また10ヶ月ぶりに日朝会談がされたらしいが、拉致問題はまたしても解決済みとする北朝鮮側の対応に終始し、何らの進展も見られなかったようである。

 つまり、今回の六カ国協議は、日本も参加だけはしているが、実質的には日本に何の成果も無く、米朝が中国の仲介で、一定の取引をしたに過ぎない、茶番劇ではなかったのだろうか。

 またもや、北朝鮮の思う壺、言いたい放題、やりたい放題に、アメリカが妥協しただけの成果ではなかったかと、大いなる危惧と疑惑を感じている。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鬼は外・・・?(二つの失言)

2007年02月03日 | 世界の問題
 一昨日から少しだけ「冬日」を感じるような冷えと小雪が舞って、ちょっとだけ冬を実感し、昨夜の満月は冬の月らしく凛とした姿で、見る我々の気持をもシャンとさせてくれる素晴らしい月であった。

 一夜明けて、節分となった。一年中で一番寒いと一般的には言われている「節分」ではあるが、コンビにもスーパーも何故か「恵方巻き」とやらの、巻き寿司の丸がじり用の商戦で熱くなっているようである。

 お昼頃、お邪魔した八百屋のお客さんの奥さんは、今日は「巻き寿司」を25本ほど巻かなければならないので大変だと言いながら、ご近所に住む中国からの職場への研修生の女性たちと共に、楽しんで「巻き寿司づくり」をされていた。

 中高年世帯になると、子どもたちも各々独立し、家族団欒と言っても、夫と妻のふたりだけになっている家庭が多くて、食べる量もしれているので、我が家も生協で、ハーフサイズの「海苔巻き」の具の違う5本セットを購入してきた。

 何時からか海苔屋か寿司屋の陰謀に乗せられて、「恵方巻き」などという習慣が商売人によって企てられて流行りだし、いまや節分と言えば「恵方巻き」とテレビも新聞も書きたてているのである。

 ちょっと前までは玄関先に「いわしとヒイラギ」を飾って、鬼を追い払う象徴的な飾りをつけた家もあったが、最近は全く見ないし、近所からの「鬼は外!、福は内!」の豆撒きの掛け声すら、あまり聞こえてこなくなった。

 これも少子化や高齢化の結果かもしれないが、少し寂しい感じである。

 一方、政界は「失言問題」で賑やかで、柳沢厚生労働大臣の「女は子どもを産む機械」発言は、とんでもない本音発言として、謝れば済むと言った発言ではなく、確信犯として、子育て支援や男女参画社会実現への担当相としてはお粗末過ぎる。

 また久間防衛大臣の発言については、米国が苦言を呈していると言う。

 「イラク戦争は、最初から大義名分なき誤った戦争だ」との認識を、何とブッシュ大統領が、年頭の演説でイラクへの更なる増兵の方針を語った日にメディアに載ったものだから、タイミングの悪さもあって、米国側は機嫌が悪いらしい。

 しかし、この久間発言に関しては、一種の失言と報道されているが、私は大いに結構な発言だと歓迎している。

 日本は小泉前首相が、アメリカに追従する日米同盟とやらを笠に、全く批判無く「イラク戦争」に加担して行った政策に対しても、自己批判する内容も含んでおり、今後のアメリカ追従一辺倒ではない、日本の主張として大いに語ってほしいと願っている。

 日本の防衛大臣が、アメリカの軍事的政策を、事後とは言え正々堂々と批判したことに、少しは久間発言の意義があると私は観ている。

 米国の国民の約6割強の人々が、いまやイラク戦争の大義はなく、早く米軍を撤退さすべきと感じており、ベトナム戦争の二の舞は踏むなと警告を発している状況の中で、現職の日本の防衛大臣が、同様の発言をしたことは意義あることである。

 いつも批判ばかりが多いが、この失言には大賛成である。

 「鬼は外!福は内!」誰が鬼で何が福なのか、ほんとに分らぬ時代になっている。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いじめはなくならない。

2007年01月11日 | 世界の問題
 昨年から再び「いじめ」がマスコミを中心として大々的な問題としてクローズアップされている。

 昨日も男子小学生が学校のトイレで自殺し、また「いじめ」を苦にした自殺かと話題になっている。

 今朝、今年88歳になられる元裁判所勤務のご高齢の方とお話していると、この「いじめ問題」も話題になった。

 彼曰く、「いじめはなくならない」人間は本質的に「いじめ、いじめられる存在なのだ」とおっしゃるのである。

 確かに私も「いじめ」がなくなるとは思わないが、幼い子供達の「いじめ」の現象に気づいた大人たちは、子ども達と共に、いじめられることの苦痛や悲しみを分かち合える様に話し合う必要はある。

 何故、「いじめはなくならない」かと言うと、ヒトという生物は特に「心でものを考える」が故に、自分に都合のいい「自我」を全うするために、他者や周りの環境を常に自分の優位に持っていく、自分の存在感を示しながら、自分を守る性がある生物なのである。

 だから、子ども達に「いじめは良くない」と言えても、大人自身がいじめの蔓延する社会で働いたり生活している姿や言動を、子ども達は見聞きしながら、「生き方」を学んでいることになるのである。

 すなわち、先生や大人たちは「いじめたらアカン!」と言いつつ、校長、教頭ら管理職や教育委員会から「イジメ」られていたり、会社や地域で多種多様なイジメを経験しているのである。

 たぶん有史以前から人間が共同生活を始めると、何らかな優位性や隷属性が生じて、いつのまにか当たり前の主従関係や上下関係が生まれて、その両者間に「いじめ」の本質が蓄積していくのである。

 ただ、そうした人間の本質と言うべきか性をストレートに表現したり行動に移す幼少期から成人に至る過程で、顕著に見え隠れする「イジメ」が露呈しているのである。

 一方で大人の「イジメ」体質は、誰しもが気づいてはいるが、組織や企業の営利や目標のために、多くは我慢し忍耐しつつ「当たり前」の如く見過ごしたり、気にせず過ごしているに過ぎないのである。

 行政への提言や議論を主にすべき議会機能の中にいる議員たちの大人集団にも、明らかな「いじめ」や「嫌がらせ」「嫉妬」「面子」が存在していて、驚くばかりの実態が時折露呈するものである。

 テレビや新聞で語る教育関係者や政治家たちは、「いじめている君たちへ」「いじめられている君たちへ」とそれぞれ各々のメッセージを送っているが、ほとんどが美辞麗句であり、上辺の否定論に過ぎない。

 誰もが「いじめ」をなくしたいが、いじめはなくならない。だからこそ小さないじめに気づいたら、時間を作って話し合い、お互いの心を包み隠さず語って、少しでもお互いが理解できるようにする努力は必要である。

 相性が合わないとか気に食わないことはあるだろう。でも相手を攻撃したり苦しめても、何にもならない。自分が優位に感じるのは心の中だけでいいのである。

 
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

X’MASに死刑執行!

2006年12月25日 | 世界の問題
何とクリスマスの日に、日本では法務省が死刑囚4人の死刑執行を発表した。

 死刑執行を巡っては世界的に多くの議論があることは否めないが、よりによってクリスマスに死刑を執行する日本という国は、こんな時だけ「法治国家」だと胸をはるのである。

 本当に法治国家なら、憲法違反の自衛隊という名の軍隊も持たないだろうし、国会議員の有権者に対する人数の格差も違憲状態を許さないし、昨今多数露呈している法や条例の執行者であるべき、公務員の違法行為もなくなるだろう。

 この「死刑執行」だけが、時の法務大臣の執行命令によってなされるために、小泉内閣時代の杉浦正健前法務大臣は、就任の際の記者会見でも個人的心情を語った上で、任期中の命令書署名はせず、9月に退任した。

 続く安倍内閣で法相に任命された長勢甚遠氏が就任後はじめて署名したものだが、一日に4人の死刑を執行したのは、97年8月以来の9年ぶりだとのことである。

 この時処刑された「永山則夫死刑囚」は昭和43年10月の連続射殺事件で有名であり、平成2年、1990年に死刑確定後7年後に処刑されたこととなる。

 つい最近で記憶に新しい死刑執行は、大阪池田小学校で小学生児童を殺傷し、早く死刑にしてくれと願ったと言われている、宅間守死刑囚で、2001年6月の事件後、2003年9月に死刑が確定し、2004年9月に死刑が執行されている。

 国際的な人権団体である「アムネスティ・インターナショナル日本」は、「死刑の執行に対して強く抗議する。国会閉会中を選び、本人や家族にも事前の予告なしに行われた」「日本が死刑廃止する一歩を近い将来に踏み出すことを期待する」との声明を出している。

 全世界的に観ても、現在死刑制度を存続している国の方が圧倒的に少なくなってきており、アメリカでも死刑制度はあるが死刑執行は極端に少なくなってきているといわれている。

 世論調査でも、第一級殺人の被告に対する刑罰について、死刑か仮釈放のない終身刑かと尋ねると、終身刑支持派が死刑支持派を上回る結果が出たと報告されている。

 米国では死刑が1976年に合憲だとの連邦最高裁の判断で、死刑が復活したのだが、死刑制度があるのは38州で、執行方法は薬物投与がほとんどだと言われている。

 日本の死刑執行は未だに絞首刑だとされていて、戦前からの死刑制度が存続し、国家権力による「法的刑罰」として野蛮な「絞首刑」が執行されているのである。

 東京、大阪、広島で4人の死刑囚の死刑執行がなされても、強盗殺人などの罪に問われた「人間の命」がこの世からなくなっただけで、世の中は全く変わらない。

 クリスマスの夜、キリストイエスが誕生したという日に、悲しい野蛮なニュースである。

 
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする