ガリバー通信

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X’MASに死刑執行!

2006年12月25日 | 世界の問題
何とクリスマスの日に、日本では法務省が死刑囚4人の死刑執行を発表した。

 死刑執行を巡っては世界的に多くの議論があることは否めないが、よりによってクリスマスに死刑を執行する日本という国は、こんな時だけ「法治国家」だと胸をはるのである。

 本当に法治国家なら、憲法違反の自衛隊という名の軍隊も持たないだろうし、国会議員の有権者に対する人数の格差も違憲状態を許さないし、昨今多数露呈している法や条例の執行者であるべき、公務員の違法行為もなくなるだろう。

 この「死刑執行」だけが、時の法務大臣の執行命令によってなされるために、小泉内閣時代の杉浦正健前法務大臣は、就任の際の記者会見でも個人的心情を語った上で、任期中の命令書署名はせず、9月に退任した。

 続く安倍内閣で法相に任命された長勢甚遠氏が就任後はじめて署名したものだが、一日に4人の死刑を執行したのは、97年8月以来の9年ぶりだとのことである。

 この時処刑された「永山則夫死刑囚」は昭和43年10月の連続射殺事件で有名であり、平成2年、1990年に死刑確定後7年後に処刑されたこととなる。

 つい最近で記憶に新しい死刑執行は、大阪池田小学校で小学生児童を殺傷し、早く死刑にしてくれと願ったと言われている、宅間守死刑囚で、2001年6月の事件後、2003年9月に死刑が確定し、2004年9月に死刑が執行されている。

 国際的な人権団体である「アムネスティ・インターナショナル日本」は、「死刑の執行に対して強く抗議する。国会閉会中を選び、本人や家族にも事前の予告なしに行われた」「日本が死刑廃止する一歩を近い将来に踏み出すことを期待する」との声明を出している。

 全世界的に観ても、現在死刑制度を存続している国の方が圧倒的に少なくなってきており、アメリカでも死刑制度はあるが死刑執行は極端に少なくなってきているといわれている。

 世論調査でも、第一級殺人の被告に対する刑罰について、死刑か仮釈放のない終身刑かと尋ねると、終身刑支持派が死刑支持派を上回る結果が出たと報告されている。

 米国では死刑が1976年に合憲だとの連邦最高裁の判断で、死刑が復活したのだが、死刑制度があるのは38州で、執行方法は薬物投与がほとんどだと言われている。

 日本の死刑執行は未だに絞首刑だとされていて、戦前からの死刑制度が存続し、国家権力による「法的刑罰」として野蛮な「絞首刑」が執行されているのである。

 東京、大阪、広島で4人の死刑囚の死刑執行がなされても、強盗殺人などの罪に問われた「人間の命」がこの世からなくなっただけで、世の中は全く変わらない。

 クリスマスの夜、キリストイエスが誕生したという日に、悲しい野蛮なニュースである。

 

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1 コメント

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Unknown (ima)
2006-12-25 21:47:31
人間性への 挑戦ですね。 クリスマスに死刑執行。

アンタは人を殺したのだ と法務大臣に知らしめるべきです。
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