先日の茶事の薄茶席の茶杓。
銘は「時鳥」です。
この時鳥、仮名で書けはホトトギスですが、
漢字にすると様々な表記がありますね。
杜鵑、杜宇、蜀魂、不如帰、時鳥、子規、田鵑など。
中国の故事から来ている表記あり、
かっこうに似ているから「郭公」というのも。
そう、あの正岡子規の子規は、
結核で病弱だった自分とホトトギスを重ね合わせたとか。
私も若いころ、「泣いて血を吐く時鳥」という語句に、
無性に惹かれたこともありましたっけ。
ほととぎす鳴きつる方を眺むればただ有明の月ぞ残れる
こんな歌や、
目に青葉山ほととぎす初鰹
こんな歌もあり。
一つ一つの表記の謂れを探るのも楽しいです。
私は単純に「時鳥」が好きですが。
そして「夏は来ぬ」の歌詞にある、
ホトトギスの初音「忍び音」という表現も。
そんな爽やかな時期も過ぎて、そろそろ梅雨入りの声も聴かれますね。