「松風庵日記」 心はいつもお茶日和  

後半の人生の楽しみ方見つけましょう!

五月の香り

2018年05月06日 | 日記

「庭の薔薇です。」と、たくさんの薔薇を頂きました。
みな違う薔薇で、それぞれがその美しさを誇っているようです。

すぐに薔薇にはこれと、花持ちのよい備前の花瓶に挿しました。
花映りも良くて、備前の器と薔薇の相性は抜群です。
五月の香りが、広がっていきます。 

ほのかに鼻をくすぐる薔薇の香りに、
青春時代の思い出「リルケの詩」がよみがえります。

薔薇のトゲで命を落とした詩人リルケは、私の青春なんですよ。
薔薇の花束を抱いて、リルケのお墓に・・・なんて夢もね。
彼の詩や、墓碑銘となっている言葉が、懐かしいです。


薔薇の内部
           ライナー・マリア・リルケ
       

どこにこのような内部を包む
外部があるのだろう。どのような傷に
この柔かな亜麻布はのせるのだろう。
この憂い知らぬ
咲き切った薔薇の花の
内湖(うちうみ)にはどこの空が
映っているのだろう、ごらん、
薔薇はただそっと
花びらと花びらを触れ合わし
今にも誰かの慄える手に崩されることなど知らぬかのよう。
花はもうわれとわが身が
支え切れぬ。多くの花は
ゆたかさあまって
内から溢れ、
限りない夏の日々の中へと流れ入る、
次第次第にその日々が充ちた輪を閉じて、
ついに夏全体が一つの部屋、夢の中の
部屋となるまで

 と、こんな風に今日は薔薇に浸ります。

 

そうそう、もう一つ浸っているもの。

いちご狩りのお土産にいただいた「いちご」です。
この香りと味も、十分に堪能しました。
もしかして、
今はもう花より団子になっている自分がさびしかりけれ・・。

コールデンウィークも終わりました。
静かにお茶三昧をして過ごした私の元にも、
幸せなことに、
五月の息吹は薫風とともに、この様にしてちゃんと届けられました。