「松風庵日記」 心はいつもお茶日和  

後半の人生の楽しみ方見つけましょう!

タワーマンションでの茶事に

2018年10月02日 | お茶三昧

先日の台風の翌朝のキンモクセイの絨毯です。
風の強さはやはり最大級でしたね。

ベランダの植木鉢も、背の高いものが倒れて壊れていました。
小さくて軽そうな物が全く平気という、
人の世にも似て、やはり大きなものほど風当たりが強いのですね。

台風を挟んでの四日間、目まぐるしく過ぎました。
楽しい事に参加、心配なことの処理、
そしてやらなくてはいけないことを片付ける・・
それらが皆めどが付き、やっと一息です。

日曜日に、台風が迫る中、社中の方のお茶事に招かれて出かけました。
主催者の方から、台風の心配もされましたが、
主客とも、一期一会の覚悟を持って、
招き招かれの役目を果たしました。

限られた環境の中で、いかに工夫して茶事のお招きができるか、
そんなことに挑戦して、とてもシンプルで清々しい茶事でした。
都会のタワーマンションの一室、客は三名。

テーブル席でのお懐石。


目の前のカウンターキッチンで作られるお料理が、
静々と運ばれて、一日一組限定の、
高級お料理やさんで頂いている気分でした。

懐石の後は場所を移して、
お炭手前を拝見し、中立ちはベランダで。

ベランダからは日枝神社や首相官邸まで眺められました。
高い場所からの見事な眺めに興じてしまいました。
洋室に絨毯を敷いたお席で、濃茶を頂きました。
部屋の造りを上手に工夫してのお点前でした。


薄茶はテーブル席に戻り、立礼で頂きました。

掛物もお花も、お道具も、
モダンさと古さが心地よく溶け合っていて、
これ見よがしな感じのしないところが、
ご亭主の人柄を感じさせました。

お手伝いの方の、サポートが、
さりげなく静かに、亭主の陰となって、とても素敵でした。

稽古を始められて十数年。
一から教えて差し上げた社中の方が、
このようにしてお茶事に招いてくださるまでにと、
しみじみとした喜びがこみあげてきました。

自分らしい自分に合ったお茶を楽しんでいただきたいという、
私の一番の願いをかなえてくださいました。
準備をする中でたくさん勉強したこと、
大変さ以上の喜びも味わえたこと、
そして次への課題を見つけられたであろうこと、
みな、宝物になったことと思います。

家に帰り着くまで、台風は到来を待っていてくれました。
これもまた良い思い出になりました。