先日の台風の翌朝のキンモクセイの絨毯です。
風の強さはやはり最大級でしたね。
ベランダの植木鉢も、背の高いものが倒れて壊れていました。
小さくて軽そうな物が全く平気という、
人の世にも似て、やはり大きなものほど風当たりが強いのですね。
台風を挟んでの四日間、目まぐるしく過ぎました。
楽しい事に参加、心配なことの処理、
そしてやらなくてはいけないことを片付ける・・
それらが皆めどが付き、やっと一息です。
日曜日に、台風が迫る中、社中の方のお茶事に招かれて出かけました。
主催者の方から、台風の心配もされましたが、
主客とも、一期一会の覚悟を持って、
招き招かれの役目を果たしました。
限られた環境の中で、いかに工夫して茶事のお招きができるか、
そんなことに挑戦して、とてもシンプルで清々しい茶事でした。
都会のタワーマンションの一室、客は三名。
テーブル席でのお懐石。
目の前のカウンターキッチンで作られるお料理が、
静々と運ばれて、一日一組限定の、
高級お料理やさんで頂いている気分でした。
懐石の後は場所を移して、
お炭手前を拝見し、中立ちはベランダで。
ベランダからは日枝神社や首相官邸まで眺められました。
高い場所からの見事な眺めに興じてしまいました。
洋室に絨毯を敷いたお席で、濃茶を頂きました。
部屋の造りを上手に工夫してのお点前でした。
薄茶はテーブル席に戻り、立礼で頂きました。
掛物もお花も、お道具も、
モダンさと古さが心地よく溶け合っていて、
これ見よがしな感じのしないところが、
ご亭主の人柄を感じさせました。
お手伝いの方の、サポートが、
さりげなく静かに、亭主の陰となって、とても素敵でした。
稽古を始められて十数年。
一から教えて差し上げた社中の方が、
このようにしてお茶事に招いてくださるまでにと、
しみじみとした喜びがこみあげてきました。
自分らしい自分に合ったお茶を楽しんでいただきたいという、
私の一番の願いをかなえてくださいました。
準備をする中でたくさん勉強したこと、
大変さ以上の喜びも味わえたこと、
そして次への課題を見つけられたであろうこと、
みな、宝物になったことと思います。
家に帰り着くまで、台風は到来を待っていてくれました。
これもまた良い思い出になりました。