「松風庵日記」 心はいつもお茶日和  

後半の人生の楽しみ方見つけましょう!

好きなお釜で

2014年01月21日 | お茶三昧


「先生!この炉縁、早くしまってください。」
一月の稽古も二週目を過ぎたころ、こんな声が。
傷つけそうで心配なのだそうです。
「お正月くらいいいでしょう。」というのですが。

そういえば今週末の初顔合わせの茶会は、長板でお点前をと思っているので、
その稽古をしているのですが、
塗りを気遣って水指の蓋を恐る恐る置いています。

その気持ちもわかりますが、
扱いやすい気楽な道具でばかりやっていると、
注意深く扱う気持ちが育たないと思う親心なのですけど。

炉の釜は、小間で使う柏葉姥口釜です。
口の形の関係で、柄杓のかけ方が違うので、
これも練習のために出してきました。

私の大好きな釜で、木越三右衛門造りです。
初代「宮崎寒雉」の弟子で、とても腕の良い職人だったと聞きます。
ですからこれは江戸時代のものです。
縁あって私の手元に来てから五年。
味わいを増すように毎年出しては使っています。
釜肌が少しずつ変化していくのを楽しみにしているのです。
和ずくという砂鉄から採った鉄で作った昔の釜は、
風合いも良く、錆びにくい。
でも細工はとてもしずらいようです。
誰かが引きついて使っていただけるように、
大切に育てていきたいなと思っています。

「なにも姥口でなくて、爺口でもよかったのに」
と言ったりしましたが、
やはりこの口のすぼめ方は姥口でしょうかね。
今は入れ歯が発達していますから、
こんな口になるおばあさんも少ないと思いますが。

終わりはこんな話でごめんなさい。




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