GRASSの日々折々

馬好きフォトグラファーが綴る日々の1ショット。

冬の調教

2008年01月18日 | 馬徒然
遠野は乗用馬生産で名が知れた土地。でも競走馬の休養地、育成地として施設が整い、ここで休養したスズカフェニックスが高松宮記念(GI)を勝っている。

競走馬を預かるということは、とても厳しい仕事だと思う。
冬のある日の午後、雪が積もるコースをウォーミングアップしている馬たち。MS遠野、そしてグランド牧場さんの馬たちである。
天候は関係ない、休養している現役馬やデビューを控えた馬たちが日々トレーニングしている。厩舎では健康に留意し、馬房を清潔に保ち、飼料を調整し、調教ではタイムや個々の馬の細かなデータをとる。
スタッフたちの仕事は次から次へ。でも彼らは実にきびきびと仕事をしている。その表情に曇りのない誇りすら感じる。

フェニックスの妹や弟が休養に来ていた。
地道な日々の仕事の積み重ねが、馬たちの晴れ舞台の土台を築いていく。
それは、乗用馬も競走馬も同じなのではないだろうか。
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大切な宝

2008年01月17日 | 遠野の馬
生産者のOさんと一緒に、Nさんの家を訪ねて馬を見せてもらった後、お茶をごちそうになった。
外は氷点下なのに、部屋いっぱいに暖かな陽射しが入り込む。ガラスの向うは一面の雪景色。夏には緑あふれる田んぼが拡がっているにちがいない。

1枚の写真が目に入った。馬房の前で家族が集うとても素敵な写真だった。家族に囲まれた馬が綺麗だったのでNさんに尋ねると、Nさんが現在飼っている馬の母馬なのだという。
Nさんは、馬の生産50年のベテランである。現在は2頭の繁殖牝馬を持っていて、1頭は外国産の優秀な肌馬、セリでは産駒が高値で売れる。もう1頭は、写真に写る馬の娘。昔ながらの南部駒の面影が残る半血の牝馬は毎年確実に子を産むが、決して値段は高くない。けれど昨年生まれたその馬の娘を、Nさんはセリに出さずに繁殖牝馬として手元に残すことにしているという。父馬は乗馬の世界では名の知れた名馬である。

遠野ではひと昔前は、在来の肌馬にアングロノルマンやブルトン種が交配されたというが、現在は乗用馬の種馬がほとんどである。セル・フランセ、ウェストファーレン、アングロ・アラブ、そしてトラケーネン・・・。
けれど時代が移り種馬が変っても、大切に育ててきた肌馬の血は大切に守っている。遠野にはそういう人が多い。馬たちもそれがわかっているのか、毎年確実に子を送り出す・・・。

馬産を続けるとは、そういうことなのだと思う。





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遠野の寒立馬?

2008年01月16日 | 遠野の馬
遠野の当歳馬の越冬放牧地は、南向きで日当たりもよく、積雪量も少ない。それでも地吹雪が起きると、馬たちはあわてて建物の影に集る。ぼうぼうの冬毛は凍り付いて固まっている。
まるで、北海道の森林に生きるどさんこや、下北半島の寒立馬みたい。
今年は22頭が入厩している。どの子も無事に育ちますよう。

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地吹雪

2008年01月15日 | 馬徒然
雪道の運転に自信がないので、冬の遠野は路線バスやタクシー、そして何より地元の人たちのご好意が頼りである。
駒木の当歳馬越冬放牧地から市内へ戻るため、1時間半に一本のバスの時間に合わせて停留所で待っている間にも、強風で地吹雪がおきる。一瞬、すべてが見えなくなる。冬将軍、いやいや、雪女が通り過ぎるがごとく。

定刻に到着したバスの乗客は私一人。運転手さんいわく、「いよいよ冬の始まりだ」という。「雪も降って、とっくに冬でしょう」と言うと、「この地吹雪が始まると冬の始まりなんだよね」と運転手さん。どんなに好天でも、地吹雪が起きれば視界セロ。2月がピークだという。

突然、「あなたのことは見たことがあるよ」と言われた。聞けばその運転手さんは馬が大好きで、馬のイベントなどでウロウロしている私を見かけていたらしい。定年したら、馬を飼うのが夢だと言っていた。
で、馬生産者の人たちにその話をしたら、「それは〇〇だな。」と、すぐに運転手さんの名前も判明した。

遠野とは、そんな土地であります。

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朝を告げる

2008年01月14日 | 馬徒然
真冬の遠野。
連日氷点下。積雪量はそれほどではないが、冷え込みの厳しさは折り紙つきの遠野である。最終日の今朝は、氷点下13度ほどだったらしい。

写真は、初日にお世話になった荷沢峠のお宅で飼っているニワトリ。水代わりに雪を食べるくせに、雪が嫌いで戸を開けていても外に出ないそうである。
毎日卵を産む優秀な彼らは、朝4時半ごろ、まだ真っ暗なのに「コケコッコー!!!コケコッコー!!!」と高らかに鳴く。目は覚めるもののウトウトしていると、5時半頃にまた鳴く。
静まり返った山の朝、ニワトリと馬が、朝を告げる。

不思議と遠野では、セットはするものの目覚ましアラームの世話になったことがない。たとえどんなに寒い冬の朝でも。
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13年ぶり

2008年01月10日 | 馬徒然
訪れた東大農学部付属牧場には、芦毛のダービー馬(1989年)ウィナーズサークルと、名スプリンターのヒシアケボノがいる。
ウィナーズサークルは13年前、まだ日高の牧場にいるときに初めて会った。クリオージョの撮影で訪れる機会を得て、彼らに会えると大喜び。

ウィナーズサークルが若々しいのには驚いた。日高にいたときよりスマートになった感じで、好奇心旺盛の様子、元気いっぱいである。厩舎担当の方によれば、年若いヒシアケボノよりも元気で、今でも年に2頭の種付けをしているバリバリの現役。今年は、JRAでウィナーズサークルの子がデビュー予定だというので、楽しみ。
ヒシアケボノは、マイペースでのほほーんとしていた。千葉の種馬場で会ったときと変らない。

ウィナーズサークル 1986年4月10日生まれ
父シーホーク、母クリノアイバー(母父グレートオンワード)
茨城栗山牧場生まれ

ヒシアケボノ 1992年2月27日生まれ
父Woodman 母Mysteries(母父Seattle Slew)
アメリカ生まれ

写真は、カメラマンに興味津々のウィナーズサークル
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クリオージョの種牡馬

2008年01月09日 | 海外の馬
日本馬事協会のMさんに同行して、茨城県笠間市にある東大付属牧場を訪れた。
クリオージョの種牡馬を撮影するためである。

クリオージョはアルゼンチンの在来馬で、牛を追うガウチョたちのパートナーを務める馬。
日本では純粋なクリオージョの種牡馬は珍しく、貴重な存在なのだという。
クリオージョ独特の毛色「薄墨毛」、首から尾にかけて1本の筆で書かれたような美しい鰻線(まんせん)、蹄のあたりに「虎模様」という縞がある。
月毛や鹿毛のクリオージョもいるが、彼は、もっともクリオージョの特徴をもった馬のようである。
体格もよく、ハンサム。そして、とても繊細だと、担当の方が話してくれた。

パトロンシート(牡17歳)アルゼンチン生まれ

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皇居にて

2008年01月08日 | 馬徒然
信任状捧呈式に伴う馬車行列を撮影。

各国の新任大使が皇室に挨拶に出向く折、馬車に乗って皇居に入る。今日は一般公開されていて、大勢の人で賑わう。今回はアフリカ・チュニジアの大使。
明治生命館から出発し、馬場先門、皇居外苑から皇居正門を通り、宮殿へと向かう。馬車による送迎は、英国やスペインなど数カ国で行なわれるだけで、非常に珍しいという。日本でも、馬車送迎を希望する大使が多いので、このような行事が行なわれている。

馬への想いは、いずこの国でも同じなのだろう。日本で仕事をする世界の国々の人たちのお手伝いをするのが、馬。
改めて、馬と人の絆を深さを感じる行事でもあった。
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七草がゆ

2008年01月07日 | 馬徒然
春の七草は、すずな(かぶ)、すずしろ(だいこん)、なずな、はこべ、こぎょう、ほとけのざ、せり。
一昔前の日本ならどこでも見かけた草ばかりだと思う。でも今や、スーパーでこれらの青物を集めるのは大変・・・というか、高級品。
で、見つけたのが、香川県産「七草セット」198円。ありがたく購入した。やわらかく、苦味もなく、美味。感謝しながら食する。今年はこれで「無病息災」!!
中身が、本当に春の七草かどうかは昨今の食事情からいって不安もあるけれど、信じるものは救われる・・・ということです。

馬も春の青草を好んで食べるが、その昔は、人間も馬も一緒に大地の恩恵を享受していたのだろうなと思いをはせる。
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大賑いの競馬場

2008年01月06日 | 競馬場
年末の大井もいつになくお客さんが多くて、賑わっていた。
元日から始まった川崎も、GIのJBCの時よりも入場者数が多いと聞いた。

初日、中山も「今日は新春の有馬記念かー?」と思うくらい、混んでいた。なんてったって、昼にはすでにレープロが、カラー刷りだけでなく、モノクロもすべて終了。場内のいたるところで、お弁当、おにぎり、ドーナツが早々に売り切れ。おまけに、金杯終了後、競馬場から武蔵野線駅に通ずる地下通路は、規制がはいった。
金杯の日は混む、とは知っていたけれど、こんなことは初めてである。

昨年末から正月にかけて、競馬向きの日程だったのかもしれない。いずれにしても、閑散とした競馬場より賑わっている競馬場にこしたことはない。
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