GRASSの日々折々

馬好きフォトグラファーが綴る日々の1ショット。

鳥居のある放牧地

2008年10月31日 | 遠野の馬
4年前の春に撮影した遠野小友町Eさんの放牧地。
赤い鳥居と小さな祠を守るように放牧地が作られていた。まだ新芽が出ない木々、でも空気の柔らかさを感じた。
鳥居がある放牧地など、それまで見たことがなかった。遠野では放牧地の近くに祠があることが多い。
きっと土地の神さまが馬を守っているのだと思う。
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遠野のララミー牧場

2008年10月30日 | 遠野の馬
数年前、この写真を見たある人が「ララミー牧場みたいだね」と言った。
ララミー牧場はアメリカの人気テレビ映画である。

これは遠野のWさんの放牧地。桜の季節だった。
放牧地のとなりには神社、そして奥には廃車となったバスがあった。そして純日本風の厩舎。この組み合わせが絶妙だった。

遠野は日本の原風景が残されている土地として知られているけれども、時空をこえたものを感じるときがある。
それはつくられた風景ではなく、暮らしの中に息づく何か。

遠野の馬つくりには、そんな魅力がある。
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ススキの中で

2008年10月29日 | 遠野の馬
秋の遠野は、山から里に戻っている馬も多い。
絵のように整備されたサラブレッドの生産牧場とは違い、個々の家の放牧地は、それぞれに個性的。撮影が楽しい。

写真は附馬牛町Sさん宅の放牧地の一画。背後に山、見渡せば人里、沢あり大木あり、空き家になった民家あり。そしてススキが繁茂する場所がある。
ススキの中にうずもれた小さなポニーは、白い穂の中にいたら同化しそうな毛色。
もっとアップで撮影しようとしたら、刈った草に足をとられてポニーの目の前にドターっところんでしまった。驚いたポニーちゃん、あわてふためいてススキ群生地から飛び出してしまい、撮影失敗。
その後は、「脅かさないでよ!!」といわんばかりに、からまれてしまった。
すみません。

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東京競馬場に遠野のリンゴ

2008年10月28日 | 競馬場
富士Sの日に風変わりなレンズを使用して撮影を楽しんだが、2歳特別戦いちょうSのウィナーズサークルは、くっきりクリアな画像が期待できる180mmF2.8のレンズを使用した。
高性能でありながら持ち運びに負担がかからない優れもののレンズ。競馬場へ持っていくのは、今回が2度目。

優勝したダノンカモン(写真)は、父シンボリクリスエス譲りの漆黒の馬体。競馬カメラマンたちが「クリスエスそのものだね」とため息をもらしていた。クリスエスの大ファンだった私も、ダノンカモンに見とれた。本当に見事な「黒馬」だった。
ダノンカモン(牡2歳)栗東・池江泰寿厩舎
父シンボリクリスエス
母シンコウエンジェル(父Ogygian)

さてこの日、東京競馬場の西門付近で遠野の物産展があったそうだ。そのことを教えてくれた知人は、リンゴを買って、東北・遠野の秋を味わったと言ってくれた。
残念ながら、私はその場所に行きそびれてしまったけれど、競馬場に遠野が登場したことが嬉しかった。
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騎手の手

2008年10月26日 | 競馬場
先日の富士Sの撮影に、シグマのF8/400mmレンズ(マニュアル)を使用してみた。ちょっと変ったタイプのレンズで、今は製品リストにもない。ボディはデジタルカメラ。さてこの組み合わせ、どうなることか。

「しぶいレンズを使ってますね」とベテランの競馬カメラマンの方が声をかけてきた。フィルムカメラに装着すると、背景が水玉模様のようになるため、昔はよく使われていたという。「シンザンの写真も、多分そのタイプのレンズで撮っているんだと思いますよ」と話してくれた。

レンズが軽すぎて、ものすごく手ブレするため一脚を使った。普段オートフォーカスしか使わない人間が、いきなりマニュアルでレースを撮るなんて無謀。当然ボケボケである。
でも、クリアすぎる競馬写真が主流の中で、くすんだような、ピンボケ画像が新鮮に思え、久々にウキウキしながら撮影をした。

いつもと違うファインダーから一番印象に残った光景は、ウィナーズサークルで優勝したサイレントプライドの首に添えられた騎手の手だった。もやった画像の中で、そこだけがクリアに見えた。
騎手が馬の首に手をあてるのは、「よくやった」という意味を込めた表彰式のお決まりのポーズ。いつも見ている光景なのに、レンズが変ると見えるものが違ってくる。
クリアなデジタル画像だけが写真じゃない。そんなふうに思った。

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遠野のシイタケと米

2008年10月25日 | 遠野の馬
遠野でいろいろな人や馬を撮影させてもらった後、まともな写真であれば、送るようにしている。(まともじゃない失敗写真もあるわけです)
すると次に遠野を訪れたとき、食事にご招待いただいたり、農産物を下さったりする。これが本当に美味しいのでとても有難い。

今回は、とれたての新米を1年分くらい頂いた。東京に戻って数日後、お客さんがあったので早速炊いた。それは美味しく最高級のぜいたく品だった。
翌日、立派なシイタケが箱いっぱいに届いた。いつも送ってもらうのだけれど、親やご近所に配ると、とにかく大喜びされる。そこからまた他の知り合いの家へとおすそわけするみたいで、遠野のシイタケはチョー人気者だ。
夏に「産直ともちゃん」で見つけたニンニクを買っていったら、母に「なんでもっと買ってきてくれないの!!」とどやされた。
それほど遠野の農産物は、立派なのである。ご近所のスーパーに並んだら、ものすごく高値になるはずで、私にはとても買えるものではない。

地元の人たちは、産物がどれほどすばらしいのか、それほどの自覚をもっていないように思う。米もシイタケも、高級なスーパーにおいても全く遜色はない。でもスーパーにおろすような量産はして欲しくない。利益よりも豊かな生活のために真面目に作っている、それが遠野人。
PRが下手なのだと地元の人たちは自分たちを評している。それは時々偏ったものにもなるけれど、それもまた遠野の個性、良いものを守り続けるスピリットの一部なのだろうと思う。

遠野の農産物や山菜を味わいたくば、遠野に足を運べ、ということでしょう。






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後を継ぐもの

2008年10月23日 | 遠野の馬
セリの前日に行なわれた1歳馬の共励会で、2等2席となったヴァリサクラ。
父は今年初めてセリに産駒が上場されたトラケーネンのヴァリシモ、母はセル・フランス系の寛桜(かんざくら、と呼ぶのだそうです)。

Nさんのところには、もう一頭、フランスから輸入された良血の繁殖牝馬がいる。受胎率は寛桜より低いが、産駒(ジョニークエストなど)はすでに大きな大会で優勝するほどの活躍ぶり。だから寛桜の子供たちより高値で売れる。けれどNさんが言ったことばがいい。
「2年に一頭高値で売れる子を産む馬と、半値でも毎年確実に子を産む馬、稼ぎは同じ」。
「血統がいい肌馬を持っている人だけがセリでいい思いをする」という声も聞かれるが、Nさんを見ていると、必ずしもそうは言えないように思う。

共励会の翌朝、Nさんはセリに出さないヴァリサクラを自宅へ連れ帰った。家の近くでNさんとヴァリサクラを撮影させてもらった。Nさんもヴァリサクラも晴れやかな表情をしていた。
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オークションライダー

2008年10月22日 | 遠野の馬
そういう言葉を知ったのは、数年前。
馬のセリで、購買者の前で馬に乗り、馬の良いところを引き出すライダーのこと。ヨーロッパでは、セリのために馬に乗るプロがいる。
遠野の2歳馬のセリでは、育成担当をしている人たちが、オークションライダーを務めている。

今回初めて、生産者自らがオークションライダーを務めた人がいた。馬は新しいオーナーにめぐり合うことができた。
馬乗りである生産者自らが、馬つくりをする・・・。これも一つの理想的な形なのかもしれない。

今回のセリでは、初めて女性ライダーもまたがり、購買に成功した。
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2008年10月21日 | 遠野の馬
遠野は年中霧に包まれている。
夏に訪れたとき、天気予報を見ていたら「湿度97%」という表示が出ていた。雨が降っているわけでもなく、ジメジメしているわけでもないのに、なんで?と思ったら霧だった。特に秋の、それも昼間が晴天のときは霧が出やすいそうだ。
セリの期間中、遠野のこの時期にしては珍しく暖かく、上着がいらないほどだったが、朝晩は冷え込む。そして霧で真っ白になる。
朝8時半、この深い霧は嘘のように晴れて、汗ばむほどの陽気になった。
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私の放牧

2008年10月20日 | 馬徒然
遠野乗用馬市場が終了。大勢のお客さんや関係者が集る、一大イベント。
遠野のセリに通うようになって7年、私にとってはいろいろな方と知り合う最大の機会である。特に今年は、いろいろな意味で緊張することが多かった。

最終日の今日、そんな緊張を解きほぐすために、朝から荒川高原牧場にいた。親子馬はじめ、ほとんどの馬は里に戻り、荒川にいるのは20頭ほど。珍しく林の中に群れが入り込み、今まで見たことのない光景を目にした。
山の秋は里よりもずっと早い。木から葉がハラハラと落ちる。その落ち葉を馬たちが踏みしめる音を、何時間も聞いていた。

山に暮す馬たちを眺めているのが楽しい。競馬や馬術大会より、自由に過ごす彼らうを観ているのが好きである。そして時々彼らと話したり遊んだりすることが私にとって至福の時間。
放牧されているのは、私自身。
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