GRASSの日々折々

馬好きフォトグラファーが綴る日々の1ショット。

流鏑馬大会開催の意義

2011年07月31日 | 遠野の馬
スポーツ流鏑馬を撮影していたのは、地元・遠野の方ばかりではなかった。

あるご夫婦は、気仙沼から。
家族は全員無事だったものの、津波で家も軽トラも流され、残ったのは大型のバン1台とたずさえていたカメラ2機。
避難所生活の気晴らしにと、ご夫婦でバンで旅行をされているのだという。
「空元気」と言いながらも、楽しそうに流鏑馬を撮影されていた姿が印象的だった。

ある男性カメラマンは、釜石から。
津波が自宅すぐ近くまで押し寄せてきた瞬間をカメラでとらえた写真を見せていただいた。かろうじて家は無事だったそうだ。
昨年、このスポーツ流鏑馬の撮影に来て、八戸から参加した選手K氏と知り合い、災害にあった直後、支援物資を送ってもらったという。
「その方のためにも、今回はどうしても撮影に来たかった」とのことだった。

流鏑馬に参加していた方の中にも、ご家族を亡くされた方がおられた。
流鏑馬の開会式は、黙祷から始まった。

未曾有の災害は、4ヶ月やそこらで立ち直れるものではない。
けれど、少しでも前向きに、できることに取り組むことの大切さ。
今回の流鏑馬大会開催は、大きな意義をもっていることを実感した。

流鏑馬の翌日、
災害発生直後から遠野に駐在していた自衛隊が撤退するという放送があった。
復興支援が、新たな形に変っていくのを感じた。

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女流射手

2011年07月30日 | 遠野の馬
今回の流鏑馬大会では、初めて団体戦を観戦した。

3人一チーム、先頭の射手が1つ目の的を射てから最後尾の射手が最後の的を射るまで17秒以下とし、3人が当てた的の数で順位を決めるもの。
3人馬が一気に駆け抜ける姿は、迫力満点。

写真は、その団体戦に十和田乗馬倶楽部から参戦した女性射手。
彼女たちの前に男性射手が走っている。
2回目の走行では、3人が3人とも的に当てるという快挙だった。

スポーツ流鏑馬の見所のひとつは、華やな衣裳に身を包んだ女性選手だが、
このような活躍を見せてくれるからこそ、盛り上がる。
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流鏑馬の衣裳

2011年07月29日 | 遠野の馬
「スポーツ流鏑馬」は、あくまでも古式馬術を基本にした競技。
地元・遠野から参加する選手は、南部流流鏑馬の伝統を大切にしている。
衣裳もそのひとつ。
写真の華やかな衣裳は、盛岡南部流流鏑馬のものだという。

参加した選手の中には、盛岡南部だけでなく、
八戸藩根城流鏑馬再興会や、福島・古殿町流鏑馬保存会の方も。

流派による衣裳の違いを見るのもまた、
この競技の楽しさでもある。
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遠野スポーツ流鏑馬大会

2011年07月28日 | 遠野の馬
7月24日、遠野でスポーツ流鏑馬大会が開催された。
5回目を迎えるこの大会に、今年は全国から38人の選手が参加した。

まだ産声をあげて間もない競技ではあるが、
ルールが整備され、年々のレベルアップが目に見える。
スピードと的を射る正確さ、迫力がある。
女性の参加も多くなった。

写真は、開会式の様子。
和装した選手たちの姿がまぶしい。
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羽ばたいた馬

2011年07月21日 | 馬徒然
「と」印馬たちの撮影のために競技会に赴くと、時に思わぬ出会いをする。

先日の全日本馬場馬術大会の名簿で、遠野の馬たちが出場する「第3課目」に、グルームドウターという名の馬を見つけた。
まさか、あのときの・・・そういう思いがよぎった。

もう10余年前になるが、三冠馬ミスターシービーが種牡馬を引退して千葉の千明牧場にやってきた。
そこには、静かに余生を送る彼の母馬シービークインも暮していた。
多くのファンが牧場を訪れた。牧場を預かる安藤さんが、快くファンを受け入れてくださり、私も例外ではなく何度も足を運んだ。

そんなある日、新顔の若い芦毛の牝馬がシービークインと一緒に放牧されていた。
千明牧場でかつてシービークインとともに暮していた名牝ズイショウとミスターシービーの血を引く芦毛の彼女は、グルームドウターといった。中央競馬の競走馬だったが、未勝利のまま引退して、千葉にやってきたのだという。

ほどなくして、ミスターシービーは蹄葉炎を発症して亡くなり、後を追うように、シービークインも天寿をまっとうした。グルームドウターもいなくなった。
まだ若いグルームドウターがどうなったのか、わからなかった。
風の噂に、牧場に来ていた女性が引き取った、ということを聞いていた。

全日本馬場馬術大会に姿を表わしたグルームドウターは、真っ白で綺麗な馬で、美しい演技を披露してくれた。
騎乗した女性を見たとき、千明牧場にいたグルームドウターだということを確信した。

演技の後、厩舎を訪れれて、久々にオーナーの女性にお会いした。
あのとき、牧場に足を何度も運ばれていた方にまちがいなかった。
グルームドウターを引き取った後、しばらく乗馬クラブに預けていたが、この数年ようやく自らがグルームドウターに騎乗できるようになったそうだ。
そして全日本という大きな大きな晴れ舞台に、ついにグルームドウターとともに出場を果たしたのである。
「馬が大変だったと思います。でも、がんばってくれました」とオーナーのS氏は、話してくれた。

グルームドウターは、今、14歳。
彼女は新しい道で見事に羽ばたいた。
オーナーの女性が語ってくれたように、グルームドウターはとても頑張ったと思う。
でも、競走馬を若くして引退した彼女を引き取り、馬術の世界で全日本にともに出場したオーナーの女性S氏にも、私は尊敬の念をいだかずにいられない。

改めて、馬は人との出会いがすべてなのだと思った。
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成長する馬たち

2011年07月20日 | 遠野の馬
写真は、藤沢乗馬クラブから全日本馬場馬術大会に出場した遠野馬のフロドラフラワー。
津久井で開催される神奈川ホースショー・遠野ドレサージュカップで優勝したこともある。

ステップアプした彼女は、全日本に出場した遠野の馬の中で唯一、第3課目、第4課目に参戦した。

馬が成長する過程には、たくさんの人との出会いがある。
生産者から育成者へ、そしてユーザーへ。
競技会を見ながら、そのリレーのたすきが馬を育てているのだと実感する。

フロドラフラワー(牝9)
父 フロドラ・ジェルベーズ(セル・フランセ)
母 マツギク(セル・フランセ系)

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全日本大会での再会

2011年07月19日 | 遠野の馬
写真は、ジヴェルニーと同じく全日本馬場馬術大会に座間近代乗馬クラブから出場したフロドラ・シェーヌ。
もちろん、遠野出身である。

初めて訪れた荒川高原で、最初に撮影の機会をくれた子馬が、彼女だった。
額のひし形の星が印象的だった。
生産者のニダさんは、山へあげるときも、種付きに行くときも、
親子を引いて片道2時間以上歩く人である。
彼女も、そうやって育てられた。

あの小さかった子が、全日本に出場するほどに成長していることが嬉しくて。
大きな舞台での再会に感謝。

フロドラ・シェーヌ(牝9)
父 フロドラ・ジェルベーズ(セル・フランセ)
母 ヒロイン・デ・シェーヌ(セル・フランセ)

全日本障害競技中障害で優勝したジョニークエスト(JRA馬事公苑)の妹にあたります。
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若きチャンピオン

2011年07月18日 | 遠野の馬
御殿場で開催された全日本馬場馬術大会の第3課目で、遠野の馬ジヴェルニーが座間近代乗馬クラブの草薙達也選手に導かれて見事優勝しました。
まだ4歳の若きチャンピオン誕生です!
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全日本馬場馬術大会の遠野馬

2011年07月17日 | 遠野の馬
全日本馬場馬術大会(PartⅡ)に、遠野の馬が出場している。
この大会に参加できるのは、競技会の各課目でポイントを積み重ねてきた馬25頭だけ。
発表された名簿に馴染みある4頭の遠野馬の名を見つけ、会場の御殿場馬術競技場へ駆けつけた。

写真は、先週、津久井で開催された神奈川ホースショー遠野ドレサージュで優勝したジヴェルニー。
朝7時半、本番を控えて運動中の彼の背後に富士山。

遠野の早池峰山のふところで育った彼は、
日本一の富士山に見守られて、晴れ舞台に臨んだ。


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夏に思う

2011年07月15日 | 日々折々
3日前、我が家のベランダで生い茂るスミレの葉に、ツマグロヒョウモンの赤ちゃんを見つけた。
まだ、ほんの5mmほど・・・と思っていたら、みるみるうちに3倍の大きさになった。
成長が早いだけでなく、次々に卵がかえっているようで、3mmほどの赤ちゃんもたくさんいる。
全員無事に育ってほしいけれど、30匹ほどの幼虫が大きくなったら、スミレノの葉は一気に丸坊主になるにちがいない。次の世代は明らかに食料難だなあ・・・。

毎日、空がきれい。
今年は、例年になくエアコンをつけている家が少ないようである。
東京は毎日猛暑だが、陽が落ちたあとの風が心地よい日が続いている。
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