GRASSの日々折々

馬好きフォトグラファーが綴る日々の1ショット。

与那国紀行(6)~祖納の集落~

2007年04月30日 | 日本の馬
与那国馬の乗馬施設「ゆうゆう広場」を出発して、高原展望台ティンダハナタの頂上へは15分ほど。ここからは島で一番大きな祖納(そない)集落が一望できる。
与那国島には祖納、久部良(くぶら)、比川(ひがわ)という3つの集落があり、役場や商工会議所など島の官庁街で、宿泊施設多いのは祖納。といっても、「え、信号機があるの?」と驚いたほど、コンパクトな集落。独特の朱色の瓦屋根の民家が、なだらかな坂に点在し、散歩が楽しい。「歓楽街」は町のはずれを流れる田原川沿いにある4件のスナック。与那国馬保存会のMさん、Uさんが連れて行ってくれました。何も言わずにぽんと出てくるお酒は、もちろん泡盛。

集落よりも海側には、墓地がある。今でも土葬だという島の風習、岩の斜面に作られた一軒屋のように立派なお墓は、古代の遺跡群のよう。島の人たちは、お盆のときなどは、各家の墓のまわりでピクニックをするそうだ。

写真は、モエ親子。
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与那国紀行(5)~ゆうゆう広場~

2007年04月29日 | 日本の馬
島には与那国馬の乗馬施設がある。与那国馬保存会が運営する「ゆうゆう広場」で、「体験乗馬」と「高原トレッキング」にチャレンジした。
「広場」と名がついているけれど、単なる広場にあらず。祖納集落の一画の広い放牧地に自由に遊ぶ与那国馬たちは、お客さんさが来ると、さあ、お仕事。
その日は、仔馬をつれたモエが「体験乗馬」につきあってくれた。放牧場に隣接したパドックで、モエに乗る。与那国馬は小さいので、乗るのも楽。「大型動物」というイメージもなく、かまえることもなく、恐怖感などまったくない。騎乗前に馬にブラッシングをして、「よろしくお願いします」と声をかけてまたがることができた。人間を乗せた母馬の後を、子馬がぴょんぴょん跳ね回ってついてくる。可愛いー!!あまりに楽しかったので、翌日初心者でも大丈夫という1時間15分の高原トレッキングに出かけた。
今度は、インストラクターの田中氏がモエに乗り、仔馬が後に続く。そして私が騎乗したコマイと、今回の旅行に同行した妹が、「ゆうゆう広場」のエースというイスラに乗って出発。行き先は、「ティンダハナタ」という巨大な岩の頂上に広がる高原展望台だ。「乗馬」という言葉すら忘れるほど、馬車に乗るような軽い気持ちで、ゆったりと馬の背にゆられた。馬が人に対して愛情を寄せてくれるのを、ぽっくりぽっくりと歩きながら感じる。こちらも、ありがとう、と思う。展望台で見渡す島の風景は、格別。
この「ティンダハナタ(天蛇鼻)頂上草原」コースのほか、「ナンタ浜で馬と海中行」などメニューはたくさん。与那国はダイバーが集う島、でも、馬と一緒に散策すれば、風とともに、島の独特の文化や魅力にふれることができると思う。
「ゆうゆう広場」の電話番号は、0980-87-2296 。与那国馬のTシャツやポストカード、堆肥なども販売しています。


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与那国紀行(4)~アダン~

2007年04月28日 | 日本の馬
北牧場にはアダンの群生が所々にある。
草地などを放っておくと全てアダンに埋め尽くされてしまうほど生命力が強いそうだが、馬たちの食糧にもなり、台風のときには馬たちを風雨から守ってくれるという。そして・・・、馬たちの最後を見届ける役目も担っている。
馬たちにはすべて飼い主さんがいるが、牧場の馬たちは野生馬と変わらない。選ばれた牡馬が牧場に放たれるほかは、仔馬の誕生も、命を終えるのも、すべて自然のまま。アダン群生の近くには、馬の骨が無造作に散らばっていた。老衰、病気、命を終えた馬の亡骸は、潮風のふくままだという・・・。
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与那国紀行(3)~北牧場~

2007年04月27日 | 日本の馬
与那国空港のすぐ近くには、牛や与那国馬が50頭ほど放牧されている北牧場が広がる。海に突き出した丘は「馬鼻崎(うまばなざき)」と呼ばれる岩場で、晴れていれば夕陽が綺麗な場所。
放牧地の背後には島で一番標高の高い宇良部岳(うらぶだけ)が見える。海の民と思いきや、島の人々の信仰は山にあるそうだ。
北牧場の馬たちについては、またいづれ・・・。
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与那国紀行(2)~ドラマのロケ地~

2007年04月26日 | 日本の馬
与那国空港に着いて最初に目に入ったのは、大きなポスター。与那国は人気ドラマ「Dr.コトー診療所」のロケ地だ。宿泊先も食事処も、ドラマのポスターでいっぱい。
ドラマに登場する診療所は、島の南、比川浜の一角にあり、観光スポットになっている。ドラマのために建てられたとはいえ、古い石造りの建物はまわりの集落にすっぽり馴染んでいる。手がけた大工さんは師匠から「このペンキの塗り方はなんだ」と怒られ「わざとです。」と応えたとか。4月23日から内部見学も可能だ。
もっとも、ドラマでは「与那国島」ではなく「志木那島」という設定なので、ドラマの中で時折姿を見せる馬も「志木那馬」といったところかな。
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与那国紀行(1)~東崎~

2007年04月25日 | 日本の馬
与那国島は1周27KMほどの小さな島、半日で島の名所巡りができる。

与那国馬保存会事務局のMさんが案内してくださり、まずは東崎(あがりざき)へ。与那国では、日が昇る、沈むという意味で、東は「アガリ」、西は「イリ」と言うそうだ。
東崎は2基の風車と灯台があり、海沿いに「軍艦岩」がある景勝地。ここ「東牧場」では10頭ほどの与那国馬や牛が暮している。運良く、仔馬を連れた群と出会うことができた。今年初めて出会った子馬は、与那国馬!!

与那国はサンゴが隆起してできたという島で、草地のところどころに岩のようにはりだしているのは全部サンゴの残骸。そんな化石のようになったサンゴに、小さな黄色い愛らしい花がたくさん咲いていて、とても綺麗だった。
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遠い島

2007年04月24日 | 馬徒然
与那国から丸1日かけて帰宅した。
昨日11時25分発の与那国発の飛行機で石垣、那覇と乗り継ぎ、夕方には家に着く予定だった。
ところが!離陸のために加速した飛行機が飛び立つ寸前に突然減速して、そのままゲートに逆戻りした。離着陸に不可欠な翼部分の不具合が発生し、整備点検のため出発が遅れるとのアナウウンス。空港で待機すること2時間、再び流れたアナウンスは、「故障した部品を那覇から取り寄せる」ため、出発予定時刻は18時40分になるというものだった。
那覇と与那国は520Kmも離れているのだ(知りませんでした・・・)。そんな遠くから部品を取り寄せて修理するって???うそでしょー!!
那覇から部品を運んできたセスナ機が到着したのは18時ごろ。修理が終了して飛行機が石垣島に向けて飛び立ったのは、予定出発時間を8時間も過ぎた19時25分だった。当然その日のうちに東京へ戻ることはできず、途中経由地那覇に1泊することに・・・。

地元の人の話では、「与那国は行きは良い良い、帰りは怖い」なのだという。悪天候のために便が欠航して島に足止めになることはよくあるという。
でも、機体故障で代替の飛行機もなく、部品もなく、8時間も遅延するなんて・・・これも離島ゆえなんだろうねえ。
東京から2000K、日本最西の島、台湾が見える島、そして与那国馬がいる島!中身たっぷりの旅だった。
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南へ

2007年04月19日 | 馬徒然
明日から、日本の一番端っこの島、与那国を訪ねる。もちろん、目的は与那国馬だが、それ以前からずっとずっと行ってみたかった憧れの島。
随分前、与那国が舞台の「海燕ジョーの奇蹟」という映画を見た。時任三郎、藤谷美和子主演の、アクション映画だった。最近はテレビドラマ「Dr.コトー診療所」の舞台として人気が高まっているとかで、観光名所にもなっているようです。
どんな馬たちに会えるのか、楽しみ。
というわけで、しばらくブログはお休み。
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馬とのおしゃべり(1)

2007年04月18日 | 遠野の馬
馬の写真を撮ってはいても、実際の馬との接し方はよくわからない。そんな私でも、馬と気持ちが通じたり、話ができた、と思う瞬間がある。馬を熟知している方々には「何言ってんの」と笑われるかもしれないけれど。

秋深まる遠野の山奥にある重種馬の放牧地を訪れたときのことだ。馬たちが一箇所に集っていたので近づいた。よく見ると1頭の鹿毛馬のタテガミに大きな木の枝がからまり、さらにそれが放牧地のバラ線にひっかかって、馬はその場につながれた状態だった。あらま、これじゃ移動できないじゃない、そう思って馬の群の中に入り込み、がっちりからまったタテガミをバラ線からほどき、大きな枝をとってやった。すると群れていた馬たちが移動を始めた。動けなかったその馬を、仲間みんなで守って、彼らは随分前からその場所にいたのだと思った。仲間の後について鹿毛馬も歩き出したが、ふと私のほうを振り向いた。「みんなと一緒に行っていいよ」私がそう言うと、馬は仲間と一緒に早足で移動していった。あ、もしかして、あの子は私にお礼を言ったのかな、そんなふうに感じた。
その後、彼らが移動した草地に行ってみると、さっきの鹿毛馬が寄ってきた。鼻面をなでると、気持ちよさそうにずーっと目をつぶっていた。
なんだか、馬とおしゃべりできたような気分で嬉しくなった。
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絵本「ふえふきとうげ」

2007年04月17日 | 馬グッズ
遠野の土産物店で見つけた絵本「ふえふきとうげ」(金の星社 谷真介/作、赤坂三好/絵 1978年初版)。
炎の馬を描いた表紙の絵に魅かれて、手にとってみた。柳田国男の「遠野物語拾遺」(「遠野物語」の続編)の一つを題材にした馬と少年の悲しい話なのだが、絵がとてもきれいで、お気に入りの一冊。
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