GRASSの日々折々

馬好きフォトグラファーが綴る日々の1ショット。

藁馬

2006年07月31日 | 馬徒然
9年前、木曽を訪れたときに買ってきた1対の藁馬がいる。当時は単に「馬グッズの民芸品」として買ってきたものだ。でも今回の取材で、藁馬を作るSさんに話を聞くことができた。脈々と受け継がれる藁馬、それに込められた木曽馬への愛着、一つ一つが手作りの藁馬に、たくさんの想いがあることを知る。藁の加減で「痩せた馬」になったり、「肥えた馬」になったり、作っている現場を見ていると楽しい。サラブレッドでもなく、アラブ馬でもない、木曽馬を表現するのである。馬を飼っていたことがあるというSさんは、まるで本物の馬を育てるように藁を編んでいく。今回、お土産にとわざわざ作ってくれた。9年前に藁馬を作っていた人は、高齢のため引退されているという。でも、当時と変らない姿かたちの藁馬が、今、私の目の前に凛と立っている。馬への思いは、こんな形で受け継がれている。
写真は、開田村郷土館のパンフレットから。
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馬頭観音の怪

2006年07月30日 | 馬徒然
木曽馬の3日間の取材を終えて、無事帰宅した。
天気予報よりも好天に恵まれ、保存会のNさんや地元の人たちのご協力をいただき、密度の濃い3日間となった。木曽町の皆さんには、心より御礼申し上げます。
ここで、怪談をひとつ。
開田村には(住所は昨年11月1日より木曽町開田高原となった)「丸山馬頭観音」がある。かつては参拝者が絶えることなく賑わった観音様。開田村に着いたその足で、訪ねてみた。林の中の空き地に車を止め、そこから草が伸びきった山道の参道を歩くこと100メートル。くもの巣に思い切りぶつかりながら、小さなお堂に辿り着いた。するとそれまで晴れていたのに雲行きが怪しくなりバラバラと雨。人気のない山の中、数枚の写真を撮って引き返した。車に戻ったとたん、雨がやんで、また快晴になった。
最終日の今日、もう一度丸山観音の撮影をしたくて、駅に戻る途中に観音様目指して車を走らせた。狭い小道、対向車があり、よけようとしたら、「ガガガガ!」とすごい音。左のタイヤが草に隠れていた溝に落ちてしまったのだ。対向車に乗っていた方々、通りかかった車関係の会社の若い男性、そして地元の人たちを巻き込んでの大騒動。電車の時間に間に合わないどころか、レンタカー会社のロードサービスが来る夜まで山道にいることになるかもしれない状況。でも、パニックに陥っている私を、皆さんが助けてくれた。おかげさまで、車は溝から脱出、契約どおりの時間にレンタカーを返すことができ、私は今、自宅でパソコンにむかっているのである。
結局、丸山馬頭観音へはいけなかった。馬の神様に、「来るな」と言われてしまったのだろうか。最初は「たたり」かと思ったけれど、あんな山の小道で、通る車が皆止まり、助けてくれた。「困った時はお互い様」と皆さんが、ご自身の予定も変更して、私の起こした事故に付き合い、名も告げずに去っていかれたのだ。皆様にはただただ頭を下げると同時に、「馬の神様」が、私に何かを告げようとしていたのではないかと、神妙になっているところである。
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ハチも大変

2006年07月27日 | 馬徒然
神田の路地裏に、小さな蜂の巣がころがっていた。先日私が撤去したものと同じくらいの大きさだ。おそらく建物2階の軒先あたりに作っていたところを、そこの住人に発見されて落とされたのだろう。窓には洗濯物が干してあった。
人間に悪さをするわけでもないのに、せっかく作った巣はどんどん撤去されてしまう。気の毒だと思うが、やっぱり、あまりに近くで同居は出来ないのだ!
都会のハチくんも、生きるのは大変だ。

明日から木曽馬の取材。もう豪雨の心配はないようだ。
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夏日だ!

2006年07月26日 | 馬徒然
久々の青空で暑いけれど、たまった洗濯物がばっちり乾き、部屋に風が通る。セミの声も急に多くなった。刈ったばかりの草がもう10センチ近く伸びた。ベランダ猫のチビの発作回数が、今日は気のせいか少ない。私の身体も軽くなった。
今週末は、先週キャンセルした木曽馬の取材。梅雨前線はまだ残るらしい。暑いのは苦手だが、これ以上の豪雨や災害はごめんです。お願い、太平洋高気圧さん、がんばってー!
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セミ

2006年07月25日 | 馬徒然
20日過ぎになって、みんみんとセミの声が聞かれるようになった。
例年ならそのあたりが梅雨明け。「夏の一番乗り」を目指したセミは、ざんざん降りの雨と気温の低さにびっくりしたことだろう。昨日は、もう命つきたセミを見かけた。おそらく、一度も太陽を見ることなく、寿命より短い地上生活だったのではないだろうか。こんな年に生を受けた不運に同情する。
気温は低くても湿度が高く、洗濯物はもう限界。身体も重いし、青空が恋しい。
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幸せのつぼ

2006年07月24日 | 馬徒然
ある料理番組で、女優の宮本信子さんが言ったことがとても心に残った。
「人間には幸せのツボがあって、それをちょっと押してもらったら、すごく幸せになれるのよ。でも、それができる人は、人生にたった一人だけ。」
なんか、わかるような気がする。ツボをまちがって押したら、痛い。でも、ツボにはまれば、快適。そして、それを押すことができるたった1人の人にめぐり合えたら、大金持ちになるより、六本木ヒルズの最上階に住むより、ずーっと幸せなのだ。幸せ指数はまちがいなく80以上。
「幸せのつぼ」いい言葉だ。そういうことをテーマにした宮本さんのお芝居が上演されるそうだが、会場は大阪。残念!
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ブラックジョーカー

2006年07月23日 | 馬徒然
根岸馬の博物館に隣接するポニーセンターに、新顔のサラブレッド、元競走馬のブラックジョーカーがやってきた。青鹿毛の美男子、面立ちがアドマイヤビッグに似ている。その彼の咽喉に、誰にでもわかる直径5センチほどの大きな穴があいている。「のどなり」の手術の結果だそうだ。呼吸だけでなく、食べ物がつまった時も、ブラックジョーカーはその咽喉穴から上手に吐き出すという。生々しいという感はない。でも、あんな大きな穴が首に開いているのに、彼が元気なのが不思議。ポニーセンターで乗馬の再調教中とのことだった。
どういう経緯で、根岸にやってきたかは知らない。トウショウファルコ亡き後、根岸の新しい顔になってくれますように。
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名馬クリフジの騎手

2006年07月22日 | 馬徒然
朝日新聞の毎週金曜日夕刊に、「有吉正徳の競馬ウィークリー」というコラムが掲載される。いろいろな視点から競馬をとらえた話題が多くて、毎回楽しみ。21日付けのコラムは、「伝説の騎手、悲しい帰郷」。
シベリア戦没者遺骨のDNA鑑定で、青森県出身者6人が判明。その中に、中央競馬会の騎手前田長吉氏が含まれていたという。前田氏は、名牝クリフジの主戦ジョッキーだった人。クリフジは下総御料牧場の生産馬で、戦時中の1943年ダービーに牝馬ながら優勝、その後、オークス、菊花賞を含め11戦11勝というすばらしい成績を残して、1944年に引退した。彼女の引退を見届けた前田氏は、満州へ出征。終戦によってシベリアの収容所の強制労働に従事したが、1946年に23歳の若さで亡くなったそうである。
終戦から半世紀以上も経ち、名ジョッキーの遺骨は、やっと故郷の青森県八戸に戻ったということだ。
大陸に渡って帰ることができなかったのは、馬だけではない。ダービージョッキーが、こんなにも長い間故郷へ帰ることができなかった、ということが、妙にリアルに思える。戦争とは、そういうものだったんだと、実感してしまう。
クリフジは、その後繁殖牝馬としても優れた産駒を送り出した。もちろん、殿堂入りしている。クリフジを語るとき、前田長吉という騎手なくしては語ることができない。クリフジが、長い時をかけて、前田氏を日本に呼び戻したのかもしれない・・・。
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蜂の巣騒動

2006年07月21日 | 馬徒然
ベランダに天井に届くほど大きくなった鉢植えのゴールドクレストがある。その枝に、なんとなんと!直径5センチほどの蜂の巣ができていた。最近、やけに蜂がとびかうなあと思っていたけれど、こんな目立つところに巣を作っているとは思わなかった。
早速、区役所の環境衛生課に除去の相談をしたら、答えは・・・「殺虫剤駆除」。蜂の目が見えなくなる夜をねらって、巣に噴射すれば、親蜂もろとも退治できるというのである。それでは、あまりに蜂がかわいそう。蜂が悪さしたわけではないし、かといって、共同生活はできない。仕方がないのでまず、棒で巣を落とし、近所の公園の草むらに置いてくる。巣にむらがっていた蜂は6匹ほど、「何が起こったんだ!」とばかり、枝のまわりをとびかっている。木のまわりに殺虫剤をふりかけ、蜂を追い払うが、何度も戻ってくる。衛生課の人いわく、親蜂を退治しない限り、必ずまた近くに巣を作るのだそうだ。
ハーブやゼラニウムは蜂が嫌うとも言われるが、それほど効力はないらしい。何か良い方法はないでしょうか???

夕方、まだ蜂がとんでくる。今度は、ベランダの端っこにある大きな「金のなる木」のまわりをウロウロ。で、よく見たら、ここにも3センチぐらいの小さな巣が!さきほどと同じように、巣を撤去。幸い、この巣にまだ蜂は住んでいなかったらしい。
ベランダに、2個も蜂の巣があるなんて、参りました。

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サラブレッド

2006年07月20日 | 馬徒然
先日、お気に入りの遠野ブログの一つに、「サラブレッドは大変!」というコメントがあった。
昨年生れた遠野っ子たちは、2年目の夏山放牧に出ている。自然は厳しいかもしれないけれど、逞しく、自由な時間を、馬仲間と、青草を食みながら、自分たちの意思で暮している。が、同じ年の1歳になったサラブレッドは、もう育成場に入って、競走馬としてのトレーニングを始める。そのブログの管理人さんは、「本当にサラブレッドは大変!」とつぶやく。私もまったく同感なのです。
身も心も幼い2歳でデビューし、厳しいレースを積み重ねるサラブレッドたち。デビューレースでケガをしても、現状がわからず、仲間についていこうと走り続けて力尽きてしまう彼らの姿を、何度か目にしてきた。若くして屈腱炎を発症する馬も少なくない。それが競走馬の宿命、淘汰の法則と皆が言うけれど・・・。
本当に、「サラブレッドは大変!」
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