GRASSの日々折々

馬好きフォトグラファーが綴る日々の1ショット。

今年最後の撮影は・・・

2008年12月31日 | 馬徒然
29日月曜日に大井競馬場で行なわれた東京大賞典。

ジャパンカップダートに続き優勝したカネヒキリは、屈腱炎を克服して再び砂の王者になった。赤く染まった空に栗毛が映えていた。
あどけなく可愛い顔をしたこの馬のどこに、そんな力があるのだろうと思った。

馬といえば競馬・・・決してそう思っているわけではないのに、
やっぱり年の最後に撮影するのは競馬場だ。
そして年の初めも、やっぱり競馬場になりそうである。





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コスモバルクの目

2008年12月28日 | 馬徒然
コスモバルクが出走する有馬記念が終った。37年ぶりに牝馬が戴冠。ダイワスカーレットに感服である。
レース後に、陽子ちゃん、つぐみさんとともにコスモバルクの厩舎を訪ねた。
田部先生がいつもと変らず、にこやかにおっしゃった。
「この馬は、こんなものではないんだ」

有馬記念パドックのバルクの目を見ていて、私もそう思った。
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マイネカトリーヌの遺児

2008年12月27日 | 馬徒然
盲目の母マイネカトリーヌ最後の産駒マイネプリンセスがデビューした。

マイネカトリーヌとその祖母オカノブルーのことは、マリリンこと瀧澤陽子ちゃんの本「三角のマリリン」(平原社)で紹介されている。
病気で失明したマイネカトリーヌは、おばあちゃんにあたるオカノブルーに守られながら繁殖生活を送っていたという。そのおかげで彼女は、重賞勝ちを果したマイネルデュプレをはじめ、優秀な産駒を何頭も送り出した。オカノブルーが30歳で天寿をまっとうすると、後を追うようにカトリーヌは亡くなったという。
彼女の最後の子供が、陽子ちゃんが愛してやまないアグネスデジタルを父にもつマイネプリンセスだ。

一番人気だったけれど、最後にわずかかわされて2着。優勝したのはリワードニンファの娘だった。

マイネカトリーヌの子供たちは、彼女が子馬の所在を認識できるよう、皆鈴をつけていたそうだ。
プリンセスが最後に奏でた鈴の音が、天国のオカノブルーとカトリーヌに届きますよう。
彼女は今日、無事にデビューしました。
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恩師

2008年12月25日 | 馬徒然
人生の先生。年齢に関係なく出会う機会に恵まれる。それはとても幸せなことだと思う。
私の人生で最初に「恩師」と思える先生は、小学校5年生から卒業まで担任だったK先生だった。先生は生徒一人一人と毎日交歓日記をしておられた。

パソコンもワープロもない時代、ガリバンで刷ったわら半紙が、クラス全員に配られる。私たちは、その日感じたこと、見たこと、思ったことなどをそこに書き、提出する。すると翌日には、先生がそのことに対する感想文やアドバイスを書き込んで返してくれた。ひとクラス30人前後、その一人一人に毎日先生は、返事を書いてくださった。
それが、どれだけ楽しみだったことか、励みになったことか・・・。
真摯に小学生の私たちに向き合い、思いを聞いてくださったこと。それがどれほどその後の私たちの人生を支えてくれているのか、計り知れない。

その後、いろいろなことを経験し、ピアノ、写真など人生の要となる分野で「恩師」と思える方々にめぐり合えた。それが今の自分を支えている。
人生において「恩師」と敬える人がいることは、幸せだと思う。
最初にそれを教えてくれたのは、K先生にほかならない。
現在K先生は定年を迎え、教職員を勇退されたが、もちろん今でも現役で多岐に渡り活動されていらっしゃる。
K先生は、今も私の「恩師」であり続けている。
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絵本の原画展

2008年12月24日 | 馬徒然
日仏絵本文化交流の絵本原画展「絆」が、池袋の東京芸術劇場展示ギャラリーで開催中。フランスからは、ディエリー・デデュー、ジル・バシュレ、日本からは、あべ弘士、いせひでこ諸氏。

迫力がある。どの絵も、タッチが淡くても、強くても、込められたメッセージはひしひしと伝わる。
オオカミ、ライオン、クマ、ぞう、木、そして人・・・。絵本を飛び出して、作家自身が見えてくる作品の数々。
明日が最終日。入場料無料なんて贅沢な展覧会。

いせひでこ氏
「ルリュールおじさん」「絵描き」「にいさん」「くるみわり人形」etc.

あべ弘士氏
「エゾオオカミ物語」「ライオンのながいいちにち」「なめとこ山の熊」etc.

ジル・バシュレ氏
「ばかなわたしのネコ」

テュエりー・デデュー氏(訳・柳田邦夫)
「ヤクーバとライオン」勇気
「ヤクーバとライオン」信頼
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パドック、もうひとつの風景

2008年12月23日 | 馬徒然
パドック周回を終えた馬たちがレースにむかい、次のレースの馬たちが姿を現すまでの間に行なわれる掃除。係りの方々、いつもご苦労様です。



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チビとミーコのこと

2008年12月21日 | 馬徒然
ベランダに住んでいた猫たちのことをふと思い出す。

三毛猫ミーコと一つ年下の黒猫チビ。どちらも「クロ」という野良猫母さんが我が家のベランダで育てた。

大人になって戻ってきたのは、ミーコとチビ。
ミーコはごはんをもらうとき、昼寝のときだけベランダで過ごしていた。一つ年下の妹チビはミーコを慕って、いつも寄り添っていたけど、ミーコは「仕方なく」といった風情だった。

ミーコが病気になったとき、獣医さんに連れて行こうとしたが、彼女は絶対につかませなかった。よくなつき、心を許してくれていても、母猫クロが人をよせつけない猫だったから、ミーコにも野良猫としての天性があったのだと思う。結局ミーコは、ベランダにあがってくる力もなくなり、庭のどこかで命を閉じた。

残されたチビは、ほとんどベランダを離れることはなくなった。
チビも持病があった。病院に連れて行く時はよくても、着いてから野良猫の本領発揮。大暴れして獣医さんに迷惑をかけた。
獣医さんは、「普段どんなになついていても、やっぱり野良猫だからね、彼女にとっては病院にくること自体が大変なストレスなんですよ」とおっしゃった。
その後、また食べれなくなったチビを見るにみかねて、洗濯ネットに入れて獣医さんのところに連れて行った。けれどチビもやはり野良猫、診察してもらう状態ではなく、注射一本でしのいでもらうのがやっとだった。

もともと兄弟の中で一番発育が悪かったチビは、それからもいろいろな症状があらわれる。もうこのまま見守っていた方がいいのだろうかと思った。
だんだん体力がなくなり、チビは最後の力をふりしぼって、ミーコのようにどこかへ行こうとしたけれど、私が引きとめてしまった。それから3日後、家の中で静かに息をひきとった。

最後は、やすらかでいられただろうか。
野良猫としての最後を選んだミーコ、選ぼうとして我が家で亡くなったチビ。
母猫クロは3世代の子供たちを我が家のベランダで育てたが、チビの世代を最後に姿を消した。
我が家のベランダに、もう猫が住むことはない。ごはんを食べにくる猫もいない。
猫の写真を撮ることも、なくなった。
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農用馬の子馬

2008年12月20日 | 馬徒然
遠野に行くまで、「農用馬」つまりブルトンやペルシュロンといった重種の馬たちに会ったことがなかった。

美しい馬、といったら、日本ではたいがいサラブレッドや軽種馬のことを連想するのだろうけれど、それは主観の違いだということに気がつく。サラブレッドが走る姿、馬場馬術、あるいは障害馬術の馬のきなど、馬の美しさはいろいろいると思う。
でも「動き」を表現する場が少ない重種馬たちも、その魅力はサラブレッドをはじめとする軽種馬に優るとも劣らない。
使役に使われることがほとんどだが、山に遊ぶ彼らは普通に走るし、なかなかすばやい。なにより性格が温厚で優しい。

来年も、遠野で農用馬たちの姿を見ることができますように。
子馬たちの遊ぶ姿を撮影できますように。

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美浦名産のマッシュルーム

2008年12月19日 | 馬徒然
先週の中山競馬場では、美浦村の物産展が行なわれていた。
目を引いたのは、マッシュルームである。

マッシュルームは、馬の敷藁が苗床になるのだということを、以前NHKの「ためしてガッテン」という番組で見たことがある。いかにも輸入されたキノコの印象だが、純然たる国産物なのだ。
競走馬のトレセンを抱える美浦村にとって、これほど豊かな資源を利用しない手はない。

撮影の仕事を終えて、閉店間際の出店に立ち寄った。
午前中雨で客足が鈍かったのか、袋いっぱいのマッシュルームがまだ残っていた。昼間は200円で販売されていたものが、そのときは100円。わー、激安!
キノコに目がない私。即、購入。

すごい量だった。だめにするともったいないので、ご近所にもおすそ分けした。でも5日たってもきれいなまま。スーパーに並んでいるものより新鮮なのだと思う。
シャキシャキと歯ごたえがあり、生でサラダに和えると、「美味しい!!!」。

馬の恩恵にあずかる。
マッシュルームは、馬からの贈り物なのでした。



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フォトエッセイ『遠野馬物語』

2008年12月17日 | 馬徒然
遠野を初めて訪れてから5年、新宿のコニカミノルタプラザで写真展『遠野馬物語』を開催した。
さらに3年、ようやくフォトエッセイ集として一冊の本になる。

この一年は、本つくりを目標にしていた。写真原稿をまとめ、書きとどめておいた取材メモを書き直し、出版元とのやりとりや各方面の関係者との折衝・・・。
いくつかの課題をクリアして具体的な作業が始まったのは、11月半ばだった。

先ごろ新聞発表された遠野馬たちの困難な状況は、私にとっても切なく、決して他人事ではない。
でも私が見て、聞いて、感動したことに、少しの嘘もない。この本をつうじて、心からのエールを送りたいと思う。


フォトエッセイ『遠野馬物語』 高草 操・著
株式会社 里文出版
1600円+税
2009年1月末、発売予定

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