10月10日のNHK FMは「今日は一日プログレ三昧、再び」と題して10時間に亘ってプログレッシヴ・ロックだけを放送する特別番組だった。風邪で調子の悪かった私は家に籠りパソコンで一日中流していた。ピンク・フロイド、キング・クリムゾン、イエス、ELP、ジェネシスなどのメジャーなバンドばかりでなく、ファウストやスラップ・ハッピー、イスラエルやインドネシアのバンドも紹介しなかなか聴き応えがあったが、これだけプログレ塗れだとお腹いっぱいごちそうさまという感じでもっとあっさりしたものを聴きたくなった。
大学時代にKnifeというプログレ・バンドをやっていた。バンド名はジェネシスの曲名から取った。最初にコピーした曲はキング・クリムゾンの「太陽と戦慄 パート2」。当時はスコア譜もなく全部耳コピーだった。楽譜の読めない私は"ギャツツギャツツギャツギャツ"とカタカナで譜面を書いた。他にクリムゾンの「21世紀の精神異常者」「レッド」「イージー・マネー」「待ってください」やジェネシスの「ザ・ナイフ」「ウォッチャー・オブ・ザ・スカイ」、スティーヴ・ハケット、フォーカス、UK、ブラッフォードなど往年のプログレの名曲をコピーした。複雑な変拍子や難しいフレーズをよくコピーしたものだと思う。今考えればそんなややこしいバンドと平行してオリジナルのニューウェイヴ・バンドをやっていたことでバランスを保っていたのかもしれない。
現在リスナーの立場になって、アヴァンギャルドな音楽と同時にポップなガールズ・バンドやロッケンロールが好きなのも同じように自分の中でバランスを取る必要性があるからなのだろう。
プログレの
辺境世界に
魅惑され
「今日は一日ノイズ三昧」だったらどうだろう。放送事故の連続だろうな。