クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

コメントはメーカー案内書より抜粋です。お問い合わせ:goodies2@pc.highway.ne.jp

08-05 No.18

2008年05月19日 18時38分24秒 | Weblog
<Opus蔵>
RCA等の記述から推察するに、RCAによるトスカニーニLPの音は、トスカニーニ
家の石造りのホールにおいて大音量で再生した場合にベストに聴こえるように
設定されたようですが、英HMVの音は一般家庭の絨毯やカーテンのある普通の部
屋で聴くにふさわしい設定がなされているようです。実際にホールで聴衆が耳
にした音はどちらだったのでしょうか。どちらが正しいかも大切でしょうが、
所詮どちらも仮定の話しです。むしろ、我々は両者の違いを楽しむことができ
るのを喜ぶべきではないでしょうか。
最近のマスタリングはきれいになりすぎ、まるでトスカニーニがサイボーグの
ように響く例があります。ひと昔前のヨーロッパではどんな音が聴かれていた
のか興味がありませんか。(制作者)

OPK 7038 \2250
ヴェルディ:
(1)歌劇『ナブッコ』より 「行け,我が思いよ,黄金の翼にのって」
(2)歌劇『イタリアのロンバルディア人』より 序奏と三重唱 
(3)歌劇『シチリア島の夕べの祈り』序曲 
(4)歌劇『ルイザ・ミラー』序曲
(5)歌劇『ルイザ・ミラー』より 「この静かな夜には」
(6)歌劇『リゴレット』第3幕
アルトゥーロ トスカニーニ(指)NBC交響楽団
(1)ウェストミンスター合唱団 (2)(5)(6)ジャン・ピアース
(2)ヴィヴィアン・デラ・キエサ (2)(6)ニコラ・モスコーナ
(6)ジンカ・ミラノフ、ナン・メリマン、レナード・ウォーレン、
録音:(1)-(5)1943年 (6)1944年
原盤:UK-HMV LP
さて、聴きなおしてみて、トスカニーニにとってヴェルディの音楽が血肉の一
部と化していることを、あらためて教えられた。リズムの精気、たぎりたつよ
うなカンタービレ、たくましくひきしまった、とてつもなく熱い響きなど、い
ずれをとっても比類なきもの、余人をもって換えがたいである。そしてそれら
が堅苦しく痩せることなく、大きな呼吸感をともなっている点は、まさしく
1940年代までのトスカニーニの録音にしか聴くことのできない魅力だ。(中略)
最後に音質のこと。RCAのCDが基本的に硬く痩せているか、あるいは鼻づまり
気味の音質なのに対し、このオーパス蔵の盤は力強く明快な響きで、トスカニ
ーニの魅力をいっそうわかりやすくしている。 (山崎浩太郎)

OPK 7039 \2250
ベートーヴェン:
(1)交響曲第2番二長調作品36
(2)交響曲第4番変ロ長調作品60
(3)『エグモント』序曲
アルトゥーロ トスカニーニ(指)NBC交響楽団
録音:(1)1949,51年 (2)1951年 (3)1952年
原盤:UK-HMV LP
《第4》は’51年2月3日、カーネギーホールでの演奏のNBCによる放送録音だが、
これがすごくリアリスティックな録音で、復刻されたCDRでも、鮮度みなぎる
再生音となった。演奏も最高にトスカニーニ的でみずみずしく、第1楽章導入
部の優美だがぐっと抑えた表情から、やがて訪れる主部への期待をふくらませ
ていくのだが、35小節のヴァイオリンの急激なクレッシェンドで爆発する全合
奏のffと、アレグロ・ヴィヴァーチェになだれ込んでからのぐいぐいとしゃく
り上げるリズミックな疾走ぶりと前進力。にもかかわらず曲の造型的な構成感
は緊密の極。瞬時も乱れず走り続けるアンサンブルの冴えとともに圧巻そのも
の。こんなすごい演奏と録音だったとは、全く信じられないことだった。  
(小林利之) 

OPK 7040 \2250
ヴェルディ:レクイエム
アルトゥーロ トスカニーニ (指) NBC交響楽団
ヘルヴァ ネルリ、フェードラ バルビエリ、ジュゼッペ ディ ステファノ、
チェーザレ シエピ
ロバート ショウ合唱団(合唱指揮ロバート ショウ)
録音:1951年
原盤:UK-HMV LP
トスカニーニが最初から留意した伝説的な表現のひとつに〈怒りの日〉で聴衆
の心を震撼させるグラン・カッサ(バス・ドラム)の打撃ぶりがある。「皮を完
全にピンと張り、独奏の際には最も強烈なアクセントをつけて打つ」と楽譜に
書きこんだヴェルディの意図そのまま「人に恐怖心を起こさせるほど轟かせね
ばならない」という強打効果を打楽器奏者はもとより録音側にも要求している。
今回のオーパス蔵のHMVオリジナル・プレス盤LPによる復刻CDで聴く「トスカ
ニーニ恐怖のグラン・カッサ」の(本当に本物らしい感じの)響きをぜひ注意し
て体験していただきたい。 (小林利之)

OPK 2076 \2250
(1)J.C. バッハ:シンフォニア変ロ長調作品18-2
(2)ラヴェル:ボレロ
(3)R.シュトラウス:「英雄の生涯」作品40
ウィレム・メンゲルベルク(指) (1)(3)ニューヨーク・フィル 
(2)コンセルトヘボウ管弦楽団
録音 :(1)1929年 (2)1930年 (3)1928年
原盤:SP
C・バッハの「シンフォニア」が始まったとたん、わが耳を疑ったのである。
弦を弓がこする音まで克明に聴こえるではないか。歪みもなく、音楽自体の美
しさが100パーセント伝わってくる。・・・・
SPにはこれだけの音が刻まれていたわけである。もちろん、それにはオーケス
トラの技術の高さ、それ以上に各パートを見事な棒でさばき、主旋律、対旋律、
重要な音、それを支える音を完璧なバランスに整えたメンゲルベルクの能力の
高さこそ、第一に讃えなければならないであろう。 (宇野功芳)





<EURO ARTS>
20 56848(DVD-Video) \2900
字幕:英独仏西(特典)
ブルックナー:交響曲第9番
特典映像:フランツ・ヴェルザー=メストの対話
フランツ・ヴェルザー=メスト(指)クリーヴランド管弦楽団
録音:2007年10月31日 ムジークフェラインザール 大ホール(ライヴ)
小澤征爾の後任として2010年からウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任するフ
ランツ・ヴェルザー=メストとクリーヴランド管弦楽団によるブルックナーの
第9番。以前EURO ARTSからリリースされた第5番(20 55918)の演奏同様に、ブル
ックナーを得意とするヴェルザー=メストならではの緻密な演奏で曲の持つ深
淵さを味わうことのできます。繊細かつ明解な指揮、力量を限りなく発揮した
オケとの完璧なまでの演奏が繰り広げられ、ヴェルザー=メストの真摯な音楽
への取り組みが理想的なブルックナーを生み出しています。

20 72348(DVD-Video) \2900
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 
第4番ハ短調Op.18-4
第7番ヘ長調「ラズモフスキー第1番」Op.59-1
第14番嬰ハ短調Op.131
ジュリアード弦楽四重奏団
【ロバート・マン(Vn)アール・カーリス(Vn) サミュエル・ローズ(Va) 
ジョエル・クロスニック(Vc)】
録音:1975年 ビブリオテークザール(ポリング、バイエルン)
1946年にジュリアード音楽院の教授たちにより結成されたジュリアード弦楽四
重奏団。メンバー交代があってもなお高い音楽性を追求しつづける世界最高の
弦楽四重奏団です。当DVDはジュリアードQ.にとって最高のレパートリーである
ベートーヴェンを収録。名演として名高い最初のベートーヴェン全集は1964年
から1970年に録音され、これはその全集録音後の1975年の演奏です。ビブリオ
テークザールの豊かなホールトーン、研ぎ澄まされたアンサンブル、彼らの確
立されたスタイルが凝縮した映像です。




<Profil>
PH 08029 4枚組 \5950
スラヴァ賛!-ロストロポーヴィチ記念コンサート
[CD1]
(1)ウォルトン:パッサカリア【セバスティアン・ヘス】
(2)カンチェリ:涙のあとに【ユリウス・ベルガー】
(3)デュティユー:
ザッヒャーの名による3つのストローフェ【ラースロー・フェニェー】
(4)シュニトケ:インプロヴィゼーション【ホン・エンスン】
(5)ルトスワフスキ:ザッヒャー変奏曲【レオナルト・エルシェンブロイヒ】
(6)ブリテン:無伴奏チェロ組曲第2番Op.80【ミクローシュ・ペレーニ】
[CD2]
(1)シュニトケ:
弦楽三重奏のためのメヌエット【ギドン・クレーメル、ウーラ・ジェブリュー
ナイテ、ダーヴィド・ゲリンガス】
(2)プロコフィエフ(ロストロポーヴィチ編):
シンデレラのワルツ/3つのオレンジへの恋の行進曲【リン・ハレル、パヴェル
・ギリロフ】
(3)ロストロポーヴィチ:
ユモレスク Op.5【ガブリエル・シュワーベ、ギリロフ】
(4)同:エチュード【チョー・ヨンチャン】
(5)ドビュッシー:
夜想曲とスケルツォ【ゲイリー・ホフマン、ダーヴィド・ゼリグ】
(6)ピアソラ:グラン・タンゴ【ヨンチャン、ギリロフ】
(7)カンチェリ:ほほえみをスラヴァに【ミッシャ・マイスキー、ギリロフ】
(8)シャポーリン:
ロシアの歌とスケルツォ【アンドレアス・ブランテリト、ギリロフ】
(9)シュニトケ:郷愁の音楽【アルト・ノラス、ラルフ・ゴトーニ】
(10)ブリテン:
チェロソナタ Op.65
【ナターリヤ・グートマン、ヴャチェスラフ・ポプルーギン】
[CD3]
(1)シュニトケ:
バレエ「ペール・ギュント」エピローグ【ゲリンガス、ヤーシャ・ネムツォフ】
(2)ミャスコフスキー:チェロソナタ第2番【グートマン、ポプルーギン】
(3)プロコフィエフ:チェロソナタ Op.119【ブランテリト、ギリロフ】
[CD4]
(1)シチェドリン:
スラヴァ、スラヴァ!【ネーメ・ヤルヴィ(指)バイエルン放送響】
(2)ヘンツェ:
マルガレート・ゲッデス哀悼-チェロ6本のための【チェリッシモ】
(3)プロコフィエフ:
チェロ小協奏曲第2楽章-チェロ6本のための【チェリッシモ】
(4)シチェドリン:
良い旅を-スラヴァの思い出に-リコーダーとチェロ6本のための(世界初演)
【ザビーネ・アムボス、チェリッシモ】
(5)カルソンス:アルジヤ【ゲリンガス(指)チェッリシモほか】
(6)バーンスタイン:
ミサ曲より3つの瞑想曲
【ゲイリー・ホフマン、ゲリンガス(指)クレメラータ・バルティカ】
(7)カンチェリ:
黙祈-ロストロポーヴィチ生誕80年とクレーメル生誕60年を祝して(世界初演)
【クレーメル、マリー・エリザベス・ヘッカー、クレメラータ・バルティカ】
20世紀最大の音楽家のひとりムスチスラフ・ロストロポーヴィチは1927年3月
27日に生まれ、2007年4月27日に世を去りました。当アルバムは、2007年10月
3-7日にドイツのクロンベルクで行なわれたチェロ・フェスティヴァルから、
ロストロポーヴィチに献呈されたもしくは彼が世界初演を行なった27作品を
収めた追悼企画。何より出演者が凄い。ペレーニ、マイスキー、ゲリンガス、
グートマン、ノラスなどチェロ界の重鎮、さらにクレーメルやヤルヴィまで
もが一堂に会し、ロストロゆかりの作品を披露しています。有名曲のみなら
ず、シャポーリンやロストロ自身の作などの珍品も入っていて、チェロ・ファ
ン狂喜の内容となっています。このアルバムを聴かずしてチェロを語れません。

PH 08030 \2180
(MONO)
ドン・コサック合唱団-古いロシアの歌
(1)夕べの鐘 (2)黒い瞳 (3)レズギンカ (4)木イチゴ摘み 
(5)愛の力で私は祈る (6)緑の牧場で-カリンカ (7)小さい鐘が鳴る 
(8)騎兵の行進 (9)2つのコサック歌謡 (10)赤いサラファン 
(11)森の中で (12)ボルガの舟歌 (13)ドン河畔にて (14)2つのギター 
(15)ステンカ・ラージン (16)神よ汝の民を救いたまえ 
(17)捕らえられたコサック (18)出発
ドン・コサック合唱団(1953年録音)
亡命ロシア人によって結成された男声アカペラ合唱団の名門ドン・コサック合
唱団。彼らの歌唱により日本でも数々のロシア民謡がポピュラーになりました。
彼らの凄さは気持ち悪いくらいの超低音から、女声のような裏声までを駆使し
た驚異的な音域の広さ。これこそドン・コサックの醍醐味で、肉声だけで交響
曲を聴くような充実感を味わえます。当アルバムは1953年DG盤と57年のMMS盤
をリマスターして蘇らせた歴史的録音です。

PH 08033 \2180
ヘンデル:
(1)クラヴィーア組曲第4番ニ短調HWV.437
(2)同 第3番ニ短調HWV.428
(3)同 第7番ト短調HWV.432
(4)同 第8番ト長調HWV.441
エフゲニー・コロリオフ(P)
録音:2007年1月22-26日シュトゥットガルト、カンマームジークスタジオ
(SWR製作)
2008年3月におこなわれた来日公演では十八番の「ゴルトベルク変奏曲」を披
露して大絶賛を浴びたコロリオフ。最新アルバムはヘンデル、「ディアベッリ
変奏曲」ほか(HRMK.00801)にエアと変奏曲が含まれていた第3番の全曲をふく
む、4つのクラヴィーア組曲を収めています。作曲家リゲティが熱いコメント
を寄せたコロリオフのバッハを聴くと、つぎはヘンデルも聴いてみたくなるの
は自然なこと。ネイガウス、オボーリンにレッスンを受け、ロシア・ピアニズ
ムの流れを汲むコロリオフのピアノは、かつてのギレリスに通じて美しくカチ
ッと端整。聴き進めるうちに瞑想的な世界が拡がります。




<audite>
AU 21402 3枚組 \4050
スクリャービン:ピアノソナタ全集
(1)第1番ヘ短調Op.6 (2)第2番嬰ト短調「幻想」Op.19 
(3)第3番嬰ヘ短調Op.23 (4)第4番嬰ヘ長調Op.30 (5)第5番Op.53 
(6)第6番Op.62 (7)第7番「白ミサ」Op.64 (8)第8番Op.66 
(9)第9番「黒ミサ」Op.68 (10)第10番Op.70
ウラジーミル・ストゥペリ(Pf)
1962年生まれのロシアの名手ストゥペリによるスクリャービンのソナタ全集。
彼は往年の女性ピアニスト、ボブリツカヤの子息で、14歳にしてチャイコフス
キーの協奏曲を演奏、85年にはジュネーヴ国際コンクールに仲道郁代とともに
3位入賞(1・2位なし)しています。師匠ラーザリ・ベルマンゆずりの明るい音
色と超絶技巧で、スクリャービンの多様な作風を絶妙に弾きわけています。




<haenssler>
93 229 \2250
ヴァスクス:
(1)本-無伴奏チェロのための(1978)
(2)パルティータ-チェロとピアノのための(1974)
(3)エピソードと終わりなき歌-ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための(1985)
ダーヴィド・ゲリンガス(Vc) カッレ・ランダル(Pf) 
ドミートリー・シトコヴェツキー(Vn)
現代ラトヴィアのペーテリス・ヴァスクス(1946-)は現存作曲家のなかでも人気
のあるひとり。当アルバムはゲリンガスの名演でヴァスクス作品を楽しめる豪
華盤ですが、メシアン追悼に書かれた大作「エピソードと終わりなき歌」が特
に聴きもの。非常な力作で、ゲリンガスとシトコヴェツキーがこの上なく見事
に再現しています。

93 204 \2250
「フルートの悦び - メル・ボニによるフルート作品集」
メル・ボニ(1858-1937):
(1)組曲Op.59(1903)-Fl, Vn & P *
(2)アンダンテとアレグロOp.133(1929)-Fl & P
(3)ヴォー地方の調べOp.108(1914-1918)-Fl & P
(4)七重奏幻想曲あるいは協奏曲Op.72(1910 / 1927)
-P, 2Fl, 2Vn, Va & Vc *
(5)森の情景Op.123(1927 / 1928)~Fl, Hrn & P *
(6)古風な形式の組曲Op.127-1(1928)-Fl, Vn, Va, & P *
(7)小品Op.189(ca.1900)-Fl & P
(8)ささやく笛Op.121(1925 / 1926)-Fl & P
(9)スケルツォ・フィナーレOp.187遺作-Fl & P *
*世界初録音
タチアナ・ルーラント(Fl) フローリアン・ヴィーク(P)
クリスティナ・ジンガー(Fl)
ヴォルフガング・ウィプファー(Hrn)
ルーカス・フリードリヒ(Vn)
ゲサ・イェンネ=デンネヴェク(Vn)
イングリッド・フィリッピ(Va)
アンスガル・シュナイダー(Vc)
録音:2006年2月13-16日SWRシュトゥットガルト、室内楽スタジオ
パリに生まれた女性作曲家メラニー・ボニスあるいはボニ(1858-1937)は、メル
=ボニ名義で生前は多くの作品を発表しながら、典型的な“忘れ去られた作曲
家”。フランクの勧めで入学したパリ音楽院ではドビュッシーやピエルネの同
窓生であった彼女の作風は、ひとくちにいって、おしゃれでセンスのよさが光
るもの。300ほどある作品の中でも特に魅力的といわれているのが管楽器のた
めの作品。このアルバムでは世界初録音を含むフルートつきのものが集められ
ています。

98 287 \2080
シューベルト:ピアノ作品集 Vol.1
ピアノ・ソナタ ト長調 D.894、3つの小品 D.946
ゲルハルト・オピッツ(P)
録音:2007年11月26日 ノイマルクト
巨匠オピッツが、ベートーヴェンのピアノ全集を取り終え、新たなプロジェク
トをスタートさせました。次なる音楽の旅はシューベルト。聴衆から絶大なる
信頼を得ているオピッツならではのシューベルトを聴かせてくれます。オピッ
ツは「ドイツ正統派を継承」と形容されますが、ただ単に重厚なドイツ流ピア
ニズムで奏しているわけではなく、美しい響き、音色の自在の変化など多彩な
面も備えた演奏。シューベルトの持つ美しい音楽世界を残しつつ、緻密な分析、
抑制された表現など充分に熟考されています。ベートーヴェンの音楽とは違う
シューベルトの音楽独自の濃密さを感じさせてくれるシリーズとなるでしょう。




<harmonia mundi>
HMC 901974 \2450
ティエリー・ペク(b.1965):
(1)数え切れない鳥たち、ピアノとオーケストラのための協奏曲(2006年)
(2)記憶のむこう-変動成分(2004年)
(3)鍵盤のための小さな本(1995年)
(4)ラモーのあとに、ひとつのサラバンド?(2001年)
ラモー:
(5)サラバンド(HMC 901754/新しいクラヴサンのための組曲(1728)より)
アレクサンドル・タロー【ピアノ((1)(2)(5))/ポジティブ・オルガン((4)の
1曲目)/エピネット((4)の2,5曲目)/クラヴィコード((4)の3,4曲目)】
アンドレア・キン(指(1))パリ管弦楽団アンサンブル
ティエリー・ペクは、1965年フランス生まれの作曲家。パリ国立高等音楽院に
学び、様々な賞を受賞。カナダ、ロシア、スペイン、そして南米と様々な地で
学んだり生活したりしながら、音楽活動を展開しています。ペクは、「生きる
ことは旅であり、旅することは書くことであり、書くことは異次元への旅」で
あると語ります。彼の作品には、宇宙とも地球とも人間界ともつかない不思議
な世界が広がっています。その世界の中で我々は、停滞する時間、完璧な瞑想
状態、すべてを超越して脳髄で感じる陶酔など、様々な体験をすることができ
ます。この体験ツアーのガイドとして選ばれたのがアレクサンドル・タロー。
彼の、贅肉をとことんそぎ落とした音色、極端に集中して一糸の乱れもない
パッセージ、一切の感傷を排除した演奏は、異次元への誘い手として実に最適
です。(?はAE0423とは異なり、新録音です)





<HUNGAROTON>
HCD 31848 \2080
ジョン・ケージ:打楽器のための作品集VOL.5(1936-1991)
(1)Six (2)クヮルテット (3)一の四乗 
(4)ダンス・ミュージック(*世界初録音) (5)三の二乗
アマディンダ・パーカッション・グループ
ゾルタン・コチシュ(ピアノ、トイ・ピアノ、パーカッション(4))他
打楽器のための作品集シリーズもいよいよ第5弾となりました。ケージの死後す
でに15年以上経つ今もなお、彼の作品のもつ独特の哲学・音世界は我々に新鮮
さと驚きをもたらしてくれます。名手たちが奏でる打楽器の音色と音色の間の
「間」から、ケージの紡ぐガムラン的世界を垣間見ることができます。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 08-05 No.17-1 | トップ | 08-05 No.19 »

Weblog」カテゴリの最新記事