クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

コメントはメーカー案内書より抜粋です。お問い合わせ:goodies2@pc.highway.ne.jp

07-01 No.20-2

2007年01月20日 11時56分08秒 | Weblog
<audite>
AU 95580 \2080
シューベルト:「冬の旅」
ヴェルディ:「マクベス」,「運命の力」,「アイーダ」,「オテッロ」
マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」
プッチーニ:「トスカ」
R.シュトラウス:「サロメ」,「アラベラ」からのアリア,場面
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)
ヘルマン・ロイター(P)
録音:1952年
天下の大バリトン、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウが歌った
「冬の旅」には、いったいいくつ録音があるのか、かなりのマニアでも分か
らなくなる状態(レコード会社への録音が7種、ライヴと映像を含めると、
10種を超えるそうな)。このCDは、1952年、ケルン放送への録音をCD化した
もので、正規盤はこれが初出。F-Dが復員した直後の、一番若い時の「冬の
旅」の録音(1948年)と、初のレコード用録音であったジェラルド・ムーア
の伴奏によるEMI録音(1955年)のちょうど間になります。1950年代前半は、
F-Dが、有望な青年歌手から国際的なスターへと駆け上がっていくまっただ
なか、その勢いをこの録音からも感じ取れることでしょう。





<FUGA LIBERA>
FUG 521 \1850
グラズノフ:
(1)交響曲第5番 変ロ長調 Op.55
(2)ピアノ協奏曲第1番ヘ短調 Op.92
セヴェリン・フォン・エッカートシュタイン (Pf)(2)、
ワルター・ウェラー(指)ベルギー国立O
グラズノフのピアノ協奏曲第1番は知名度こそ高くありませんが、聴き込むと
はまってしまう秘曲。この曲のピアノ・パートはピアノ・マニアの間で教祖
的な人気を誇るレオポルド・ゴドフスキが作曲者の依頼で念入りに書き直し
ていて、全く彼流の超絶技巧となっています。管弦楽はグラズノフならでは
の極彩色のオーケストレーション、メロディもロシア的な憂愁とバレエ音楽
のようなチャーミングなものまで豊富、1曲でゴドフスキとグラズノフが同時
に楽しめる優れもの。若手注目株のエッカートシュタインが見事な技巧と絶
妙な歌いまわしで驚きの名演を見せています。グラズノフを得意とするワル
ター・ウェラーの作品を熟知した解釈も魅力です。

FUG 516 \1850
マーラー/シェーンベルク&リーン編:大地の歌
アンドレ・ポスト(Ten)、マルグリート・ライセン(Ms)
オクサリス【シリー・ラウプ、フレデリク・ウルセル(Vn)、エリザベス・
スマルト(Va)、マルティーン・ヴィンク(Vc)、ケーンラート・ホフマ
ン(Cbs)、トーン・フレット(Fl)、ナタリー・ルフェーブル(Cl)、カレル
・ショーフス(Ob)、ゲールト・フィリップス(Fag)、 シモン・ハスペス
ラハ(Hrn)、ピエト・クイケン(P)、ディルク・ルイーメス(Hrm)、
バルト・ヴァンデルベーケ&ガブリエル・ロフェル(Perc))
録音:2005年8月
マーラー晩年の東洋的色彩に彩られた異色な交響曲の室内楽編曲版です。ち
なみにマーラー自身の手によるピアノ伴奏版も存在していますが、こちらは
1989年に国立音大講堂でサヴァリッシュのピアノ伴奏で世界初演されていま
す。この室内楽版は冒頭のスコア21ページ分を1920年にシェーンベルクが手
がけたものの未完に終わっていた草稿をライナー・リーンが加筆し1983年に
完成したもの。オリジナルが独唱2名と3管(ホルン4管)編成に加え、多彩
な打楽器を伴った大編成なのに比べるとぎりぎりまできりつめた編成である
点に。演奏自体はごくごくオーソドックスなので、この編曲版から浮かび上
がるマーラーの秘密を探求するにはちょうど良いといえるでしょう。もちろ
ん巨大編成のみが可能にする管弦楽の咆哮や浩々とした宇宙的広がりをここ
に求めることはできません。しかし「線」が一層明瞭になったことで明らか
になったのは、マーラーがどれほど大きな編成であっても小編成室内楽に匹
敵する緊密で凝縮された密度の音楽を書けた天才であったという事実です。
「告別」での弦のたゆたいなどは時にオリジナル合奏より孟浩然や銭起の詩
に肉薄しているように思わせる瞬間が確かに感じ取れます。オクサリスは
1993年にベルギーのブリュッセル音楽院の学生が設立したもので、優れた
アンサンブルとともに、華麗なコスチュームでも注目されている気鋭の団
体です。

FUG 518 \1850
ジョンゲン:
(1)ピアノ三重奏曲 ロ短調op.10 
(2)ヴァイオリンとピアノのための水彩画op.59 
(3)ピアノ三重奏のための2つの小品op.95
アンサンブル・ジョセフ・ジョンゲン
エリオット・ローソン(Vn)、マルク・ドゥロビンスキー(Vc)、
ディアヌ・アンデルセン(P)
録音:(1)(3)2006年4月、(2)2006年6月
近代ベルギーを代表する作曲家でありながら、なぜか日本では知られざる存
在に留まっていたジョセフ・ジョンゲン(1873-1953 ヨンゲンとドイツ風
に表記されている場合が多い)の魅力が一聴してわかるお薦めの1枚です。
初期作品のピアノ三重奏曲op.10(1896/7)では美しい旋律の魅力は認めら
れるにせよ、まだ故国の偉大な先輩フランクのエピゴーネンという印象です
が、「水彩画」(1918)やピアノ三重奏曲のための2つの小品(1931)に至
るとこれはもう唖然とするほかありません。同時代の偉大なフォーレやド
ビュッシー、ラヴェルに伍してまったく遜色を感じさせない高みに達した
作曲家がいくら時代の波に幾らかずれていたとはいえ「知られざる大作曲
家」に落ち着いてしまっているのは不思議というほかありません。もっと
も本国ベルギーでは再評価が著しく次々と新しい録音が登場しているよう
です。ここで演奏しているジョンゲンの名を冠したアンサンブルはアンデ
ルセン女史を中心として2002年に結成された新しい団体ですが、気品と音
色の点で作品にとてもフィットした演奏を行っています。

FUG 520 \1850
テレマン:クリスマス・カンタータ集
(1)いざ来たれ、異邦人の救い主よ TWV1:1174
(2)終焉の日は間近に迫り TWV1:301
(3)われらにみどりごがお生まれになった TWV1:1451
(4)たたえられよ、イエス・キリスト TWV1:612
グレタ・ド・レイグル、ヨハネッテ・ゾマー (Sop)、
スティーヴ・ドュガルダン (A)、
ミカエル・ステンベク (Ten)、ヒューブ・クラセンス (Bs)、
ポール・ドムブレヒト(指)イル・フォンダメント
生前は大バッハやヘンデルよりも人気があったテレマン。彼は10代の頃から
宗教音楽を書き始め、膨大な数が残されているものの、あまり聴く機会があ
りません。ここではクリスマス用に書かれた4篇のカンタータをベルギーの
古楽アンサンブルが好演、テレマンの音楽の魅力を再認させてくれます。

FUG 701 \1850
アヴァンゲール(戦前) 1911-1914
大戦前のピアノ音楽によるカレイドスコープ(万華鏡)
(1)ラフマニノフ:練習曲「音の絵」op.33(全9曲中第4番を除く8曲) 
(2)シェーンベルク:6つの小さなピアノ曲op.19 
(3)ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ 
(4)プロコフィエフ:サルカズム(風刺)op.17 
(5)フォーレ:夜想曲第11番 嬰へ単調op.104-1
ヤン・ファンデ・ウェーヘ(P)
録音:2005年6月
暦上では20世紀であっても、1914年8月までは文化も覇権も実質的に19世紀
から連続していました。オーストリアの対セルビア宣戦布告とそれを受けた
帝政ロシアの総動員令、さらにロシアの総動員令を期にドイツ帝国は予ねて
から立案していたシュリーフェンプランを発動し、独陸軍の実に7/8にあた
る大軍団で西部国境の向うへと怒涛の進軍を開始したその時に19世紀は完全
に潰え、新しい激動の世紀に突入したといえるでしょう。その第1次世界大
戦前の束の間の平和な時期に花開いた彩り豊かな作品を絶妙の順で配したの
がこのアルバムです。ソロピアニストとしての活動に加え、室内楽、歌曲伴
奏でも主にフランドル地域で活躍しているファンで・ウェーへはリサイタル
である特定の時期の作品をプログラムに載せることで知られているというこ
とですが、難曲をそれと感じさせないテクニックと、重厚で陰影に富む音色
がとても魅力的な優れたピアニストです。

FUG 519 \1850
組曲のエスプリ(精神)
(1)マレ/ムクレ、S.ハリンク編:組曲「昔のフランスの古い踊り」 
(2)ストラヴィンスキー/ピアティゴルスキー、S.ハリンク編:
チェロとピアノのための「イタリア組曲」 
(3)トゥルニエ:
「イマージュ」第4組曲 a)魔法の鳥籠 b)雪の中でなる鐘 c)ロシア農民
の踊り 
(4)ファリャ/マレシャル&S.ハリンク編:
スペイン民謡組曲(全7曲中第2曲を除く6曲) a)ムーア人の衣装 b)アス
トゥリアス地方の歌 c)ホタ d)子守歌 e)うた f)ポーロ
デュオ・ハリンク
ソフィー・ハリンク(Hrp)、マリー・ハリンク(Vc)
ソフィーとマリーのハリンク姉妹の伸びやかで緻密なハープとチェロのアン
サンブルが上質な時の流れをきっと約束してくれるアルバムです。17、18世
紀のマレと、20世紀の作曲家の作品が収められていますが不思議なほど違和
感がないのはストラヴィンAスキーの作品が「プルチネッラ」の室内楽版で
あることと、その他の曲も穏やかな作風のものが集められているからでしょ
う。ベルギー楽壇で最も将来を嘱望されているチェリストのマリーと、ハー
ピストの枠を超え、「音楽家」として活躍の場を広げているソフィーの素晴
らしい実力を窺い知ることができる注目の一枚です。




<MIRARE>
MIR 028 \2300
フォーレ:
(1)レクイエム(1893年版)op.48 
(2)アヴェ・ヴェルム・コルプスop.65-1 
(3)アヴェ・マリアop.67-2 
(4)タントゥム・エルゴop.55
フォーレ/メサジェ:
(5)ヴレヴィユの漁師達のミサ(のちに小ミサ曲に改作)
アナ・クインタンス(S) ペーター・ハーヴェイ(Br)
ミシェル・コルボ(指)シンフォニア・ヴァルソヴィア
ローザンヌ声楽アンサンブル
昨年5月の東京国際フォーラムで開催された「ラ・フォルジュルネ」音楽祭
でも久々イに来日し、モーツァルトの声楽曲を指揮、その健在ぶりと感動的
な演奏でファンを魅了したコルボとシンフォニア・ヴァルソヴィアによる新
録音は、フォーレ。レクイエムのどこまでも澄み切った世界は、コルボが現
在いかに高い境地に達しているかを示すもの。ソプラノソロによるサンク
トゥスはまさに天上から降り注ぐような歌声、理想的なレクイエムの姿がこ
こにあります。のちに「小ミサ曲」として改作された「ヴレヴィユの漁師達
のミサ」も収録されているのが心憎いところです。録音も秀逸。





<AMBROISIE>
AMB 110 \2300
(1)シェーンベルク:浄夜(弦楽六重奏版)
(2)R.シュトラウス:メタモルフォーゼ(変容)
(1)デイヴィッド・グリマル(1Vn)、アクセル・シャッヒャー(2Vn)、
クリストフ・コルツェルスキ(Vl)、
マヤ・ラズーリー=コルツェルスキ(2Vl)、
フランソワ・サルケ(Vc)、アントワーヌ・レデリン(Vc)
(2)ル・ディソナンス
特に古楽に定評のあるアンブロワジーレーベルから、新ウィーン楽派好きに
はたまらないカップリングの二曲の登場です。「浄夜」は弦楽六重奏版、研
ぎ澄まされた官能的な音色に心がどうにかなってしまいそうな逸品にしあ
がっています。「メタモルフォーゼ」は、どちらかというとあたたかな音色
による音楽作りですが、得られる響きはこれまた至福のとろけ具合となって
います。この室内楽を率いるグリマルは、そのピンと張った音色と集中力に
は定評のあるヴァイオリニスト。彼の統率によるアンサンブルは一糸乱れぬ
完璧さです。録音も、弦の美しい響きをたくみにとらえたもので、さすが
様々な時代の楽器の様々な編成のものを録りつづけてきたアンブロワジーレ
ーベル、といったところです。




<Profil>
PH 07015 \2180
(1)ハイドン:ヴァイオリン協奏曲ト長調
(2)ミヒャエル・ハイドン:ヴァイオリン協奏曲変ロ長調
(3)モーツァルト:アダージョ ホ長調KV.261
ルーカス・ハーゲン(Vn & 指)カメラータ・ザルツブルク
ザルツブルクに生まれモーツァルテウムで学んだルーカス・ハーゲン。卒業
後もクレーメルについて学び、指揮者アーノンクールや作曲家リゲティから
も多大なる影響を受け、第1ヴァイオリンを務めるハーゲン四重奏団は現代
屈指の名カルテットとして広く知られるところです。7年に渡りヨーロッパ
室内管を率い、またアバド指揮のルツェルン祝祭管のメンバーとしても多彩
な活躍を繰り広げています。
このアルバムはこれまで室内楽録音が中心であった彼が、ソリストとしての
高い力量を示した意欲作。首席指揮者ノリントンのもとモダン楽器にピリオ
ド・アプローチを採用したスタイルによる精鋭アンサンブルをバックに、師
クレーメルのごとくヴァイオリンが鋭く切り込むさまはまことに清清しいか
ぎり。使用楽器はオーストリア国立銀行収蔵の、アントニオ・ストラディ
ヴァリ制作「Rawark」。



<MA Recordings>
M・A Recordingsは、録音の天才タッド・ガーフィンクル氏が1988年に設立。
修道院、教会や城といった自然な音響空間で、2本の特別なタッド氏手作り
のマイクだけを使うワンポイント録音が信条、しかもミキシング一切なし。
まさに真のピュアサウンドで高度のマイクセッティングが要求される天才芸
でございます。
「エメラルド・オーディオファイルCD」
より多彩な音で音楽を楽しむためMA Recordingsは、今回の新譜より「エメ
ラルド・オーディオファイルCD」で発売。「エメラルド・オーディオファイ
ルCD」とはダークグリーンの特殊加工のポリカーボネートで出来ています。
より正確なデータの読み込みを可能とし、解像度が通常CDより格段に向上し
ながら堅さのない自然な音質を提供できる高品質CD。XRCD並みのクオリティ
とも思われます。

M 073A \2800
国内仕様
エメラルドオーディオファイルCD
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 Vol.1
第1番ト長調 BWV1007、第2番ニ短調 BWV1008、第3番ハ長調 BWV1009
マーティン・ツェラー
(バロック・チェロ/使用楽器:シュタイナー1673年製)
スイス出身のチェリスト、マルチン・ツェラーによる名器シュタイナーで演
奏されたJ.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲。絹を撫でるような、魅力的な音色
で奏でられ、かつてない感動に包まれる演奏です。
マルチン・ツェラーはチューリッヒとロンドンの音楽院でチェロを学んだ後、
ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者の巨匠アウグスト・ヴェンツィンガーがスイスに
開いた「バーゼル・スコラ・カントルム」にてクリストフ・コワンにバロッ
ク・チェロをパオロ・パンドルフォにヴィオラ・ダ・ガンバを学ぶ。現在は
チューリッヒ音楽大学教授、ヒンデミット財団所属の音楽センターでバロッ
ク・チェロを教える。また、アンサンブル・ラ・キメーラのメンバーでMAレ
コーディグスからこの他にもいくつか録音があります。
使用楽器はドイツ・チロルの名器、ヤコブ・シュタイナーの1673年製。現在、
使用できる形で保存されている唯一の楽器です。ヤコブ・シュタイナー
(1621-1683)は、クレモナの製作者たちが有名になる以前、音楽家たちに
最も注目されていた製作家。膨らみが大きく、甘く、柔らかい音色が特徴
的です。



<BBC LEGENDS>
BBCL 4203 \2080
ステレオ
(1)バッハ:パルティータ ハ短調BWV.826
(2)モーツァルト:ピアノ・ソナタ第16番 変ロ長調K.570
(3)ショパン:夜想曲第7番嬰ハ短調Op.27-1、同 第8番変ニ長調Op.27-2
(4)同:マズルカ第15番ハ長調Op.24-2
(5)ドビュッシー:組曲「子供の領分」
ミエチスワフ・ホルショフスキ(P)
録音:(1)-(4)1983年6月13日(5)1984年6月9日スネイプ、モールティングス
(オールドバラ音楽祭ライヴ)
既出の2枚(BBCL.4122、BBCL.4171)にも聴かれるようにほとんど奇跡のよ
うな音楽で、ピアノ・ファンから絶大な支持を集めるホルショフスキ。カザ
ルスとの運命的な出会いを経たのち、90歳を迎えるあたりから各地で行なっ
たライヴの数々は、かけがえのないものばかり。83年のオールドバラでのリ
サイタルは、スタジオ盤の平均律が名高いバッハに、直系の弟子ミクリに学
んだショパン、きらきらとした光を放つモーツァルトと、巨匠にとって不動
の作曲家の名前が並びます。さらに86年のプラド・ライヴでも弾いていたド
ビュッシー。ここでも幻のピアニストの至芸を存分にご堪能いただけます。

BBCL 4204 \2080
ステレオ
(1)チャイコフスキー:バレエ「くるみ割り人形」組曲、第2幕より
(2)ショスタコーヴィチ:
バレエ「ボルト」組曲 第1幕より序曲、官僚の踊り、間奏曲 / 第2幕より
御者の踊り
(3)ストラヴィンスキー:「バレエの情景」
ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー(指)BBC SO.
録音:(1)(2)1987年8月18日ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール(ラ
イヴ) (3)1981年4月29日ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
(ライヴ)
チャイコフスキーは、組曲のほかに第2幕からの音楽も加えたオリジナルの
選曲。全曲録音も見事なものでしたが、ライヴはまた格別です。後年のロイ
ヤル・ストックホルム・フィルとの全曲盤でも知られる「ボルト」は社会主
義リアリズム路線の作品。人を喰ったような味わいはこの指揮者にしか出せ
ないものです。1980年代といえばロジェヴェンのまさに絶頂期。あまり耳に
する機会のないストラヴィンスキーも含めて、天才的手腕が遺憾なく発揮さ
れた内容となっています。

BBCL 4205 \2080
ステレオ
(1)クレンペラー:メリー・ワルツ
(2)ヴォーン・ウィリアムズ:トーマス・タリスの主題による幻想曲
(3)ラヴェル:スペイン狂詩曲
(4)ブラームス:交響曲第4番ホ短調
(5)ノヴァーチェク:常動曲
ストコフスキー
(1)-(4)ニュー・フィルハーモニアO. (5)ロンドンSO.
録音:(1)-(4)1974年5月14日(5)1964年9月21日ロンドン、ロイヤル・アルバ
ート・ホール(ライヴ)
クレンペラーが世を去った翌年に「オーケストラの魔術師」ストコフスキー
が、亡き巨匠の手兵ニュー・フィルハーモニアと行なったライヴ。音楽を楽
しく聞かせることにかけては他に並ぶもののいないサービス精神旺盛な彼の
こと。融通無碍なるブラームス、カラフルで爆発的なラヴェルとどれをとっ
ても満足度100パーセント。さらに巨匠を偲んで代表作メリー・ワルツを、
前プロの一曲目に取り上げているのが面白いところです。

BBCL 4206 \2080
ステレオ
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番変ホ長調KV.482
(2)同:ピアノ協奏曲第27番変ロ長調KV.595
(3)同:アダージョとフーガ ハ短調KV.546
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
(1)(2)ベンジャミン・ブリテン(指)イギリス室内O.
録音:(1)(3)1967年6月13日スネイプ、モールティングス(ライヴ) 
(2)1965年6月16日サフォーク、ブライスバラ・チャーチ(ライヴ)
巨人リヒテル、オールドバラにおける朋友ブリテンとの夢のようなモーツァ
ルト。ここに収められた内容はすべて“ブリテン・ザ・パフォーマー”
(BBCB.8005、BBCB.8010)としてリリース済みですが、廃盤のため長らく入
手難の状態が続いていました。ちなみに27番と同日にはシューマンの序奏と
アレグロ・アパッショナートも演奏されています(BBCL.4196)。

BBCL 4207 2枚組 \3180
モノラル
(1)ウォルトン:パルティータ
(2)ドビュッシー:交響詩「海」
(3)ラフマニノフ:交響曲第3番イ短調Op.44
(4)ヘンデル:「王宮の花火の音楽」組曲
(5)ベートーヴェン:交響曲第8番ヘ長調Op.93
(6)ディーリアス:パリ、大都会の歌
(7)R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
コンスタンティン・シルヴェストリ(指)ボーンマスSO.
録音:(1)(2)1965年5月7日(3)1967年12月1日(4)1967年11月20日
(5)1966年12月6日(6)1967年3月2日(7)1967年1月5日
ボーンマス、ウィンターガーデン(ライヴ)
チェリビダッケと同じルーマニア生まれで、方向性こそ違うものの大胆なほ
どユニークな音楽というところが共通するシルヴェストリ。エルガー、チャ
イコフスキーほか(BBCL.4182)につづいて手兵ボーンマス響とのとってお
きのライヴ集が登場します。べったりと濃厚に歌い上げるラフマニノフ、キ
レた感じのベートーヴェン。そしてヘンデルやシュトラウスに聴く豪放なス
ケールなどにその個性が際立っています。

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