クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

コメントはメーカー案内書より抜粋です。お問い合わせ:goodies2@pc.highway.ne.jp

12-08 No.1-2

2012年08月02日 18時59分17秒 | Weblog
<ANALEKTA>
AN2 9955 ¥1980
ベートーヴェン:
ピアノ協奏曲(1)第2番 変ロ長調 op.19 (2)第1番 ハ長調 op.15
児玉麻里(ピアノ)、
ケント・ナガノ(指揮)、ベルリン・ドイツ交響楽団
録音:2006年6月23&24日(テルデックス・スタジオ、ベルリン)
児玉麻里とケント・ナガノ夫妻共演によるベートーヴェンのピアノ協奏曲集。
児玉が2003年から3年間をかけて日本で(アメリカでも開催)行ったベートーヴェ
ンのソナタ全曲演奏会も非常に高評価だっただけに、協奏曲への期待も高まる
というもの。研ぎ澄まされた音色でフレーズのすみずみまで磨きあげられた世
界が広がります。緩徐楽章も聴きものです。ベルリン・ドイツ交響楽団の奏で
る室内楽的なサウンドと、ケント・ナガノの丁寧な仕事ぶりも光るベートー
ヴェンです。
児玉麻里は大阪出身、6歳で渡欧。14歳の時、最年少、最優秀でパリ国立高等
音楽院に入学。パリ音楽院でジェルメーニュ・ムニエにピアノを、ジュヌヴィ
エーヴ・ジョワ・デュティユーに室内楽を師事。ニコラーエワにも薫陶を受け、
また、ブレンデルにも師事しました。ケント・ナガノは夫、また、ピアニスト
の児玉桃は妹。優れた美的感覚と個性的なスタイルで世界的に高い評価を得て
います。

AN2 9944 ¥1980
チン・ウンスク(b.1961):作品集
(1)ロカナ(光の部屋)(2008) (2)ヴァイオリン協奏曲(2001)
ヴィヴィアン・ハーグナー(Vn)、
ケント・ナガノ(指揮)、モントリオール交響楽団
録音:2008年3月3,4日((1))/2008年1月15,16日((2))
サンスクリット語で「光の部屋」を意味する「ロカナ」。チン・ウンスクによ
るとタイトルは特に特別な意味はないとのこと。しかし、オーケストラの各楽
器が、互いのパートを繊細に模倣や反映を繰り返すさまは、光が部屋や水の中
で様々に変化しているかのようです。色彩と光に満ちた魅惑の作品。ヴァイオ
リン協奏曲は、チン・ウンスクが2001/02のシーズンにベルリン・ドイツ響のレ
ジデンス・コンポーザーを務めていたときの委嘱作品。2002年、ケント・ナガ
ノ指揮ベルリン・ドイツ響、ヴィヴィアン・ハーグナーのヴァイオリンで初演
され、すでに10以上の国で演奏されています。ソロのヴァイオリンと、それに
対するオーケストラの打楽器的な書法が印象的なヴァイオリン協奏曲。オーケ
ストラの各パートが強烈な個性を示しながら展開していき、様々な要素が見事
に融合した作品。4楽章から成っています。ケント・ナガノの確かな采配が魅力
です。
チン・ウンスクは1961年ソウル生まれの女性作曲家。1985年、3つのチェロのた
めの「Spektra」でガウデアムス賞を受賞。1988年ハンブルクでリゲティに師
事。現在のアヴァンギャルドの作品にとらわれないようアドヴァイスされまし
た。2006年からはソウル・フィルのレジデンス・コンポーザーを務めています。
2007年にはオペラ「不思議の国のアリス」がバイエルン国立歌劇場によって初
演されます。2009年のサントリーホールサマーフェスティバルでも来日し、話
題となりました。

AN2 9893 ¥1980
ブルックナー:交響曲第7番
ジャン=フィリップ・トランブレ(指揮)、
フランコフォニー・カナディエンヌ管弦楽団
録音:2006年8月
カナダの俊英指揮者、トランブレによるブルックナーの7番。ハース版に基づい
ていますが、アダージョのクライマックス(練習番号W)ではブルックナーが自筆
譜に糊づけした紙片に書きいれたシンバルを用いています。ハース版ではこの
シンバルは信頼性が薄いとして削除しましたが、8番のアダージョのやはりクラ
イマックスでシンバルが打ち鳴らされるとする研究者達の指摘なども考慮して、
このようなかたちとなりました。エネルギーに満ちた演奏が展開されています。

AN2 9916 ¥1980
ブルックナー:
交響曲第4番「ロマンティック」
(1889年の版&ブルーノ・ワルター、トスカニーニの演奏録音に基づくトランブ
レ版)
ジャン=フィリップ・トランブレ(指揮)、
フランコフォニー・カナディエンヌ管弦楽団
録音:2008年8月
《版について》「このレコーディングで用いた版は、注意深く考察・調査した
結果ですが、一番の目的は、ブルーノ・ワルター、そしてトスカニーニが演奏
した版を発見(再発見)するということでした。ここで基準となったのは、どれ
が「絶対的な」ものかを探る、ということではありません。この若いオーケス
トラに、様々な可能性、様々な選択を探るという新たな学びを体験してほしい
という思いからでした。1889年版を規範に、ワルター、そしてトスカニーニの
録音を注意深く聴いて版を設定しました。発見の精神に満ちた演奏になったと
思います。」(トランブレのコメント/ライナーノートより抄訳)

AN2 8761 ¥1980
(1)ラヴェル:シェエラザード(全3曲)
(2)ドビュッシー:抒情的散文(全4曲)
(3)ドヴォルザーク:歌劇「ルサルカ」より「月に寄せる歌」
マリアンヌ・フィセ(S)、マリー=エヴァ・スカルフォン(Pf)
録音:2007年9月
カナダの大人気歌手、フィセによるフランス歌曲とドヴォルザークの魅惑のア
リア。ピアニストを務めるのはフィセと2005年以来共演を重ねているスカル
フォン。ドビュッシーの濃密な世界は聴きもの。ドヴォルザークのアリアもし
っとりと聴かせてくれます。

AN2 9962 ¥1980
ムソルグスキー(編/I.マルケヴィッチ):
(1)安らかに眠れ、農夫の息子 (2)おしゃべりのかささぎ (3)夜
(4)星よ、おまえはどこに (5)みなしご (6)ドニエプル川で
ラフマニノフ:
(7)「美しい人よ、私のために歌わないで」 op.4-4 
(8)「ここはすばらしい場所」op.21-7 
(9)「夢」op.8-5 (10)「私は悲しい恋をした」op.8-4 
(11)「春の洪水」op.14-11
グリンカ:
(12)「疑い」 (13)「お前を知ったばかりに」 (14)「舟歌」
(15)チャイコフスキー:
歌劇「エフゲニー・オネーギン」より 第1幕第2場 タチヤーナの手紙の場面
マリアンヌ・フィセ(S)、(7)-(14)マリー=エヴァ・スカルフォン(Pf)、
(1)-(6)・(15):ジャン=フィリップ・トランブレ(指揮)、
カナダ放送管弦楽団
録音:2009年
「北に住む私達は、物事の感じ方が異なります。私達の魂の深いところまで届
くかと思えば、まったく私達の心に響かないものもあります。私達にとって、
愛はいつも悲しみと紙一重のものです。」とは、ロシア音楽の精神的な父、グ
リンカの言葉。そんなグリンカの、主にドイツ歌曲と、ロシア正教会の流れを
汲む魅惑の歌曲を中心に、ムソルグスキーらの歌曲や、チャイコフスキーのア
リアなど、ロシアの魅惑の作品が並びます。マリアンヌ・フィセはカナダで大
人気の歌手です。

AN2 9952 ¥1980
TRAHISONS/ BETRAYALS(裏切り、不貞)
(1)R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」op.20 
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」より 
(2)序曲 (3)イゾルデの死 (3)第3幕への前奏曲 
(5)T.デュボワ:アドニス 
(6)C.シャンパーニュ:交響詩「ヘラクレスとオムパレ」
アメリー・ブノワ=バスティアン(SoloVn(1))、
メリッサ・スコット(SoloOb(1))
カミーユ・ジャンドロ(イングリッシュ・ホルン[(2)-(4)])
ジャン=フィリップ・トランブレ(指揮)、
フランコフォニー・カナディエンヌ管弦楽団
録音:2008年7月
世界に伝わる、男女の恋や間柄をめぐる様々な物語に基づく作品を集めた一枚、
題して「TRAHISONS/ BETRAYALS(裏切り、不貞)」。中世スペインが生んだドン
・ファンの物語に基づくR.シュトラウスの作品にはじまり、ケルトの伝説「ト
リスタンとイズー(イゾルデ)」に基づくワーグナー作品とつづきます。デュボ
ワの作品は、女性と深い関係の物語がある一方で、再生や目覚めをもつかさど
るアドニスの物語に基づきます。そしてヘルメスによって、女神オムパレに売
られたヘラクレスの物語に基づくシャンパーニュ(モントリオール出身の作曲
家、この作品は1918年、シャンパーニュが27歳の時に書かれました)の作品と
興味深いラインナップ。トランブレ率いる楽団の、官能的なハーモニーに酔い
しれたい1枚です。




<ALIA VOX>
AVSA 9892(SACD-Hybrid) ¥2700
『アルメニアの心』
(1)チュハジヤン(1837-1898):闘いの歌 (2)作曲者不詳(中世):逃亡の歌 
(3)サヤト・ノヴァ(1712-1795):愛の歌 (4)伝承曲:歌と踊り 
(5)チュハジヤン:逃亡の歌 作曲者不詳:田舎の歌(作曲者不詳) 
(7)ノヴァ:追放前、王への嘆願歌 
(8)田舎の歌(コミタス(1869-1935)採集の民謡集より) 
(9)結婚の歌(コミタス採集の民謡集より) 
(10)田舎のロンド:恋人たちの対話(コミタス採集の民謡集より) 
グサン・アショト(1907-1989):嘆き 
(12)作曲者不詳:自由へのオードとアルメニア人のための嘆願 
(13)アイリヴァネツィ(1222-1290):聖木曜日の俗歌「私の心は震える」 
(14)エラニヤン(1827-1862):祖国へのオード 
(15)愛の歌(伝承歌、D.ガザリヤン採集) 
(16)田舎の歌:嘆き(コミタス採集の民謡集より) (17)ラメント(伝承歌) 
(18)田舎の歌(コミタス採集の民謡集より)
ジョルディ・サヴァール(指揮)、
エスペリオンXXI、ミュジシャン・ザルメニアン
録音:2012年3月29-30日、4月8,9,25日
/カルドナ参事会管理聖堂(カタルーニャ)
サヴァール&エスペリオンXXIがおくる好評の歴史譚シリーズ、待望の最新盤!
地中海の古代音楽(AVSA 9888)、ジャンヌ=ダルクに焦点を当てたフランス中世
音楽集(AVSA 9891)に続き、今回サヴァールが誘ってくれるのは西アジアと東
ヨーロッパの交差路に位置する国家、アルメニアです。イスタンブールを取り
上げたアルバム(AVSA 9870)の一部でも収録され好評を博しましたが、アルメニ
アの音楽だけを取り上げたのは本アルバムが初めて。アルメニアはオリエント
地方の中でも最も古いカトリック国のひとつに数えられる伝統厚き国家ですが、
様々な大国に隣接する立地ゆえに多くの争いに巻き込まれ、幾度も国土荒廃の
苦難を経験した国でもあります。しかし、長らく他国の侵略・支配を多く受け
たのにも関わらず、あるいはそれゆえか、紀元前より綿々と続くアルメニア
独自の文化精神は今日まで頑なに受け継がれてきました。独自の文字や建築様
式を今もなお継承しているアルメニアの人々にとって、音楽もまた祖国の精神
を語り継ぐ重要な遺産の一つ。本アルバムには古来より伝わる伝承歌から近年
の音楽までが収録されていますが、古い時代のものを聴いてもどこかハチャト
リヤンを思わせるようであり、また新しい作品を聴いてもアルメニアの土の臭
いが濃厚に感じられます。アルメニアの人々と心の音楽の根底に生き続ける
「アルメニアの心」に感じ入る1枚に仕上がっています。
愛の歌、戦いの歌、嘆願の歌など、様々な伝承歌を古楽器で演奏している本ア
ルバム。中東音楽の響きにも近い独特の旋律そのものも十分魅力的なのですが、
さらなる聴き所はアルメニアの伝統楽器デュデュクの美しい音色でしょう!オ
ーボエにも似た木管楽器で、荒涼とした大地に遠く響き渡るような哀愁漂う音
色が心を深く穿ちます。ヴァイオリンの原型とも言われる弦楽器カマンチャの
音色も絶品。これらの伝統楽器は、2011年にも惜しくもこの世を去ったモンセ
ラート・フィゲーラスが深く愛した楽器でもあり、サヴァールはこのアルバム
を亡き妻との思い出に捧げると語っています。サヴァール率いるエスペリオン
XXIが奏でる西洋の楽器とアルメニアの音色の極上のハーモニーが堪能できる
のは本アルバムならでは!歴史譚シリーズに連ねるにふさわしい名盤です。




<naive>
V 5286 ¥2280
SOGNO BAROCCO-バロックの夢
(1)モンテヴェルディ:「苦しみはかくも甘き」 
(2)カヴァッリ:歌劇『ヘレナの誘拐』より器楽曲* 
(3)モンテヴェルディ/フェラーリ/カヴァッリ:歌劇『ポッペアの戴冠』より
二重唱 「ただあなたを見つめ」(陛下を見つめ) 
(4)プロヴァンツァーレ:「明け方に輝くかすかな光」 
(5)モンテヴェルディ:
歌劇『ポッペアの戴冠』より二重唱 「陛下、私は今日生まれ変わり」 
(6)カヴァッリ:歌劇『ヘレナの誘拐』より器楽曲* 
(7)ロッシ:スウェーデン女王のラメント 
カヴァッリ:(8)歌劇『ラ・カリスト』より 「あなたのために私は生きる」 
(9)同劇より二重唱 「甘い口づけ」 
(10)歌劇『ヘレナの誘拐』より シンフォニア* 
(11)歌劇『ドリクレーア』より 「ドリクレーアのラメント」 
(12)モンテヴェルディ:
歌劇『ウリッセの故郷への帰還』より「哀れな女王の苦しみは終わることが
ない」
アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(Ms)、
(3)(5)(9)サンドリーヌ・ピオー(S)、(12)スザンナ・サンドバーグ(A)、
レオナルド・ガルシア・アラルコン(指揮)、
アンサンブル・カペラ・メディテラネア
録音:2012年1月、スウェーデン
*世界初録音
世界的メッゾ歌手アンネ・ゾフィー・フォン・オッターによるバロック・オペ
ラ歌曲集。モンテヴェルディやカヴァッリといったイタリア初期バロックの大
家たちの珠玉の作品の中から、女性を主人公にしたオペラのアリア、さらには
ロッシやプロヴェンツァーレによる珍しい作品も収録されており、愛の二重唱
から悲嘆にくれる独唱まで、古楽器の美しい伴奏と共にオッターの知的な歌声
に酔いしれるアルバムに仕上がっています。また、豪華共演者にも要注目!
「ポッペアの戴冠」から抜粋した二重唱でソプラノを担当するのは、来日も間
近に控え、今最も注目を集めている歌姫ピオー!2003年に上演されたクリスティ
指揮の「セルセ」でも共演、好評を博している二人だけに、まさに待望の共演
といえましょう!ズボン役でも定評高いオッターの艶やかなメッゾと、「鈴を
転がすような声」とも称されるピオーの透明なソプラノの相性は抜群。((3))の
二重唱で聴かせる、ネロとポッペアの、愛と瑞々しさに溢れた二重唱は必聴で
す!なお、作曲者名が3名ならんで「?」となっていますが、これは、ポッペア
の戴冠がある種ワークショップ的な作品で、曲によっては自分の弟子のフェラ
ーリやカヴァッリが書いたものもあるとされているから。この二重唱は当時の
ポピュラー音楽の様式で書かれていて、宝石のように美しいオスティナートの
書法などは当時好まれた書法。もちろん現代の私たちが聴いても非常に魅力的
なものとなっています。また、アルトを担当するのはスウェーデンの名手スザ
ンナ・サンドバーグ。夫の不在を嘆く王妃ペネロペとそれを慰める浮母エリク
レーアの二重唱を、哀しくも美しく歌いあげます((12))。
器楽伴奏は、アラルコン率いるアンサンブル・カペラ・メディテラネア!
2005年に結成されたばかりの古楽器団体ですが、早くもヨーロッパを中心に幅
広い活躍を遂げています。2011年にはオッターと共にフランス、ロンドンへ演
奏ツアーを行っており、オッターの歌声とのアンサンブルも抜群です。ミンコ
フスキやラトルといった指揮者らと共演を果たし、今もなお、オペラ界に一層
の存在感を放つオッター。まだまだ若手歌手には譲れない、オットーならでは
の魅力あふれる歌声に酔いしれる1枚です。





<harmonia mundi>
HMC 902138 ¥2450
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集-Moto perpetuo
(1)第12番 変イ長調「葬送ソナタ」op.26 (2)第22番 ヘ長調op.54 
(3)第17番 ニ短調「テンペスト」op.31-2 (4)第27番 ホ短調op.90
ハヴィエル・ペリアネス(Pf)
録音:2011年12月、テルデックススタジオ(ベルリン)
バレンボイムやハーディング、メータといった巨匠たちと次々共演を果たし、
今や母国スペインだけに収まらない世界的な注目を集める若手ピアニスト、ハ
ヴィエル・ペリアネス。ファリャやモンポウなど故郷スペインの作曲家に焦点
を当てた意欲的なアルバムを相次いでリリースしてきたペリアネスですが、今
回の新譜で収録したのはベートーヴェン!2007年の初来日公演でベートーヴェ
ンを演奏し、高い評価を得たペリアヌスだけに、期待必至の新譜といえましょ
う。ペリアネスの演奏の持ち味といえばやはり哀愁と翳りを含んだ弱音の流麗
な響き。シューベルトのピアノ作品集(HMI 987080)でも魅せてくれた極上のピ
アニッシモは今回も健在です。えもいわれぬ深みを湛えたピアニッシモの音色
に、耳だけでなく心まで吸い寄せられてしまいます。いずれの作品も、是非と
も周りの音が聞こえない静かな環境でじっくりと聴き入って頂きたいほど。特
に第12番「葬送ソナタ」の第3楽章、そして「テンペスト」の第3楽章はペリア
ネスの持ち味炸裂の美しさです。2009年の来日以降、ほぼ毎年日本で公演を行
っているペリアネス。次の来日も待ち遠しく、今後の活躍に注目必至のアー
ティストです。
このディスクにはMoto perpetuo(常動曲)という副題がつけられていますが、
ここに収録されたソナタはどれも終楽章が常動曲のスタイルで書かれたもの。
といっても、「テンペスト」のように非常に速い動きのものもあれば、op.90
の終楽章(第2楽章)のようにゆったりとした流れの中での隠れた無窮動など、
そのスタイルは様々。単なる急速な動きというだけでなく、疾走する音符に、
様々な感情の起伏をも巧みに盛り込んだベートーヴェンの手腕に、あらためて
感嘆する思いの1枚です。





<MIRARE>
ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭ライヴ録音集
MIR 174 ¥1980
1. J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV 988 よりアリア 
/シュ・シャオメイ(Pf)
2.スクリャービン:2つの左手のための小品より 前奏曲 嬰ハ短調 op.9-1 
/クレール=マリ・ル・ゲ(Pf)
3.ショパン:マズルカ ヘ短調 op.68-4 /イド・バル=シャイ(Pf)
4.グラナドス:ゴイェスカスより 嘆き、またはマハとナイチンゲール 
/ルイス・フェルナンド・ペレス(Pf)
5.シューマン:色とりどりの小品より 5つのアルバムの綴り op.99 
/クレール・デゼール(Pf)
6.メンデルスゾーン:無言歌集 第6巻より 変ホ長調「瞑想」 op.67-1 
/シャニ・ディリュカ(Pf)
7.J.S.バッハ:平均律クラヴィア曲集 第1集より 第8番 変ホ短調 BWV 853
/アンヌ・ケフェレック(Pf)
8.ショスタコーヴィチ:24の前奏曲 第4番 変ホ短調 op.34-4 
/アンドレイ・コロベイニコフ(Pf)
9.ショパン:12の練習曲 第6番 変ホ短調 op.10-6 
/フィリップ・ジュジアーノ(Pf)
10.ドビュッシー:映像第2集より そして月は荒れた寺院に落ちる 
/ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(Pf)
11.シャブリエ:10の絵画風小品より 森で 変ト長調 
/エマニュエル・シュトロッセ(Pf)
12.シューベルト:4つの即興曲集 第4番 変イ長調 op.90-4 
/ブリジット・エンゲラー(Pf)
13.バラキレフ:園にて 変ニ短調 /広瀬悦子(Pf)
14.フォーレ:3つの無言歌 第3番 op.17-3 
/ジャン=クロード・ペヌティエ(Pf)
15.ブラームス:8つの小品 第3番 間奏曲 変イ長調 op.76-3 
/アダム・ラルーム(Pf)
16.ストラヴィンスキー:3つのやさしい小品
/リディヤ・ビジャーク(Pf)、サンヤ・ビジャーク(Pf)
17.リスト:巡礼の年報 第1年 スイスより 牧歌 
/ニコラ・アンゲリッシュ(Pf)
18.ムソルグスキー:展覧会の絵より 古城 /ダヴィッド・カドゥシュ(Pf)
19.アルベニス:スペイン組曲より グラナダ op.47-1 
/ボリス・ベレゾフスキー(Pf)
20.プロコフィエフ:10の小品より スケルツォ op.12-10 
/アブデル・ラーマン・エル・バシャ(Pf)
21.ブラームス:ハンガリー舞曲集 第17番 嬰ヘ短調 
/ボリス・ベレゾフスキー(Pf)、ブリジット・エンゲラー(Pf)
エクサンプロヴァンスに近い地方都市ラ・ロック・ダンテロンで毎年7月末-8月
初頭にかけて行われているラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭は、かの
ラ・フォル・ジュルネの主催者でもあるルネ・マルタンがプロデュースしてい
る夏の音楽祭。1980年に開始されて以来、若手・ベテラン問わず様々な世代の
ピアニストたちが集う豪華な顔ぶれと、クラシックとジャズという2つのジャン
ルにまたがる充実したピアノ・プログラムが話題の音楽祭です。早くも創始か
ら32年を迎える2012年、この音楽祭のライヴ録音の一部を抜粋、収録したアル
バムがMIRAREレーベルよりリリースされました!広瀬悦子、クレール・デゼー
ル、ボリス・ベレゾフスキーといった2012年のラ・フォル・ジュルネでも話題
となったアーティストたちの個性あふれる演奏の数々を一度に堪能できます。
中には、2012年6月に惜しまれながらも亡くなったブリジット・エンゲラーの
希少なライヴ録音や、5月に来日公演でも注目を集めた名手シュ・シャオメイ
のゴルトベルク変奏曲も収録。若手から往年の名手までの演奏を集めたプログ
ラムで、ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭のコンセプトにぴったりな
アルバムといえましょう。2011年には観客数8万7000人を記録し、大盛況のう
ちに幕を閉じたラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭。その熱狂の片鱗を
体感できる記念的アルバムです。




<ACANTA>
今を去ること20数年前、取り扱っていたACANTAレーベルが帰ってきました。
バイロイトの8人のホルン奏者によるワーグナー、ルチア・ポップ、ルネ・コロ
等、話題盤にも事欠きませんでした。特価でのご提供です。

ACANTA 233585 ¥1350
MONO
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77
ジネット・ヌヴー(Vn)
ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指)
北ドイツ放送響(1948年5月3日 LIVE)
不世出の天才女流ヴァイオリニスト、ジネット・ヌヴー(1919~49)が飛行機事故
で亡くなる(1949年10月7日)前年のライヴ録音。北ドイツ放響はちょうどシュ
ミット=イッセルシュテットが、初代の首席指揮者(1945年-1971年)に就任し、
このオーケストラにとって初めての黄金期を築いた頃で燃えたぎるような伴奏
が素晴らしく、ヌヴーの4種類あるブラームスの録音の中でも、ファーストチョ
イスはこれ!と申せましょう。

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