クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

コメントはメーカー案内書より抜粋です。お問い合わせ:goodies2@pc.highway.ne.jp

09-11 No.16-1

2009年11月16日 20時38分53秒 | Weblog
<WEITBLICK>
SSS0103-2 \1980
ベートーヴェン:
交響曲第9番「合唱」
エーリヒ・ラインスドルフ指揮
ベルリン・ドイツ交響楽団(旧西ベルリン放送響)、聖ヘドヴィヒ教会合唱団
ルーシー・ピーコック(S),ジークリンデ・ワグナー(CA),
マンフレッド・ユング(T),ハラルド・スタム(B)、
録音:1978年9月18日ベルリン・フィルハーモニーに於けるライヴ録音
「私はラインスドルフに尋ねたことがある。ボストン響常任時代に残したスタ
ジオ録音と同時期に放送された同じ曲目のライヴ演奏の違いがなぜここまであ
からさまなのかと。彼は雄弁に答えた。演奏家が後世に残る記録としてスタジ
オ録音する場合に求められることとは『演奏を一回だけ聴く場合には効果的だ
し輝かしくも聴こえる解釈上の盛上げや強調は、レコードとして繰り返し聴く
場合には聴き手を疲れさせる場合もあるのですよ。だからスタジオ録音の時は
そういうルバートの量とか、音量の変化、テンポの伸縮なんかを抑えているの
です』と」ヘンリー・フォーゲル(元シカゴ響総裁)のライナーノートより。
この回答が表すとおり、巨匠エーリヒ・ラインスドルフ(1912-1993)は演奏会と
録音を別に考えていたことが明らかです。それ故に多くのスタジオ録音が覇気
に欠け、真っ当だけれども面白くないという結果になったのでしょう。多くの
レパートリーがこうして録音されたために、ラインスドルフの評価は日本では
高いとはいえません。おまけに若い頃は凄かったが、年を取ってから駄目にな
ったなど謂れのない誹謗もあります。ここに聴くベルリン・ドイツ響(ベルリン
放送響)との「第9」は、首席指揮者就任早々(就任記念?)の演奏で厳しい練習
が想像できる見事なアンサンブル、タイミングが示すとおりの快速でトスカニ
ーニの歴史的解釈を思わせる緊張感溢れる爽快な名演です。ドミンゴ参加とい
うだけで知られるRCAへのスタジオ録音とは別人のような生命力です。変幻自在
なテンポも面白く飽きません。こういう演奏を多く遺して欲しかったと心から
思います。各楽章開始を告げる指揮棒で指揮台を叩く音はラインスドルフの怖
い視線を感じさせます。第4楽章で独唱、合唱がうねりを上げる所はオペラに長
じた名指揮者ならではだなあと感慨あらたです。聖ヘドヴィヒ教会合唱団は、
ベルリンフィルとの唯一の録音であるシューベルトのミサ曲でも採用されてい
るのでお気に入りだったのでしょう。余談ですが厳しすぎたのか2年しかドイ
ツ響首席を維持できませんでした。オケと何らかのトラブル(喧嘩?)があった
と思われます(ドイツ響のプロフィールでもあまりラインスドルフ時代に触れて
おりません)。ラインスドルフに疑問を持っている方にこそ聴いて頂きたい
「第9」です。
英語、日本語、ドイツ語によるライナーノート付




<若林工房レーベル(日本)>
WAKA-4137-38 2枚組 \3600
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集-4
[disc-1]
ピアノ・ソナタ第7番 ニ長調 作品10の3
ピアノ・ソナタ第15番 ニ長調 作品28
ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 作品31の2 《テンペスト》
[disc-2]
ピアノ・ソナタ第29番 変ロ長調 作品106 《ハンマークラヴィーア》
ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 作品101
イリーナ・メジューエワ(ピアノ)
録音:2008年12月、2009年1月、3月、4月& 5月
新川文化ホール(富山県魚津市)
STEREO/24bit + 96kHz Digital録音、発売元:若林工房
※若林工房創立5周年を記念して2008年にスタートしたイリーナ・メジューエワ
によるベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全曲録音、待望の第4集の登場です。
第1集から第3集までいずれも「レコード芸術特選盤」に輝くなど、各方面で高
い評価を獲得している好評のシリーズ最新作は、5曲のソナタを収録。(うち
《テンペスト》は再録音)。今回の聞きどころは何といっても第29番《ハンマー
クラヴィーア》と第32番という後期作品ですが、その演奏内容は期待を上回る
ほどの素晴らしい出来栄えとなりました。特に《ハンマークラヴィーア》にお
ける巨大なスケール感、第3楽章の深い精神性、フィナーレのフーガの圧倒的な
表現力など、これぞベートーヴェンという核心を伝えてくれます。瑞々しい感
性に貫かれた、衒いのない正攻法の解釈。鮮やかなテクニック、力強さと繊細
さを兼ね備えたタッチ、多彩な音色と響きも素晴らしく、最近のメジューエワ
の充実ぶりを示す2枚組です。
「まず感じたのは、音楽の流れの自然さと、漆黒の光沢を放ちながら厚みを感
じさせるタッチ。・・・作品の持つ息遣いと真に一体化しなければ実現不可能
と思われる『ゆとりのある没入』が全体に溢れており、これらの作品群の素晴
らしさを改めて思い知らされることとなりました。」
(田中利治/ライナーノートより)




<AR Re-Se>
AR 2009 \2300
ケックラン:ピアノ五重奏曲Op.80/弦楽四重奏曲第3番Op.72
サラ・ラヴォー(ピアノ)、
アンチゴーヌ弦楽四重奏団
ティンパニ(Timpani)のリリースでブームを呼んだロパルツやダンディのよう
に、秘曲ファンを中心に熱い注目を集めている19世紀-20世紀フランスの作曲家
シャルル・ケックラン(1867-1950)。
レコード芸術11月の海外盤試聴記(280ページ)で相場ひろ氏によって紹介され、
お問い合わせ急増中のアルバムがコレ!
第1次世界大戦の印象を音楽という形にした「ピアノ五重奏曲」。戦争への不安
感、敵軍隊の襲来、戦争終結の喜びなど、揺れ動く人間の感情が巧みに表現さ
れたフランス楽壇の知られざる傑作である。
ケックランの弦楽四重奏曲は、第1番&第2番がアルデオ弦楽四重奏団の演奏
(AR 2006-3)ですでにリリースされており、今回の第3番の登場で3曲全てが女流
演奏家のみの演奏で揃うことになる。聴けば聴くほど味わいを増すケックラン
・アルバムの登場です。

AR 2009-2 \2300
ミャスコフスキー:
ピアノ・ソナタ第2番嬰へ短調Op.13/同第3番ハ短調Op.19/
同第4番ハ短調Op.27
リディア・ジャルドン(ピアノ)
その生涯で27曲もの交響曲を作曲した20世紀ロシアの大シンフォニスト、ニコ
ライ・ミャスコフスキー(1881-1950)のピアノ・ソナタにスポットをあてたロシ
ア音楽ファン要チェックの好企画盤。
スヴェトラーノフの演奏で知名度を上げた"シンフォニー"のように、女流演奏
家のみのレーベル"AR Re-Se"の設立者リディア・ジャルドンの演奏がミャスコ
フスキーのピアノ・ソナタへの評価を高めてくれることだろう。





<PentaTone>
PTC 5186 340(SACD-Hybrid) \2850
シューベルト:交響曲第4番ハ短調D.417《悲劇的》/同第5番変ロ長調D.485
ゴルダン・ニコリッチ(リーダー&ヴァイオリン)、
オランダ室内管弦楽団
ロンドン交響楽団とオランダ室内管弦楽団のコンサートマスターを兼務し、弾
き振りにも積極的に取り組むなど、ヴァイオリ奏者、指揮者として精力的な活
動を展開するニコリッチ。
ソリストとしてはもちろんのこと、モーツァルトでのユリア・フィッシャーと
の共演(PTC 5186 098)などにより、その世界有数の実力は折り紙つき。ニコリ
ッチの豪腕ぶりとオランダ室内管の高い機動力を堪能できるシューベルトです。

PTC 5186 170(SACD-Hybrid) \2850
シューマン:子供の情景Op.15
ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲Op.35
クラウディオ・アラウ(ピアノ)
1970年代にフィリップスが生み出したクァドラフォニック(4チャンネル)録音を
SACDフォーマットにリマスタリングしたペンタトーンの"RQR"シリーズ。
巨匠クラウディオ・アラウの復刻第3弾は、名盤の誉れ高いシューマンの「子供
の情景」。71歳のアラウが奏でる老練なシューマンが心にしみる。
1974年3月の録音。




<marc aurel edition>
MA 20040 \2300
テレマン:リコーダー二重奏曲集 ――
ソナタ ハ短調TWV.40-105/デュオ第3番変ホ長調TWV.40-134/デュエット第1番
変ロ長調TWV.40-124/ソナタ変ロ長調TWV.41-B3/デュオ第2番ヘ短調TWV.40-131
/カノン風ソナタ第1番ト長調TWV.40-118/ソナタ第4番ト短調TWV.40-104/
カノン風ソナタ第3番ト長調TWV.40-120
ドロテー・オベルリンガー(リコーダー)、
ロレンツォ・カヴァサンティ(リコーダー)
長い音楽史の中でもリコーダーの発展に大きな影響を与えた重要な音楽家の1人
である後期バロックの巨匠テレマン。
ドイツが生んだ美貌の天才女流奏者オベルリンガーと、ブリュッヘンやブッケか
ら薫陶を受けたイタリアの名手カヴァサンティという当代屈指のリコーダー・
デュオのプログラムは、リコーダー奏者に欠かせないバイブルとして大切にさ
れてきたテレマンの音楽。
作品やピッチに応じてオベルリンガーは8種類、カヴァサンティは7種類のリコー
ダーを使い分けているところからも、両者のテレマンの音楽に対する本気度が
伝わってくる。オベルリンガーとカヴァサンティのデュオが"リコーダー"とい
う楽器が持つ奥深さ、素晴らしさを教えてくれます。

MA 20041 \2300
マショー:花々の中の花 - レー(Lais)とヴィルレー(Virelais)集
ノルベルト・ローデンキルヒェン(トラヴェルソ)
アルス・ノヴァ時代の代表者ギョーム・ド・マショーと作曲者不詳の"レー"や
"ヴィルレー"といったモノフォニーで構成されたトラヴェルソのためのプログ
ラム。
ノルベルト・ローデンキルヒェンは、著名な古楽アンサンブル、セクエンティ
アやディアロゴスの演奏に加わり、モダン楽器ではベルリン・フィルのアルブ
レヒト・マイヤーとデュオを組む凄腕のトラヴェルソ&フルート奏者。トラヴェ
ルソの儚い音色が、アルス・ノヴァのモノフォニーに持ち味を引き出している。





<Passacaille>
Passacaille 955 \2300
ハイドン:ソナタ集 ――
ソナタ第37番ニ長調Hob.XVI-37/同第32番ロ短調Hob.XVI-32/同第20番ハ短調
Hob.XVI-20/同第23番ヘ長調Hob.XVI-23
ニコラウ・デ・フィゲイレド(チェンバロ)
ケネス・ギルバート、グスタフ・レオンハルトの下で学び、スコット・ロス最後
の弟子となった南米ブラジル生まれの鬼才ニコラウ・デ・フィゲイレド。ソレ
ルの鍵盤作品集に続く"Passacaille"レーベル第2弾はハイドン!
"ヤーコプスのオペラの鍵盤奏者"というイメージから"ソリスト"へと飛び出し
たフィゲイレドのハイドンは、ソレルの鍵盤作品集にも息づいていた生き生き
としたリズムと絶妙のテンポ感で聴き手の心を熱くしてくれる。
1771年から1779年にかけて円熟のハイドンが作曲した4つのソナタでフィゲイレ
ドの弾くチェンバロが躍動します。

Passacaille 957 \2300
強さと優しさ ――
マレ:ヴィオール曲集より/ガロ:前奏曲とシャコンヌ、アポロン、ジグ/マレ:
サント=コロンブ氏を悼むトンボー、ビスカイヤン、ロンドー・モワティエ・
ピンス/ガロ:ソメイユ・デ・デュフォー、メヌエット・ラ・シガル、グロワー
ヌ・アティス/マレ:グルジアの女、鍛冶屋たち 、からかい、ペルシア人の行
進、アルマンド・アスマティク、ラ・マリエ、ガヴォット・ラ・シンコペ、ス
ペイン風サラバンド/ガロ:モナコ王妃を悼むトンボー
ヴィットリオ・ギエルミ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、
ルカ・ピアンカ(リュート&テオルボ)
ギエルミ兄弟の弟でヴィオラ・ダ・ガンバ奏者のヴィットリオ・ギエルミ、ル
・ジャルディーノ・アルモニコのリュート奏者ルカ・ピアンカの強力デュオが
登場!
ギエルミとピアンカのデュオが取り上げたのは、ルイ14世の宮廷に仕えた天才
ヴィオール奏者としての名声、ヴィオールのための傑作の数々を後世に遺した
フランス・ヴィオール楽派最大の大物マラン・マレ。
名手同士のアンサンブルでパレットに絵を描いていくかのようにマレとガロの
音楽を奏でるギエルミとピアンカ。演奏、選曲とも抜群です。レーベルの特色
でもあるパッケージも秀逸。




<Attacca>
ATTCCA 29121 \2300
アンドリーセン:2楽章の四重奏曲/死に向かって/快楽の園/ミゼレーレ
J・S・バッハ(ストラヴィンスキー&アンドリーセン編):
前奏曲とフーガ第24番ロ短調BWV.869より 前奏曲
シェーンベルク・クヮルテット
結成から33年という伝統を持つオランダの弦楽四重奏団シェーンベルク・クヮ
ルテットによる現代オランダの巨星ルイ・アンドリーセン(1939-)の弦楽四重奏
曲集。
バッハのアレンジは、ストラヴィンスキーが手がけた編曲を2006年にアンドリ
ーセンが完成させたもの。




<Globe>
GLO 6064 \1880
カルヴァン派の黄金時代 - フランスとオランダにおけるカルヴァン派の音楽
カメラータ・トラジェクティナ
16世紀にオランダやフランスを中心に広がりを見せたカルヴァン主義のキリス
ト教徒たちによって演奏されたとされる「詩篇」などの宗教作品集。
1974年に結成されユトレヒト大学のオランダ歌曲教授ルイ・ピーター・グリッ
プが芸術監督を務めるカメラータ・トラジェクティナは、中世-17世紀オラン
ダの知られざる音楽の発掘、演奏を目指す古楽アンサンブルである。





<Phaedra>
DDD 92060 \2300
In Flanders' Fields Vol.60 - フリッツ・セリスへのトリビュート ――
セリス:チェロ・ソナタOp.6、無伴奏チェロ・ソナタOp.71
ヴィエルヌ:チェロ・ソナタ
ヤン・スキファー(チェロ)、ハンス・リッケリンク(ピアノ)
フリッツ・セリス(1929-)は、17歳でフランダース歌劇場のハープ奏者となり、
その後は王立モネ劇場、フランダース歌劇場の指揮者としても活躍した御年80
歳の大ベテラン。
20世紀フランドル地方の音楽史そのものとも言えるセリスの初期(1932-63年)と
2002年の2作品にヴィエルヌのチェロ・ソナタをカップリング。ベルギー音楽を
得意とする名チェリスト、ヤン・スキファーの非凡な演奏はトリビュート・ア
ルバムに相応しい。

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