8.570744
モンサルヴァーチェ:ピアノ作品集第1集
1-3.3つの即興曲(1933)/4.シチリアーナ(1940)/5-7.3つのディヴェルティ
メント(1941)/8.リトモス(1942)/9.ラヴェルへのエレジー(1945)/10.さま
よい(1950)/11-13.イヴェットのためのソナチネ(1961)/14.スケッチ(1966)
/15-18.ピアノと弦楽合奏のための「妙なる調和」(1955)
演奏:ホルディ・マソ(ピアノ)/グラノジェルス室内管弦楽団…15-18
フランシスコ・ギジェン(指揮)…15-18
スペイン、ジローナ出身のハビエル・モンサルバーチェ(1912-2002)は20世紀
のカタロニアにおける最も重要な作曲家の一人です。十二音技法と、アンティ
ル諸島の音楽、メシアンなどのフランス音楽、ダンス音楽から、ラテン系、
そしてラヴェルの血を受け継ぐジャズ音楽。これらが混然一体となった魅惑
的な音楽は、一度聴いたら忘れることができないほどの強烈な印象を残しま
す。ドビュッシー風の「3つの即興曲」から個性全開の音楽が続きます(トラッ
ク9の「ラヴェルへのエレジー」はこの第2曲から派生しています)。とても活
発な「妙なる調和」は、まるでフランス6人組の音楽のような諧謔性も感じら
れます。現代的な響きの中に、何とも言えない親しみやすさを秘めた名曲の
数々をお楽しみください。
8.572565
期待の新進演奏家シリーズフローリアン・ラルース
1.ダウランド(1563-1626):ファンシー/ 2.ダウランド:涙のパヴァアーヌ
/3.ダウランド:ファンタジア/4.レゴンディ(1822-1872):序奏とカプリース
/ 5-8.ホセ(1902-1936):ギター・ソナタ/ 9-10.ダンジェロ(1955-):2つの
リディア調の歌/11.コスト(1806-1883):ル・デパル-劇的幻想曲 Op.31
演奏:フローリアン・ラルース(ギター)
2009年、アメリカ・ギター財団による国際コンクールの覇者、フローリアン
・ラルースの受賞記念アルバムです。彼は1988年に生まれ 8歳からギターを
学び、すでに多くのコンクールに参加、その実力は少しずつ認められている
逸材です。このアルバムでは、類い稀な技巧を示すかのように、広い範囲の
時代から選曲されており、この見事な選曲にこそ彼の自信が見て取れるでは
ありませんか。ダウランドの落ち着いた響きに漂う大人の風格、優雅なレゴ
ンディでの滑らかな音作り、そして憂愁ただようホセのソナタ、時の隙間か
ら一つ一つ音を紡ぎ出すかのようなダンジェロの作品、様々な曲想が楽しめ
るコストの「劇的幻想曲」と、後から後から湧きだす才能の迸りが魅力です。
8.572573
期待の新進演奏家シリーズアントニー・バリシェフスキー
1.D.スカルラッティ(1685-1757):ソナタホ長調 K.135/L.224/P.234/2.D.ス
カルラッティ:ソナタニ短調 K.1/L.366/P.57/3.ラヴェル(1875-1937):ラ・
ヴァルス(ピアノ独奏版)/4-6.ドビュッシー(1862-1918):映像第2集(葉末を
渡る鐘の音 /そして月は荒れた寺院に落ちる/金色の魚)/7.マテオス(1977-):
オリオン/8-10.ラフマニノフ(1873-1943):ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調
Op.36(1931年版)/11-13.ストラヴィンスキー(1882-1971):ペトルーシュカか
らの3楽章
演奏:アントニー・バリシェフスキー(ピアノ)
1988年ウクライナ生まれのピアニスト、アントニー・バリシェフスキーは
1999年にブカレストで開催されたエネスク・コンクールを始め、たくさんの
コンクールで入賞を重ねている実力派です。まだまだ素材的には未知数です
が、ここで聴ける演奏からは、やはり「何か違うもの」が感じられないでしょ
うか?冷徹なスカルラッティは、ホロヴィッツの名演に匹敵するほどですし、
ラヴェルのラ・ヴァルスからは仄暗い狂気すら漂ってきます。幾重にも塗り
重ねられたドビュッシーの彩色、そして荒ぶる技巧が炸裂するラフマニノフ
のソナタ、目を見張るばかりのストラヴィンスキー、星の煌めきにも似たマ
テオスのマリオン・・・。さて、彼はこれからどのような芸術家になってい
くのでしょうか?
8.570941
ルビンシュテイン :ピアノ作品集
1-13.主題と変奏 Op.88(1871)/14-18.折句第2番 Op.114(1890)
※全て世界初録音
演奏:ヨゼフ・バノヴェツ(ピアノ)
アントン・ルビンシュテイン(1829-1894)はロシア人ピアニストとしてはじめ
て世界的名声を博し、またサンクトペテルブルク音楽院を開設し、1859年に
はロシア音楽協会を開設するなど、以降のロシアのピアノ界に多大なる影響
を与えた人です。また歌劇、交響曲からピアノ曲までとあらゆるジャンルに
たくさんの作品を残したのですが残念なことに、「ヘ調のメロディ」や「天
使の夢」の小さなピアノ曲以外はほとんど忘れ去られてしまいました。ここ
では、シューマンの「交響練習曲」に触発されて書かれた「主題と変奏」と、
サロン風な「折句」第2番でその才能をじっくり味わってみてください。「折
句」とは聞き慣れない言葉ですが、今でいう「縦読み」のようなもので、並
んだ文章の頭だけを読んでいくと他の文が浮かびあがる仕掛けのようなもの
です。こちらもシューマンが好んだ手法ですが、このルビンシュテインの作
品には曲を献呈した相手の名である「S-O-F-I-A」の音が織り込まれている
ということです。
8.572313
グラナドス:ピアノ作品集第1集
スペイン舞曲集 Op.37, DLRI:2(1.ガランテ/2.オリエンタル/3.ファンダンゴ
/4.ビリャネスカ/5.アンダルーサ/6.ロンデーリャ・アラゴネーサ/7.バレン
シアーナ/8.サルダーニャ/9.ロマンティカ/10.メランコリカ/11.アラベスカ
/12.ボレロ)/13.ホタ・バレンシアにおける即興曲(A.M.マルティネス編 )
演奏:ダグラス・リーヴァ(ピアノ)
NAXOS屈指のラテン系ピアニスト、リーヴァによるグラナドス(1867-1916)の
ピアノ作品集の第1集です。NAXOSにはローサ・トレス・バルドによるスペイ
ン舞曲集の録音が既にありますが(8.554313)、やはりここは、他の作品のほ
とんどを演奏しているリーヴァで聴きたいと思う人が多いはず。もちろん期
待に違わぬ鮮やかな切り口でこの魅力的な小品集を聴かせてくれます。通常
と違う曲順にもドキドキしてしまいます。マスネ、サン=サーンス、グリー
グ、キュイら大作曲家たちが絶賛したという魅力あふれる小さな曲たち。ど
の曲もスペインの熱き風を運んでくるようです。
8.572577
パロモ:ドゥルシネア…「騎士の恋」への幻想的カンタータ
1.風車/2.騎士のファンファーレ/3.夜明けの歌/4.ドン・キホーテのバラ
ード/5.風車への戦い/6.セギーディリャ/7.ドン・キホーテとサンチョ/
8.アブラカダブラ/9.ドゥルシネアのバラード/10.終曲
演奏:ドゥルシネア…アインホア・アルテタ
(ソプラノ)/テレサ・パンサ…キエリ・ローゼ・カッツ(メゾ・ソプラノ )
/サンチョ・パンサ…ブルクハルト・ウルリヒ (テノール)/ドン・キホーテ
…アルチュン・コチニャン(バス)
ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団&合唱団
ミゲル・アンゲル・ゴメス・マルティネス(指揮)
17世紀に流行していた騎士道物語。セルバンテスが描いた「ドン・キホーテ
はそのパロディ小説だという説もあります。確かに勇敢な騎士に憧れた老人、
ドン・キホーテは、奇行ばかりが目に付きますが、実は正義感に溢れた熱血
な人。永遠に愛を追い求め、悪を砕く・・・そんなところが今でも愛されて
いるに違いありません。この物語は多くの画家や音楽家に影響を与え、様々
な名作を生み出していますが、このパロモ(1938-)の作品は、彼の行いを壮大
なカンタータとして描いています。様々な場面を想起させるために多彩な管
弦楽を駆使し、ペーソス溢れる物語を生き生きと表出するパロモの才能。恐
ろしいまでに冴えています。
8.572541
J.S.バッハ:名アリアと合唱曲集
1.もろびとよ歓呼して神を迎えよ BWV51/2.ロ短調ミサ曲 BWV232より「いと
高き処に神に栄光あれ」/3.ロ短調ミサ曲 BWV232より「地に平和を」/
4.ロ短調ミサ曲 BWV232より「高き天なる神に」/ 5.ロ短調ミサ曲 BWV232
より「主の御名において」/6.ロ短調ミサ曲 BWV232より「いと高きところに
ホザンナ」/ 7.われ喜びて十字架を担う BWV56/8.喜ばしい安息、好ましい
魂の歓喜 BWV170/9.マタイ受難曲 BWV244より「来たれ、娘たちよ、われと
ともに嘆け」/10.マタイ受難曲 BWV244より「われは汝にわが心を捧げん」
/ 11.マタイ受難曲 BWV244より「おお、人よ、汝の大いなる罪を嘆け」/
12.マタイ受難曲 BWV244より「憐れみたまえ,わが神よ」/ 13.マタイ受難
曲 BWV244より「ああ,血と傷にまみれし御頭」/ 14.マタイ受難曲 BWV244
より「われに返せ,わがイエスをば!」/ 15.マタイ受難曲 BWV244より「わ
れらは涙ながらここにひざまずき」/16.われ満ちたれり BWV82/17.ロ短調
ミサ曲 BWV232より「平和をわれに」
演奏:ドレスデン室内合唱団/ケルン室内管弦楽団
ヘルムート・ミュラー=ブリュール (指揮)
ドイツの重鎮指揮者、ヘルムート・ミュラー=ブリュールが丹精込めて演奏
してきたバッハ(1685-1750)の声楽作品の中から、良いところをセレクトして
1枚のアルバムにまとめました。誰もが知っている曲よりは、少し地味だけど、
絶対聴いておきたいカンタータからの名アリアと、大作「マタイ」と「ロ短
調ミサ」からの聴きどころを収録。バッハの宗教音楽を聴く喜びを存分に味
わうことができるようになっています。
8.660284-85 2枚組
ロッシーニ :歌劇「アルジェのイタリア女」全曲
演奏:ムスターファ…ロレンツォ・レガッツォ (バス)/エルヴィーラ…ルー
ス・ゴンザレス(ソプラノ)/ズルマ…エルザ・ジャヌリドゥ(メゾ・ソプラノ)
/ハリ…ジューリオ・マストロトターロ(バス)/リンドーロ…ローレンス・
ブラウンリー(テノール)/イザベッラ…マリアンナ・ピッツォラート (コン
トラルト)/タッデオ…ブルーノ・デ・シモーネ (バス)/クルージュ・トラ
ンシルヴァニア・フィルハーモニック合唱団/ヴィルトゥオージ・ブルネン
シス/アルベルト・ゼッダ(指揮)
2008年のヴィルトバートにおけるロッシーニ祭でのライヴ演奏。
アジオ・コルギの校訂版を使用しています。
8.112050
1.スーク(1874-1935):
ソコル祭典行進曲(祖国新生に向けて)Op.35c
スーク:セレナード変ホ長調 Op.6
ドヴォルザーク(1841-1904):交響曲第6番ニ長調 Op.60
演奏:チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
ヴァーツラフ・ターリッヒ(指揮)
録音 1938年11月22-23日ロンドン EMIアビーロード第1スタジオ
マーク・オーバート=ソーン復刻
この録音は、ドヴォルザークの交響曲第7番(8.111045)とともにアビー・ロー
ド・スタジオでの2日間のセッションで録音されたチェコのカリスマ指揮者タ
ーリッヒの偉大なる演奏です。中でも「ソコル祭典行進曲」は彼の唯一の録
音であり、今回が初CD化となる貴重なものです(LPにもなったことはありませ
ん )。スークの音楽の持つ牧歌的で明るい雰囲気がこの上なく表現された素晴
らしい記録は、スラブ魂を理解する上で必要不可欠なものとして永遠に記録
されることでしょう。
8.112053
クライスラー完全録音集第1集
1.J.S.バッハ(1685-1750):パルティータ第3番より「前奏曲」/ 2.J.S.バッハ
(ウィルヘルミ編):管弦楽組曲第3番より「エアー」/ 3.チャイコフスキー
(1840-1893):ハプサールの想い出 Op.2より第3番無言歌ヘ長調/ 4.ズルツァ
ー:サラバンド Op.8/5.フランソワ・シューベルト(1808-1878):バガテル
Op.13より第9番「蜜蜂」/6.スメタナ(1824-1844):わが故郷より第2番「ボヘ
ミア幻想曲」(テイク 1)/7.フォスター(1826-1864):故郷の人々/ 8.クライ
スラー:ウィーン奇想曲 Op.2(テイク 2)/9.ドヴォルザーク(1841-1904):ユモ
レスク/10.マスネ(1842-1912)(マルシック編 ):タイスの瞑想曲(テイク 2)
/11.マスネ(マスシック編):タイスの瞑想曲(テイク 3)/12.クライスラー:
中国の太鼓/13.クライスラー:愛の悲しみ/14.クライスラー:愛の喜び (テイ
ク 1)/15.クライスラー:愛の喜び(テイク 2)/16.スメタナ:わが故郷より
「ボヘミア幻想曲」(テイク 2)/17.ブラームス(1833-1897)(ヨアヒム編 ):ハ
ンガリー舞曲第5番/18.クライスラー:タルティーニの様式のコレルリの主題
による変奏曲/19.クライスラー:ウィーン奇想曲 Op.2(テイク 3)/20.シュー
ベルト(1797-1828):楽興の時第3番/21.ラモー(1683-1764):タンブーラン/
22.チャイコフスキー:ハプサールの想い出より「無言歌」/ 23.コットン:
歌-瞑想/24.J.S.バッハ:パルティータ第3番より「ガボットとロンドー」
※3.7.9.20.21.22.23…クライスラー編曲
演奏:フリッツ・クライスラー(ヴァイオリン)
6-24.ゲオルゲ・ファルケンシュタイン(ピアノ)
1904年ベルリン、グラモフォン&タイプライター株式会社… 1-5/
1910年5月ニューヨーク、ビクター・トーキング・マシン・カンパニー、…6-24
ウォード・マーストン復刻
当時、何百万ものレコードを売り、彼の演奏を生で聴くことができないリスナ
ーにも無限の楽しみを与えた作曲家、ヴァイオリニスト、クライスラー。この
アルバムは彼の1904年と1910年に録音された小品集です。まだ制約の多かった
「音盤への記録」をものともせず、自らの芸術を克明に記録し続けたクライス
ラーの偉業はどんな言葉においても賛美しきれるものではありません。
8.112055
クライスラー完全録音集第2集
1.クライスラー(1875-1962):クープランの様式による気取った曲/2.クライス
ラー:ディッタースドルフの様式によるスケルツォ/3.クライスラー:ディッタ
ースドルフの様式によるスケルツォ(テイク違い)/4.クライスラー:ボッケリ
ーニの様式によるアレグレット/5.クライスラー:ウィーン奇想曲 Op.2/6.
クライスラー:中国の太鼓 Op.3/7.クライスラー:愛の悲しみ/8.クライスラ
ー:愛の喜び/9.コットン:歌-瞑想/10.チャイコフスキー:ハプサールの想い
出より「無言歌」/11.ブラームス(1833-1897)(ヨアヒム編 ):ハンガリー舞曲
第5番/12.クライスラー:クープランの様式によるルイ 13世の歌とパヴァーヌ
/ 13.J.S.バッハ(1685-1750):パルティータ第3番より「ガボット」/ 14.ク
ライスラー:クープランの様式によるプロヴァンス朝の歌/15.クライスラー:
クープランの様式によるプロヴァンス朝の歌(テイク違い)/16.クライスラー:
カルティエの様式によるシャス/17.グルック(1714-1787):精霊の踊り/ 18.
クライスラー:美しきロスマリン/19.クライスラー:マルティーニの様式によ
るアンダンティーノ/20.クライスラー:クープランの様式によるルイ 13世の
歌とパヴァーヌ/ 21.J.S.バッハ:パルティータ第3番より「ガボット」/ 22.
クライスラー:愛の悲しみ/23.タウンセンド:子守歌/24.コットン:歌-瞑想
※9.10.13.21.24…クライスラー編曲
演奏:フリッツ・クライスラー(ヴァイオリン)/ハドン・スカイア(ピアノ)…
1-16/ゲオルゲ・ファルケンシュタイン(ピアノ)…17-24
1911年11月6日ロンドン、グラモフォン・カンパニー… 1-16
1912年12月18.23日ニューヨーク、ビクター・トーキング・マシン・カンパニ
ー…17-24
1911年の終わり頃に、クライスラーはロンドンで最初の録音を行いました。当
時のイギリスで彼の人気は凄まじいものがあり、人々は挙ってクライスラーの
演奏に聴き惚れたのです。ウィーン、ベルリンでも華々しく活躍、時にはアメ
リカへも演奏旅行に出かけ、魅惑的な小品を披露していました。この録音はロ
ンドンとニューヨークでの演奏を収録したもので、バッハやチャイコフスキー
の小曲を始め、自作を含めたプログラムが当時の人気を伝えています。
モンサルヴァーチェ:ピアノ作品集第1集
1-3.3つの即興曲(1933)/4.シチリアーナ(1940)/5-7.3つのディヴェルティ
メント(1941)/8.リトモス(1942)/9.ラヴェルへのエレジー(1945)/10.さま
よい(1950)/11-13.イヴェットのためのソナチネ(1961)/14.スケッチ(1966)
/15-18.ピアノと弦楽合奏のための「妙なる調和」(1955)
演奏:ホルディ・マソ(ピアノ)/グラノジェルス室内管弦楽団…15-18
フランシスコ・ギジェン(指揮)…15-18
スペイン、ジローナ出身のハビエル・モンサルバーチェ(1912-2002)は20世紀
のカタロニアにおける最も重要な作曲家の一人です。十二音技法と、アンティ
ル諸島の音楽、メシアンなどのフランス音楽、ダンス音楽から、ラテン系、
そしてラヴェルの血を受け継ぐジャズ音楽。これらが混然一体となった魅惑
的な音楽は、一度聴いたら忘れることができないほどの強烈な印象を残しま
す。ドビュッシー風の「3つの即興曲」から個性全開の音楽が続きます(トラッ
ク9の「ラヴェルへのエレジー」はこの第2曲から派生しています)。とても活
発な「妙なる調和」は、まるでフランス6人組の音楽のような諧謔性も感じら
れます。現代的な響きの中に、何とも言えない親しみやすさを秘めた名曲の
数々をお楽しみください。
8.572565
期待の新進演奏家シリーズフローリアン・ラルース
1.ダウランド(1563-1626):ファンシー/ 2.ダウランド:涙のパヴァアーヌ
/3.ダウランド:ファンタジア/4.レゴンディ(1822-1872):序奏とカプリース
/ 5-8.ホセ(1902-1936):ギター・ソナタ/ 9-10.ダンジェロ(1955-):2つの
リディア調の歌/11.コスト(1806-1883):ル・デパル-劇的幻想曲 Op.31
演奏:フローリアン・ラルース(ギター)
2009年、アメリカ・ギター財団による国際コンクールの覇者、フローリアン
・ラルースの受賞記念アルバムです。彼は1988年に生まれ 8歳からギターを
学び、すでに多くのコンクールに参加、その実力は少しずつ認められている
逸材です。このアルバムでは、類い稀な技巧を示すかのように、広い範囲の
時代から選曲されており、この見事な選曲にこそ彼の自信が見て取れるでは
ありませんか。ダウランドの落ち着いた響きに漂う大人の風格、優雅なレゴ
ンディでの滑らかな音作り、そして憂愁ただようホセのソナタ、時の隙間か
ら一つ一つ音を紡ぎ出すかのようなダンジェロの作品、様々な曲想が楽しめ
るコストの「劇的幻想曲」と、後から後から湧きだす才能の迸りが魅力です。
8.572573
期待の新進演奏家シリーズアントニー・バリシェフスキー
1.D.スカルラッティ(1685-1757):ソナタホ長調 K.135/L.224/P.234/2.D.ス
カルラッティ:ソナタニ短調 K.1/L.366/P.57/3.ラヴェル(1875-1937):ラ・
ヴァルス(ピアノ独奏版)/4-6.ドビュッシー(1862-1918):映像第2集(葉末を
渡る鐘の音 /そして月は荒れた寺院に落ちる/金色の魚)/7.マテオス(1977-):
オリオン/8-10.ラフマニノフ(1873-1943):ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調
Op.36(1931年版)/11-13.ストラヴィンスキー(1882-1971):ペトルーシュカか
らの3楽章
演奏:アントニー・バリシェフスキー(ピアノ)
1988年ウクライナ生まれのピアニスト、アントニー・バリシェフスキーは
1999年にブカレストで開催されたエネスク・コンクールを始め、たくさんの
コンクールで入賞を重ねている実力派です。まだまだ素材的には未知数です
が、ここで聴ける演奏からは、やはり「何か違うもの」が感じられないでしょ
うか?冷徹なスカルラッティは、ホロヴィッツの名演に匹敵するほどですし、
ラヴェルのラ・ヴァルスからは仄暗い狂気すら漂ってきます。幾重にも塗り
重ねられたドビュッシーの彩色、そして荒ぶる技巧が炸裂するラフマニノフ
のソナタ、目を見張るばかりのストラヴィンスキー、星の煌めきにも似たマ
テオスのマリオン・・・。さて、彼はこれからどのような芸術家になってい
くのでしょうか?
8.570941
ルビンシュテイン :ピアノ作品集
1-13.主題と変奏 Op.88(1871)/14-18.折句第2番 Op.114(1890)
※全て世界初録音
演奏:ヨゼフ・バノヴェツ(ピアノ)
アントン・ルビンシュテイン(1829-1894)はロシア人ピアニストとしてはじめ
て世界的名声を博し、またサンクトペテルブルク音楽院を開設し、1859年に
はロシア音楽協会を開設するなど、以降のロシアのピアノ界に多大なる影響
を与えた人です。また歌劇、交響曲からピアノ曲までとあらゆるジャンルに
たくさんの作品を残したのですが残念なことに、「ヘ調のメロディ」や「天
使の夢」の小さなピアノ曲以外はほとんど忘れ去られてしまいました。ここ
では、シューマンの「交響練習曲」に触発されて書かれた「主題と変奏」と、
サロン風な「折句」第2番でその才能をじっくり味わってみてください。「折
句」とは聞き慣れない言葉ですが、今でいう「縦読み」のようなもので、並
んだ文章の頭だけを読んでいくと他の文が浮かびあがる仕掛けのようなもの
です。こちらもシューマンが好んだ手法ですが、このルビンシュテインの作
品には曲を献呈した相手の名である「S-O-F-I-A」の音が織り込まれている
ということです。
8.572313
グラナドス:ピアノ作品集第1集
スペイン舞曲集 Op.37, DLRI:2(1.ガランテ/2.オリエンタル/3.ファンダンゴ
/4.ビリャネスカ/5.アンダルーサ/6.ロンデーリャ・アラゴネーサ/7.バレン
シアーナ/8.サルダーニャ/9.ロマンティカ/10.メランコリカ/11.アラベスカ
/12.ボレロ)/13.ホタ・バレンシアにおける即興曲(A.M.マルティネス編 )
演奏:ダグラス・リーヴァ(ピアノ)
NAXOS屈指のラテン系ピアニスト、リーヴァによるグラナドス(1867-1916)の
ピアノ作品集の第1集です。NAXOSにはローサ・トレス・バルドによるスペイ
ン舞曲集の録音が既にありますが(8.554313)、やはりここは、他の作品のほ
とんどを演奏しているリーヴァで聴きたいと思う人が多いはず。もちろん期
待に違わぬ鮮やかな切り口でこの魅力的な小品集を聴かせてくれます。通常
と違う曲順にもドキドキしてしまいます。マスネ、サン=サーンス、グリー
グ、キュイら大作曲家たちが絶賛したという魅力あふれる小さな曲たち。ど
の曲もスペインの熱き風を運んでくるようです。
8.572577
パロモ:ドゥルシネア…「騎士の恋」への幻想的カンタータ
1.風車/2.騎士のファンファーレ/3.夜明けの歌/4.ドン・キホーテのバラ
ード/5.風車への戦い/6.セギーディリャ/7.ドン・キホーテとサンチョ/
8.アブラカダブラ/9.ドゥルシネアのバラード/10.終曲
演奏:ドゥルシネア…アインホア・アルテタ
(ソプラノ)/テレサ・パンサ…キエリ・ローゼ・カッツ(メゾ・ソプラノ )
/サンチョ・パンサ…ブルクハルト・ウルリヒ (テノール)/ドン・キホーテ
…アルチュン・コチニャン(バス)
ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団&合唱団
ミゲル・アンゲル・ゴメス・マルティネス(指揮)
17世紀に流行していた騎士道物語。セルバンテスが描いた「ドン・キホーテ
はそのパロディ小説だという説もあります。確かに勇敢な騎士に憧れた老人、
ドン・キホーテは、奇行ばかりが目に付きますが、実は正義感に溢れた熱血
な人。永遠に愛を追い求め、悪を砕く・・・そんなところが今でも愛されて
いるに違いありません。この物語は多くの画家や音楽家に影響を与え、様々
な名作を生み出していますが、このパロモ(1938-)の作品は、彼の行いを壮大
なカンタータとして描いています。様々な場面を想起させるために多彩な管
弦楽を駆使し、ペーソス溢れる物語を生き生きと表出するパロモの才能。恐
ろしいまでに冴えています。
8.572541
J.S.バッハ:名アリアと合唱曲集
1.もろびとよ歓呼して神を迎えよ BWV51/2.ロ短調ミサ曲 BWV232より「いと
高き処に神に栄光あれ」/3.ロ短調ミサ曲 BWV232より「地に平和を」/
4.ロ短調ミサ曲 BWV232より「高き天なる神に」/ 5.ロ短調ミサ曲 BWV232
より「主の御名において」/6.ロ短調ミサ曲 BWV232より「いと高きところに
ホザンナ」/ 7.われ喜びて十字架を担う BWV56/8.喜ばしい安息、好ましい
魂の歓喜 BWV170/9.マタイ受難曲 BWV244より「来たれ、娘たちよ、われと
ともに嘆け」/10.マタイ受難曲 BWV244より「われは汝にわが心を捧げん」
/ 11.マタイ受難曲 BWV244より「おお、人よ、汝の大いなる罪を嘆け」/
12.マタイ受難曲 BWV244より「憐れみたまえ,わが神よ」/ 13.マタイ受難
曲 BWV244より「ああ,血と傷にまみれし御頭」/ 14.マタイ受難曲 BWV244
より「われに返せ,わがイエスをば!」/ 15.マタイ受難曲 BWV244より「わ
れらは涙ながらここにひざまずき」/16.われ満ちたれり BWV82/17.ロ短調
ミサ曲 BWV232より「平和をわれに」
演奏:ドレスデン室内合唱団/ケルン室内管弦楽団
ヘルムート・ミュラー=ブリュール (指揮)
ドイツの重鎮指揮者、ヘルムート・ミュラー=ブリュールが丹精込めて演奏
してきたバッハ(1685-1750)の声楽作品の中から、良いところをセレクトして
1枚のアルバムにまとめました。誰もが知っている曲よりは、少し地味だけど、
絶対聴いておきたいカンタータからの名アリアと、大作「マタイ」と「ロ短
調ミサ」からの聴きどころを収録。バッハの宗教音楽を聴く喜びを存分に味
わうことができるようになっています。
8.660284-85 2枚組
ロッシーニ :歌劇「アルジェのイタリア女」全曲
演奏:ムスターファ…ロレンツォ・レガッツォ (バス)/エルヴィーラ…ルー
ス・ゴンザレス(ソプラノ)/ズルマ…エルザ・ジャヌリドゥ(メゾ・ソプラノ)
/ハリ…ジューリオ・マストロトターロ(バス)/リンドーロ…ローレンス・
ブラウンリー(テノール)/イザベッラ…マリアンナ・ピッツォラート (コン
トラルト)/タッデオ…ブルーノ・デ・シモーネ (バス)/クルージュ・トラ
ンシルヴァニア・フィルハーモニック合唱団/ヴィルトゥオージ・ブルネン
シス/アルベルト・ゼッダ(指揮)
2008年のヴィルトバートにおけるロッシーニ祭でのライヴ演奏。
アジオ・コルギの校訂版を使用しています。
8.112050
1.スーク(1874-1935):
ソコル祭典行進曲(祖国新生に向けて)Op.35c
スーク:セレナード変ホ長調 Op.6
ドヴォルザーク(1841-1904):交響曲第6番ニ長調 Op.60
演奏:チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
ヴァーツラフ・ターリッヒ(指揮)
録音 1938年11月22-23日ロンドン EMIアビーロード第1スタジオ
マーク・オーバート=ソーン復刻
この録音は、ドヴォルザークの交響曲第7番(8.111045)とともにアビー・ロー
ド・スタジオでの2日間のセッションで録音されたチェコのカリスマ指揮者タ
ーリッヒの偉大なる演奏です。中でも「ソコル祭典行進曲」は彼の唯一の録
音であり、今回が初CD化となる貴重なものです(LPにもなったことはありませ
ん )。スークの音楽の持つ牧歌的で明るい雰囲気がこの上なく表現された素晴
らしい記録は、スラブ魂を理解する上で必要不可欠なものとして永遠に記録
されることでしょう。
8.112053
クライスラー完全録音集第1集
1.J.S.バッハ(1685-1750):パルティータ第3番より「前奏曲」/ 2.J.S.バッハ
(ウィルヘルミ編):管弦楽組曲第3番より「エアー」/ 3.チャイコフスキー
(1840-1893):ハプサールの想い出 Op.2より第3番無言歌ヘ長調/ 4.ズルツァ
ー:サラバンド Op.8/5.フランソワ・シューベルト(1808-1878):バガテル
Op.13より第9番「蜜蜂」/6.スメタナ(1824-1844):わが故郷より第2番「ボヘ
ミア幻想曲」(テイク 1)/7.フォスター(1826-1864):故郷の人々/ 8.クライ
スラー:ウィーン奇想曲 Op.2(テイク 2)/9.ドヴォルザーク(1841-1904):ユモ
レスク/10.マスネ(1842-1912)(マルシック編 ):タイスの瞑想曲(テイク 2)
/11.マスネ(マスシック編):タイスの瞑想曲(テイク 3)/12.クライスラー:
中国の太鼓/13.クライスラー:愛の悲しみ/14.クライスラー:愛の喜び (テイ
ク 1)/15.クライスラー:愛の喜び(テイク 2)/16.スメタナ:わが故郷より
「ボヘミア幻想曲」(テイク 2)/17.ブラームス(1833-1897)(ヨアヒム編 ):ハ
ンガリー舞曲第5番/18.クライスラー:タルティーニの様式のコレルリの主題
による変奏曲/19.クライスラー:ウィーン奇想曲 Op.2(テイク 3)/20.シュー
ベルト(1797-1828):楽興の時第3番/21.ラモー(1683-1764):タンブーラン/
22.チャイコフスキー:ハプサールの想い出より「無言歌」/ 23.コットン:
歌-瞑想/24.J.S.バッハ:パルティータ第3番より「ガボットとロンドー」
※3.7.9.20.21.22.23…クライスラー編曲
演奏:フリッツ・クライスラー(ヴァイオリン)
6-24.ゲオルゲ・ファルケンシュタイン(ピアノ)
1904年ベルリン、グラモフォン&タイプライター株式会社… 1-5/
1910年5月ニューヨーク、ビクター・トーキング・マシン・カンパニー、…6-24
ウォード・マーストン復刻
当時、何百万ものレコードを売り、彼の演奏を生で聴くことができないリスナ
ーにも無限の楽しみを与えた作曲家、ヴァイオリニスト、クライスラー。この
アルバムは彼の1904年と1910年に録音された小品集です。まだ制約の多かった
「音盤への記録」をものともせず、自らの芸術を克明に記録し続けたクライス
ラーの偉業はどんな言葉においても賛美しきれるものではありません。
8.112055
クライスラー完全録音集第2集
1.クライスラー(1875-1962):クープランの様式による気取った曲/2.クライス
ラー:ディッタースドルフの様式によるスケルツォ/3.クライスラー:ディッタ
ースドルフの様式によるスケルツォ(テイク違い)/4.クライスラー:ボッケリ
ーニの様式によるアレグレット/5.クライスラー:ウィーン奇想曲 Op.2/6.
クライスラー:中国の太鼓 Op.3/7.クライスラー:愛の悲しみ/8.クライスラ
ー:愛の喜び/9.コットン:歌-瞑想/10.チャイコフスキー:ハプサールの想い
出より「無言歌」/11.ブラームス(1833-1897)(ヨアヒム編 ):ハンガリー舞曲
第5番/12.クライスラー:クープランの様式によるルイ 13世の歌とパヴァーヌ
/ 13.J.S.バッハ(1685-1750):パルティータ第3番より「ガボット」/ 14.ク
ライスラー:クープランの様式によるプロヴァンス朝の歌/15.クライスラー:
クープランの様式によるプロヴァンス朝の歌(テイク違い)/16.クライスラー:
カルティエの様式によるシャス/17.グルック(1714-1787):精霊の踊り/ 18.
クライスラー:美しきロスマリン/19.クライスラー:マルティーニの様式によ
るアンダンティーノ/20.クライスラー:クープランの様式によるルイ 13世の
歌とパヴァーヌ/ 21.J.S.バッハ:パルティータ第3番より「ガボット」/ 22.
クライスラー:愛の悲しみ/23.タウンセンド:子守歌/24.コットン:歌-瞑想
※9.10.13.21.24…クライスラー編曲
演奏:フリッツ・クライスラー(ヴァイオリン)/ハドン・スカイア(ピアノ)…
1-16/ゲオルゲ・ファルケンシュタイン(ピアノ)…17-24
1911年11月6日ロンドン、グラモフォン・カンパニー… 1-16
1912年12月18.23日ニューヨーク、ビクター・トーキング・マシン・カンパニ
ー…17-24
1911年の終わり頃に、クライスラーはロンドンで最初の録音を行いました。当
時のイギリスで彼の人気は凄まじいものがあり、人々は挙ってクライスラーの
演奏に聴き惚れたのです。ウィーン、ベルリンでも華々しく活躍、時にはアメ
リカへも演奏旅行に出かけ、魅惑的な小品を披露していました。この録音はロ
ンドンとニューヨークでの演奏を収録したもので、バッハやチャイコフスキー
の小曲を始め、自作を含めたプログラムが当時の人気を伝えています。