クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

コメントはメーカー案内書より抜粋です。お問い合わせ:goodies2@pc.highway.ne.jp

07-07 No.22-1

2007年07月23日 15時32分55秒 | Weblog
<CALLIOPE>
CAL 9357 \2080
ヨハン・ヴェンツェル・カリヴォダ(1801-66):3つの弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲第1-3番
ターリヒ四重奏団
1801年、プラハで生まれ、21歳からドナウエッシンゲンのカール・エゴン2世
の元で、カペルマイスターおよび宮廷作曲家として活躍したカリヴォダの弦楽
四重奏曲集。知名度こそ低いものの、オペラや交響曲を含む数多くの作品を残
し、特に小品ジャンルでは、「ハウス・ミュージック」の普及に貢献しました。
当盤の3つの四重奏曲は、ペータースの編集者に依頼され、1834年に完成した
ものです。依頼者からの条件は、「第1ヴァイオリンのコンチェルトにならず、
音楽がどこにも偏らないようにそれぞれの楽器にうまく分割され、モーツァル
トのような美しい様式」でできた四重奏曲というものでした。それに対して、
作品を仕上げたカリヴォダは、「この四重奏曲集は、あなたの希望に叶ってい
ると思うし、あなたに喜んでもらうだけでなく、あらゆる音楽愛好者に楽しん
でもらえるでしょう」という自信たっぷりの応答ぶり。たしかに、あたたかさ
と洗練された軽やかさが耳に心地よい作品が揃っています。演奏は、ボヘミア
作品ならお手のものであるターリヒ四重奏団。いつもながら、安定した技巧と
秀でた表現力が、作品の魅力を最大限に引き出しています。

CAL 9367 \2080
ナポリ:ナポリ伝統の歌
ネアポリス・アンサンブル
芸術音楽と民俗音楽の融合したナポリの歌は、明るく陽気でもあり、果てしな
く寂しい翳りをみせもします。ヴォーカルのマリア・マローネの伸びのある力
強い声が、非常に魅惑的に、生きた魂のこもった歌を届けます。
ネアポリス・アンサンブルはヴォーカルと器楽(ギター、マンドリン、フルー
ト、チェロ、パーカッション)から成る6人の女性グループ。ネアポリスとは、
ナポリの古代名です。15世紀から現代に至るカンパニア州(イタリア)および
その州都ナポリの伝統音楽を専門とし、土着の遺産を世界に開いています。

CAL 9373 \2080
サン=ジョルジュ(1739-99):4つのヴァイオリン協奏曲
](1)-(3)ヴァイオリン協奏曲イ長調G 039 
(4)-(6)ヴァイオリン協奏曲ニ長調G 029 
(7)-(8)2つのヴァイオリンのための協奏交響曲ト長調G 024 
(9)-(11)ヴァイオリン協奏曲ト長調G 050
レ・アルシェ・ドゥ・パリ
サン=ジョルジュは18世紀パリのサロンで人気のあった黒人作曲家兼ヴァイオ
リン奏者です。「黒いモーツァルト」とまで称されることもあるようです。し
かし彼の215にものぼる作品は、彼の死後、ナポレオンによる人種隔離政策に
よってレパートリーからはずされてしまったのです。それからすでに2世紀が
経ち、今ようやく、復活のときを迎えました。
サン=ジョルジュの作品は多岐にわたっています。しかしとりわけ優れている
のは、彼の得意楽器でもあったヴァイオリンのための作品です。ヴィルトゥオ
ーゾの流行していた当時にあって、彼は、有名なヴィオッティにも劣らぬ技巧
派でした。彼のコンチェルトは、当時のパリの華やいだ宮廷を彷彿とさせると
同時に、ソロとオーケストラの間に大胆で刺激的な闘争をみせ、聴衆の熱狂を
誘ったであろうことを想像させます。また、彼は演奏者に対して、多くの解釈
の余地を残しています。当盤の3つのコンチェルトでは、レ・アルシェ・ドゥ
・パリはそれぞれ異なったソリストを用いており、演奏者ごとのサン=ジョル
ジュ像を映し出しています。




<MANDALA>
MAN 5118 \2450
スクリャービン:前奏曲集
24の前奏曲op.11、6つの前奏曲op.13、5つの前奏曲op.15、6つの前奏曲op.16、
7つの前奏曲op.17
ビリー・エイディ(P)
16歳から24歳までの若きスクリャービンの前奏曲集。神秘主義で知られるスク
リャービンですが、この頃はまだショパンやリストなどのロマン的な傾向から
抜けず、非常に美しい小品が並んでいます。ロシアのショパンと呼ばれるのも
わかるほど。華麗でありながら、ロシア人作曲家らしい力強さを備えています。
彼の創作はここから始まったのです。スクリャービン初心者にも、スクリャー
ビン好きにも、オススメの1枚。演奏するビリー・エイディは、リスボンで生
まれたフランスのピアニスト。

MAN 5117 \2450
“PUEBLITOノMI PUEBLO”――ラテン・アメリカのピアノ音楽
(1)-(3)アルベルト・ヒナステラ:3つの小品 作品6 
(4)カルロス・グァスタビーノ:Pueblito, mi pueblo 
(5)カルロス・ロペス・ブチャルド:バイレシート 
(6)-(7)フリアン・アギーレ:カンシオン第1,2番 
(8)ヴィラ=ロボス:伯爵夫人 
(9)ヴィラ=ロボス:奥地の祭り 
(10)モサルト・カマルゴ・グァニエリ:Dansa Negra 
(11)ルイス・クルソー=モルテット:小太鼓 
(12)ベアトリス・ロックハート:メレンゲ 
(13)-(14)フランシスコ・ミニョーネ:ワルツ第8,9番 
(15)エルネスト・ナザレ:エスコレガンド
(16)エルネスト・ナザレ:エポニーナ 
(17)-(21) マヌエル・サウメル:5つのコントラダンサ
イルマ・アメトラーノ(P)
ラテン・アメリカのピアノ音楽は、ピアソラを除くと、残念ながらあまり知ら
れているとはいえません。しかし、そこには宝のようなステキな音楽がたくさ
ん存在しているのです。いま、少しずつ注目を集め、秘かなブームとなりつつ
あります。アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ、キューバの音楽が詰まった
当盤は、まさにいいとこ取り。ラテン・アメリカの愉しさ、妖しさ、可愛らし
さがこの1枚で楽しめます。
これらの音楽を届けてくれるのは、ウルグアイ出身のピアニスト、イルマ・
アメトラーノ。彼女は13歳でリサイタルを開いてしまったほど早熟なピアニ
ストです。拠点をパリに置きながら、ラテン・アメリカ音楽を中心に取り上
げて活動しています。





<Temperaments>
TEM 316032 \2500
W. A. モーツァルト:オルガン作品集
(1)ピアノ組曲KV 399より序曲 (2)小葬送行進曲KV 453a 
(3)ロンドンのスケッチブックKV 15r (4)小さなジグKV 574 
(5)3つの行進曲KV 408より第1番 (6)ロンドンのスケッチブックKV 15a 
(7)ロンドンのスケッチブックKV 15b (8)アンダンテKV 616 
(9)マリア・アンナのためのノートより行進曲 (10)幻想曲KV 608 
(11)ロンドンのスケッチブックKV 15z (12)ピアノ連弾ソナタKV 381 
(13)レクイエムよりフーガ (14)アダージョとアレグロKV 594 
(15)前奏曲とフーガKV 394よりフーガ、アンダンテ・マエストーソ 
(16)トルコ行進曲
アドリアン・ジョルダン(Org)
あまり聴く機会のないモーツァルトのオルガン作品、およびピアノ作品や他楽
器による作品のオルガン編曲を所収した貴重な1枚です。もともとモーツァル
トは子どもの頃からオルガンに親しんでおり、「楽器の王様」とも呼んでいま
した。そんな彼のあの名作、例えばレクイエムの1曲やトルコ行進曲を、ある
いはほとんど知られていない小品たちを、アドリアン・ジョルダンが奏でる
サン・トマソ教会の荘重なオルガンの音色で聴いてみてはいかがでしょうか。
彼は規定のオルガン作品の演奏だけではなく、ジャズや即興も取り入れた幅
広い音楽活動を展開しているので、演奏にも自由な開けた精神が伴って聴こ
えます。

TEM 316037 \2500
ルイ・ヴィエルヌ(1870-1937):オルガン交響曲第3番
マルセル・デュプレ(1886-1971):3つの前奏曲とフーガ作品7
ヴァンサン・デュボワ(Org)
今年、没後70年にあたるヴィエルヌと、その弟子デュプレの作品をカップリン
グした1枚。どちらもサン-シュルピス教会にあるフランス最大のカヴァイエ=
コル・オルガンのために作曲されました。したがって、作品も幅が広く奥が深
い!ヴィエルヌが作曲したオルガン交響曲とは、オルガンの独奏でありながら
交響曲のような壮大さを表現する作品を指します。ロマンティック・オルガン
の登場とともに、演奏の可能性が大幅に広がった楽器のために現れたジャンル
といえるでしょう。実際に聴いてみれば、なるほど、まるでオーケストラのよ
うな多彩な音色を操るオルガンの響きが、さまざまな雰囲気を生み出していま
す。ヴィエルヌの交響曲第3番が弟子のデュプレによって初演された1912年、
この弟子の前奏曲とフーガが世に生まれました。彼にとって初めての大きな作
品です。師の作品と比べれば、若さ溢れるヴィルトゥオジティを前面に出して
いるといえましょう。メシアンに「オルガンのリスト」と謳われたほどの即興
能力をもつ演奏家というのもうなずけます。




<K617>
K617 201 2枚組 \3380
アントニオ・マッツォーニ(1717-85):歌劇「アミンタ――羊飼いの王様」
[CD1]第1幕、第2幕第1場-第4場 [CD2]第2幕第5場-第8場、第3幕
アンナ・マリア・パンツァレッラ(アミンタ)
セリーヌ・リッチ(タミーリ)
レイフ・アルーン=ソレン(アレッサンドロ)
デルフィーヌ・ギロ(エリーザ)
マリーナ・パルド(アジェーノレ)
ファン・バウティスタ・オテーロ(指)
レアル・コンパーニャ・オペラ・デ・カマラ
ボローニャの作曲家マッツォーニ(1717-85)の「アミンタ――羊飼いの王様」
は、1756年、スペインのマドリードで作曲・初演されたオペラ・セリアです。
ひとりの羊飼いが実は王位継承者だったというストーリーは、同じ年にヴィー
ンでグルックが、その20年近く後にはモーツァルトも手掛けています。マッ
ツォーニの作曲のきっかけは、ファリネッリという当時人気だった実力派カ
ストラートによる委嘱でした。演出兼指揮者のオテーロは、メタスタージオの
リブレットに忠実に作曲されたこの作品を、情念を含み、繊細な表現をもち、
「ファリネッリの声」と呼ばれる奇跡的な技巧を魅せる作品であると語って
います。18世紀のオペラを得意のレパートリーするオテーロと彼の率いるア
ンサンブル、そしてラモーやリュリのオペラでも高い評価を得ているアンナ
・マリア・パンツァレッラをタイトル・ロールに迎え、祝祭的な管弦楽の雰
囲気と明るい朗々としたアリアを存分に楽しませてくれる注目の1枚です。
また、同名オペラを生み出した3人の作曲家の作品を聴き比べるのも興味深い
でしょう。

K617 198 \2250
アンリ=ジョゼフ・リジェル(1741-99):3つのヒエロドラマ
(1)出エジプトLa Sortie d’?gypte
(2)エフタJepht?
(3)エリコの陥落La Destruction de J?richo
イザベル・プルナール(Sp) フィリップ・ド(Tn) アラン・ビュエ(Bs)
オリヴィエ・シュネーベリ(指)
レ・フォリ・フランセーズ、ヴェルサイユ・バロック音楽センター聖歌隊
アンリ=ジョゼフ・リジェルはヴェルトハイム出身のドイツ人。本来は「リー
ゲルRiegel」という名ですが、1767年パリ移住に伴って、「リジェルRigel」
とフランス語に読み替えました。音楽の基礎をドイツで身につけ、それをフ
ランス・バロック期にあったパリで開花させた作曲家です。
当盤収録の作品は、彼の交響曲が当時のフランスの楽団コンセール・スピリ
チュエルによって認められたことがきっかけとなって生まれました。ヒエロ
ドラマとは、すなわちオラトリオを指し、宗教的な劇音楽を意味します。
「出エジプト」(1774)に続いて「エリコの陥落」(1778)、そして最後に
「エフタ」(1783)が作曲されました。第1作は1788年までに32回、第2作は
85年までに18回も再演されるほどの大成功作品でした(第3作だけは成功にも
かかわらず、あまり再演されなかったようですが)。宗教的題材に拠りなが
ら、パリの典雅で優美な雰囲気を備えたフランス・バロックの代表的なオラ
トリオと言っていいでしょう。


<naive>
V 5093 \2280
(1)気狂いピエロ 1965 /ジャン・リュク・ゴダール監督 
(2)軽蔑 1963 /ジャン・リュク・ゴダール監督 
(3)突然炎のごとく 1962 /フランソワ・トリュフォー監督 
(4)Garde a vue 未公開 1981 /クロード・ミレール監督 
(5)まぼろしの市街戦 1966 /フィリップ・ド・ブロカ監督 
(6)つつましき詐欺師 1996 /ジャック・オディアール監督 
(7)柔らかい肌 1964 /フランソワ・トリュフォー監督 
(8)恐怖に襲われた街 1975 /アンリ・ヴェルヌイユ監督 
(9)リード・マイ・リップス 2001 /ジャック・オディアール監督 
(10)ラストタンゴ・イン・パリ 1972 /ベルナルド・ベルトルッチ監督 
(11)インドへの道 1984 /デヴィッド・リーン監督 
(12)大切なのは愛すること 1975 /アンジェイ・ズラウスキー監督 
(13)かくも長き不在 1961 /アンリ・コルピ監督 
(14)天使が隣で眠る夜 1994 /ジャック・オディアール監督
トラフィック・クインテット
音楽(1)アントワーヌ・デュアメル、
(2)-(5)(7)(12)(13)ジョルジュ・ドリリュー、
(6)(9)(14)アレクサンドル・デプラ、(8)エンニオ・モリコーネ、
(10)ガトー・バルビエーリ、(11)モーリス・ジャール
ジャック・タチの「トラフィック」をアンサンブル名にしたトラフィック・
クインテット(2Vn,Va,Vc,Cb)による映画音楽集。サントラというより
「リード・マイ・リップス」のアレクサンドル・デプラによる編曲を駆使し
た室内楽のアルバムと申せましょう。映画好きにはこたえられない内容。
「夜を喰らう」の作家トニーノ・ベナキスタによるエッセイ(「ゴッドファ
ーザー」「ロッキー」「北北西に進路をとれ」「M*A*S*H」「81/2」「エ
ルム街の悪夢」「マーズ・アタック」「ターミネーター」が登場)も付いて
興味は尽きません。





<RCO Live>
RCO 07003(SACD-Hybrid) \2180
マーラー:交響曲第4番ト長調
クリスティーネ・シェーファー(S)
ベルナルド・ハイティンク(指)ロイヤル・コンセルトへボウO.
録音:2006年11月7日
アムステルダム、コンセルトへボウ(ライヴ)
1956年11月7日、まだ27歳の若さだったハイティンクは病気のジュリーニに代
わり、初めてRCOの指揮台に立ちました。それから半世紀、夫婦でいえば金婚
式を迎えた昨年のちょうど同じ11月7日に、いまや桂冠指揮者となった巨匠が
臨んだ特別記念コンサート。RCO Liveにふたたび帰ってきたハイティンクの
最新アルバムは、当夜のオール・マーラー・プログラム後半を飾った交響曲
第4番です。(前半はラーションとディーン・スミス独唱による「大地の歌」)
現代屈指のマーラー指揮者として誰しも認めるハイティンク。なかでも第4番
については、すでにRCOとは首席指揮者時代(1961-1988)をふくめて3度
(67年、82年ライヴ、83年)も録音していることからもわかるように、よほ
ど愛してやまないのでしょう。RCO初のSACDによる第4番は、ハイティンクにと
っても、またRCOにとっても両者のトレードマークであるマーラー演奏の真価
をあらためて広く世に問うものとなっています。
首席指揮者ヤンソンスのもと新たな時代を迎えたいまも、ハイティンクが長
年の手兵と培った結びつきは健在。しかもなんといっても晴れの舞台、会場
の祝賀ムードに包まれる中、当ライヴではいつにもまして黄金に輝くブラス
にエレガントで潤いたっぷりの弦の音色を誇る名門の持ち味が光っています。
そして、天上の世界を描いた第4楽章。ポイントのソプラノにアメリング、ユ
ーイング、アレグザンダーと歴代の名花が彩りを添えてきたところへ、このた
び抜擢されたのはいまをときめくシェーファー。可憐な歌声がピッタリで、こ
れはたいへんな魅力。なお、昨年11月に入り当コンビは、この7日の記念演奏
会のほか、いずれもシェーファーの独唱で第4番を本拠アムステルダムでは全
部で5回取り上げており、さらに9日にフランクフルトのアルテオーパー、10日
にはウィーンのムジークフェラインでもそれぞれ演奏しています。
ハイティンクのマーラーでは、これよりほんの少し前、同じ年の10月に行わ
れた首席指揮者就任ライヴにおけるシカゴ響との第3番(CSOR.901701)も大
いに話題を集めていますが、ここ最近の充実ぶりは一瞬たりとも目を離すこ
との出来ないものといえるでしょう。




<Simax>
PSC 1291 \2280
エドヴァルド・グリーグ(1843-1907):抒情小曲集
昔むかし、ガンガル、蝶々、夜想曲、民謡、ハリング、羊飼いの少年、
アリエッタ、ゲーゼ、青年時代より、トロールハウゲンの婚礼の日、
孤独なさすらい人、山の夕べ、子守歌、小さなトロル、感謝、家路、鐘の音
リヴ・グラーセル(フォルテピアノ)
楽器:エラール・グランドピアノ (1853年ロンドン)
録音:2006年11月27日-29日 ヤール教会 (ベールム、ノルウェー)
60年代なかば、RCAはノルウェーの若いピアニストを起用して「抒情小曲集」
を初めて全曲録音することを決定。選ばれた幸運者はリヴ・グラーセル
(1935-) でした。「無言歌がメンデルスゾーンの名と結びついているように、
グリーグと言えば10集の抒情小曲集。グリーグが人生の34年をかけた作品。
しばらくの間、グリーグの人生と作品にきわめて近い生活がつづき、そこから
今なお変わらぬ愛情が生まれた」 (リヴ・グラーセル)
「雪のつまったピンク色のボンボンのように風変わりだが嬉しい」音楽どころ
か、ドビュッシーの音楽に大きな影響を与えたグリーグの「抒情小曲集」。
このアルバムには、66曲の中から18曲が選ばれました。《昔むかし》に始まり
《鐘の音》で終わるひとつの流れ。ひとつひとつの小品を通して作曲者の人
生のさまざまな局面に思いを馳せることができます。《山の夕べ》《孤独なさ
すらい人》《羊飼いの少年》《夜想曲》の4曲はグラーセルが特別な愛着をも
つ作品です。

PSC 1269 \2280
(1)アルネ・ヌールハイム(1932-):Listen(1971)
(2)ベートーヴェン:ピアノソナタ第32番ハ短調 作品111
(3)アルネ・ヌールハイム(1932-):Listen - Inside Outside(2005)
アイナル・ステーン=ノクレベルグ(P)
録音:(3)2006年10月14日オスロ大学ホール・ライヴ、
(1)(PSC1134)(2)(PSC1218)
アルネ・ヌールハイム(1932-)。ノルウェーでもっとも尊敬される作曲家。
オスロ王宮の一角にある建物に住んでいます。ピアニスト、アイナル・ステ
ーン=ノクレベルグ(1944-) はヌールハイムの「Listen」について、「まさ
に最初の瞬間から、この音楽は私の耳と内なる自分に訴えかけてきた」。そ
のステーン=ノクレベルグにヌールハイムからひとつのアイデアが寄せられま
した。ベートーヴェンのハ短調ソナタと、「Listen」を新しく展開させた音
楽を並立させる。ともに素材が複雑に絡み合い、戦いとドラマをもった作品。
スウェーデンのエレクトロ=アクースティック音楽作曲家マッツ・クレーソン
が素材をライヴ・エレクトロニクス処理。彼の手により、ピアノ曲「Listen」
の新しい可能性が明らかになっていきます。このアルバムは、スタジオ録音
のソナタ (PSC1218) とオスロ大学ホールでライヴ録音された「Listen -
Inside Outside」をコンパイルして制作されました。

PSC 1290 \2280
W・A・モーツァルト:
クラリネット協奏曲 イ長調 K622
(ヴィオラのための編曲、1802年 ヨハン・アンドレ出版)
クラリネット五重奏曲 イ長調 K581
(ヴィオラのための編曲、1803年 ヨハン・アンドレ出版)
アルヴィド・エンゲゴール (指)
ノルウェー室内管弦楽団
ラーシュ・アネシュ・トムテル(Va) ヘンニング・クラッゲルード(Vn)
ヤン・ビョーランゲル(Vn) カスリーン・ブロック(Va) 
クリスチャン・ポルテラ(Vc)
録音:2006年9月17日 オスロ大学ホール・ライヴ (協奏曲)、
12月20日-21日 ノルウェー音楽アカデミー、リンデマンホール (オスロ)
制作:トニー・ハリソン、録音:ジェフ・マイルズ
1991年に設立。ノルウェーと海外から優秀な芸術家を集め毎年開かれるリソー
ル室内楽フェスティヴァルは、オスロやベルゲンのフェスティヴァルとともに
ノルウェーの活発な音楽活動の一翼を担う存在になりました。現在、ピアニス
トのアンスネスとヴィオラ奏者のトムテルがフェスティヴァルの音楽監督を務
めています。そして今年のフェスティヴァルの場で紹介され大きな成功を収め
たのが、Simax Classics が世界で初めて録音したモーツァルトの“ヴィオラ”
協奏曲と“イ長調”弦楽五重奏曲。リソール室内楽フェスティヴァルゆかりの
アーティストたちによって演奏されました。
ヴィオラ協奏曲とイ長調弦楽五重奏曲はそれぞれ、モーツァルトがアントン・
シュタートラーのために書いたクラリネット協奏曲とクラリネット五重奏曲が
オリジナル。協奏曲は1802年、五重奏曲は1803年。いずれもオッフェンバッハ
・アン・マインのヨハン・アンドレが編曲版の楽譜を出版しました。ともに編
曲者不詳。協奏曲のほうは、ベートーヴェンかフンメルが編曲したと推測する
音楽学者もいます。
五重奏曲は、クラリネット・ソロのパートをヴィオラ・ソロと第1ヴァイオリ
ンが分担します。5つの弦楽器が交わす優雅な会話。「五重奏曲は弦楽だけの
曲としても立派に通用する」。Simax Classics のプロデューサー、エーリク
・ガルド・アムンセンはそんなコメントを寄せました。この音楽を聴き、彼
の言葉に共感する人は少なくないでしょう。
ヴァイオリンのクラッゲルードは2008年、広島交響楽団と共演してシンディ
ングの協奏曲を弾き、広島と東京で日本デビューすることが決まっています。
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