<DYNAMIC>
DYNDVD 33662(DVD-Video) 2枚組 \4180
字幕:伊英仏独西
ロッシーニ:「チェネレントラ」
ホセ・マリア・ロ・モナコ(Ms アンジェリーナ)
マキシム・ミロノフ(T ドン・ラミーロ)
ロベルト・デ・カンディア(Br ダンディーニ)
ニコラ・ウリヴィエーリ(Br アリドーロ)
パオロ・ボルドーニャ(Br ドン・マニーフィコ)
エレオノーラ・チッリ(S クロリンダ)
アレッサンドラ・ヴォルペ(Ms ティスベ)
エヴェリーノ・ピド(指)バーリ・ペトルッツェッリ財団管弦楽団,合唱団
演出:ダニエレ・アバド
収録:2010年4月,バーリ
ロッシーニの傑作オペラブッファ「チェネレントラ」に素晴らしいDVDが加わ
りました。大指揮者クラウディオ・アバドの息子ダニエレ・アバドは、近年た
いへん注目されている演出家。2008年にペーザロのロッシーニ・オペラ・フェ
スティヴァルで上演されたロッシーニ「エルミオーネ」はたいへんに話題にな
り、これは既にDYNAMICからDVDになっています(字幕付:KKC9006,直輸入盤:
DYNDVD33609)。そのダニエレ・アバドが2010年4月にバーリのペトルッツェッ
リ劇場で演出した上演が収録。「チェネレントラ」は、シンデレラのお話です
が、魔法の要素が一層されているので、舞台が現代化されるのはしょっちゅ
う。この演出でもシステムキッチンが中央に据えられて、1970年代っぽい雰囲
気です。
チェネレントラことアンジェリーナを歌うのは、スペイン、カターニャ地方出
身のメッゾソプラノ、ホセ・マリア・ロ・モナコ。小柄な美人のメッゾです。
2007年1月のベルガモ・ドニゼッティ劇場来日公演の「アンナ・ボレーナ」で
スメトンを歌い、耳の鋭いオペラファンから評判になっていました。王子ドン
・ラミーロは、ロシア出身のロッシーニ・テノール、マキシム・ミロノフ。こ
の役は既にグラインドボーン音楽祭で歌って好評を博しているお得意のもの。
2010年7月のトリノ歌劇場来日公演にも参加したニコラ・ウリヴィエーリは、
2000年のロッシーニ・オペラ・フェスティヴァルでアリドーロを歌っていまし
た。新進バッソブッフォのパオロ・ボルドーニャは、同じ年の8月のロッシー
ニ・オペラ・フェスティヴァルでもドン・マニーフィコを歌うことになりま
す。そして日本でも二度ダンディーニを歌って大好評だったロベルト・デ・
カンディアがここでも十八番を披露。
もう一つの売りが名匠エヴェリーノ・ピドの指揮。ロッシーニやドニゼッティ
がお好きな方なら知らぬ人のいない名指揮者ながら、録音は極めて少なく、
彼の生き生きした音楽が聞けるのはたいへん貴重です。
CDS 676 \1980
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 Op.19
ヴァイオリン協奏曲第2番 ト短調 Op.63
2つのヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 Op.56
パヴェル・ベルマン(Vn)
アンドレイ・ボレイコ(指)スイス・イタリア語放送管弦楽団
アンナ・ティフ(Vn)
録音:2010年10月,ルガーノ
プロコフィエフが書いた2曲のヴァイオリン協奏曲と、2つのヴァイオリンの
ためのソナタを収録。パヴェル・ベルマンは、偉大なピアニスト、ラザール
・ベルマンの息子。1987年、17歳でパガニーニ・ヴァイオリン・コンクール
で第2位を受賞していますので、親の七光りなんかじゃありません。現在は
マドリッドに在住、ヴァイオリニストだけでなく指揮者としても活躍してい
ます。ここでは、ロシア人の血と、西欧での活躍という二面が、プロコフィ
エフと共通するものがあり、見事な演奏となっています。
CDS 645 2枚組(1枚価格) \1980
ヘンデル:「アチ、ガラテアとポリフェーモ」
サラ・ミンガルド(Ms ガラテア)
ルース・ロジク(S アチ)
アントーニオ・アベーテ(Bs ポリフェーモ)
アントーニオ・フローリオ(指)
カッペッラ・デッラ・ピエタ・デ・トゥルキーニ
収録:2009年6月16-19日,トリノ、カリニャーノ劇場(ライヴ)
先にDYNDVD 33645で発売されたヘンデル「アチ、ガラテアとポリフェーモ」
がCDになりました。この作品は、若き日のヘンデルがイタリアに滞在してい
た1708年にナポリで初演された作品。結婚祝賀用の作品で、劇的カンタータ
とも、セレナータとも分類されますが、実質は室内オペラです。この2009年
のライヴ録音では、ガラテアに古楽のベテラン、サラ・ミンガルド、アチに
は若手のルース・ロジク、そしてポリフェーモには、もはや古楽バス大御所
と言ってよいアントーニオ・アベーテと、見事な配役が当たっています。か
つてOPUS111でのナポリのバロック音楽シリーズで名を馳せたフローリオ率い
るカッペッラ・デッラ・ピエタ・デ・トゥルキーニが、若き日のヘンデルの
傑作を素晴らしく演奏してくれています。2CDで1CD価格とたいへんお買い求
めやすくなっています。
-デリーツィエ・ムジカーリ-
DM 8016 \880
グリーグ:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ集
ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 Op.8
ヴァイオリン・ソナタ ト長調 Op.13
ヴァイオリン・ソナタ ハ短調 Op.45
ナタリア・ロメイコ(Vn)
オリガ・シトコヴェツキ(P)
録音:2001年2月,ジェノヴァ
グリーグの3曲のヴァイオリン・ソナタを収録。
ナタリア・ロメイコは、ロシアのノボシビルスク生まれ。2000年、パガニー
ニ国際ヴァイオリン・コンクールで優勝。この録音はその直後に行われたも
の。実に瑞々しい演奏で、発売当時、日本も含めた各国で評判になりました。
DM 8017 \880
リスト:
B.A.C.H.の主題による幻想曲とフーガ S.529(第2版)
「シューベルトの万霊節のための連祷」編曲 S.562
バッハ「泣き、嘆き、不安になり、おののき」およびミサ曲 ロ短調のクルチ
フィクスの通奏低音による変奏曲 S.180
子守歌 S.174(第2版)
ベッリーニの「清教徒」の回想 S.390
グレゴリオ・ナルディ(P)
録音:1988年10月,ジェノヴァ
旧CDS 058。2011年はリスト生誕200周年。たくさんのCDが発売されるでしょう
が、この1988年の録音も負けていません。ここに収録された曲はリストのなか
では比較的珍しい作品。他に録音があるものが大半ですが、有名曲なしでこれ
らの作品だけがまとめられたCDは珍しいでしょう。知名度はなくても、そこは
リストの作品、いずれも傑作です。
グレゴリオ・ナルディは、1964年、フィレンツェ生まれのピアニスト。このリ
スト集は発売されるや英国の音楽雑誌の批評家から絶賛され、好評を博した名
盤です。
DM 8019 \880
ロッラ:
ヴァイオリンとヴィオラのための3つの二重奏曲Op.15
第1番 変ホ長調
第2番 変イ長調
第3番 ハ長調
サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)
ルイージ・アルベルト・ビアンキ(Va)
録音:1972年2月
旧CDS 252。アレッサンドロ・ロッラ(1757-1841) は、19世紀前半にイタリ
アで活躍したヴァイオリニスト。18世紀末には既に高い名声を誇っており、若
き日のパガニーニが彼に教えを乞いに訪問したのは有名な話。また20年以上ス
カラ座管弦楽団のコンサートマスターを務め、この劇場の水準アップに貢献し
ました。作曲家としても数々のヴァイオリン曲を残しており、今日でもわりと
よく演奏されます。このCDには、ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲集
Op.15を、巨匠サルヴァトーレ・アッカルドという大物が弾いています。ヴィ
オラは、リミニ生まれのヴァイオリン、ヴィオラ奏者、ルイージ・アルベルト
・ビアンキ。彼はこの録音の後、DYNAMIC社の録音に多数登場することになり
ます。
DM 8018 \880
バッジーニ:ヴァイオリンとピアノのための作品集第1巻
ヴァイオリン・ソナタ Op.55 ホ短調
二つのノヴェレット Op.54
3つの小品 Op.53
3つの小品 Op.46
気掛かり
ルイージ・アルベルト・ビアンキ(Vn)
アルド・オルヴィエート(P)
録音:1999年4月,ジェノヴァ
8旧CDS 258。アントニオ・バッジーニ(1818-1897)は19世紀半ばから後半にか
けて活躍したイタリアのヴァイオリニスト。バッジーニは1840年代前半にドイ
ツに滞在して、シューマンやメンデルスゾーンと交流があり、単なるイタリア
人作曲家という以上の国際的な力量を持っていました。このCDにはバッジーニ
のヴァイオリンとピアノのための作品が集められています。1867年出版のヴァ
イオリン・ソナタには、ドイツ・ロマン派の影響が見られ、興味深いものです。
ルイージ・アルベルト・ビアンキは、リミニ生まれのベテランのヴァイオリニ
スト。
<Simax>
PSC 1239 4枚組 \4050
トマス・D・A・テレフセン(1823-1874):ピアノ・ソロのための作品全集
[CD1]
4つのマズルカ 作品1/夜想曲 へ長調 作品2/4つのマズルカ 作品3
3つの華麗なるワルツ 作品5/タランテラ 変ホ長調 作品6/悲歌 作品7
フルドラの踊り 作品9/アダージョとロンド ロ短調 作品10
夜想曲第2番 ホ長調 作品11/創作主題と幻想曲 変ロ短調 作品12
[CD2]
ソナタ ハ短調 作品13/6つのマズルカ 作品14/アルバムのページ 作品16
夜想曲第3番 変ロ長調 作品17/大ポロネーズ 嬰ハ長調 作品18
アレグレット 作品20/トッカータ ヘ長調 作品22
小さな物ごい ホ短調 作品23/大マズルカ 変ロ長調 作品24
大練習曲 ホ長調 作品25
[CD3]
花嫁の歌 ニ長調 作品26/ワルツ 変ニ長調 作品27
バラード ハ短調 作品28/凱旋行進曲 変ホ長調 作品29
大ワルツ へ長調 作品30-1/大ワルツ ヘ短調 作品30-2
マズルカ イ長調 作品33/夢の向こうへ 変イ長調 作品34
カプリッチョ・アパッショナート ロ短調 作品36/即興曲 ト長調 作品38
夜想曲第4番 変ト長調 作品39/ヴァルハラの祭り 作品40
スコットランドの旋律 嬰ハ短調 作品42/6度の練習曲 ホ長調 作品43
エリザベス女王のパヴァーヌ 嬰ハ短調 作品44
[CD4]
手稿譜の作品(モデラート/コラール「鐘たちよ、今鳴っている」による変奏曲
ト長調/前奏曲 ト長調/レント- アレグロ・モデラート- テンポ・プリモ)
21のフゲッタ、ヴァーセット、カンタービレの小品(フゲッタ第1番 ハ長調
フゲッタ第2番 ハ長調/フゲッタ第3番 ハ長調/フゲッタ第4番 イ短調
フゲッタ第5番 イ短調/フゲッタ第6番 イ短調/フゲッタ第7番 イ短調
ヴァーセット ト短調/フゲッタ第8番 ト短調/カンタービレ ト短調
フゲッタ第9番 ト長調/フゲッタ第10番 ト長調/フゲッタ第11番 ト長調
カンタービレ ハ長調/カンタービレ ニ長調/フゲッタ第12番 Dドリアン
間奏曲 Dドリアン/フゲッタ第13番 Dドリアン/ヴァーセット ニ短調
フゲッタ第14番 ニ短調/フゲッタ第15番 ホ短調/フーガへの前奏曲
イ短調変奏曲/ワルツ イ短調/アダージョ/前奏曲 ト短調
前奏曲アンダンティーノ ホ短調 ミクソリディアンd/前奏曲 ト長調
前奏曲 ニ長調/前奏曲 Eフリジアン フーガ Dドリアン/前奏曲 ト長調
アダージョ ニ短調(アラ・ブレーヴェ)/前奏曲 ト長調/間奏曲 ハ長調
コラール「イエスよ、わたしの思考をお導きください」による変奏曲 ト長調
前奏曲「イエスの御名に」 ト短調)
アイナル・ステーン=ノクレベルグ(P)
[スタインウェイ(CD1-3)、エラール・グランドピアノ(1853年ロンドン)(CD4)]
録音:2009年3月、5月、7月ソフィエンベルグ教会(オスロ)(CD1-3)、
10月25日、31日 ノルウェー音楽大学リンデマンホール(オスロ)(CD4)
制作・録音:エーリク・ガルド・アムンセン
テレフセンのピアノ・ソロ作品全集。テレフセンがピアノのために書いた曲の
最良の作品群とされる16曲のマズルカ、第1曲が、ポーランドの舞曲でありな
がらノルウェーの舞曲スプリンガルの要素をもつ《4つのマズルカ》(作品1)か
ら、《エリザベス女王のパヴァーヌ》(作品44)までの作品と、未出版の習作と
宗教的な小品が集成されています。アイナル・ステーン=ノクレベルグ(1944-)
が、2曲のピアノ協奏曲(PSC1232)と室内楽作品集(PSC1226)につづき、テレフ
センの音楽と向かい合います。「ピアノ作品の全集を録音するためには、多く
のことを学び直さねばならなかった」と、彼は、ブックレットに寄稿した「ひ
とつの文化遺産」に書いています。
テレフセンが生徒のレッスンのために作曲した、技術的にも音楽的にも高度な
内容の6曲のワルツ。フィールドとショパンの作品をモデルとした、フランス
の趣をもった4曲の夜想曲。リストの音楽を聴いて作曲した《大ポロネーズ》。
ヨーロッパのピアノ音楽の伝統に沿った作品が多いなかで、《花嫁の歌》、
《ヴァルハラの祭り》、山で人を誘惑する美女の《フルドラの踊り》は、ノ
ルウェーの旋律にもとづいて書かれました。スヴェンセンの《ノルウェー芸術
家のカーニバル》と同じように、パリに住むノルウェー人芸術家が毎年祝う
カーニバルのために作曲されたと考えられています。
あの1842年ジョルジュ・サンドは、「フランス語の知識もなく、無一文に近い
状態で、ただ自分の芸術とショパンへの熱狂だけを武器にノルウェーを旅立っ
た、その勇ましい一面をしっかりと見た」と言い、テレフセンをショパンに
紹介。その後テレフセンは、彼の才能を見抜いたショパンにレッスンを受け
ることとなりました。ショパンが他界した後テレフセンはランベール・ホテ
ルでリサイタルを行い、人前に姿を見せることの少ないジョルジュ・サンド
の見守るなか、成功を収め、パリの音楽界にデビューを果たします。貴族と
富豪とその子弟をのぞき、ショパンの唯一の弟子とされるテレフセンは、ピ
アニスト、作曲家として活躍し、1874年10月6日、51歳でパリに病没。その遺
志により、彼の出版された作品はオスロとトロンハイムの音楽図書館に寄贈さ
れました。
このアルバムの録音は、ステーン=ノクレベルグが愛妻を亡くした後の2009
年、オスロで行われました。ソフィエンベルグ教会のセッションではスタイ
ンウェイ・ピアノ、ノルウェー音楽大学のリンデマンホールの録音では、テ
レフセン気に入りエラールのグランドピアノが使われています。
Simax Classics を統括するエーリク・ガルド・アムンセンが制作、録音、
編集を担当。ピアニスト、ステーン=ノクレベルグの意志をピアノのリアル
な音像に示す、「録音芸術」です。
DYNDVD 33662(DVD-Video) 2枚組 \4180
字幕:伊英仏独西
ロッシーニ:「チェネレントラ」
ホセ・マリア・ロ・モナコ(Ms アンジェリーナ)
マキシム・ミロノフ(T ドン・ラミーロ)
ロベルト・デ・カンディア(Br ダンディーニ)
ニコラ・ウリヴィエーリ(Br アリドーロ)
パオロ・ボルドーニャ(Br ドン・マニーフィコ)
エレオノーラ・チッリ(S クロリンダ)
アレッサンドラ・ヴォルペ(Ms ティスベ)
エヴェリーノ・ピド(指)バーリ・ペトルッツェッリ財団管弦楽団,合唱団
演出:ダニエレ・アバド
収録:2010年4月,バーリ
ロッシーニの傑作オペラブッファ「チェネレントラ」に素晴らしいDVDが加わ
りました。大指揮者クラウディオ・アバドの息子ダニエレ・アバドは、近年た
いへん注目されている演出家。2008年にペーザロのロッシーニ・オペラ・フェ
スティヴァルで上演されたロッシーニ「エルミオーネ」はたいへんに話題にな
り、これは既にDYNAMICからDVDになっています(字幕付:KKC9006,直輸入盤:
DYNDVD33609)。そのダニエレ・アバドが2010年4月にバーリのペトルッツェッ
リ劇場で演出した上演が収録。「チェネレントラ」は、シンデレラのお話です
が、魔法の要素が一層されているので、舞台が現代化されるのはしょっちゅ
う。この演出でもシステムキッチンが中央に据えられて、1970年代っぽい雰囲
気です。
チェネレントラことアンジェリーナを歌うのは、スペイン、カターニャ地方出
身のメッゾソプラノ、ホセ・マリア・ロ・モナコ。小柄な美人のメッゾです。
2007年1月のベルガモ・ドニゼッティ劇場来日公演の「アンナ・ボレーナ」で
スメトンを歌い、耳の鋭いオペラファンから評判になっていました。王子ドン
・ラミーロは、ロシア出身のロッシーニ・テノール、マキシム・ミロノフ。こ
の役は既にグラインドボーン音楽祭で歌って好評を博しているお得意のもの。
2010年7月のトリノ歌劇場来日公演にも参加したニコラ・ウリヴィエーリは、
2000年のロッシーニ・オペラ・フェスティヴァルでアリドーロを歌っていまし
た。新進バッソブッフォのパオロ・ボルドーニャは、同じ年の8月のロッシー
ニ・オペラ・フェスティヴァルでもドン・マニーフィコを歌うことになりま
す。そして日本でも二度ダンディーニを歌って大好評だったロベルト・デ・
カンディアがここでも十八番を披露。
もう一つの売りが名匠エヴェリーノ・ピドの指揮。ロッシーニやドニゼッティ
がお好きな方なら知らぬ人のいない名指揮者ながら、録音は極めて少なく、
彼の生き生きした音楽が聞けるのはたいへん貴重です。
CDS 676 \1980
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 Op.19
ヴァイオリン協奏曲第2番 ト短調 Op.63
2つのヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 Op.56
パヴェル・ベルマン(Vn)
アンドレイ・ボレイコ(指)スイス・イタリア語放送管弦楽団
アンナ・ティフ(Vn)
録音:2010年10月,ルガーノ
プロコフィエフが書いた2曲のヴァイオリン協奏曲と、2つのヴァイオリンの
ためのソナタを収録。パヴェル・ベルマンは、偉大なピアニスト、ラザール
・ベルマンの息子。1987年、17歳でパガニーニ・ヴァイオリン・コンクール
で第2位を受賞していますので、親の七光りなんかじゃありません。現在は
マドリッドに在住、ヴァイオリニストだけでなく指揮者としても活躍してい
ます。ここでは、ロシア人の血と、西欧での活躍という二面が、プロコフィ
エフと共通するものがあり、見事な演奏となっています。
CDS 645 2枚組(1枚価格) \1980
ヘンデル:「アチ、ガラテアとポリフェーモ」
サラ・ミンガルド(Ms ガラテア)
ルース・ロジク(S アチ)
アントーニオ・アベーテ(Bs ポリフェーモ)
アントーニオ・フローリオ(指)
カッペッラ・デッラ・ピエタ・デ・トゥルキーニ
収録:2009年6月16-19日,トリノ、カリニャーノ劇場(ライヴ)
先にDYNDVD 33645で発売されたヘンデル「アチ、ガラテアとポリフェーモ」
がCDになりました。この作品は、若き日のヘンデルがイタリアに滞在してい
た1708年にナポリで初演された作品。結婚祝賀用の作品で、劇的カンタータ
とも、セレナータとも分類されますが、実質は室内オペラです。この2009年
のライヴ録音では、ガラテアに古楽のベテラン、サラ・ミンガルド、アチに
は若手のルース・ロジク、そしてポリフェーモには、もはや古楽バス大御所
と言ってよいアントーニオ・アベーテと、見事な配役が当たっています。か
つてOPUS111でのナポリのバロック音楽シリーズで名を馳せたフローリオ率い
るカッペッラ・デッラ・ピエタ・デ・トゥルキーニが、若き日のヘンデルの
傑作を素晴らしく演奏してくれています。2CDで1CD価格とたいへんお買い求
めやすくなっています。
-デリーツィエ・ムジカーリ-
DM 8016 \880
グリーグ:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ集
ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 Op.8
ヴァイオリン・ソナタ ト長調 Op.13
ヴァイオリン・ソナタ ハ短調 Op.45
ナタリア・ロメイコ(Vn)
オリガ・シトコヴェツキ(P)
録音:2001年2月,ジェノヴァ
グリーグの3曲のヴァイオリン・ソナタを収録。
ナタリア・ロメイコは、ロシアのノボシビルスク生まれ。2000年、パガニー
ニ国際ヴァイオリン・コンクールで優勝。この録音はその直後に行われたも
の。実に瑞々しい演奏で、発売当時、日本も含めた各国で評判になりました。
DM 8017 \880
リスト:
B.A.C.H.の主題による幻想曲とフーガ S.529(第2版)
「シューベルトの万霊節のための連祷」編曲 S.562
バッハ「泣き、嘆き、不安になり、おののき」およびミサ曲 ロ短調のクルチ
フィクスの通奏低音による変奏曲 S.180
子守歌 S.174(第2版)
ベッリーニの「清教徒」の回想 S.390
グレゴリオ・ナルディ(P)
録音:1988年10月,ジェノヴァ
旧CDS 058。2011年はリスト生誕200周年。たくさんのCDが発売されるでしょう
が、この1988年の録音も負けていません。ここに収録された曲はリストのなか
では比較的珍しい作品。他に録音があるものが大半ですが、有名曲なしでこれ
らの作品だけがまとめられたCDは珍しいでしょう。知名度はなくても、そこは
リストの作品、いずれも傑作です。
グレゴリオ・ナルディは、1964年、フィレンツェ生まれのピアニスト。このリ
スト集は発売されるや英国の音楽雑誌の批評家から絶賛され、好評を博した名
盤です。
DM 8019 \880
ロッラ:
ヴァイオリンとヴィオラのための3つの二重奏曲Op.15
第1番 変ホ長調
第2番 変イ長調
第3番 ハ長調
サルヴァトーレ・アッカルド(Vn)
ルイージ・アルベルト・ビアンキ(Va)
録音:1972年2月
旧CDS 252。アレッサンドロ・ロッラ(1757-1841) は、19世紀前半にイタリ
アで活躍したヴァイオリニスト。18世紀末には既に高い名声を誇っており、若
き日のパガニーニが彼に教えを乞いに訪問したのは有名な話。また20年以上ス
カラ座管弦楽団のコンサートマスターを務め、この劇場の水準アップに貢献し
ました。作曲家としても数々のヴァイオリン曲を残しており、今日でもわりと
よく演奏されます。このCDには、ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲集
Op.15を、巨匠サルヴァトーレ・アッカルドという大物が弾いています。ヴィ
オラは、リミニ生まれのヴァイオリン、ヴィオラ奏者、ルイージ・アルベルト
・ビアンキ。彼はこの録音の後、DYNAMIC社の録音に多数登場することになり
ます。
DM 8018 \880
バッジーニ:ヴァイオリンとピアノのための作品集第1巻
ヴァイオリン・ソナタ Op.55 ホ短調
二つのノヴェレット Op.54
3つの小品 Op.53
3つの小品 Op.46
気掛かり
ルイージ・アルベルト・ビアンキ(Vn)
アルド・オルヴィエート(P)
録音:1999年4月,ジェノヴァ
8旧CDS 258。アントニオ・バッジーニ(1818-1897)は19世紀半ばから後半にか
けて活躍したイタリアのヴァイオリニスト。バッジーニは1840年代前半にドイ
ツに滞在して、シューマンやメンデルスゾーンと交流があり、単なるイタリア
人作曲家という以上の国際的な力量を持っていました。このCDにはバッジーニ
のヴァイオリンとピアノのための作品が集められています。1867年出版のヴァ
イオリン・ソナタには、ドイツ・ロマン派の影響が見られ、興味深いものです。
ルイージ・アルベルト・ビアンキは、リミニ生まれのベテランのヴァイオリニ
スト。
<Simax>
PSC 1239 4枚組 \4050
トマス・D・A・テレフセン(1823-1874):ピアノ・ソロのための作品全集
[CD1]
4つのマズルカ 作品1/夜想曲 へ長調 作品2/4つのマズルカ 作品3
3つの華麗なるワルツ 作品5/タランテラ 変ホ長調 作品6/悲歌 作品7
フルドラの踊り 作品9/アダージョとロンド ロ短調 作品10
夜想曲第2番 ホ長調 作品11/創作主題と幻想曲 変ロ短調 作品12
[CD2]
ソナタ ハ短調 作品13/6つのマズルカ 作品14/アルバムのページ 作品16
夜想曲第3番 変ロ長調 作品17/大ポロネーズ 嬰ハ長調 作品18
アレグレット 作品20/トッカータ ヘ長調 作品22
小さな物ごい ホ短調 作品23/大マズルカ 変ロ長調 作品24
大練習曲 ホ長調 作品25
[CD3]
花嫁の歌 ニ長調 作品26/ワルツ 変ニ長調 作品27
バラード ハ短調 作品28/凱旋行進曲 変ホ長調 作品29
大ワルツ へ長調 作品30-1/大ワルツ ヘ短調 作品30-2
マズルカ イ長調 作品33/夢の向こうへ 変イ長調 作品34
カプリッチョ・アパッショナート ロ短調 作品36/即興曲 ト長調 作品38
夜想曲第4番 変ト長調 作品39/ヴァルハラの祭り 作品40
スコットランドの旋律 嬰ハ短調 作品42/6度の練習曲 ホ長調 作品43
エリザベス女王のパヴァーヌ 嬰ハ短調 作品44
[CD4]
手稿譜の作品(モデラート/コラール「鐘たちよ、今鳴っている」による変奏曲
ト長調/前奏曲 ト長調/レント- アレグロ・モデラート- テンポ・プリモ)
21のフゲッタ、ヴァーセット、カンタービレの小品(フゲッタ第1番 ハ長調
フゲッタ第2番 ハ長調/フゲッタ第3番 ハ長調/フゲッタ第4番 イ短調
フゲッタ第5番 イ短調/フゲッタ第6番 イ短調/フゲッタ第7番 イ短調
ヴァーセット ト短調/フゲッタ第8番 ト短調/カンタービレ ト短調
フゲッタ第9番 ト長調/フゲッタ第10番 ト長調/フゲッタ第11番 ト長調
カンタービレ ハ長調/カンタービレ ニ長調/フゲッタ第12番 Dドリアン
間奏曲 Dドリアン/フゲッタ第13番 Dドリアン/ヴァーセット ニ短調
フゲッタ第14番 ニ短調/フゲッタ第15番 ホ短調/フーガへの前奏曲
イ短調変奏曲/ワルツ イ短調/アダージョ/前奏曲 ト短調
前奏曲アンダンティーノ ホ短調 ミクソリディアンd/前奏曲 ト長調
前奏曲 ニ長調/前奏曲 Eフリジアン フーガ Dドリアン/前奏曲 ト長調
アダージョ ニ短調(アラ・ブレーヴェ)/前奏曲 ト長調/間奏曲 ハ長調
コラール「イエスよ、わたしの思考をお導きください」による変奏曲 ト長調
前奏曲「イエスの御名に」 ト短調)
アイナル・ステーン=ノクレベルグ(P)
[スタインウェイ(CD1-3)、エラール・グランドピアノ(1853年ロンドン)(CD4)]
録音:2009年3月、5月、7月ソフィエンベルグ教会(オスロ)(CD1-3)、
10月25日、31日 ノルウェー音楽大学リンデマンホール(オスロ)(CD4)
制作・録音:エーリク・ガルド・アムンセン
テレフセンのピアノ・ソロ作品全集。テレフセンがピアノのために書いた曲の
最良の作品群とされる16曲のマズルカ、第1曲が、ポーランドの舞曲でありな
がらノルウェーの舞曲スプリンガルの要素をもつ《4つのマズルカ》(作品1)か
ら、《エリザベス女王のパヴァーヌ》(作品44)までの作品と、未出版の習作と
宗教的な小品が集成されています。アイナル・ステーン=ノクレベルグ(1944-)
が、2曲のピアノ協奏曲(PSC1232)と室内楽作品集(PSC1226)につづき、テレフ
センの音楽と向かい合います。「ピアノ作品の全集を録音するためには、多く
のことを学び直さねばならなかった」と、彼は、ブックレットに寄稿した「ひ
とつの文化遺産」に書いています。
テレフセンが生徒のレッスンのために作曲した、技術的にも音楽的にも高度な
内容の6曲のワルツ。フィールドとショパンの作品をモデルとした、フランス
の趣をもった4曲の夜想曲。リストの音楽を聴いて作曲した《大ポロネーズ》。
ヨーロッパのピアノ音楽の伝統に沿った作品が多いなかで、《花嫁の歌》、
《ヴァルハラの祭り》、山で人を誘惑する美女の《フルドラの踊り》は、ノ
ルウェーの旋律にもとづいて書かれました。スヴェンセンの《ノルウェー芸術
家のカーニバル》と同じように、パリに住むノルウェー人芸術家が毎年祝う
カーニバルのために作曲されたと考えられています。
あの1842年ジョルジュ・サンドは、「フランス語の知識もなく、無一文に近い
状態で、ただ自分の芸術とショパンへの熱狂だけを武器にノルウェーを旅立っ
た、その勇ましい一面をしっかりと見た」と言い、テレフセンをショパンに
紹介。その後テレフセンは、彼の才能を見抜いたショパンにレッスンを受け
ることとなりました。ショパンが他界した後テレフセンはランベール・ホテ
ルでリサイタルを行い、人前に姿を見せることの少ないジョルジュ・サンド
の見守るなか、成功を収め、パリの音楽界にデビューを果たします。貴族と
富豪とその子弟をのぞき、ショパンの唯一の弟子とされるテレフセンは、ピ
アニスト、作曲家として活躍し、1874年10月6日、51歳でパリに病没。その遺
志により、彼の出版された作品はオスロとトロンハイムの音楽図書館に寄贈さ
れました。
このアルバムの録音は、ステーン=ノクレベルグが愛妻を亡くした後の2009
年、オスロで行われました。ソフィエンベルグ教会のセッションではスタイ
ンウェイ・ピアノ、ノルウェー音楽大学のリンデマンホールの録音では、テ
レフセン気に入りエラールのグランドピアノが使われています。
Simax Classics を統括するエーリク・ガルド・アムンセンが制作、録音、
編集を担当。ピアニスト、ステーン=ノクレベルグの意志をピアノのリアル
な音像に示す、「録音芸術」です。