クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

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11-05 No.21-2

2011年05月28日 15時21分17秒 | Weblog
<ACCENT>
ACC 24238 2枚組 \3780
シューマン:ピアノ作品集
CD1:森の情景Op.82、子供の情景Op.15、パピヨンOp.2、アラベスクOp.18、
花の曲Op.19
CD2:交響的練習曲Op.13、5つの変奏曲〔遺作〕、
子供のためのアルバムOp.68
ヤン・フェルミューレン
(フォルテピアノ/ヨハン・ネポムク・トレンドリン、ライプツィヒ
1830-1835年製)
録音:2010年5月-6月
フォルテピアノによるシューマンのピアノ作品集。ここで使用されている
トレンドリン製の楽器は、1830-1835年頃ライプツィヒで作られたもので、
ウィーンの伝統を持つ構造と響きを継承しています。シューマンは子供の
心を描いくことに長けた作曲家で、「子供の情景」「子供のためのアルバ
ム」など大人の視点からみた子供の世界を見事に表しています。また主題
と12の練習曲からなる「交響的練習曲」はシューマンのピアノ曲の傑作の
一つであり、ベートーヴェンのディアベッリ変奏曲と同じく変奏曲のマイ
ルストーン的な作品です。演奏者のヤン・フェルミューレンはこの録音に
際して以下のように語っています。「シューマンのメトロノーム速度を最
大限に守った演奏をしようと努めました。シューマンのメトロノーム速度
が正確だったかどうかは、疑わしいとされていますが、それを忠実に再現
することはシューマンの作曲意図に最も近づける手段であると確信してい
ます。」シューマンの豊かなイマジネーションと感性を自然に捉えたアル
バムに仕上がっています。

ACC 24218 \2300
ヨハン・プファイファー(1697-1761):序曲&協奏曲集
序曲ト長調(2本のフルート、ファゴット、弦楽と通奏低音)D-DS Mus862/3、
トリオ・ソナタ ハ短調
(オーボエ、ヴァイオリンと通奏低音)D-Dlb Mus2469-Q-1、
協奏曲 変ロ長調(リュートと弦楽)D-As Tonkunst2 Hs fasc 3Nr.16/9、
協奏曲ニ長調(ヴァイオリン、弦楽と通奏低音)D-Dlb Mus 2469-O-1、
序曲ト長調(2本のオーボエ、ファゴット、弦楽と通奏低音)
D-Dlb Mus 2469-O-3
バツドルファー・ホーフカペレ
録音:2009年9月6-8日ノイマルクト
フリードリヒ・ヴィルヘルム1世の長女で、ブランデンブルク=バイトリト
辺境伯カール・ヴィルヘルム・フリードリヒ3世の妃であるヴィルヘルミー
ネ・フォン・プロイセンは、芸術家、音楽家への援助を積極的に行ってい
ました。そのような中でヨハン・プファイファーは1734年から宮廷ヴァイ
オリン奏者の地位に付き、その後すぐに宮廷楽長として素晴らしい才能を
発揮しました。しかし、現在では彼の作品の多くは忘れ去られています。
バツドルファー・ホーフカペレは、この歴史の陰に隠れたバロック後期の
作曲の音楽家の作品に、巧みに演奏し音楽を調和させ命を吹き込んでいます。

ACC 24235 \2300
ジェリ・ド・ゲルサン(1573-1630):ミサ「めでたしいと聖なる処女よ」
フランシスコ・ゲレーロ(1528-1596):
モテット「めでたし、至聖なる処女よ」、レジナ・チェリ、
サルヴェ・レジナ
グレゴリオ聖歌:レジナ・チェリ
ペーテル・コルネット(C1575-1633):レジナ・チェリ
フィリップ・ロジエ(1561-1596):レジナ・チェリ
ペーター・フィリップス(1560-1628):レジナ・チェリ、サルヴェ・レジナ
エリク・ファン・ネーヴェル(指) 声楽・器楽アンサンブル・クレンデ
録音:2010年2月19-21日
ジェリ・ド・ゲルサンはフランス・フランドルの作曲家であり歌手。20歳
の時にマドリードの王室礼拝堂の歌手としてフィリップ・ロジエのもとで
修業し、ロジエの死後遺言でロジエのミサ5曲の出版を任されます。資金
援助を受け自身のミサ曲「めでたしいと聖なる処女よ」を加え6曲を出版
しました。31歳で母国に戻るまで間スペインに多くの作品を残しています
が、1755年にリスボンで起きた地震と火事により、そのほとんどが消失し
てしまいました。ここに収録されたのは奇跡的に残ったミサ「めでたしい
と聖なる処女よ」。7声のルネサンス対位法で書かれています。ゲルサン
は没するまで、ブリュッセルの詩的礼拝堂の監督の地位にあり、当時の宮
廷の仲間には、ここに収録されているピータ・フィリップス、ペーテル・
コルネットらがいました。
ゲルサンのミサと同じ題材で書かれたフランシスコ・ゲレーロの5声のモ
テット「めでたし、至聖なる処女よ」は、非常に成功し聖母マリアのモ
テットの代表的な作品として知られています。ゲレーロの作品で注目すべ
きは、激しい感情を表すことの出来た巧妙なカノンの技法を生み出したこ
とです。エリク・ファン・ネーヴェルによって1974年に設立された声楽・
器楽アンサンブル・クレンデの緻密な研究に基づいた演奏を聴かせてくれ
ます。

ACC 24209 \2300
ジョヴァンニ・アルベルト・リストーリ(1692-1753):
我らが主の受難への敬虔なる心情、通奏低音のための練習曲
アンサンブル・エコー・ドゥ・ダニューブ
ドロテー・ミールズ(S) フランツ・ヴィッツム(A)
録音:2009年2月16-19日
イタリア、ボローニャ生まれの作曲家、ジョヴァンニ・アルベルト・リス
トーリ。オペラを数作書き上げた後、多才な音楽家で俳優のイタリア喜劇
一座の座長であった父と妻と共に1715年ドレスデンに渡ります。当時のド
レスデンはフリードリヒ・アウグスト1世治下の華やかな宮廷文化が花開
いた時期。リストーリは1720年頃から宮廷楽長ハイニヒェン、ゼレンカ、
ブッツと共に宮廷音楽を担当していました。1733年には室内オルガニスト
の任に着き、1746年にはミサ曲や合唱曲が認められ礼拝堂作曲に任命され
活躍していました。リストーリの作品はオランダの音楽学者ルドルフ・メ
ンゲルベルクによって研究されていますが、その音楽はあまり知られてい
ません。




<MIRARE>
MIR 125 \2500
セバスティアン・ド・ブロサール(1655-1730):
オラトリオ「無原罪の聖マリア」SDB.56、ソナタ ハ長調SDB.224、
カンタータ「レアンドロ」SDB.77、「悔い改めた魂と神との対話」SDB.55
ラ・レヴーズ
シャルタン・サントン・ジェフリー(S) ウジェニー・ヴァルニエ(S) 
イザベル・ドリュエ(A) ジェフリー・トンプソン(CT) 
ヴァンサン・ブーショ(T) ベノワ・アルヌール(B)
録音:2010年6月28日-7月1日
セバスティアン・ド・ブロサールはフランスの辞書編纂者、愛書家、理論
家、作曲家、聖職者。ブロサールは辞書編纂者、理論家としての功績が大
きく、フランスでは初めての「音楽辞典」と詳細な「楽譜・楽書目録」の
編纂で知られています。ブロサールはフランスにおけるイタリア音楽の浸
透を支持しており、自身の作風にも取り入れていました。ブロサールのオ
ラトリオはオラトリオの創始者として名高い作曲家、ジャコモ・カリッシ
ミにならい作曲されています。また「レアンドロ」はイタリア語で書かれ
たブロサールの初期の傑作カンタータです。




<DREYER-GAIDO>
CD21065 2枚組 \2700
マーラー:交響曲第3番ニ短調
ガブリエル・フェルツ指揮
シュトゥトガルト・フィルハーモニー管弦楽団、
アレクサンドラ・ペーターザマー(メゾ・ソプラノ)、
ブルノ国立フィルハーモニー合唱団、
カルヴ・アウレリウス少年合唱団
録音:2010年4月30日ライヴ・レコーディング
日本語解説つき(フェルツ氏のインタビュー形式)
リリース済みの3タイトルが好評で、今後の活躍が俄然期待されることとな
ったガブリエル・フェルツのマーラー交響曲全集シリーズ第4弾。今回はマ
ーラーの交響曲中、もっとも長大で多様性に富み、マーラーの田園交響曲
とも評される第3番。宇宙の誕生から命の誕生と発展、そして愛の光の中へ
と上昇してゆく過程は「交響曲は世界である」と語ったマーラーの音楽観
が如実に反映されています。11才の頃からマーラーの音楽をこよなく愛し
てきたというフェルツはこの作品を演奏するにあたってこれまでの慣習に
囚われず、スコアに表記されているテンポ、ディナーミクを徹底的に検証
し直し、また初演前後の手紙、関係者の証言(R.シュトラウスを含む)まで
にも目を通しながら、マーラーが本当に望んだ演奏を再現しようとしてい
ます。実際演奏を聴いてみると、これまでのCDにはなかったテンポの設定
と変化、声部がフォーカスされ新鮮です。解説(日本語訳つき)では譜例を
引用しつつフェルツ自身の分析を読むことが出来ます。

CD21064 2枚組(1枚価格) \1980
CD1)ブラームス:交響曲第3番ヘ長調Op.90
CD2)ブラームス:交響曲第4番ホ短調Op.98
マーカス・ポシュナー指揮
ブレーメン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:2009年2月23、26日ブレーメン
日本語解説付き
マーカス・ポシュナー指揮ブレーメン・フィルハーモニーによるブラーム
ス交響曲全集の完結編。指揮者ポシュナーは1971年ミュンヘン生まれ。
2004年にドイツ音楽協会、ドイツオーケストラ連盟よりドイツ指揮者賞を
授与された。コリン・デイヴィス、ロジャー・ノリントン、ファビオ・ル
イジのアシスタントとして研鑽を積み、2007年9月からはブレーメン歌劇場
の音楽総監督を務め、客演指揮者としてミュンヘン・フィル、バンベルク
響、ケルンWDR交響楽団、リンツ・ブルックナー管弦楽団、シュトゥットガ
ルト放送響と共演。2010年4月には東京都交響楽団、2009年には広島交響楽
団の指揮台にも立っている若き巨匠。





<KAIROS>
13062KAI \2250
「チン・ウンスク(b.1961):作品集」
(1)ファンタジー・メカニーク(1994/1997)
(2)Xi(1997/1998)
(3)アクロスティコン-ボースピール(1991/1993)
(4)二重協奏曲(2002)
アンサンブル・コンテンポラン、
(1)パトリック・ダヴァン(指揮)、
(2)デヴィッド・ロバートソン(指揮)、
(3)大野和士(指揮)、ピーア・コムシ(Sop)、
(4)ステファン・アスバリー(指揮)、サミュエル・ファヴレ(Perc)、
(4)ディミトリ・ヴァシラキス(Pf)
録音:2003-2004年
チン・ウンスク(b.1961)はソウル国立大学でカン・ソキに学んだ後、ハン
ブルグ音楽院でリゲティに師事。1985年に権威あるオランダのガウデアム
ス作曲コンクールに優勝して以来、シカゴ響、ベルリン・フィル、クロノ
スQ、アルディッティQなど名だたる団体から委嘱を受け、韓国を代表する
作曲家となった。彼女の作品は韓国の伝統音楽の影響は直接感じさせない
ものの、激しい感情を思わせるエネルギッシュな音の身振りとヨーロッパ
前衛音楽の技法が程よく融合され、ユン・イサンの後継者というに相応しい。

13152KAI \2250
フリードリヒ・チェルハ(b.1926):
(1)断片的小品《夢》(2009)
(2)9つのバガテル(2008)
(3)《瞬間》(2006/07)
(1)シルヴァン・カンブルラン指揮クラングフォルム・ウィーン、
(2)ゼブラ・トリオ(弦楽三重奏)、
(3)ペーター・ルンデル指揮WDRケルン放送響
録音:2009-2010年
今年85歳を迎えるチェルハの近作を3曲収録。いずれも密度の高い作品で高
齢にも関わらず、その創作力には驚かされる。断片的小品《夢》は弦楽の
静謐な持続音が絡み合い、次第に旋律を為してゆく美しい佳曲。「9つのバ
ガテル-弦楽三重奏のための」はベルクを思わせ、オーケストラのための
《瞬間》は作曲当時80歳というのが信じられないほどのエネルギーを放射。
これもまたベルクの《3つの管弦楽曲》を思わせる。チェルハ芸術の総決算
がこの一曲に集約。




<MARQUIS>
MAR 81415 \1980
「パラレルズ」-スクリャービンとロスラヴェッツ
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第2番「幻想的ソナタ」Op.19(1892-1897)
ロスラヴェッツ:ピアノ・ソナタ第2番(1916)
スクリャービン:2つの詩曲Op.32(1903)
ロスラヴェッツ:2つの詩曲(1920)
スクリャービン:5つの前奏曲Op.74(1914)
ロスラヴェッツ:5つの前奏曲(1919-1922)
スクリャービン:3つの前奏曲Op.65(1911-1922)
ロスラヴェッツ:3つの前奏曲(1914)
アーニャ・アレクセーエフ(Pf) 
録音:2009年10-11月
同時代を共有した二人のロシアの作曲家のピアノ小品を収録。スクリャー
ビンはロスラヴェッツよりおよそ10才年上で当アルバムではショパンの影
響を受けた初期の作品から独自の様式を確立した後、晩年までの小品が収
録。対するロスラヴェッツはロシア・アヴァンギャルドの一員として独自
の無調様式を確立した作曲家。二人とも似た部分とそうでない部分を持っ
ており、そうした微妙な距離感がアルバム・タイトル「パラレル」に表れ
ている。ロスラヴェッツのピアノ曲の録音は滅多にないので貴重。共に19
世紀末の爛熟と20世紀の混沌の雰囲気にあふれている。




<ALTARUS>
AIRCD 9064 2枚組 \4160
カイホスルー・シャブルジ・ソラブジ(1892-1988):
ピアノ独奏のための交響曲第5番「シンフォニア・ブレヴィス」(1973)
CD1)第1部、第2部a-b-c、CD2)第2部d-e-f
ドンナ・アマート(Pf) 2011年
ALTARUSの真打ち作曲家ソラブジの新譜が久々に登場です。ソラブジはイン
ド系とスペイン系の血を受け継いでイギリスに生まれ、独学で作曲とピア
ノを学び、ブゾーニにその才能を見出されました。ブゾーニ、メトネル、
スクリャービンらの影響を受けた彼の音楽はどれも長大で分厚い音塊がこ
れでもか、これでもまだ参らぬかとばかりにぶつかってきます。彼の作品
は殆どがピアノ曲ですが長いものでは演奏に9時間もかかるというから驚
き。それもケージやフェルドマンのように希薄な空間ではなく、楽譜が真
っ黒になる位、ぎっしりと音符で埋め尽くされているのです。さて今回リ
リースされるのは1973年に書かれた(作曲家81才!)ピアノのための交響曲
第5番《シンフォニア・ブレヴィス》。ここでも汲めども尽きせぬ音の奔
と妄想が壮大に展開します。ピアノのドンナ・アマートはこれまでにも積
極的にソラブジの演奏を行ってきましたがソラブジ・アーカイブが認めた
記録ではこれまでこの作品を演奏したのはこのアマート女史のみ。もちろ
ん、これが現在唯一のCD録音となります。

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