クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

コメントはメーカー案内書より抜粋です。お問い合わせ:goodies2@pc.highway.ne.jp

11-06 No.23-1

2011年06月24日 11時41分52秒 | Weblog
<NAXOS> 各1枚 ¥1000
8.572623
マイヤール:ヒロシマの生き残り 他
1-11.ヒロシマの生き残り…希望へのメッセージ Op.24(2006-2007)(大阪の6歳
の子/インターリュード/戦争…/彼女は爆撃から逃げ惑う/彼女は広島に避難先
を見つける/深き淵より/暗黒、黒ずんだ皮膚/死に至る雨/戦争に憎悪して生き
残る/私たちの願い:生き残ったもの/地球上の豊かな生活)
12-14.合奏協奏曲(1961/2003改訂)/15-17.室内協奏曲 第2番(1959-1960)
サラ・ジュフロワ(メゾ・ソプラノ)…1-11
エレオノーレ・ルメール(ソプラノ)…1-11
マリー・プシェロン(メゾ・ソプラノ)…1-11
テデイ・エンリ(テノール)…1-11
ヴァージル・アンケリ(バス=バリトン)…1-11
エミール・マクドノウ(フルート)…12-14
ジョン・アンダーソン(オーボエ)…12-14
マイケル・ライト(クラリネット)…12-14
ダニエル・ジェミソン(ファゴット)…12-14
クリストファー・パークス(フレンチ・ホルン)…12-14
ロイヤル・フィルハモニー管弦楽団
ディオニシオス・デルヴィス=ブルニアス(指揮)
フランスの作曲家、マイヤール(1931-)の3つの作品です。彼は1955年にローマ
賞を受賞、フランスの先進的な作曲家として幅広く活躍しています。1957年に
は芸術監督としてフランスEMIに入社、そこでサンソン・フランソワやポール
・トゥルトリエなど偉大な演奏家と接するも、どうしてもその仕事が性に合わ
ず辞職。その後は製薬研究所で働きますが、音楽の夢捨てがたく、結局作曲家
として生きることを決意したのでした。このアルバムの中で、やはり聴いてほ
しいのは「ヒロシマの生き残り」でしょう。実在の人物「ハマ・キョウコ」の
話を元にしたカンタータとでも言うべき作品で、彼女は大阪の戦禍を避け、広
島に避難していた時に原爆被害を受けてしまいます。悲惨な情景が目の前に浮
かぶでしょう。しかし、副題が示す通り、これは「希望、命への讃歌」であり、
決して悲惨さばかりを強調したものではありません。生きてさえいれば、きっ
と希望に巡りあう日が来るのですから。

8.559679
エコーズ-変容したクラシックの作品たち
1.デイヴィッド・シフ(1945-):
インファーナル(ストラヴィンスキーの組曲「火の鳥」による)
2.ブライト・シェン(1955-):
ブラック・スワン(ブラームスの6つのピアノ小品 Op.118-2 インテルメッツォ
イ長調による)
3.デイヴィッド・ストック(1939-):
多くのホルン(クラークのトランペット・ヴォランタリーによる)
4.ジョン・ハービソン(1938-):
ルビーズ(セロニアス・モンクのルビー・マイ・ディアニよる)
5.サミュエル・ジョーンズ(1935-):
ベネディクション(ルトキンのベネディクションとセヴンフォールド・アーメン
による)
6.アーロン・ジェイ・カーニス(1960-):
ムジカ・セレスティス(弦楽ヴァージョン)
7-9.ジェラード・シュワルツ(1947-):
金管のための協奏曲(ヘンデルの合奏協奏曲 ヘ長調 Op.6-9 HWV327による)
シアトル交響楽団/ジェラード・シュワルツ(指揮)
「この“エコーズ”と題されたアルバムは、良く知られた名曲を、現代の感覚
にマッチした作品へと変貌させること。」指揮者シュワルツはこのコンセプト
を元に、彼の親しい6人の作曲家へ、編曲を依頼しました。出来上がった作品
の楽しい事と言ったら!「火の鳥」はまるでスパイ映画のサントラですし、
ブラームスのピアノ曲は、甘い甘いムード音楽へと変貌しています。有名な
「トランペット・ヴォランタリー」は魔法にかけられたかのような不思議な味
わいを持ちました。もともとカッコいいモンクの曲や、シュワルツ自身の編曲
も楽しめます。ぜひ「その手には引っ掛からないぞ」と心を強くして聴いてく
ださい。でも、1時間後にはすっかり虜になっていることでしょう。

8.572650
マグヌス・ローゼン:Past Future
1.Trandans/2.ソナタト短調(エクルズ原曲)/3.En Glimt/4.Slow Sea
5.Land of Spirit/6.Purple Haze/7.Blues Man/8.Badinerie(バッハ原曲)
9.Past Future/10.En bank intill paradiset/11.Gate to Heaven
12.Romance Between East and West
マグナス・ローゼン(エレクトリック・ベース)/スザナ・リスベルイ(ギター)
ビルガー・ロフマン(ドラムス)/フヴィラ・カルテット
イェテボリ交響楽団
ダヴィッド・ビョルクマン
豊穣なるオケの響きに耳を澄ませていると、突然辺りを切り裂くように響いて
来る音。ちゅいーん、ちゅいーん、びょん、びょん・・・。えっ?これNAXOS
なの?とびっくりしながら聴き続けていると、すごく楽しくなってきちゃいま
す。世界を征服したNAXOS、先日はエレキ・ギターを手中に収めたかと思えば、
今回はエレクトリック・ベースを制圧しました。「そういえば、昔インギーが
こういうアルバムを出していたなぁ」なんて懐かしくなってしまいます。ここ
ですごいベースを弾いているのは90年代終わりから2007年までハンマーフォー
ルで活躍したマグヌス・ローゼン(1963-)。北欧のヘヴィメタ・シーンを語る
には外せない大物がなぜNAXOSに?思うところは色々ありますが、とりあえず
全ての人にオススメします。

8.572142
モンポウ:ピアノ作品集 第6集
1.物乞いの哀歌/2.浜辺の工場/3.浜辺の思い出/4.浜辺の地域
5.砂地の道/6-10.5つの印象/11.ラ・ガリガの隠遁地/12.霧の中の田園地帯
13.荒野の田園地帯/14.登山ルート/15.田舎に帰ってきた少女/16.庭の小道
17.モンセニー/18.エコー/19-21.山の印象/22.思想/23-24.2つの小前奏曲
25.前奏曲/26-27.2つのアラベスク/28.銀紙を張ったプール
29.らくだから降りた3人の王の踊り/30.キリスト降誕の歌と踊り/31.時間
32.低地の踊り ※全て世界初録音
ホルディ・マソ(ピアノ)
カタルーニャ出身、20世紀を代表するスペインの作曲家の一人、モンポウ
(1893-1987)のピアノ作品集です。このアルバムに収録されているのは全て世
界初録音。ピアニスト、ホルディ・マソがモンポウの家などから最近発見した
という作品を演奏したものです。これらは全て1910年から1918年の間に書かれ
たもので、まだ未発達とはいえ、すでに独自の音楽性が出来つつあったモンポ
ウの並はずれた才能を示すものと言えるでしょう。マソはすでにスペインのピ
アノ音楽のオーソリティとして知られていますが、このモンポウの録音によっ
て、より高く評価されることは間違いありません。

8.572415
カゼッラ:
1-4.シンフォニア(交響曲 第3番)Op.63(1939-1940)
5.英雄のエレジー Op.29(1916)
ローマ交響楽団
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
NAXOSのカゼッラ(1883-1947)・シリーズは回を重ねる毎に少しづつ人気が高ま
ってきています。このアルバムには、2つの世界大戦後に書かれた2つの作品が
収録されています。焼けつくような不協和音と、慟哭に満ちた「英雄のエレジ
ー」は、第1次世界大戦の犠牲となったイタリア人兵士へのオマージュ。交響曲
第3番は、第1番、第2番の交響曲が書かれてから、およそ30年を経てから作曲
されたもの。その間カゼッラは交響曲という作品を書きたいという欲求に突き
動かされることがなかったとのことですが、シカゴ交響楽団の創立50周年の記
念に作品を委嘱されたことで、「自分の今の思いを託すには、交響曲という形
が最もふさわしい」と悟った彼は、自分の持てる力をこの第3番の交響曲へ全
て注ぎ込みました。新古典派や、当時のアメリカの作曲家たちの影響も感じら
れますが、第2楽章の美しい部分や、スケルツォ楽章などは紛れもなくカゼッ
ラ独特の音楽です。

8.557079
シューマン:
1-26.歌曲集「ミルテの花」Op.25(献呈/自由な心/くるみの木/だれかが/私は
ただ一人で/手荒くするな/はすの花/お守り/ズライカの歌/ハイランド地方の
やもめ/母よ母よ(花嫁の歌I)/私を彼の胸に寄りかからせて(花嫁の歌II)/ハイ
ランド地方の人々の別れ/ハイランド地方の人々の子守歌/私の心は重く/謎/
ヴェネツィアの歌I「静かに船を漕ぎ」/ヴェネツィアの歌II「広場を夕べの風
が過ぎるとき」/大尉の妻/遠く、遠く/孤独な涙よなぜ/だれも/西方にて/君は
花のごとく/東方のばらより/終わりに)
27-33.6つの詩とレクイエム Op.90(鍛冶屋の歌/私のばら/出会いと別れ/牛飼
いのおとめ/孤独/重苦しい夕べ/レクイエム)
アンドレア・ローレン・ブラウン(ソプラノ)…3.7.9-12.14.15.19-21.23.26
トーマス・E・バウアー(バリトン)…1.2.4-6.8.13.16-18.22.24.25.27-33
ウタ・ヒールシャー(ピアノ)
1840年。長らく恋焦がれていたクララとの結婚が認められたロベルト・シュー
マン(1810-1856)は、その喜びからか、数多くの歌曲を書き上げます。いわゆ
る「歌の年」の代表作の一つである「ミルテの花」は、まさにクララへの捧げ
物で、結婚前夜に花束と共に彼女へ贈られたと言います。

8.572332
レスピーギ:
1.アリア ト長調 P.32(編曲:S.ディ・ヴィットリオ)
2-4.ヴァイオリン協奏曲 イ長調 P.49(補筆:S.ディ・ヴィットリオ)
5-10.弦楽のための組曲 P.41(復元:S.ディ・ヴィットリオ)
11-14.ロッシーニアーナ P.148
ラウラ・マルツァドーリ(ヴァイオリン)
ニューヨーク室内管弦楽団
サルヴァトーレ・ディ・ヴィットリオ(指揮)
ローマ三部作の強烈な色彩感で知られるイタリアの作曲家レスピーギ(1879-
1936)。もともとヴァイオリン奏者として活躍しただけあって、その生涯に何
曲かのヴァイオリンの協奏的作品を書いてはいますが、この1903年に着手され
た最初のイ長調の協奏曲は、2楽章までは完成させたものの、第3楽章はピアノ
伴奏のまま、結局完成されることなく忘れられてしまったものです。24歳の
血気溢れる新進作曲家は、この作品でヴィヴァルディとメンデルスゾーンに立
ち返ろうと意気込んだだけあって、なかなか良い作品であることは間違いあり
ません。2010年の蘇演にあたり、指揮者のヴィットーリオは、スコアを丹念に
洗い出し、若干未熟な第1楽章と第2楽章のオーケストレーションにも手を加え、
レスピーギたる作品へと昇華させました。この録音にあたり、他の2曲にも編
曲を加え、レスピーギ自身の改編である「ロッシーニアーナ」も演奏すること
で大作曲家への敬意を表しています。

8.572571
ベンゲレル:
1.コンチェルタンテ(1994)/2.パーカッションと弦楽のための音楽(2005)
3.秋のコンサート(2005)/4.ポルタ・フェラーダの二重協奏曲
※全て世界初録音
ジャウメ・トレント(ギター)…1.3
フィリップ・スピセー(パーカッション)…2
マノン・フィリップ(ヴァイオリン)…4
メロディー・ジオ(チェロ)…4
ペルピニャン地方音楽院管弦楽団
ダニエル・トジ(指揮)
1931年バルセロナ生まれのシャビエ・ベンゲレル(1931-)。彼は幼い頃にスペ
イン内戦(1936-1939年)に巻き込まれ、両親とともにチリに亡命、1954年まで
スペインに戻ることはありませんでした。彼はほとんど独学で作曲を学びまし
たが、バルトークやストラヴィンスキーなどの当時の先鋭的な作品からも強く
影響を受けたようです。1959年にセリエ技法で作曲した「友人と恋人のカンタ
ータ」はその翌年にケルンのISCM(国際現代音楽協会)で演奏され高く評価され、
また、1977年にはルイジ・ダッラピッコラ賞を受賞するなど、国際的な知名度
を得ています。このアルバムはそんな彼の魅力的な作品を4曲収録しています。
長年彼の作品を演奏している「良き仲間」たちによるライヴ録音は、聴衆の熱
気も含め、この作曲家の本質をあますことなく伝えてくれます。

8.572637
シャルヴェンカ:
1-4.ピアノ協奏曲第4番 ヘ短調 Op.82/5.歌劇「マタスヴィンタ 」から序曲
6.チェロ・ソナタ ホ短調 Op.46から第2楽章(ハープ、オルガン、弦楽による
編曲 Op.46a)
7-9.ポーランド舞曲集より(第1番 変ホ短調/第8番 変ロ短調/第15番 変ロ長調)
フランソワ・クサヴィエ・ポワザ(ピアノ)…1-4.7-9
ポズナ二・フィルハーモニー管弦楽団…1-6
ウカシュ・ボロヴィチ(指揮)…1-6
ポーランドのピアニスト、作曲家フランツ・クサヴァー・シャルヴェンカ
(1850-1924)のピアノ協奏曲です。15歳の時に家族とともにベルリンへ移り住
み、兄ルートヴィヒとともに音楽教育を受け、才能を開花させました。1869年
にピアニストとしてデビュー、併せて作曲家としても人気を獲得。室内楽など
いくつかの曲が出版され、このアルバムにも収録されている「ポーランド舞曲
第1番」は発行部数100万部を記録するほどの大人気となったと言います。この
ピアノ協奏曲第4番は1908年に作曲され、1910年にはニューヨークで、当時訪
米中であったマーラーの指揮により初演されています。またストコフスキーの
指揮でも演奏するなど、当時大変人気があった曲ですが、一時期すっかり忘れ
去られてしまいました。アール・ワイルドなどヴィルトゥオーゾ系のピアニス
トによって、細々と人気を保っていましたが、最近になって彼の人気が復興。
華麗なピアニズムとむせ返るようなロマン性は、確かに一度聴くと病みつきに
なるはずです。

8.559396
スーザ:吹奏楽作品集 第9集
1.メイン州からオレゴン州まで/2.シャーラタンズ序曲/3.自由諸国の旗
4.ニンファーリン/5-7.西世界の住人たち/(赤き人/白き人/黒き人)
8.銃の後に立つ男/9.すずらん/10.舟唄を歌う水夫たちの行進曲
11.夢がかなう時-幻想曲/12.行進曲「アメリカ野砲隊」
13.行進曲「ハーモニカの魔法使い」/14.イリノイ大学の行進曲
サラ・オヴィング(ヴァイオリン)…4
ノルウェー王国海軍軍楽隊
キース・ブライオン(指揮)
スーザ(1854-1932)の行進曲もこれが第9集となります。このアルバムに収録さ
れた行進曲は、彼自身のミュージカルから取られた旋律が使われていたり、い
ろいろな国歌が使われていたりと、興味深いものばかりです。トラック5-7の
「西世界の人たち」は、3つの楽章でネイティヴ・インディアン、黒人音楽、
アメリカ音楽を描き出すことで、特有の文化の違いを表現しています。スーザ
が行った1911年の世界ツアーで大好評を収めた作品です。トラック13の「ハー
モニカの魔法使い」はスーザがフィラデルフィア・ハーモニカ・バンドを指揮
した時に書いた曲。スコアにはハーモニカが含まれていませんが、曲の中では
ハーモニカ奏法を模した音を使っています。その後、有名なホーナー・ハーモ
ニカ・カンパニーが「スーザ・モデル」を発表。大々的に売り出したというこ
とです。

8.570782
ピアッティ:チェロのための12のカプリース
1.パチーニの歌劇「ニオベ」の主題によるカプリッチョ Op.22
2-13.12のカプリース Op.25
ペ・スー(チェロ)
イタリア、ベルガモでヴァイオリニスト、指揮者アントニオの息子として生ま
れたアルフレード・ピアッティ(1822-1901)の無伴奏作品集です。彼は父から
最初にヴァイオリンのレッスンを受け、その後はドイツの作曲家&ヴァイオリ
ニスト、モリークから作曲の指導を受けました。この「12のカプリース」は間
違いなくパガニーニを意識して書かれたものだと思われますが、万遍なく配置
されたチェロの超絶技巧はもちろんのこと、溢れるようなメロディが特徴的な
素晴らしい曲集として評価されるに違いありません。演奏しているのはカナダ
出身のペ・スーです。1696年製のストラディヴァリウス「ボンジュール」を貸
与されている彼女はこの楽器を存分に鳴らし、ほとんど忘れ去られてしまった
作曲家ピアッティの存在を現代へ蘇らせています。チェロ好き必聴!間違いな
くぞくぞくします。

8.572466
レーガー:オルガン作品集 第11集
1-10. 12の小品 Op.80から第1-6番&第9-12番 Op.80 (第1番 前奏曲/第2番
フゲッタ/第3番 カンツォネッタ/第4番 ジーグ/第5番 アヴェ・マリア/第6番
間奏曲/第9番 無窮動/第10番 間奏曲/第11番 トッカータ/第12番 フーガ)
11-23. 13のコラール前奏曲 Op.79b(第1番 神よ、私を見捨てないでください
/第2番 われらが神は堅き砦/第3番 主よ、今足を止めて/第4番 永遠なる朝の
光/第5番 平和と喜びに満ちて私は出立する/第6番 私の近しき最後について/
第7番 復活せよ、汝復活せよ/第8番 キリストは死から復活する/第9番 キリス
トは我が主である/第10番 平和と喜びに満ちて私は出立する/第11番 全ての神
に感謝せよ/第12番 主よ、今足を止めて/第13番 なぜ私が悲しむ必要があるの
か)
ハンス=ユルゲン・カイザー(オルガン)フルダ教会
リーガー=ザウアー・オルガンを演奏
大量にあるにも拘わらず、レーガー(1873-1916)のオルガン作品があまり聴か
れることがないのは、曲の渋さも原因の一つではないでしょうか?このアルバ
ムに収録されている曲を聴いていると、そのような思いを拭うことができませ
ん。オルガンというと「華やかな降り注ぐ音」というイメージがありますが、
これらの曲はもっと内省的で、外に向かってパワーを放出するのではなく、
ひたすら内面の充実を図っているかのような印象を受けるからです。と言うの
も、H.リーマンに作曲を学んでいた頃、若きレーガーはいくつかのオルガン作
品を彼のもとに送り、その才能を認められたのですが、兵役を済ませて戻った
レーガーはすっかりうらぶれてしまい、自宅で両親と共に静養しなくてはいけ
なくなってしまいました。13のコラール前奏曲はそんな頃に書き始められた作
品ですから、内省的になってしまうのも頷けるというものです。

8.572470
独奏クラリネットのための音楽集
1.ヴィトマン(1973-):幻想曲
2.細川俊夫(1955-):EDI/3.ベリオ(1925-2003):歌
4.ライマン(1936-):ソロ/5.ルリエー(1882-1966):マイム
6-7.デニソフ(1929-1996):クラリネット・ソナタ
8.ゲール(1932-):モンテヴェルディのマドリガーレ「タンクレディの戦い」
によるパラフレーズ Op.28
9.プスール(1929-2009):マドリガルI/10.レーマン(1937-):モザイク
11.ニーデル(1957-):テラコッタ/12-16.ジョリヴェ(1905-1974):アセーズ
エドゥアルド・ブルンナー(クラリネット)
スイスで生まれのドイツ系クラリネット奏者、エドゥアルド・ブルンナー。
彼はモーツァルトやクロンマー、ウェーバーなど古典作品の名演ですでに良く
知られていますが、現代作品にも意欲的に取り組んでいます。世界の名だたる
作曲家に新作を依頼し次々と初演を行っている彼は、その驚異的な技術と表現
力で、この楽器のためのレパートリーを飛躍的に広めることに成功しています。
特筆すべきは、彼の紡ぎ出す音色の美しさで、どのような特殊奏法を行っても、
その全てが圧倒的な存在感と説得力を持ち、かつて聞いたこともないような新
しい共鳴を発見するスリリングな驚きを味わわせてくれるのです。収録された
どの曲も特徴的な美しさを持っていますが、一番の注目は細川俊夫による
「EDI」でしょうか。曲のタイトル「EDI」はブルンナーのファーストネームの
短縮形であり、作曲家と演奏家の親密さをも表しています。無音の部分に深い
意味を込めるという、作曲家独特の思想はこの曲にも生きています。

8.572560
リスト:ピアノ作品全集 第34集
ファウスト交響曲 2台ピアノ版 S647/R369(S108/R425 第2稿による)
1.ファウスト/2.グレトヒェン/3.メフィストフェレス/4.終りの合唱
フランツ・リスト・ピアノ・デュオ
(ヴィットーリオ・ブレスキアーニ&フランチェスコ・ニコロージ)
マルクス・ウルマン(テノール)…4
ヴァイマール・リスト音楽院室内合唱団男声セクション…4
ユルゲン・プッシュベック(指揮)…4
愛と波乱に満ちた生涯を送った、名ピアニスト&作曲家フランツ・リスト
(1811-1886)。彼は多くのピアノ曲だけでなく「交響詩の創始者」としても偉
大なる足跡を残しています。そんな彼の代表作の一つ「ファウスト交響曲」
の2台ピアノ版の登場です。1830年代にベルリオーズからゲーテの「ファウス
ト」を奨められ愛読していたリストですが、1852年、ベルリオーズから「ファ
ウストの劫罰」を献呈されたのを機に、1854年に管弦楽のための「3人の人物
描写」を書きワイマールで初演。その3年後に合唱部分を書き加えます。2台
ピアノ版の編曲は1862年に行われ、その後1874年には第2楽章「グレトヒェン」
のピアノ独奏版も作られています。その後、幾度となく手を加え、最終的な改
訂は1880年に行われています。大掛かりな作品ですが、2台ピアノで聴いても、
原曲に匹敵するほどの色彩感が感じられるのはさすがリストと言う他ありませ
ん。もちろん最終部分には男声合唱を準備し、この演奏家泣かせの大作をとこ
とん表現し尽くしているのも素晴らしいの一言です。

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