<MUSIC&ARTS>
M&A 1146 9枚組
ヤッシャ・ホーレンシュタイン パリ・ライヴ録音集
ヤッシャ・ホーレンシュタイン(指)フランス国立放送管弦楽団
録音:1950-66年
これは素晴らしいCDセットです!ヤッシャ・ホーレンシュタインがフランス
国立放送管弦楽団を指揮した録音が10時間44分!彼は少なからぬ録音を残し
てはいるのですが、その多くは非独墺系の作曲家のものか、マーラー以降の
時代のもので、このセットのようにハイドン、モーツァルト、ベートーヴェ
ン、メンデルスゾーン、ブラームスといった作曲家の音楽を聴けるのは非常
に貴重。とりわけベートーヴェンの第9交響曲があるのは大いに注目です。
もちろん近代ものも多数、マリアン・アンダーソンをソリストに迎えた「亡
き子を偲ぶ歌」とかプロコフィエフの交響曲第5番など、どれも興味津々。
さらに、若きローラ・ボベスコがソリストを務めるバーバーのヴァイオリン
協奏曲なんてものは、ヴァイオリン・マニアは見逃しちゃいけません!
曲目一覧
CD1
ラヴェル:ピアノ協奏曲 1952年2月11日
モニク・アース(P)
ベートーヴェン:交響曲第7番 1966年6月1日
ルーセル:蜘蛛の饗宴 1966年6月1日
CD2
バルトーク:管弦楽のための協奏曲 1961年12月19日
ベートーヴェン:交響曲第8番 1952年2月11日
CD3
シベリウス:交響曲第2番 1956年11月19日
ストラヴィンスキー:組曲「火の鳥」 1964年4月3日
CD4
ドビュッシー:「海」 1966年6月1日
ストラヴィンスキー:3楽章の交響曲 1961年12月19日
R.シュトラウス:死と変容 1961年9月26日
CD5
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 1963年10月31日
ピラール・ローレンガー(S) マルガ・ヘフゲン(Ms)
ヨゼフ・トラクセル(T) オットー・ヴィーナー(Bs)
モーツァルツト:「ドン・ジョヴァンニ」序曲
CD6
メンデルスゾーン:交響曲第4番イ長調Op.90
1961年9月26日
ブラームス:交響曲第1番ハ長調Op.68 1957年12月
CD7
ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調Op.21
1963年10月31日
マーラー:亡き子を偲ぶ歌 1956年11月22日
マリアン・アンダーソン
R・シュトラウス:メタモルフォーゼン 1964年4月3日
CD8
ベートーヴェン:「エグモント」序曲 1954年5月27日
ラヴェル:ボレロ 1966年7月1日
ヤナーチェク:シンフォニエッタ 1952年月11日
ハイドン:交響曲第100番ト長調「軍隊」
1956年1月22日
CD9
ブラームス:悲劇的序曲 1956年11月19日
バーバー:ヴァイオリン協奏曲 1950年11月13日
ローラ・ボベスコ(Vn)
プロコフィエフ:交響曲第5番Op.100
1956年11月22日
M&A 1140
ヴェルディ:「運命の力」序曲,
リスト:ピアノ協奏曲イ長調,
ドビュッシー:聖セバスチャンの神秘(4曲),
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」組曲第2番
クラウディオ・アラウ(P)
グイド・カンテッリ(指)
ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団
グイド・カンテッリが亡くなってまもなく半世紀。1956年11月、わずか36歳
で飛行機事故によって亡くなってしまった天才指揮者。生きながらえていれ
ば、30代でスカラ座の音楽監督に就任し、ヨーロッパ、合衆国で引っ張りだ
この大指揮者となっていたことは間違いありません。多くはないスタジオ録
音と、多数の放送録音が残されてはいますが、あのトスカニーニが感嘆した
というカンテッリの真骨頂を感じさせてくれるものは決して多くはありませ
んでした。この1953年3月15日のコンサートは、いかにカンテッリが抜きん
出た才能の持ち主であったかを理解するには絶好のものです。ことに「ダフ
ニスとクロエ」での柔らかい筆致から隈取のはっきりした太いタッチまで鮮
やかに使い分ける描きっぷりは見事の一言。聴衆が大熱狂しています。リス
トでは後の大巨匠クラウディオ・アラウがヴィルトゥオーゾぶりを見せ付け
てくれます。
M&A 1147
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調K466
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第3番ハ長調Op.2/3
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)
カール・ミュンヒンガー(指)シュトゥットガルト・フィル
録音:1967年11月22日シュトゥットガルト、1975年11月11日パリ
孤高のピアニスト、ミケランジェリの未発表録音が出るというだけうれしい
ですが、しかもモーツァルトにベートーヴェン!しかもモーツァルトは傑作
と来ていますからうれしさ倍増!伴奏がミュンヒンガーというのも面白い組
み合わせです。ベートーヴェンは初期の作品のみずみずしさをたっぷりもっ
た作品です。
M&A 1141
ベートーヴェン:
ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調Op.27/2「月光」
ピアノ・ソナタ第8番ハ短調Op.13「悲愴」
ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調Op.57「熱情」
ピアノ・ソナタ第26番変ホ長調「告別」
ピアノ・ソナタ第21番ハ長調Op.53「ワルトシュタイン」
ピアノ・ソナタ第30番ホ長調Op.109
幻想曲ト短調/ロ長調
ピアノ・ソナタ第24番嬰ヘ長調Op.78
ルドルフ・ゼルキン(P)
録音:1951年5月28-30日、1945年6月5日、1947年7月14&29日
1951年5月1、28-30日、1952年9月8-10日、1952年7月22日、1947年12月1日
ルドルフ・ゼルキンはベートーヴェンで大変高い評価を得た人ですが、録音
は案外と限られていて、しかも現在手に入るものはステレオ時代のものばか
り。このCDに収録されているのは、1950年前後に米COLUMBIAに録音した40代
のゼルキンのピアノ。さすが指も達者なら、それを上回る音楽への突っ込み
方!ベートーヴェンの中、後期の名作ばかりで、ゼルキン・ファンならずと
もうれしいものです。
M&A 1139
シューベルト:
ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調D960,即興曲Op.90 D899
フアナ・サヤス(P)
キューバ生まれでパリに学んだピアニスト、フアナ・サヤスのシューベルト。
清潔感あふれる音色と明快な構成力の、実に気持ちの良いシューベルトです。
<BBC LEGENDS>
BBCL 4149
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調Op.104
ブラームス:二重協奏曲イ短調Op.102
ピエール・フルニエ(Vc)
ジノ・フランチェスカッティ(Vn)
サー・コリン・デイヴィス
サー・マルコム・サージェント(指)BBC交響楽団
録音:1973年3月14日ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
1955年8月30日アッシャー・ホール(エジンバラ音楽祭)
稀代の名手フルニエのドヴォルザークにまたひとつ名演が加わりました。ラ
イヴでは2つ目、通算4種目にあたります。スタジオ盤のセル&BPO(62年 /
DG)とクーベリック&VPO(54年 / DECCA)、さらにシェルヘン&スイス・イ
タリア語放送O.とのライヴ(62年ルガーノ / AURA, TAHRAほか)の中ではもっ
とも新しく完全初出となります。
もはや説明不要、演奏から気品が香り立つチェロはフルニエ独特のもの。しか
も曲がドヴォルザークならいくつ手元にあろうとも揃えておく価値は十分。
若きデイヴィスの力強いサポートも聴きどころで申し分ありません。また、
ブラームスは後にワルター盤(59年 / SONY)でも共演のフランチェスカッ
ティ。このエジンバラでのライヴが両者の初顔合わせでした。こちらも初出。
BBCL 4151
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番-前奏曲
パガニーニ:24のカプリース-第5番、第11番
ファリャ:スペイン民謡組曲-ホタ、アストゥリアーナ
ノヴァーチェク:無窮動
(ボーナス・トラック)ミルシテイン・インタヴュー“音楽について語る”
〔聞き手:ジョン・エイミス〕
ナタン・ミルシテイン(Vn)
サー・エイドリアン・ボールト(指)ロンドン・フィル
アーネスト・ラッシュ(P)
録音:1968年9月29日ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
1963年6月9日、1957年9月22日ロンドン、BBCスタジオ
1991年11月7日ロンドン
録音当時63歳ミルシテインのベートーヴェン。数種ある協奏曲は、絶頂期の
スタインバーグ盤(55年 / キャピトル)にとどめを刺すと言われていますが、
共演者ボールトの力もあって当ライヴもこれに引けを取らぬ白熱ぶり。忘れ
がたい名演奏です。続いてパガニーニやファリャ、バッハなどBBC放送録音の
リサイタルも、類稀なヴィルトゥオーゾ、ミルシテインの姿を印象付ける貴
重な記録。なお最晩年(1992年没)に行われたインタヴューは、皮肉屋で飾
り気の無い人柄を知る上で格好の内容です。
BBCL 4150 2枚組
ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス
シューベルト:交響曲第8番ロ短調「未完成」
ワーグナー:「ファウスト」序曲
テレサ・シュティヒ=ランダル(S) ノーマ・プロクター(A)
リチャード・ルイス(T) キム・ボルイ(Bs) BBC合唱団
ヤーシャ・ホーレンシュタイン(指)
BBC交響楽団、BBCノーザン交響楽団
録音:1961年2月23日ロンドン、BBCメイダ・ヴェイル・スタジオ
1971年9月15日ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール
1972年4月23日イングランド、サルフォード大学
ホーレンシュタイン唯一のミサ・ソレムニスは、記録上存在を知られながら
40年以上も眠っていた伝説のライヴ。なるほど彼のベートーヴェン演奏を知
る限り出来栄えに間違いはないところですが、実際にこれはとんでもなくす
ごい。ことに最大の聴きどころであるグローリアのラスト、炎と化したオケ
と合唱の迫力には度肝を抜かれます。ホーレンシュタインの数あるライヴの
中でも屈指の内容といえ、醍醐味が満点。さらなるポイントとして、なんと
「未完成」もまた初出レパートリーというオマケつき。なんとも盛りだくさ
んのアルバムです。
BBCL 4152
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調
(ボーナス・トラック)ルービンシュタインとの対話〔聞き手:マイケル・
オリヴァー〕
アルトゥール・ルービンシュタイン(P)
カルロ・マリア・ジュリーニ(指)フィルハーモニア管
ルドルフ・シュヴァルツ(指)BBC響
録音:1961年5月16日、1957年11月27日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
1973年10月7日ロンドン
ルービンシュタインの貴重な協奏曲ライヴが楽しめる一枚。チャイコフスキー
は既出ショパン第2番と同日の演奏(BBCL.4105)。70歳を越えたルービンシュ
タインのテクニックにも驚かされますが、ここでの柔軟で熱いジュリーニのア
プローチは、同じ曲でもラインスドルフ&ボストン響(62年 / BMG)とは対
照的で興味深いところ。一方、クリップス、ジュリーニと2種のスタジオ盤
(BMG)で聴けるシューマンも濃厚なロマンを漂わせて印象的。
BBCL 4154
シベリウス:交響曲第2番ニ長調
ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調
サー・トーマス・ビーチャム(指)
BBC響、ロイヤル・フィル
録音:1954年12月8日、1959年10月25日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
BBC LEGENDSの顔ビーチャム卿通算11枚目のアルバム。シベリウス、ドヴォル
ザークとも以前よりたいへん有名な演奏で、60年代にBBCのライセンスにより
EMIから出ていたものと同一。90年に一度はCD化されたものの、すでに10年以
上も前から廃盤のまま。しかも当時のCD化は、ファンの間では放送時のBBCオ
リジナル・テープとの音質の違いが最後まで物議を醸した曰くつきの代物で
した。BBCの案内によると、ビーチャム協会の要請でこのたび“BBCのオリジ
ナル・テープから新たに20ビット・リマスタリング”を施したとのこと。ビ
ーチャム卿大暴れのフィナーレが十数年振りに蘇りました。
BBCL 4153
R.シュトラウス:四つの最後の歌
同:「カプリッチョ」より終景
ラヴェル:歌曲集「シェエラザード」
モーツァルト:
「フィガロの結婚」よりアリア「愛の神様、慰めの手をさしのべて下さい」
「楽しい思い出はどこへ」
エリーザベト・ゼーダーシュトレーム(S)
アンタル・ドラティ(指)ロイヤル・フィル
ピエール・ブーレーズ(指)BBC響
サー・ジョン・プリッチャード(指)ロイヤル・リヴァプール・フィル
録音:1976年10月3日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
1971年8月3日、1960年8月20日ロイヤル・アルバート・ホール
リサイタル集(BBCL.4132)に次ぐ、ゼーダーシュトレーム(エリサベト・セ
デシュトレム)の続篇。ひとくちにソプラノといっても性格は実にさまざま。
彼女の知的で陰りのある声質がバッチリはまったシュトラウスは絶品。歌曲、
オペラともスタジオ盤を残していますが未CD化のまま。そのため当ステレオ・
ライヴは価値ある内容です。ほかに存在感と貫禄の伯爵夫人が聴けるプロム
スでのモーツァルト。初出レパートリーのラヴェルではブーレーズが指揮を
務めているのも注目。
<VIRGIN CLASSICS>
VBD-5624732 2枚組 \2080
バッハ:ハープシコード作品集
ピエール・アンタイ
詳細未詳
<EMI フランス>
CZS-5861142 2枚組 \2300
ジョルジュ・プレートル/80歳記念アルバム
※詳細はWordファイルで送りしますので、ご請求下さい(Goodies)。
CDC-5578002 \2080
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
ピエール・サンカン:ピアノ協奏曲(1959)(世界初録音)
ジャン・フィリップ・コラール(ピアノ)
ビルケント交響楽団、タバコフ指揮
詳細未詳。
チャイコフスキーの名曲とパリ音楽院での師、サンカンの作品を組み合わせ
たアルバム。コラール久々の新企画。
M&A 1146 9枚組
ヤッシャ・ホーレンシュタイン パリ・ライヴ録音集
ヤッシャ・ホーレンシュタイン(指)フランス国立放送管弦楽団
録音:1950-66年
これは素晴らしいCDセットです!ヤッシャ・ホーレンシュタインがフランス
国立放送管弦楽団を指揮した録音が10時間44分!彼は少なからぬ録音を残し
てはいるのですが、その多くは非独墺系の作曲家のものか、マーラー以降の
時代のもので、このセットのようにハイドン、モーツァルト、ベートーヴェ
ン、メンデルスゾーン、ブラームスといった作曲家の音楽を聴けるのは非常
に貴重。とりわけベートーヴェンの第9交響曲があるのは大いに注目です。
もちろん近代ものも多数、マリアン・アンダーソンをソリストに迎えた「亡
き子を偲ぶ歌」とかプロコフィエフの交響曲第5番など、どれも興味津々。
さらに、若きローラ・ボベスコがソリストを務めるバーバーのヴァイオリン
協奏曲なんてものは、ヴァイオリン・マニアは見逃しちゃいけません!
曲目一覧
CD1
ラヴェル:ピアノ協奏曲 1952年2月11日
モニク・アース(P)
ベートーヴェン:交響曲第7番 1966年6月1日
ルーセル:蜘蛛の饗宴 1966年6月1日
CD2
バルトーク:管弦楽のための協奏曲 1961年12月19日
ベートーヴェン:交響曲第8番 1952年2月11日
CD3
シベリウス:交響曲第2番 1956年11月19日
ストラヴィンスキー:組曲「火の鳥」 1964年4月3日
CD4
ドビュッシー:「海」 1966年6月1日
ストラヴィンスキー:3楽章の交響曲 1961年12月19日
R.シュトラウス:死と変容 1961年9月26日
CD5
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」 1963年10月31日
ピラール・ローレンガー(S) マルガ・ヘフゲン(Ms)
ヨゼフ・トラクセル(T) オットー・ヴィーナー(Bs)
モーツァルツト:「ドン・ジョヴァンニ」序曲
CD6
メンデルスゾーン:交響曲第4番イ長調Op.90
1961年9月26日
ブラームス:交響曲第1番ハ長調Op.68 1957年12月
CD7
ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調Op.21
1963年10月31日
マーラー:亡き子を偲ぶ歌 1956年11月22日
マリアン・アンダーソン
R・シュトラウス:メタモルフォーゼン 1964年4月3日
CD8
ベートーヴェン:「エグモント」序曲 1954年5月27日
ラヴェル:ボレロ 1966年7月1日
ヤナーチェク:シンフォニエッタ 1952年月11日
ハイドン:交響曲第100番ト長調「軍隊」
1956年1月22日
CD9
ブラームス:悲劇的序曲 1956年11月19日
バーバー:ヴァイオリン協奏曲 1950年11月13日
ローラ・ボベスコ(Vn)
プロコフィエフ:交響曲第5番Op.100
1956年11月22日
M&A 1140
ヴェルディ:「運命の力」序曲,
リスト:ピアノ協奏曲イ長調,
ドビュッシー:聖セバスチャンの神秘(4曲),
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」組曲第2番
クラウディオ・アラウ(P)
グイド・カンテッリ(指)
ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団
グイド・カンテッリが亡くなってまもなく半世紀。1956年11月、わずか36歳
で飛行機事故によって亡くなってしまった天才指揮者。生きながらえていれ
ば、30代でスカラ座の音楽監督に就任し、ヨーロッパ、合衆国で引っ張りだ
この大指揮者となっていたことは間違いありません。多くはないスタジオ録
音と、多数の放送録音が残されてはいますが、あのトスカニーニが感嘆した
というカンテッリの真骨頂を感じさせてくれるものは決して多くはありませ
んでした。この1953年3月15日のコンサートは、いかにカンテッリが抜きん
出た才能の持ち主であったかを理解するには絶好のものです。ことに「ダフ
ニスとクロエ」での柔らかい筆致から隈取のはっきりした太いタッチまで鮮
やかに使い分ける描きっぷりは見事の一言。聴衆が大熱狂しています。リス
トでは後の大巨匠クラウディオ・アラウがヴィルトゥオーゾぶりを見せ付け
てくれます。
M&A 1147
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調K466
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第3番ハ長調Op.2/3
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(P)
カール・ミュンヒンガー(指)シュトゥットガルト・フィル
録音:1967年11月22日シュトゥットガルト、1975年11月11日パリ
孤高のピアニスト、ミケランジェリの未発表録音が出るというだけうれしい
ですが、しかもモーツァルトにベートーヴェン!しかもモーツァルトは傑作
と来ていますからうれしさ倍増!伴奏がミュンヒンガーというのも面白い組
み合わせです。ベートーヴェンは初期の作品のみずみずしさをたっぷりもっ
た作品です。
M&A 1141
ベートーヴェン:
ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調Op.27/2「月光」
ピアノ・ソナタ第8番ハ短調Op.13「悲愴」
ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調Op.57「熱情」
ピアノ・ソナタ第26番変ホ長調「告別」
ピアノ・ソナタ第21番ハ長調Op.53「ワルトシュタイン」
ピアノ・ソナタ第30番ホ長調Op.109
幻想曲ト短調/ロ長調
ピアノ・ソナタ第24番嬰ヘ長調Op.78
ルドルフ・ゼルキン(P)
録音:1951年5月28-30日、1945年6月5日、1947年7月14&29日
1951年5月1、28-30日、1952年9月8-10日、1952年7月22日、1947年12月1日
ルドルフ・ゼルキンはベートーヴェンで大変高い評価を得た人ですが、録音
は案外と限られていて、しかも現在手に入るものはステレオ時代のものばか
り。このCDに収録されているのは、1950年前後に米COLUMBIAに録音した40代
のゼルキンのピアノ。さすが指も達者なら、それを上回る音楽への突っ込み
方!ベートーヴェンの中、後期の名作ばかりで、ゼルキン・ファンならずと
もうれしいものです。
M&A 1139
シューベルト:
ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調D960,即興曲Op.90 D899
フアナ・サヤス(P)
キューバ生まれでパリに学んだピアニスト、フアナ・サヤスのシューベルト。
清潔感あふれる音色と明快な構成力の、実に気持ちの良いシューベルトです。
<BBC LEGENDS>
BBCL 4149
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調Op.104
ブラームス:二重協奏曲イ短調Op.102
ピエール・フルニエ(Vc)
ジノ・フランチェスカッティ(Vn)
サー・コリン・デイヴィス
サー・マルコム・サージェント(指)BBC交響楽団
録音:1973年3月14日ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
1955年8月30日アッシャー・ホール(エジンバラ音楽祭)
稀代の名手フルニエのドヴォルザークにまたひとつ名演が加わりました。ラ
イヴでは2つ目、通算4種目にあたります。スタジオ盤のセル&BPO(62年 /
DG)とクーベリック&VPO(54年 / DECCA)、さらにシェルヘン&スイス・イ
タリア語放送O.とのライヴ(62年ルガーノ / AURA, TAHRAほか)の中ではもっ
とも新しく完全初出となります。
もはや説明不要、演奏から気品が香り立つチェロはフルニエ独特のもの。しか
も曲がドヴォルザークならいくつ手元にあろうとも揃えておく価値は十分。
若きデイヴィスの力強いサポートも聴きどころで申し分ありません。また、
ブラームスは後にワルター盤(59年 / SONY)でも共演のフランチェスカッ
ティ。このエジンバラでのライヴが両者の初顔合わせでした。こちらも初出。
BBCL 4151
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番-前奏曲
パガニーニ:24のカプリース-第5番、第11番
ファリャ:スペイン民謡組曲-ホタ、アストゥリアーナ
ノヴァーチェク:無窮動
(ボーナス・トラック)ミルシテイン・インタヴュー“音楽について語る”
〔聞き手:ジョン・エイミス〕
ナタン・ミルシテイン(Vn)
サー・エイドリアン・ボールト(指)ロンドン・フィル
アーネスト・ラッシュ(P)
録音:1968年9月29日ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
1963年6月9日、1957年9月22日ロンドン、BBCスタジオ
1991年11月7日ロンドン
録音当時63歳ミルシテインのベートーヴェン。数種ある協奏曲は、絶頂期の
スタインバーグ盤(55年 / キャピトル)にとどめを刺すと言われていますが、
共演者ボールトの力もあって当ライヴもこれに引けを取らぬ白熱ぶり。忘れ
がたい名演奏です。続いてパガニーニやファリャ、バッハなどBBC放送録音の
リサイタルも、類稀なヴィルトゥオーゾ、ミルシテインの姿を印象付ける貴
重な記録。なお最晩年(1992年没)に行われたインタヴューは、皮肉屋で飾
り気の無い人柄を知る上で格好の内容です。
BBCL 4150 2枚組
ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス
シューベルト:交響曲第8番ロ短調「未完成」
ワーグナー:「ファウスト」序曲
テレサ・シュティヒ=ランダル(S) ノーマ・プロクター(A)
リチャード・ルイス(T) キム・ボルイ(Bs) BBC合唱団
ヤーシャ・ホーレンシュタイン(指)
BBC交響楽団、BBCノーザン交響楽団
録音:1961年2月23日ロンドン、BBCメイダ・ヴェイル・スタジオ
1971年9月15日ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール
1972年4月23日イングランド、サルフォード大学
ホーレンシュタイン唯一のミサ・ソレムニスは、記録上存在を知られながら
40年以上も眠っていた伝説のライヴ。なるほど彼のベートーヴェン演奏を知
る限り出来栄えに間違いはないところですが、実際にこれはとんでもなくす
ごい。ことに最大の聴きどころであるグローリアのラスト、炎と化したオケ
と合唱の迫力には度肝を抜かれます。ホーレンシュタインの数あるライヴの
中でも屈指の内容といえ、醍醐味が満点。さらなるポイントとして、なんと
「未完成」もまた初出レパートリーというオマケつき。なんとも盛りだくさ
んのアルバムです。
BBCL 4152
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調
(ボーナス・トラック)ルービンシュタインとの対話〔聞き手:マイケル・
オリヴァー〕
アルトゥール・ルービンシュタイン(P)
カルロ・マリア・ジュリーニ(指)フィルハーモニア管
ルドルフ・シュヴァルツ(指)BBC響
録音:1961年5月16日、1957年11月27日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
1973年10月7日ロンドン
ルービンシュタインの貴重な協奏曲ライヴが楽しめる一枚。チャイコフスキー
は既出ショパン第2番と同日の演奏(BBCL.4105)。70歳を越えたルービンシュ
タインのテクニックにも驚かされますが、ここでの柔軟で熱いジュリーニのア
プローチは、同じ曲でもラインスドルフ&ボストン響(62年 / BMG)とは対
照的で興味深いところ。一方、クリップス、ジュリーニと2種のスタジオ盤
(BMG)で聴けるシューマンも濃厚なロマンを漂わせて印象的。
BBCL 4154
シベリウス:交響曲第2番ニ長調
ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調
サー・トーマス・ビーチャム(指)
BBC響、ロイヤル・フィル
録音:1954年12月8日、1959年10月25日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
BBC LEGENDSの顔ビーチャム卿通算11枚目のアルバム。シベリウス、ドヴォル
ザークとも以前よりたいへん有名な演奏で、60年代にBBCのライセンスにより
EMIから出ていたものと同一。90年に一度はCD化されたものの、すでに10年以
上も前から廃盤のまま。しかも当時のCD化は、ファンの間では放送時のBBCオ
リジナル・テープとの音質の違いが最後まで物議を醸した曰くつきの代物で
した。BBCの案内によると、ビーチャム協会の要請でこのたび“BBCのオリジ
ナル・テープから新たに20ビット・リマスタリング”を施したとのこと。ビ
ーチャム卿大暴れのフィナーレが十数年振りに蘇りました。
BBCL 4153
R.シュトラウス:四つの最後の歌
同:「カプリッチョ」より終景
ラヴェル:歌曲集「シェエラザード」
モーツァルト:
「フィガロの結婚」よりアリア「愛の神様、慰めの手をさしのべて下さい」
「楽しい思い出はどこへ」
エリーザベト・ゼーダーシュトレーム(S)
アンタル・ドラティ(指)ロイヤル・フィル
ピエール・ブーレーズ(指)BBC響
サー・ジョン・プリッチャード(指)ロイヤル・リヴァプール・フィル
録音:1976年10月3日ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
1971年8月3日、1960年8月20日ロイヤル・アルバート・ホール
リサイタル集(BBCL.4132)に次ぐ、ゼーダーシュトレーム(エリサベト・セ
デシュトレム)の続篇。ひとくちにソプラノといっても性格は実にさまざま。
彼女の知的で陰りのある声質がバッチリはまったシュトラウスは絶品。歌曲、
オペラともスタジオ盤を残していますが未CD化のまま。そのため当ステレオ・
ライヴは価値ある内容です。ほかに存在感と貫禄の伯爵夫人が聴けるプロム
スでのモーツァルト。初出レパートリーのラヴェルではブーレーズが指揮を
務めているのも注目。
<VIRGIN CLASSICS>
VBD-5624732 2枚組 \2080
バッハ:ハープシコード作品集
ピエール・アンタイ
詳細未詳
<EMI フランス>
CZS-5861142 2枚組 \2300
ジョルジュ・プレートル/80歳記念アルバム
※詳細はWordファイルで送りしますので、ご請求下さい(Goodies)。
CDC-5578002 \2080
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
ピエール・サンカン:ピアノ協奏曲(1959)(世界初録音)
ジャン・フィリップ・コラール(ピアノ)
ビルケント交響楽団、タバコフ指揮
詳細未詳。
チャイコフスキーの名曲とパリ音楽院での師、サンカンの作品を組み合わせ
たアルバム。コラール久々の新企画。