関西はバラエティに富んだ粉食文化を持つ。例えば、同じお好み焼きでも大阪は混ぜ焼き、神戸以西は圧倒的に重ね焼き(いわゆる広島風)。たこ焼きでも神戸西部では、普通のたこ焼きをだしの中に入れ、そこへソースをかける。ソースの溶け込んだだしを飲むのが何よりの愉楽と聞いた。大阪のスタンダードは他では異端なのである。そこがオモロイ。
そんな粉もんの変わり具合を追う企画で、広島まで行ってきた。
まずは曽根。加古川市には「にくてん」なるものがある。
もっとも池波正太郎によると大正~昭和にかけて、東京では屋台の「どんどん焼き」では肉天、○○天と言ったようだし、長田にも「肉天街」というものがあったから、加古川の専売特許とはいえないようだ。
駅で高校生に聞いた「つくし」が休みで、女将さんが親切に
「ヒロ」を教えてくれた。
甘辛く炊いた牛すじ、それにじゃがいもの煮ものをつぶして
一緒に焼いたもの。こいつを薄く焼いてペタンと二つ折りにして
ソースを塗る。つまりは洋食焼きですな。
おやつにビールのあてに持ってこい。
おばちゃんがいい味を出していた。
こういう店はそっとしておきたい気がする。
続いては、姫路の地場粉もん、「ぐじゃ焼き」。
地元衆に店を尋ねようと姫路城近くまで行くが、
観光客しかつかまらない。
それでも、やっと土産物屋の男性から聞き出した「森下」へ向かう。
下町っぽいエリアの一角に、あった。
もちろん下調べはしてきているが、ガチのロケである。
地元衆から店名が出てこなかったら、他へ行くしかない。
ぐじゃ焼き・・・安い!
この辺のガキどもが長年世話になったのだろう。
お母ちゃんが世話焼き風で昔の長屋のおかみさんのよう。
ささやかな店で玄関先の土間に鉄板を置いただけというお好み焼き屋の原型をとどめている。客席は3つばかし。
右は、やわらかモダン、左が、ぐじゃ焼き。
別名をどろ焼きとも、そのまんま。とにかく、見た目はよくない。
もんじゃ焼きも大方、こうして子供相手に生まれたものなんだろう。
出来上がった焦げ一枚を鉄板から剥がして、それをぐじゃの上に
乗せる。
そこへソースを塗って、カツオ、青のりをかけて出来上がり。
食べたことないのに、懐かしい味わい。
おかあさん、ご自慢のところてん。
目の前で突いてくれる。酢醤油で。
ここもいつまでも変わらず続いて欲しい店。
さあて、次は山陽道から北へと寄り道だ。
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