マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

祇園の親子

2012-01-15 01:47:43 | Weblog

TV画面で卵の黄身が流れ出す時、視聴者のリモコンの手が止まる、という説を力説する
仕事仲間がいる。実にその一面は真実である。黄身のとろとろ・・・にはそれだけの訴求力がある。

さて、親子丼を発明したのは、日本橋人形町の「玉ひで」と言われる。
いやいや、映画監督山本嘉次郎の父である…など、諸説あるその出自。





ひと頃、ブロイラー全盛で大層鶏肉の味が落ちたのか、親子丼をやらないなんて店が
多かったが、一巡してかしわもよくなったのか、親子丼自慢の店もあまたある。





ちょいと粋な姐さんとやってきたのは、祇園北側、白川沿いにある、「とり新」。
裏は鶏料理屋。表では親子丼専門店を営む。
ガラガラと入ると、カウンターがあり、親子丼しかない。





どうもガイドブックに載ってるらしく、気恥ずかしいが、修学旅行のガキどもと並んで食うはめに。
おめぇらに、これがわかんのかよ!あ?
解るんだろうな、今どきのガキはいいもん食ってっから。


黄身をグチュッとつぶして、玉子×玉子  文句なく美味。
丼は箸で一口ずつ食べるようなもんでなく、ガサガサ…とせわしなく食いたい。
いずれ上品に食べるものではござんせん。 ものの3分もあれば、出られる。





洗濯も余りしてない埃っぽい学生服と隣りあっては・・・早々に退散。

ちょいと甘いものなんぞ、いかがですかね、姐さん。






しょうがないわねぇ・・・と姐さんが案内してくれたのは、祇園甲部、花見小路。

甘味処「ぎおん 徳屋」。 その名から分かる通り、嵐山吉兆、徳岡氏のかかわる店。

外壁の黒板に、八坂女紅場学園の授業の時間割なんぞが書かれている。

祇園の舞妓さんたちが通うチントンシャンの技芸の専門校だ。 祇園どすなぁ~






甘いもの屋に男女で入るってのは、なんだか照れるものだ。自意識過剰か。

もちやきしるこを所望。チョークのような餅が4個と手炙りが出てくる。





焦がし加減も自在。 かういふ演出が京都だねぇ。
甲斐々々しく芸妓が焼いてくれたりすると、絵になるのだろうが。
残念ながら、あたしは自分で焼きもちを焼く・・・と。

あたしゃね、つぶあんのぜんざいよりも、こしあんのしるこの方が好き。
つぶあん派に言うと、「なんで!」と言われるけれども。
丹波産の大納言を炊いて、漉したのがこしあん。ぜんざいより、贅沢なんだい。





粋な姐さんが頼んだのは、本わらびもち。
かき氷のぐるりに色黒のわらびもちが取り囲む。
本わらび粉を和三盆加えて練り上げたものらしい。





よく冷えて、ふにゃふにゃぺろんぺろんで、口に入れてなんとも気持ちいい。
黄粉も黒蜜もなしで食べても、ほのかに甘い。 官能的で品がある。

昔、近所に売りに来た、怪しげなわらびもちの屋台なんぞとは大違い。
あれは不衛生だから、買っちゃだめとよく言われた。

残った氷に黒蜜かければ、一度で二度おいしい。 ダメかえ?





餅は全部こうして入れたけど、砂糖醤油なんぞあれば、
2本は付け焼きにしたい感じ。

値段は夢を壊すので言いたかないが、
しるこ1000円、わらび餅1200円。
ま、祇園の甘味処という道具立て込みの価格である。

男なら、お連れさんが甘いものに舌鼓を打っている間に
一杯傾けて待つなんてのも、いかにも花街のワケあり男女ふうでよかろう。


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1 コメント

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黄身 (こでら)
2012-01-31 23:58:19
料理に黄身をそのまま乗っけるというのは僕は好きくないんだな。

親子丼については、半熟を追求するあまり、卵掛けご飯と区別が難しいものもあったりして。
最近は、クリームスパゲティに黄身を乗せただけでカルボナーラってのもあったりして。

黄身を乗っけるというのはある意味料理人の敗北とも思えるんだ。
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