マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

粋も野暮もない、浅草の田舎臭さが好き

2016-08-22 19:14:35 | 東京 浅草

20年、いや30年ぶりかもしれない浅草1-1-1、日本最古のバー「神谷バー」。 

初めて訪れた頃には、客席に灰色のジイサンバアサンが多かった。

最初に食品サンプルの棚を眺め、食券を買うスタイルも以前のまま。





今みたいな観光用の車引きではなく、人力が主流だった時代、この右側に位置する吾妻橋には

人力車がたむろし、神谷バーで数杯のデンキブランを飲んだ車夫たちは、フラフラになり、吾妻橋行くまでに

何度も転んだという。それを神谷バーの窓から眺めてたという客のジイサンに聞いた。








中ジョッキと冷えたデンキブラン。 

デンキブランはここのオリジナル・リキュール。 

ジイサンたちは大ジョッキをチェイサーに、デンキブランのグラスを3つほど並べ、

ビールをグビリ、デンキをチビリ…とやっていた。 

若いのはそういう飲み方を見て学習する。


「俺はエノケン劇団の帽子作ってたんだ」と職人風のジイサンが言うと、

とたんに俺たち芝居屋崩れには、尊敬の眼差しに変わった。

そんな今と昔が交錯する街でもある。










以前、仕事で一緒になったイベントプロデューサーの立川直樹さんは浅草っ子で、

初めてココで大ジョッキを頼もうとして、隣り合った年寄に

「大ジョッキたのむより、ここは中ジョッキにして何杯もお代わりするもんだ」

と諭されたという。 偉そうにするでもない、そういう年寄にならねばならない。



カニクリームコロッケ。洋食メニューもちゃんとしてる。

黒蝶ネクタイのホール係が、片手に銀盆持ちながら、

器用に片手で食券の半分をちぎって行く。

何処かで見たと思ったら、子供の頃の百貨店の大食堂だ。 



 

 

気取った洋食メニューの間に挟まって、煮込みなんかがあるところに、いかにも浅草を

感じたものである。 やっぱり頼まざるを得ない。


いつしかジイサンたちは飲めなくなって、もはやこの世には居ちゃいまい。 

客も代替わりして、なんだかホワイトカラーが目立ち、ニューミュンヘンの客みたいだ。

浅草も変わったかと思ったら、隣の隣りに何処で買ったのかというような派手なシャツを着た

ブルーカラーのオッサンがいて、若いのを捕まえて説教しながら飲んでて、ニンマリしてしまった。


さすが、浅草健在!

 

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