マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

たこ焼きは生地ぞ!

2012-07-20 01:25:34 | 

たこ焼きなんつうものは、鉄板にうどん粉流してタコ放り込んだら仕舞い・・・
なんて思っていないだろうか。

その傾向が強い地方都市や東京などへ行くと、粉くさくて歯触りも喉ごしも悪く、
モタモタと重たく、いくつも食えるもんではありません。


やっぱり生地なんです。
いかに生地そのものにいい塩梅の味をつけるかが勝負。
決してタコが主役ではないのです。







だから昨今の、箸で食うような大玉のたこ焼きなんて、食いたいと思いません。
球体そのままを口に放り込むもの。よって昔からの大きさが丁度いい。
食いちぎったりしてる姿が美しいわけはないのです。

タコの大きさも、ほどほどが一番。
でかいタコをいつまでもクチャクチャやってるのは見当ちがい。
タコを食いたけりゃ、造りでも酢の物でもたのめばいいわけで。







香ばしく焼けた薄皮に歯を立てれば、中は流れ出さないまでもトロトロの半熟状。
昆布かつおを奢っただし、塩茹でしただけのタコ、
紅ショウガのピリッとネギの香りも渾然一体となり、
香りは鼻へと抜け、喉の奥へとスルリと消えて行く。


義父に「タコ焼きが食べたい」と言われ、今まで大変だからスルーしてきた
我が家のタコ焼き問題と、しばし向き合うことにします。


名作たこ焼きは数あれど、ここの載せるのは、元祖「会津屋」のたこ焼き。
醤油を落としただしタイプ。このままでしっかりと味が付いている。
ビールにたまらなく合う。 少し冷ましたぐらいが味がよくわかる。


昭和8年に今里新地でラジオ焼きの屋台から始めた「会津屋」。
明石の方ではタコが入るらしいで…と客に聞いて初めて、たこ焼きを生んだ店とされる。







これが近年会津屋が復活させた、ラジオ焼き。
スジとコンニャクを甘辛く炊いたのと、ネギが入る。

なぜラジオ焼きと言ったかというと、当時の最先端のモダンな名称だったから。
鉄板の穴ぼこが、丁度ラジオのマイクロフォンのようだったから。
こんなのね。







うちではネギ、天カス、紅しょうがを入れてみたが、できるだけシンプルが一番。
妙なものはできる限り入れない、生地を味わう。
そこへソースを少し塗るぐらいで十分。

ラジオ焼きはスジの炊いたんが入るので、焦げ付きやすい。
スジとコンニャクを炊いたのを細かく刻んだが、もう少し大きくてもいいだろう。
似て非なるもの。決してタコとスジを同居させたりしないこと。
味を殺し合ってしまう。

たこ焼きは引き算。具材にかける予算があるなら、
昆布とかつおにお金をかけた方がいい。
昆布を煮立たせない吸い物の一番だしみたいなことはない、
グラグラ煮返していいから、下品なほど濃い目のだしを使うことを勧めたい。

まだまだ研究は始まったばかりだ。



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2 コメント

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だし (どてら)
2012-07-22 23:34:18
 有楽町更科の4代目の言葉でありまして、
「板前がロクな出汁が引けなくなったから、天ぷらを塩で食わせるようになった。」と。
 濃い出汁を引くのは基本でございますね。
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旦那も口が悪い (管理人)
2012-07-26 03:37:22
まともにだしをひかないようになったことを我慢ならねぇようですね。まぁ昔堅気の職人でいらっしゃるんでしょう。そういう一面もなきにしもですが、東京の天ぷらが塩で食わすようになったのは関西天ぷらの影響でござんすよ。

御霊神社の梅月や天寅(一宝)、与太呂などが細かく粉砕した塩で食べさせるようになった。塩味だと素材の味を生かすことができ、衣も薄く、油も白締油などにして、飯より酒に合うというので船場の旦那衆に受け、金も稼げたんです。これが東京に震災後伝わり、胡麻油でキツネ色に揚げ、濃いつゆで食べさせる東京天ぷらを駆逐したんでさね。なんでも関西風になりやがってと嘆いた、その一つ。例えばおでんなんかもそうですわね。アタシは東京風が好みなんですがね。
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