マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

おいしい復讐

2010-04-17 22:24:23 | 

とある在日の大手焼肉店の社長は、戦前・戦中にかけての自分たちが受けた仕打ちに対して、戦後焼肉店を立ち上げる中、「食文化で日本に復讐をしようと考えてます。今に日本の食を変えてみせますよ」と豪語していたそうな。そういうわけでは戦後60年、完全に日本の食文化は見事なしっぺ返しを食らった。赤坂・新大久保・鶴橋・三ツ寺筋はおろか、今や日本中、韓国料理のない街はないのではないか。ターニングポイントとなったのはパルパル(88年)のソウル五輪。焼肉店が増え、すき焼きもステーキも影が薄くなった。今また女性をターゲットにしたホルモン店が巷を賑わせている。


さて、大阪西区で知る人ぞ知る、韓国料理店へ。
ビルの地下、あやしい中華料理店のお隣。本場の匂いぷんぷん・・・。
ちょいと早く着き、とりあえずビールに韓国海苔だい。



ごま油を塗り、塩をパラリとかけてある単純なものだが、美味だよな。
味付け海苔は完全に食われているのではなかろうか。
これがいいツマミになる。邪道だろうが、スライスチーズ挟むと格好の酒肴に。



自家製チャンジャ  こんな美味なチャンジャひさびさ!

タモリ倶楽部で、“チャンジャ祭り”って企画やってたな。



チャプチェ よく味がからんでいる。

韓国料理が女性たちに受け入れられたのは、カプサイシン効果と野菜が多いということ。それと医食同源。野菜の取り合わせに陰陽五行思想が反映されている。



キムチ 僕らのガキの頃は朝鮮漬けと言った。今、日本の漬物の中で売上ナンバーワンは、もちろんキムチ。うちらの親父の世代はたぶん口にもしなかっただろうが、過去にこれほど日韓が食を通じて近くなった時代はないはず。恨三百年、一念岩をも通すで、日本人の味覚はこの60年で完全に韓国勢力に浸食された。



新鮮なチョコレート色の生レバー



ナムルはごく当たり前の3種。これも自分で作ってみれば分かるが、いちいち別の鍋で茹でて、少しずつ違う調味料で和える。ひたすら手で。手間かかってんだ。



蒸し豚  脂肪分が落ちていながらも、しっとりと美味。

この唐辛子味噌のタレはうまいが、アタシが楯突くとしたら、刺身までこいつで食べるのはどうかと思う。醤油と山葵とかポン酢とか、素材に応じて、そういうバリエーションを持たせたところは日本人の方が絶対繊細。



センマイ  辛子味噌

朝鮮では千葉、百葉と言われ、江戸時代、朝鮮通信使を迎える時にもメニューに挙げられた由緒正しきパーツ。 失礼ながら東大門市場で見た時にゃバケツに突っ込んである雑巾に見間違った。



チヂミ  ネギのチヂミをパジョンなどとも呼ぶ。
お好み焼きの原型説もあり、(ボクはどうも千利休の麩の焼きまで持ち出すのは無理があると思っている)粉を溶いて焼くチヂミやピンデットに馴染みがあるから、日本に渡ってきた朝鮮族の人々はたやすくお好み焼き屋を玄関先でやれたんだと思う。



味付き豚足 手で持ってしゃぶりつく!
同行Y氏は、豚足マニアで、そのまんま塩茹でにしたヤツの方が好みという。
豚足も昔はギョッとしたものだろうが、すっかり市民権を得たといえる。




多松チゲ メウンタンのようですな。手長ダコもいて、可愛いもんでしょ。でも食うぜ。
これだけのインパクトある鍋、日本にはなかった。



これがピリ辛で美味!
鍋の中は渾然一体のカオスとなる。このなんでもピビンして辛味噌系でまとめ上げるのが韓国料理のひとつの特徴である。汗みどろで食べれば、パワーが出る。 
また一人頭880円と、安いのなんの!



最後は“辛ラーメン”を入れて、この乾麺がなかなかいい。
完全においしい韓流にやられておりまする・・・。

後ろを見たら、ABC朝日放送の女子アナが。声をかけようとしたが、こっちは知っていても向こうはこっちのことなど知らない訳で、笑顔で慇懃にあしらわれたら嫌なので、やめた。



          多松(タソン)     大阪市 西区 江之子島1丁目



 


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