マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

ゲイは身を助く

2009-01-15 12:53:47 | 

・・・というか、我々以上の年代は、肉が満足に流通していない時代、
ゲイ、つまり鯨で生き延びた経緯がある。給食はもちろんのこと、
庶民のすき焼だったり、塩干物屋の店頭にコロが山と積まれていたり。杉浦茂の漫画にはモグモグとカツ丼食って「なんだ、クジラかよ」とボヤく場面があった。
時代は経て、今やすっかり高級品になった、鯨。


尾の身の造り  歯に染みとおるルイベ状態。



さえずり(舌)煮  ふにゃっとしてじゅわっ・・・

ここの店はナガスクジラと、ミンククジラを使う。
さえずりはたぶん、ナガス。



かぶら骨(軟骨) コリッとして、サメの軟骨も似てる。酢の物で。



竜田揚げ  出ました給食の大定番。
当たり前だが、こんなに上品ぢゃなかった。悪くないよ。



鯨ハンバーグ  まったく鯨らしからぬ挽肉。これはこれで旨い。
しいて言うと、レトルトのイシイのハンバーグを品よくした感じ。



土手焼き  これも鯨とは思えない。
こういう言い方は鯨に失礼だなぁ・・・しっかり手をかけてある。



徳家の看板商品、ハリハリ鍋のだし。

農文協の「聞き書き大阪の食事」を見てみたが、大阪庶民のハリハリ
鍋はもっとだしがなくて、いわばすき焼きの鯨版がハリハリだ。
こいつは大西睦子さんが工夫した料理屋の発展型といえる。
だしに鯨の脂と、黒コショウ、ハラペーニョがひと欠けら。


水菜がてんこ盛り!ミンククジラの赤身に片栗粉を叩き、
熱湯をくぐらしてある。こうすると味も抜けない、ぱさつきもしない。


しんなりしたら、食べどき

掛け値なしで旨い。臭みみたいなものは全くなし。

黒コショウ、ぴりっとした辛味が鯨のクセの出るだしをぐっと締める。



シメは特注した細うどん


とろろ昆布と葱が入り、あっさりとしながら奥行のある、こういう味を
大阪弁でまったりという。まさに大阪の味わい。

しかし、しいていうと、そんなに俺、鯨って好きでもなかったことを
思い出した。郷愁の中に鯨の一文字はない。
食べ終わっても鯨の香りが店内に充満してるのに、やや食傷。
やっぱり、ほんとにたまに、変わったものを食べたがるお客を連れて
行く時のものかもしれない、オレにはね。

だからといって、直ちに鯨を食べるのをやめてもいいとは思わぬ。
ひとの国の食文化に対して高圧的にとやかく言う連中は好きぢゃない。土中の虫を食うアボリジニをとやかく言い、韓国の犬鍋を批判したり、スウェーデンのニシン酢漬け(シュールストレミング)を世界一臭いとか、食べもせず騒ぐ連中も実は嫌い。まず、食えって。

      
         鯨料理「徳家」   中央区千日前1丁目




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