予約がとれぬ中華の店「一碗水」。予約受付日に必死こいて電話してるのに電話がつながらず、この二ヶ月袖にされ続けた。
え~い、もうええわい!と思ってたら、知人から空席案内が舞い込む、しかも季節限定上海蟹を味わい尽くす会という。なにをか言わんや。
くくく…(泣く)
あんなに冷たくされたのに、いそいそと出かけるワシに矜持というものはないんか。はい。
遅れて到着すると、福島の鉄板焼き屋・京都のフレンチ・神戸の割烹・TV制作者と写真家のヨメ・京都の摘み草料理の主人夫妻・編集者・ソムリエ・ミナミのうどん屋・ミナミの串焼き主人…その末席に私。
まず歯ざわりから。加賀れんこん、海老の卵がまぶしてある。
三陸の牡蠣湯引きオイスターソース。 プニュプニュと太った牡蠣。
香草が見事にマッチ
看板料理の一つ酢豚。 黒酢が濃厚でチョコレートのよう。
指で掬って舐め回した。
上海蟹の紹興酒漬。日本酒なども入り、複雑な旨み。
10日もつけると身にまで味が沁みこんで、華やかかつ玄妙な味わい。
さすがは美味珍味の上海蟹。
黄色いのが内子、黒く見えるのが外子。
居並ぶ料理人も無言でチューチューしゃぶる。
蟹が忙しくて、紹興酒を持つ手も停まりがち。菊も食用菊。
手鎖の格好で囚われではるばる海を渡ってくる上海ガニ。
日本でいうモクズガニと同じ種類の淡水にいるカニ。
あるじ南さん、紹興酒をふりかけて、こいつを今から蒸すという。
手前の毛深いのがオス、上の小ぶりなのがメス。
パキッ…ポキッ…ムシャッ…ガリッ…チューチュー…
う~~む!火の通り具合が絶妙。
戦場、兵尾どもが夢のあと。
猫もまたぐ残骸のみが残った。成仏してくれぇ…。
蟹味噌と豚肉の白玉、金華ハムの上湯スープ 雪菜
ツルンとした見事な食感に質問が飛ぶ。
豚のラードが練り込まれているという。細かい芸。
赤ボタン海老 卵白、海老卵、海老みそ、銀杏、百合根
豚肉、カニ、蟹味噌も入った肉団子と春雨の土鍋煮込み。
アツアツ…
百合根となんかのスープ ちょい、しょっぱい
今日も孤軍奮闘。料理からサービス、洗い物まで。
ストイックに料理と向き合う南氏。
これを見ると袖にされていた悔しさもぐっと飲み込んでしまう。
ちょっとだけ顔見てボヤいてもうたが。
上海蟹の炒飯。味噌も卵も鶏卵も入って、圧巻!
中国クレープ、バナナ、小豆、南瓜の種。
相変わらず隙がないというか、一種凄みを感じた、
あるじの上海カニ料理オンパレード。
シメに生姜茶。カニは陰陽五行では体を冷すといわれている。
いやぁ~当分上海蟹いらん。ごちそうさまでした!
月曜休みの料理人たちなので、マンデーホリデイ会にしようということになり、にわかに会ができてしまう。ワシみたいにエブリデーホリデー会の奴もいるというに・・・。
一碗水(イーワンスイ) 大阪市中央区安土町