勝福寺 Gikoohの日替わり法話

山寺の住職、Gikoohが日々感じたことを綴っております。
(プロフィール用の落款は天野こうゆう僧正さま彫刻)

Gikoohの義の時間 前半(草餅編)

2021-05-21 21:35:59 | Weblog

毎月21日はお大師様の日。朝7時より御影供を勤修し、今、こうして無事に過ごせていることへの感謝と、社会の闇夜が明けて爽やかな朝が迎えられる日を願った。しかし、Gikoohが拝みながら感じるのは世の片隅で小さな祈りを捧げても大きな壁は乗り越えることは難しい。政府や自治体が施主となり、法力を持した志のある僧侶を選抜して的を射た新型コロナウイルス収束法会を行うことが、意義ある一手になるのではと感じる。ワクチン等、科学の力だけに期待する部分的な考えを戒めなければ、この国難には立ち向かえないのではなかろうか。

さて、先週12日(水)にご来寺されたお客様より「草餅」と「比叡のお猿さん」という上品で珍しい珍菓を頂戴した。比叡山延暦寺をはじめ、近江神宮、日吉大社等の御用達である「鶴屋益光」という老舗のお菓子屋さんで、Gikoohには初物。今回はGikoohなりの義の表現で、この草餅と比叡のお猿さんのことを2つとも紹介したいのだが、先ずは草餅の話を。

 

草餅は、2畳の茶室「正庵」でお抹茶と共に戴くことにした。お掛けは千利休ご尊像。花入れは古伊万里。お花は芍薬と黒梅。香合は小さくて殆ど見えないけれど備前獅子香合。

お菓子を入れる菓子器はGikoohの心の師、故・林鶴山氏の欅拭漆八角喰籠。樹齢が450年~500年ともいわれる欅の喰籠は、そこにあるだけで高貴な雰囲気を醸し出す。器は主役のお菓子を存分に引き立てる大切な役目がある。

  

ご来寺される方々にもいっぷく振る舞いたかったが、草餅の消費期限が短いのと時世柄、今回は寺の人間で大切に戴いた。蓬の良い香り、上質な餡、ふくよかな食感がたまらなかった。感謝。

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