勝福寺 Gikoohの日替わり法話

山寺の住職、Gikoohが日々感じたことを綴っております。
(プロフィール用の落款は天野こうゆう僧正さま彫刻)

Gikoohお茶会へ

2010-11-07 22:09:54 | Weblog
今日11月7日は立冬。暦の上では冬を迎えた。この前まで夏だと思っていたのに、1年の流れが速い。

写真は、6歳の長男。今日は仏具を磨く際に子供に声を掛けたところ「やりたい」というので一緒に磨いた。勝福寺の仏具磨きは本磨き→仕上げ磨き→乾拭きと3段階の工程を経るのだが、子供には乾拭きをさせてみた。仏具磨きは根気がいるのだが予想外に粘りがあって感心した。その他は如常の1日。

昨日6日(土)は晩秋の晴天のもと、倉敷市美観地区で開催された「第25回国民文化祭・おかやま2010 / 茶道フェスティバル」へ出かけた。この茶会は3日(文化の日)に行われた玉島会場と、6日の倉敷会場と2会場のうち、Gikoohは倉敷会場へお茶の先生とご一緒させて頂いた。

久々に訪れる美観地区は多くの観光客で賑わっており、とても活気があった。お茶席の会場となるのは「新渓園(大原美術館)」「アイビースクエア」「寺院」の3か所。お茶席毎に流派が異なり、趣向も様々で楽しかったのだが、そのなかでも印象深かった新渓園会場について感想を書きたいと思う。

新渓園は数寄屋造りの伝統和風建築で日本庭園を構えている。かつて大原美術館の創設者・大原孫三郎氏の別邸だったが、後に倉敷市に寄贈された。現在では茶会や文化交流を深める上において、内外共になくてはならない重要な役目を担っているという。

受付でお席券と半券を交換して頂き中待合へ。新渓園は一席70名の大寄せで席毎の総入れ替えとなるため、前席が終わるまでは心静かに過ごす。着物姿のご婦人、観光客、学生など客層は様々だ。お茶の時間は非日常のひと時だからか、待つ時間も楽しい。

やがて声が掛かると茶室へ。56畳の大広間は洗練されており、Gikoohの席からお点前を拝見することは叶わなかったものの、雰囲気は伝わってきた。全員が着座して準備が整い、亭主の一礼と共に総礼。この一つの所作からでも感じ取れる凛とした空気感に、さすが日本の最高文化の1つだと思った。その後は作法が進むにつれて、お菓子、お抹茶が運ばれ有難く頂戴した。お茶席へ運ぶたびに思うのだが、席を彩る着物姿の男性・女性共に何とも言えず上品で、この雰囲気だけでも十分に華麗だ。

その後は、掛軸、時花、香合、茶入、茶杓、釜など一連のお道具を拝見してお茶室を後にした。この日は、気品高いお道具を拝見することも出来たので面白かった。

新渓園は表千家流の倉敷同好会が担当されていて、お点前、お道具類、全体の見渡し役、お運びの方々まで良い意味での緊張感があった。お茶の心はおもてなしと配慮と思っているGikoohの五感は少なからずの影響があった。
コメント
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