私たちの明治学院は、
1945年夏に至るまでの戦争において国家体制に追従し、
戦争に協力して多くの学生を死地に送り出した過去をもっています。
その歴史を深く反省し、敗戦50周年の1995年、
学院長は「明治学院の戦争責任・戦後責任告白」を行い、
真の平和をつくりだすために努力することを誓いました。
私たち明治学院有志は、20年前に先達が行ったこの告白を引き継ぎ、
侵略戦争と植民地支配への償いを充分におこなわなかった戦後日本の責任を自覚しながら、
現在国会で審議されている安全保障関連法案
(以下、この法案)に対して、反対の意志をここに表明します。
この法案の基本は、
従来憲法違反とされてきた「集団的自衛権」を合憲だと強弁することによって、
世界各地で米軍の「後方支援」すなわち戦争の兵站任務を、自衛隊に担わせることにあります。
この政策転換は近隣諸国の警戒心を強め、諸国の軍拡勢力に口実を与えて、
逆に戦争を招き寄せてしまうおそれがつよい、と私たちは考えます。
政府・与党は、議席数をたのみにして、
憲法違反であることが明白なこの法案の強行採決をもくろんでいます。
日本は、開かれた対話を通じて、合意形成を目指す国であるべきです。
これまでもないがしろにされ続けてきた憲法の平和主義がさらに無力化され、
日本が再びアジア、世界の平和を脅かす存在となる道を開くことを、見過ごすわけに行きません。
日本国憲法の平和主義を私たちの手に取り返し、
真の平和を実現するために、私たちはこの法案に反対します。
呼びかけ人(国際平和研究所、キリスト教研究所所員有志)
秋月望(国際学部)、猪瀬浩平(教養教育センター)、徐正敏(教養教育センター)、
齋藤百合子(国際学部)、高原孝生(国際学部)、田中桂子(国際学部)、
鄭栄桓(教養教育センター)、永野茂洋(教養教育センター)、
浪岡新太郎(国際学部)、服部圭郎(経済学部)、東澤靖(法科大学院)、
平山恵(国際学部)、藤川賢(社会学部)、宮地基(法学部)、渡辺祐子(教養教育センター)
賛同人(順不同)
石原俊、勝俣誠、ナギサデ・モハメド、丸山直起、桜井均、吉原功、
武者小路公秀、森まゆみ、宋立水、大村真樹子、古市剛史、中野佳裕、
鎌田陽司、寺田俊郎、佐藤アヤ子、勅使川原香世子、小沼通二、
原田麻以、箱山富美子、伊藤武彦、松島泰勝、梅林宏道、片野淳彦、
丸浜江里子、森本泉、伊藤るり、岡本雅享、西川潤、橋本敏雄、
小田原琳、戸谷浩、中山弘正、浅川達人
2015年7月6日13時50分現在
明治学院関係者(学生・教職員・卒業生など)に、この声明の賛同者を募ります。
賛同いただける方は、国際平和研究所までE-mailもしくはFaxで連絡をお願いします。
その際、名前(公表可・不可を明記)、
明治学院における所属(在学時のものでも可)をご記入お願いします。
連絡先 明治学院大学国際平和研究所
prime@prime.meijigakuin.ac.jp
Fax: 03-5421-5653