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夏の茶事 その2「懐石」

 懐石は、正式の茶事で出される料理のことで、その昔

修行中の僧侶が温めた石を抱き、一時空腹をしのいだことから

来ている言葉だといわれています。

茶会で出される懐石は、元来、一汁二菜で、飯と汁、香の物に、

向付と亭主の心入れの一品を加えたものになります。

現在ではもう一品加えて、亭主相伴の前に出す菜を二品にする形が

一般的となっています。

◆膳を運ぶ

亭主は茶道口で「時分どきですので、粗飯を差し上げます。」と

あいさつし、自ら懐石の料理を運びます。 

膳を運び終われば、亭主は戸口から「お取り上げを」との一礼をします。

▲向付(むこうづけ) 汁 飯

客は互いの会釈のあと、椀のふたを開け、飯の一口を最初にいただいたあと、

汁をいただきます。汁椀の飲み口は懐紙で清めて蓋をします。

飯は常に椀に少し残します。

「向付」は、亭主が酒を一献持ち出してからいただく酒の肴です。 

 ▲煮物 焼物 強肴

「煮物」は、懐石の中心となるものです。すまし汁の味付け、椀種の季節感とともに

もてなしの心が凝縮されています。

「焼物」は、取り回しされる焼物には魚がよく使われます。

「強肴」は、酒の肴、炊き合わせ、和え物など、亭主の心入れがひとしお伝わる料理です。

 

▲八寸 

亭主相伴が済むと、酒盃を用いての盃事を引き続き行います。

まず吸い物ですが、箸洗(はしあらい)とも呼ばれます。

頃合いを見て八寸と酒を持ち出します。

「八寸」は、生地八寸の盆に、なまぐさ(海のもの)と精進(山のもの)の

肴を盛り付けます。

▲千鳥の杯

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