ふるまご呉服店
三重県津市上浜町2丁目62
電話(059)228-3996
和風生活 かやくごはん
夏の茶事 その2「懐石」
懐石は、正式の茶事で出される料理のことで、その昔
修行中の僧侶が温めた石を抱き、一時空腹をしのいだことから
来ている言葉だといわれています。
茶会で出される懐石は、元来、一汁二菜で、飯と汁、香の物に、
向付と亭主の心入れの一品を加えたものになります。
現在ではもう一品加えて、亭主相伴の前に出す菜を二品にする形が
一般的となっています。
◆膳を運ぶ
亭主は茶道口で「時分どきですので、粗飯を差し上げます。」と
あいさつし、自ら懐石の料理を運びます。
膳を運び終われば、亭主は戸口から「お取り上げを」との一礼をします。
▲向付(むこうづけ) 汁 飯
客は互いの会釈のあと、椀のふたを開け、飯の一口を最初にいただいたあと、
汁をいただきます。汁椀の飲み口は懐紙で清めて蓋をします。
飯は常に椀に少し残します。
「向付」は、亭主が酒を一献持ち出してからいただく酒の肴です。
▲煮物 焼物 強肴
「煮物」は、懐石の中心となるものです。すまし汁の味付け、椀種の季節感とともに
もてなしの心が凝縮されています。
「焼物」は、取り回しされる焼物には魚がよく使われます。
「強肴」は、酒の肴、炊き合わせ、和え物など、亭主の心入れがひとしお伝わる料理です。
▲八寸
亭主相伴が済むと、酒盃を用いての盃事を引き続き行います。
まず吸い物ですが、箸洗(はしあらい)とも呼ばれます。
頃合いを見て八寸と酒を持ち出します。
「八寸」は、生地八寸の盆に、なまぐさ(海のもの)と精進(山のもの)の
肴を盛り付けます。
▲千鳥の杯
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