ブログ「風の谷」  再エネは原発体制を補完する新利権構造

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山梨県知事への住民の手紙~広大な森林を皆伐破壊し、見渡す限り太陽光パネルを並べた北杜市の姿に心痛

2016-05-20 | メガソーラー自然破壊

地図 

 

知事への手紙   より引用(太字強調は管理人)

平成28510

山梨県知事 後藤 斎 殿                                                     

      各関係課長 殿                                                       


謹啓 私は北杜市小淵沢町在住の52歳、樹木医・林業関係者・森林インストラクターとして森と樹木の手入れと保全管理を生業としている個人事業者です。小淵沢町に身を置くようになって30年以上となりました。家族は5人、3人の子供たちは小淵沢東保育園にはじまり、小淵沢小学校・中学校・県立高校そして長男・長女も現在は東京で下宿生活の大学生という家族です。

この五月、大型連休は天気にも恵まれて観光地・別荘地でもある小淵沢町には今年も内外から多くの人々が来訪してくれました。私の県外の友人も幾人も来訪がありました。

そのほとんどの方たちから「北杜市はどうしちゃったの」「山梨って緑の森林こそが魅力だったのにねぇ・・・。」と声を揃えます。

つまり何十年、何百年もかけて育まれた広大な森林を重機械であっと言う間に皆伐破壊して、見渡す限り太陽光パネルを並べてしまったという八ヶ岳南麓一帯北杜市の大地の姿に驚愕し心を痛め、怒りと哀れみとともに同情と心配を吐露されてしまったのです。

北杜市にはもう10年来「地球温暖化防止推進協議会 (通称グリーン北杜)」という半官半民の組織があります。私もその市民メンバーとして活動にかかわってきました。未来へ向けての良いことのはずなのに残念で深刻な結果が現実となっています。

個人的に長年にわたり自然環境や森林の保全、林業の活性化を生業として、またはライフワークとしてきた私には自然エネルギー・再生可能エネルギーの賢明な推進と導入には賛成するものの、「森を壊して太陽光開発、 森の木々を伐りつくして木質バイオマスエネルギー無秩序利用」は完全なる本末転倒の愚かな事業と確信します。

現代日本人は「経済合理性」を皆で揃って勘違いしていると思います。山梨県森林環境部は、かつて21万本の植樹を旗振りし県民に森林意識の向上と行動を求め、旧小淵沢町は環境基本条例を制定して「エコマナーブック小冊子」まで町民配布をしました。その7つの指針の第4項で「森林を減らしてはならない」と町民にはっきりと環境規範の順守を求めました。

当時の小学生には授業でも故郷学習として教えたものです。また、山梨県が5年前に予算計上して専門家に作成させた「山梨県自然エネルギー賦存量報告書」では、利用制限が伴っている森林と農地は太陽光パネルの設置場所としては不適であり適地からは除外、建物の屋根に重点的に設置導入するとなっています。

問題のメガソーラーは県内でたった2箇所程度の可能性が考えられる、と明記されています。県が最近作成し提示した「太陽光適正導入ガイドライン」の内容では、極めて限定的なごくあたり前の抑制しか期待ができません。県民が森林保全を目指す意識の向上を阻害し、実質的には森林環境の保全を軽視することを助長すらしていると考えます。

これら一連の政策や県民に示された行政方針と北杜市内の近年の森林大地の蹂躙、森林皆伐破壊の現状との矛盾についてその整合性をどのように説明されるか、県としての現在状況の検証と結果の分析について教えてください。

(1) 経済産業省が、国費を投じて電力事業参入への誘惑として有利な固定価格買い取り価格を掲げ県外資本や事業者を煽り、すでに4500件を超える太陽光事業認可が下りていると言います。このうち既に市内で1000件超が森林皆伐など着工に至ってしまいました。

これから12年のうちにさらに3500件もの工事が予定されています。驚愕の数字です。単純に考えて北杜市の里地の森林はすっかり無くなる程の面積です。これは、県有林だけ守れれば良いという話ではなく、個人所有民有林の深刻な事態です。私はこのあまりの事態に有利な条件の認可枠を乱発した経済産業省・新エネルギー政策課に問い合わせをしてみました。

すると経産省では有利な買い取り価格枠を与えただけでの太陽光パネルの設置場所が森林だろうと農地だろうとどこに、どのように設置するか、経産省は一切関知をしていない。それは地元の山梨県や北杜市、そして農地や林地であれば農水省などの指導や地元としての土地利用の問題であり、山梨県がどのような方針を持っているかは興味もないし承知していない、と恐ろしくも明快な物言いの回答でした。

それでは県や市の土地利用の考え方次第で結果が大きく左右されるということになります。地方自治体の首長の責任は重大です。山梨県知事および森林環境部としての現行の土地利用の考え方と問題意識、今後の課題について県民向けの説明として具体的に教えてください。

(2)近未来の県土の発展と県民の真の幸せを実現していく時、内外の交流や人的な移動、世界の叡智との大いなる交流を実現しつつ、地域の新しい時代のコミュニティを根づかせていくことが大切と考えています。その意味で、後藤知事が主要な政策課題に掲げている「人口減少社会において将来にわたり山梨の発展を維持していくためには、経済活動を支える定住人口の維持や多くの交流人口を呼び込むための魅力ある地域づくりが不可欠である」との移住・定住・交流の公約を支持するものです。

しかしながら山梨県の地誌の最大の魅力である「森の豊かさ」「水の清らかさ」「冷涼な空気感」を明らかに損なうような森林の破壊と蹂躙の現在進行形の無秩序無計画な開発事業について、現在時点で山梨県はこれを「是」とするのか、それとも必ずしも健全な開発とは考えていないのか、そうであれば事態改善のための具体策は何か、現状をどのように分析し、今後どのような県としての旗振りを考えているのかを具体的に教えてください。

(3)後藤知事から誠意ある回答をいただき、こうした現状に対する善処へむけての賢明且つ有効な手立てと具体策が示されれば、私たち県民は知事のリーダーシップのもと県政に協力し大いに地域と現場で汗をかき、山梨県民の発展と幸福に少なからぬ貢献をしたいと心から考えています。

私の家族、長男は現在大学4年生、卒業後は山梨に戻って活躍したいとの夢も持っています。昨年の夏休みに一時帰郷した際、彼にとっては幼いころから心に刻まれた故郷の緑の森の心象風景が、あまりにも激変してしまった故郷の大地の姿を目のあたりして「これは僕の故郷ではない・・・」と涙を流して残念がっていました。

若者が寄りつかない、山麓地域としての魅力が失われる、観光客も減り素通りする、自然の豊かさも水の循環も生物の多様性も失われ、いやしの景観も台無しでは、もはや山梨の発展はあり得ません。

この若者の心痛みを知事には必ずや共有していただけるものと信じています。

                                                                               頓首


上記 (1)(3)の具体的回答を求めます。後藤知事の心の言葉を是非示していただきたいと思います。                                  

  山梨県総合政策部:  秘書課長  政策企画課長  地域創生人口対策課長

  山梨県森林環境部:  森林整備課長  みどり自然課長  林業振興課長   

(知事の見解 および関係部分につきましては上記各課の見解をお知らせください。)


                          北杜市 小淵沢町  安藤 義樹

 

(管理人より) 山梨県北杜市小淵沢町在住の樹木医さんのブログより転載させていただきました。

この手紙の中に、私とは意見の相違があるということは、当ブログの読者の方はおわかりと思いますので、あえてここでは書きませんが、太陽光発電による自然破壊の深刻な実態を、住民の方が行政に対して手紙で訴えている内容は、日本中の人が知らなければならないと思いましたので共有します。 目に余る状態だという証拠でもあります。

山梨県内の状況と取り組み  以下はブログ冒頭の画像の場所

北杜市太陽光発電の実態写真   より

 

「自然破壊をやめ、ふるさとの自然を守って欲しい」という思いは私も同じです。私もいつもいつも山の中のメガソーラーを見つけるたびに打ちのめされ、心を痛めています。 

小淵沢の住民の方からの情報が2件よせられました。

「南山麓から清里までソーラーが設置され、景観がパネルでピカピカの状態になってしまった。動物達が山から出てきて畑を荒らし、ついに農業をやめた人もいる」

「家のそばの木々がメガソーラー建設の為に伐採され、涼しかった夏は暑く、冬は積雪、気候まで変わった気がする。近隣で問題になっている」

 

ということでした。さらに自宅周辺にメガソーラーがいくつも作られ、今も増え続けている地域に住んでいる山口県の友人からメールが来ました。

 

「メガソーラー急増による生物への影響が現実に出てきました。自分の目の前に。

ウチは田舎で、10年くらい前から猪はときどき出てたけど、今年になって急に猪だけでなくキツネ・タヌキ・猿・鹿まで出はじめました。

こんなに何種類もの動物が一気に出はじめたのは、山にメガソーラーが設置されたから。

パネルの急増と野生動物の出現が偶然であるはずがないんです。

山の動物達はすみかと食べ物をなくしてしまいました。絶対に日本全国あちこちで同じ現象が起きているはずです。

地元の年寄りも皆「初めてこんな動物を見た」と驚いています。日本の山は本当に変わってしまいました。

山の動物達がかわいそうでなりません。パネルができた所から徐々に逃げてきて、生態系全体が変わってきているんだと思います。」


山口でも山梨でも、動物がこのように住処や餌を奪われています。こういった全国で起きている生態系破壊の現実を直視しなければならないと私は思うのです。

国策で進められている事業は、その地域だけの問題ではないということです。


北杜市で今起きているメガソーラー問題の場所はこちら☟

  

「日本名水百選」に選定されている「八ヶ岳南麓高原湧水群」のひとつです。周辺から湧­水が湧き出しています。この地点が湧水点です。日量約22,000トンを誇るこの「大­滝湧水」は数ある北杜市の湧水の中でも代表的な存在です。

こんな湧水の水源にメガソーラーなんて狂っています。神社の森を伐採するなんてとんでもないことだと私は思います。

山梨県太陽光適正導入ガイドラインの9p~10pに書いてあります☟(青文字)

文化財指定エリア

文化財(国宝、重要文化財、史跡、名勝、天然記念物等)は、私たちの遠い 祖先が生活する中で長い年月をかけて創り出し、守り伝えられてきた文化遺産 のうち、文化財保護法又は県文化財保護条例に基づき指定されたもので、一度 失ってしまえば二度とよみがえることのない、県民の共有財産とも言えるものです。

これらの文化財は、指定登録、エリア指定等の方法によって、適切な保護管理措置が採られており、将来に守り伝えていくべきものであることから、御岳 昇仙峡や早川町赤沢伝統的建造物群保存地区をはじめとした文化財指定エリア内は太陽光発電施設の立地を避けるべきエリアです。 

 

大滝湧水は県民の共有財産です。従ってガイドライン違反。 絶対に作らせてはいけないと思います。 

参考

メガソーラースラップ訴訟 住民の勝訴「住民が反対意見や質問を述べることは当然で違法性はない」の判決

 

地図

メガソーラー計画反対、県に要望【社会/山梨】  山梨日日新聞電子版

大滝の湧水と森を未来につなぐ会のチラシより

 

 



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