自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★吹き荒れる春の嵐と「モンスター・ミサイル」

2022年03月26日 | ⇒ニュース走査

   きょう午後から強風が吹き荒れている。しかも、25度超える温かい風。時折、突風となって樹木を大きく揺らしている。気象台によると、最大瞬間風速は加賀地方、能登地方ともに陸上で30㍍の予想され、きょう夕方までに暴風警報を発表する可能性もあると伝えている(金沢地方気象台公式ホームページ)。北陸新幹線は強風の影響で、午後から長野駅と富山駅の間の上下線で運転を見合わせている。また、北陸本線は強風で小松駅から粟津間の架線に障害物が引っかり、特急「サンダーバード」や「しらさぎ」の上下14本が運休と午後のニュース番組で報じていた。まさに春の嵐だ。

   北朝鮮が24日に発射した新型ICBMは、日本にとって、そしてアメリカにとっても春の嵐だった。岸防衛大臣はきのう25日の閣議の記者会見で、「弾道の重さにもよるが、1万5000㌔を超える射程となりうる。アメリカの東海岸を含む全土が射程内ではないか」「我が国、そして国際社会の平和と安全に対する深刻な脅威だ」と語った。

   BBCニュースWeb版(25日付)は「N Korea claims successful launch of 'monster missile' Hwasong-17」=写真=の見出しで、大型化し全長23㍍と推測されるこの大陸間弾道ミサイルを「モンスター・ミサイル」と表現し、各国の反応を伝えている。ホワイトハウスの報道官は国連決議に反する「brazen violation」(恥知らずな違反)と述べ、国連のグテーレス事務総長も「地域における緊張の著しいエスカレーション」と述べたと伝えている。

   その国連では、25日に北朝鮮のICBM発射について安保理の緊急会合が開催された。アメリカ、イギリス、フランス、アルバニア、アイルランド、ノルウェーなど欧米の加盟国は安保理の決議違反として非難。アメリカは制裁を強化する決議を提案する方針を打ち出した。しかし、常任理事国の中国とロシアは追加制裁に反対し、中国は「むしろアメリカと北朝鮮は直接対話をすべきだ」と述べた。追加制裁の実現は難しい(26日付・テレビ朝日ニュースWeb版)。

   ICBMに不可欠なのは核弾頭だ。今後、核実験もICBMの発射実験と並行して繰り返していくだろう。さらに、これまでの日本海への着弾だけではなく、日本列島を飛び越えて太平洋への撃ち込みも狙っているのではないか。どんどんエスカレートしそうな気配が漂う。前述のグテーレス氏が危惧している「エスカレーション」はこの意味ではないかと解釈している。

⇒26日(土)午後・金沢の天気    くもり時々あめ

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