二十四節気の一つ「処暑」のころだが、暑さが和らぐどころか猛烈な暑さがきょうも続いている。金沢の自宅近くにある街路樹通りの気温計は「37度」を示していた=写真・上、午前11時51分撮影=。「暑さ寒さも彼岸まで」と伝えられているが、秋の彼岸の中日とされる秋分の日(9月22日)ごろまでに暑さが収まるのかどうか。
元日の能登半島地震で、ある意味で震災のシンボルとなっているのが輪島市中心部で倒壊した漆器製造販売業「五島屋」の7階建てビルだろう。その倒れ方は壮絶だ。地面下に打ち込んで固定されていたビルの根っこ部分にあたるコンクリートと鉄による杭(くい)の基礎部分がまるでゴボウ抜きしたようにむき出しになっている。まったくの素人目線なのだが、バランスを崩して根っこから倒れた、そんなように見える=写真・下、2月5日撮影=。
その五島屋ビルを解体する方向で動き出している。けさの新聞メディア各社の報道によると、公道の一部を塞いでいるビルの上層階部分から段階的に解体を進めていく。しかし、公費解体を進める輪島市役所によると、年内に着手はするものの、本格的な解体作業は年明け以降になるようだ。その遅れの理由となっているのが、ビルが倒れた原因についての調査だ。倒壊によってビルに隣接していた、3階建ての住居兼居酒屋が下敷きとなり、母子2人が犠牲となった。押しつぶされた店の男性店主はビル倒壊の原因の調査を国や市に求めていて、原因が明らかになるまでは撤去しないよう申し入れている。遺族の思いとすれば、ゴボウ抜きのような倒れ方に納得がいかないのだろう。
一部報道によると、2007年3月25日の能登半島地震でもビルが揺れ、五島屋の社長は以来、ビルの耐震性を気にしていた。実際、地下を埋めて基礎を強化する工事も行っていた。それが倒壊したとなると、社長自身もビル倒壊に納得していないのではないか。
7階建てのビルは築50年。なぜ、震度6強の揺れに耐えきれずに根元から倒れたのか。今後、調査によってビル倒壊の原因が分かってくれば、責任の所在もおのずと明らかになるだろう。現地では、国交省が外観や基礎部分の調査に着手し、近くボーリング調査などが始まる。
⇒23日(金)午後・金沢の天気 はれ
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