「こまめに水分や塩分を取るなど熱中症対策に万全を期してください」。テレビで各地の猛暑を伝えるたびに繰り返されるこのコメント、正直もう聞き飽きた。この「こまめに」というフレーズが出てくると、「分かったよ、もういい」とつい思ってしまう。もっと他の言い方はないのだろうか。たとえば、「ひんぱんに」とか「ちょくちょく」とか「たびたび」とか。「こまめに水分」はこの夏の流行語大賞か。もっと言葉のバリエーションがほしい。
それにしてもこの猛暑だ。きのう29日午後3時ごろ、山手の金沢大学周辺で乗用車の温度センサーは外気温37度だった。この暑さは記録的なのだという。7月1日から26日までの平均気温は28度(速報値)で過去最高。統計を取り始めた1882年以降で、金沢の7月の平均気温がこれまで最高だったのは1978年の27.5度。また、平年(1981-2010年の30年間の平均)と比べると、なんと2.7度も高い(7月28日付・北陸中日新聞)。
かつて「うだる暑さ」という言い回しがあったが、そのような生易しい言葉は通用しなくなり、最近はもっぱら「猛暑」や「酷暑」が使われている。
「猛暑」は公用語にもなっている。気象庁は天気予報や解説などで予報用語を使っているが、最高気温が35度以上の日を「猛暑日」と定義して、2007年4月から使っている。これまでは最高気温が30度以上の日を「真夏日」としていたが、最高気温が35度以上の日が1990年以降急増したため、レベルアップした用語が必要となった。もちろん、用語の場合は定義が必要なので35度以上とした。
でもその「猛暑日」ですら生易しく感じるようになってきた。金沢に住んでいても35度超えは驚きではない。関東や東海地方では40度超えが続出。今月23日には埼玉県熊谷市では気温が41.1度まで上がった。こうなるとさらにレベルアップした用語が必要となる。40度以上の日を何と称するのか。気象庁の予報用語はまだない。
熱中症の危険度を判断する国際指標が「WBGT(暑さ指数)」では28度を超えると熱中症患者の発生率が急増するという。40度以上になれば暑さというレベルを超えて「災害」ではないだろうか。熊谷市で41.1度を記録したこの日、気象庁の予報官が記者会見でこう述べていた。「命に危険をおよぼすレベルで、災害と認識している」と。深刻な発言に思えた。では、40度以上の日、これを「災暑日」としてはどうか。
写真はきょう午前10時30分ごろの太陽。樹木の上から激しい日差しが照りつける。周囲の赤い光玉は、強い光源が画面内に入り込むと、カメラのマイクロレンズに反射した光がカバーガラスに二次反射して格子状や赤玉のゴーストが写り込む。ネットで検索すると、このゴースト現象は「サッポロポテト現象」と呼ばれている。カルビーの商品「サッポロポテト」のポテトチップスと形状がよく似ていることからカメラマンの間ではそう呼ばれているようだ。きょうも金沢は37度を超えそうだ。
⇒30日(月)午前・金沢の天気 はれ