地元石川県津幡町出身の大の里が大関昇進後で初めての優勝を飾った。けさの地元紙は一面を「大の里 3度目Ⅴ」の大見出しで、「来場所綱とり」と横綱昇進を期待している。1面のほかに4面にわたって写真グラフと関連記事を掲載している。もう一紙も「大の里 優勝」の大見出しで、社会面では地元津幡町の「次は横綱」の声を紹介している。
千秋楽はじつにドラマチックな勝利だった。結びの一番で大関・琴櫻と対戦。11勝3敗の大の里は、土俵中央で琴櫻に激しくぶつかり、そのまま土俵際まで追い込んで寄り切りで勝ち。そして、12勝3敗で並んだ前頭4枚目の高安との優勝決定戦に。大の里は、高安にまわしを取られて重心を崩されたものの、立てなおして送り出しで勝った。3場所ぶり3回目の賜杯を手にした。
それにしても「荒れる春場所」だった。10日目で1敗で優勝争いのトップに並ぶ大の里と髙安が激突。大の里の投げは髙安を呼び込む形になり、髙安が体を預けながら寄り切った。「勝ち急いだ。焦りました」と大の里は苦り切った顔でインタビューに応じていた。13日目で大の里は王鵬の押し出しに敗れ、3敗に後退。13日目を終わって、2敗で高安が単独トップに立ち、3敗の大の里が追うことに。高安は大関経験者でもあり、14日目には初優勝を決めるのかと思われていたが、平幕の美ノ海に敗れて3敗に。大の里が大栄翔に押し出しで勝って3敗に踏みとどまった。大の里と高安は3敗で並んで千秋楽を迎えた。
優勝争いから一歩後退しながらも、再びトップに並び、混戦の場所を制した大の里は24歳。勢いのある風情は2023年夏場所に幕下で初土俵を踏んだときから漂っていた。同じ年の秋場所で十両に昇進したときもずっとざんばら髪だった。2024年の夏場所からはちょんまげで土俵に上がり、同年の秋場所で2回目の優勝を果たして大関昇進を決めた。以降も髪型は変わらず、「ちょんまげ大関」と呼ばれていた。大銀杏の姿を披露したのはことし1月の初場所だった。史上最速と称されたスピード出世に髪の伸びが追いつかなかったのかもしれない。この勢いで「綱とり」に期待したい。
⇒24日(月)午前・金沢の天気 はれ