自在コラム

⇒ 日常で観察したことや環境問題、金沢大学での見聞、マスメディアとインターネットについての考察を紹介する宇野文夫のコラム

★ブログの技術⑰

2005年12月31日 | ⇒ノウハウ検証

  この「ブログの技術」のシリーズはいかにしてブログを長く続けることができるか、つまり日々書くネタをどのように発掘していけばよいのかを中心にまとめている。いかに、短期にアクセスIP(訪問者)数を稼ぐか、ではない。逆に長く続ければ徐々に訪問者も増えてくる。

       テーマ「統計・データを操る」  

  正直言えば、2005年12月18日から24日の1週間の「自在コラム」の閲覧数は3222、アクセスIP数は527である。「人気ランキング」などには登録していない。職場の同僚から勧められたが、「オレはランキングを稼ぐためにブログを書いているのではない」という意思がどこかにあって二の足を踏んでいる。地味なコラムの割にはよく訪問者があり、ありがたいと思う。「自在コラム」は派手さより、渋さを出していきたいと思う。それを一年の締めくくりにしたい。

   今回の「ブログの技術」のテーマは、日常のトピックで発表される統計や数字を拾ってブログに生かす技術だ。この統計や数字というのは実に使い勝手がよい。たとえば、12月27日付の「外は大雪 中では『知の集積』」で、「金沢市内でことし雷を観測した日数は今月25日現在で71日に上り、統計を取り始めた1886年(明治19年)以来、史上最多となった」と書いた。この数字は記録づくめのこの12月を象徴する数字で、31日以降でその記録更新などテーマにすればもう一本ブログは立つ。

   このような気象的な統計のほかに、総務省消防庁が27日に発表したこの冬の大雪による被害状況では、死者は北陸を中心に26人、負傷者は重軽傷合わせて280人に達している。死者数は福井県9人、新潟県5人、秋田県3人など9県に及び、除雪作業中の事故が目立つ。停電は、東北、北陸、関西電力で合わせて137万戸。水道の供給停止は6万戸だ。記録ラッシュだ。

   こうした統計や数字をブログで拾って掲載して置くと、後に比較対象したりする際に役に立つ。ブログ内の検索をかければ即出てくるので便利だ。何年か後にまた大雪があった場合、「あの2005年12月の際は137万戸が停電し…」といった具合に使える。数字はネタとして生きる。

   長い人生の中で、ブログというものを「人生のメモ帳」ぐらいに位置づけておけばよいのかもしれない。ちなみに「自在コラム」でよく使う統計は総務省の2005年3月末時点の国内ブログ利用者数だ。4月からブログを書き始めこれまで188本、そのうち今回を含め実に6回も使っている。振り返れば、2005年は「ブログの年」だったのである。

 ⇒31日(土)朝・金沢の天気    くもり      

コメント (1)

☆忘・新年会の「戦略ラーメン」

2005年12月29日 | ⇒トレンド探査

  今月は毎度の事ながら、手帳の書き込みに「忘年会」の文字が多い。「何回忘年会をしたら年を越せるのか」と家族にはぼやきながら、実は誘いを断ったことがなく、時には「はしご」までしてこまめに顔を出している。

   問題は二日酔いだ。酒の種類と量の調合を間違えると「三日酔い」になることも。こんな時に重宝しているのが金沢市に本社がある「8番ラーメン」の酸辣湯麺(サンラータンメン)だ。このラーメンを食べるとなぜか二日酔い独特の不快感や嘔吐感が随分と楽になる。この「効能」を知ったのが2年間の冬。それ以来、二日酔いの日の昼食には職場近くの「8番ラーメン」にお世話になっているという次第。

   この酸辣湯麺が二日酔いに効くのは、酢の酸味とラー油に秘密があるのではないかとにらんでいる。特に、同社が開発したラー油「紅油」はゴマ油と赤唐辛子をベースに桂皮(シナモン)、陳皮(ミカンの皮)、山椒が加えてあるそうだ。 二日酔いの症状がひどいとき、この紅油をさらに3さじ足して食すると、目頭の辺りが熱くなり、額にうっすらと汗がにじんでくる。この瞬間から徐々に爽快感が出てきて、不快感が次第に和らぐというのが二日酔いからの回復のプロセス。お代600円の「漢方」とでも言おうか…。

  この酸辣湯麺は冬限定の季節商品なので、私は密かに「8番ラーメンがこの効能をよく研究して、忘年会や新年会のシーズンを狙って出している季節の戦略商品ではないか」と思っている。

   ところで、8番ラーメンは東南アジアのタイに60店、香港5店、台湾2店、中国の上海と青島にそれぞれ1店、マレーシアに2店の合計71店も店舗展開をしている。本拠地の石川県(65店)を抜いて、アジアでブレイクしているのだ。恐るべし8番ラーメン…。

⇒29日(木)夜・金沢の天気     くもり

コメント

★外は雪、中では「知の集積」

2005年12月27日 | ⇒キャンパス見聞

  雪のまぶしさを久しぶりに感じた朝だった。雪原の純白さと、空の青さがなんとも言えぬ透明感があった。透明に近いブルーなのだ。この光景が目にしみて涙が出た。

   私のオフィスである金沢大学創立五十周年記念館「角間の里」はご覧の通り雪と調和して悠然としたたたずまいを見せている。何しろこの家屋は豪雪地帯である白山ろくで風雪を刻むこと280年の古民家を移築、再生したものだ。雪中にあって風格を醸す堂々たる家屋なのだ。

    昨夜、深々と雪が降る中、この「角間の里」であるセミナーが開かれた。テーマは「新技術コグニティブ無線とアメリカの取り組み」。端末が自分で空いている周波数帯を探し出して通信を始めることから、ユビキタスネットやブロードバンドで広く応用が期待される「コグニティブ無線」について、電波の規制改革が進むアメリカの実情を知るのがその内容だ。講師は、米FCC(連邦通信委員会)法律顧問のジェームス・ミラー弁護士。冷え込んだ外とは対照的に、古民家の中は随分と参加者の熱気にあふれていた。

   きょうの新聞各紙で、金沢市内でことし雷を観測した日数は今月25日現在で71日に上り、統計を取り始めた1886年(明治19年)以来、史上最多となった、と報じている。この12月でもすでに17日、雷が鳴り止まぬ日はないといった感じだ。ちなみに、金沢のこれまでの最多記録は2002年の64日。金沢はもともと雷が多く、平年で37.4日でトップ、2番目が山形県酒田市の36.0日だ。

   しかし、雪が降ろうが雷が鳴ろうがそんなことはどうでもよい。雪はいずれ融ける。「知の集積」こそが貴いのだ。雪と「角間の里」の写真を撮りながら、ふとそう思った。

 ⇒27日(火)夜・金沢の天気   くもり

コメント (1)

☆ブログの技術⑯

2005年12月26日 | ⇒ノウハウ検証

  前回のテーマ「タイトルはブログの羅針盤」に引き続き、タイトルをどうひねり出すか、考えてみよう。タイトルが決まれば、ブログの本文は流れるように書けるかのごとく記したが、実際のところ、本文はそこそこ書けたのに、タイトルがいつまでもしっくりこないということもままある。

        テーマ「タイトルをひねる」

  タイトルで一番オーソドックスなのはキーワードの配列だ。いくつかのキーワードをゴロよく流す工夫をする。12月15日付の「自在コラム」のタイトルは「寒波一服 ドカ雪の朝」である。大雪の翌朝、久々に晴れ上がり、写真が存分に撮れた日だった。「ドカ雪」とすることで何か大変なことになっているという印象を持たせる。また、真ん中に「ド」の濁音を持ってくることで言葉のリズムにアクセントがつき、流れがよくなる。これを「大雪」とすると平板な流れとなる。比べてほしい。

   問題は、キ-ワードも浮かばないときはどうするかである。そんな場合はキーワードを創作するしかない。12月20日付の「岩城宏之氏の『運命の輪』」はその一つ。私なりにこだわってつけたタイトルだ。文字を解析しよう。「運命」はベート-ベンの代表作、交響曲第5番「運命」のこと。ベートーベンの連続演奏に「ステージで倒れてもいい」と命をはっている岩城氏の姿をだぶらせたのが「運命」の2文字だ。その演奏に多くのソリストたちがかかわり、そして自分もインターネットを通じてかかわっているので「輪」の字を入れた。何を隠そう、この「運命の輪」はタレントのタモリが出演する番組でよく使う「友達の輪」をもじったものだ。

   キーワードを一つに絞り、それをさまざまに展開することもある。ことし8月の衆院解散前、小泉総理に説得を試みて失敗した森喜朗前総理が苦虫をつぶしながら「かびたチーズ」と称した高級チーズ「ミモレット」は余りにも有名になった。これを「『ミモレットの誤解』と選挙」(8月25日付)、「『ミモレットの和解』と計略」(8月26日付)、「『ミモレットの約束』と同調」(8月27日付)と3本立てにした。シリーズ化しても尽きない選挙ネタだったのである。

   「自在コラム」では、シリーズ化する場合に「続」「続々」のトッピングを用いる場合がある。これで2本立て、3本立てにする。せっかくつけたタイトルを長く生かす工夫である。

   最大13文字と決めて、あれこれと俳句のようにひねり出す。ただし、カタカナは半角にするので少々文字数が増えてもよいことに自分なりにルールを作っている。ブログ本文は書けたが、タイトルがしっくりこないため何度も書き換えることもある。あれやこれやとそれも楽しいものだ。

 ⇒26日(月)朝・金沢の天気   くもり

コメント

★ブログの技術⑮

2005年12月25日 | ⇒ノウハウ検証

  日々のブログを書くとき悩むのがタイトルだ。このタイトルが決まらないことにはなかなか先へ進まないものだ。「goo」で言えば、「ジャンル」⇒「カテゴリー」⇒「本文」が埋まりにくい。今回はタイトル、すなわち見出しについて述べる。

       テーマ「タイトルはブログの羅針盤」

  ブログのタイトルは通常、向かって右、あるいは左の縦の列の「RECENT ENTRY」でラインナップされる。横文字で表記で、「goo」の場合だと文字数は全角14文字分である。つまり、15文字だと下に1文字落ちて2行にわたってしまう。私にはこれが何となくだらしなく、野放図なように感じられ、タイトルは一行で納まるように工夫している。従って、私の場合は★か☆を入れて14字なので、全角で13字である。もちろんタイトルは2行分と決めて、28字での表記でもよい。要は、日々のブログの核心を表現する部分なので、自らの考えを整然と表記するよう心がけたい。上記のように言うとなんだか「ブログ道」のように精神が入ってくるのだが…。

   タイトル冒頭の★や☆は、ブログの出来、不出来を示すものではなく、タイトルの「始まり」を表記している。交互に★☆とするのはさらにその区分を分かりやすくするためだ。

  冒頭で「タイトル、すなわち見出し」と述べた。新聞社の編集部では、「見出しの立つ原稿」「見出しの立たない原稿」という言い方をする。紙面を構成し、見出しを立てる編集マン(整理記者)が原稿を読み、その感想を言うときに使う言葉だ。原稿で言いたいことがきっちりとキーワードとして表現されていれば「見出しの立つ原稿」なのである。だから、デスクなどは新人記者に「まず自分で何を書きたいのか見出しを考えて原稿を書け」「見出しは原稿のエキスだ」などと教える。

   私の場合、タイトル(見出し)はブログの羅針盤だと自分に言い聞かせている。内容がぶれないように、タイトルには集中する。逆に納得いくタイトルが決まればブログ本文もスムーズに書けるものだ。では、どのように集中するのか。この仕掛けが実は、タイトル字数を決めるということなのだ。「自在コラム」は13字でブログのエキスを表現する。俳句は17文字、新聞のメインの主見出しは9文字である。制限された字数で全体を言い切る。このことに集中すればおのずと内容も締まったものになる。ストーリー展開もおおむね決まってくる。

   ブログ初心者はこのことに心がけるだけでも随分とブログが上達するはずだ。まずタイトルに集中するという「癖」が身につけばしめたものだ。

 ⇒25日(日)朝・金沢の天気   くもりのちはれ   

コメント (5)

☆年末「撮って出し」3題

2005年12月24日 | ⇒トピック往来

  テレビ放送では、取材現場から帰ってきて、VTRを編集せずにニュースに突っ込むことを「撮って出し」という。これと同じく、最近気になったニュースや生活情報を「撮って出し」風にいくつか紹介する。

                  ◇

  街ではクリスマスのムードが漂っている。金沢市内のデパートのショーウインドーで子どもたちのクリスマスの合唱を人形にしたディスプレイがあったので写真に収めた。ところで、12月としては異例の寒波が押し寄せている北陸。金沢市内でも50㌢ほどの積雪になっている。ディスプレイのようにホワイトクリスマスなのだが、市内の靴店では紳士用の長靴の品切れが続出している。しかも「入荷のメドは立っていません」と店側。23日には鹿児島でも積雪があった。長靴業界には思わぬ「特需」に違いない。

   韓国ソウル大学の黄禹錫(ファン・ウソク)教授が発表した胚(はい)性幹細胞(ES細胞)研究の論文をめぐる疑惑で、同大の調査委員会は23日、黄教授の論文データは捏造だったと断定する中間結果を発表した。黄教授は教授辞職を表明した。再生医療に不可欠な技術として世界の注目を集めた研究成果が「でっち上げ」とされたことで、韓国が目指した「ノーベル賞の夢」が消えた。その一方、北朝鮮のドル偽造の疑いをめぐり、アメリカ政府財務部は16日、日本や韓国、中国をはじめ東南アジア、欧州連合(EU)など40カ国の外交官を集め、紙幣偽造疑惑についてブリーフィングをした。また、ライス国務長官は20日、ワシントンを訪問した韓国の鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官に「(北朝鮮の紙幣偽造問題について)アメリカは不法活動に対する法執行次元で措置をとるのみ」と主張した(韓国・中央日報)。「南の偽造」もさることながら、「北の偽造」に対するアメリカの対応に何かきな臭さを感じるのだが…。

   TVはもともとアメリカの文化だ。そのアメリカではアナログ地上波テレビ放送を2009年2月までに終了し、デジタル放送に全面移行することを盛り込んだ法案が21日、上院で可決された。これまで、06年末か、デジタル放送受信機の普及率が85%に達するかの遅い方を移行期限としてきたが、受信機の普及が進まないのにしびれを切らし、期限の設定に踏み切った格好だ。日本での全面移行は2011年7月を予定している。アメリカが日本より前倒しするのには、TVメディアのデジタル関連産業を促し、この分野でのイニシャチブをとりたいとの思惑が見え隠れする。ただ、政府が対応を誤ると受信機を買えない貧困層から反感を買う。文化として大衆に根付いてしまっているTVを国の政策として扱うことはそう簡単ではないはずだ。

⇒24日(土)朝・金沢の天気   ゆき

コメント

★続々・岩城氏「運命の輪」

2005年12月22日 | ⇒トピック往来

  指揮者の岩城宏之さんはオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の音楽監督である。11年前、OEKの運営赤字が表面化し、補助金を出している石川県の議会などで問題となった。そのとき、番組ディレクターとして「文化の発信って何だ」とのドキュメンタリー番組を全国放送(95年5月)した。それが縁で、岩城さんとOEKが朝日新聞東京本社浜離宮ホールで足掛け7年、25回にわたって演奏した「モーツアルト全集」を番組化した。そして、テレビ局を辞した後も巡り巡って、9時間半にもおよぶ岩城さんの「ベートーベン振るマラソン」とかかわることになった。

   地域のテレビ局が制作する優良な文化コンテンツをインターネットで配信することに興味を示してくれたのは経済産業省だった。同省の地域映像コンテンツ配信実証事業として公募をかけ、テレビ局から上がってきた岩城さんの番組の企画書を審査したとき、「大晦日、世界でおそらく唯一の放送コンテンツです」と採用理由を説明した。

   採用はされたが、難問が山積していた。まず、制作費には限りがあり地元テレビ局単独ではできない。何しろ9時間半にもおよぶ生番組となると地上波ではまず放送時間枠が確保できない。そこで、テレビ局側が知恵を絞ってCS放送とパートナーを組んで共同制作とした。実はこのパートナーシップは前回も同じ組み合わせで実施していて、信頼関係がベースにあった。大きな問題は、演奏者の著作権だった。10月に岩城さんと金沢でお会いし、インターネット配信を説明した。「オーストラリアやヨーロッパの友人が見ることができるのなら、それはいい」と理解をいただいた。また、コンサートを企画運営する三枝成彰氏の事務所にも「国の実証事業」ということでお願いした。

   最後の問題として回線の問題が残った。大晦日、ブロードバンドで配信するのである。ただでさえ回線が混み合う日にうまくつながるのか、果たしてどれだけのユーザーが視聴にくるのか、回線のバックボーンや映像のクオリティー確保などを勘案して「500K」でエンコードをすることにした。「有料・クローズ」という案もあったが、最終的に「無料・オープン」にした。

  2005年の大晦日、インターネット配信による世界で唯一になるだろうクラッシクのコンテンツはこのような経緯をたどり誕生する。 <前編を読む>

⇒22日(木)朝・金沢の天気   あめ

コメント

☆続・岩城氏の「運命の輪」

2005年12月21日 | ⇒トピック往来

  このブログ「自在コラム」では、指揮者・岩城宏之さんのことを何度か取り上げた。ことし5月14日付の「岩城流ネオ・ジャパネスク」では、日本からクラシックを繰り出す岩城さんの発信力を、また、6月10日と12日の「マエストロ岩城の視線」「続・マエストロ岩城の視線」では指揮者のすごみを岩城さんから感じた、と述べた。プロの音楽家でもない我々がマエストロ=巨匠の「運命の輪」に引き込まれるのはなぜか…。

  何しろ本人は「ステージ上で倒れるかもしれない。でも、それがベートーベンだったら本望だ」と言い切っている。73歳にして、9時間半もの「振るマラソン」にことしも挑戦するのである。去年3月ごろだったか、岩城さんの口からこの話が出たとき、「山本直純(故人)だったら派手にやったかもしれないが、何も岩城さんがやらなくても…」とちょっと冷ややかに見る向きもあった。ところが、やり遂げると海外からの高い評価もあって、賞賛の嵐となった。本来なら、この記録を一回打ち立てれば、それで十分だろう、と私を含め周囲は見ていた。ところが、上記の言葉通り、「ことしもやる」のである。

   しかも、それをやり遂げるため、ことし10月、自らつくり育てた所属事務所「東京コンサーツ」から、作曲家の三枝成彰氏の事務所「メイ・コーポレーション」に移籍した。金沢で岩城さんにお会いして、「なぜ」と聞いたら、その言葉が振るっていた。「あと10年、周囲は何回も手術をしたのだから無理せず穏やかにと言う。これでは面白くないと思ってね、三枝さんの所で暴れることにしたんだ」「大いに暴れるよ」と。私は呆気にとられた。「オレは指揮者だ、病院のベッドで死ねるか、ステージで死ぬんだ」と言っているように聞こえた。

   12年前の春、岩城さんを初めて取材したとき、あいさつで「岩城先生」と呼んだら、「私は指揮者です。医者や政治家ではありません」と酷くしかられた。それ以来、「岩城さん」あるいは「マエストロ」と呼ばせていただいている。こうした岩城さんを気難しいと見るか、違いが分かる人と見るかは、評する人の人間性だろう。私は後者で見ている。だからクラシックの門外漢でありながらも「運命の輪」に入って岩城さんの生き様を見させてもらっている。そして人生の大先輩として尊敬もしている。<次回に続く> <前編を読む>

⇒21日(水)午後   金沢の天気  ゆき

コメント

★岩城宏之氏の「運命の輪」

2005年12月20日 | ⇒トピック往来

   「ステージ上で倒れるかもしれない。でも、それがベートーベンだったら本望だ」と指揮者の岩城宏之さんは言う。そして、ことしの大晦日にまたベートーベンの全交響曲(1番から9番)を9時間30分かけて演奏する。「岩城さんは本気だ」と共感した演奏者たちが続々と集まった。31日15時30分から東京芸術劇場で繰り広げられるコンサートは、さしずめ「運命の輪」の広がりか。

  去年の大晦日、ローカル民放テレビ局に在籍していた私は岩城さんの初めて試みをなんとか番組にしたいと思い、CS放送「スカイ・A」と共同制作でライブ番組にこぎつけた。自局ではその後2月に岩城さんの生き様を交えドキュメンタリー番組(全国放送)になった。そのドキュメンタリー番組が放送される前の1月に私は50歳を期して人生の一つの区切りとしたいと思いテレビ局を辞した。

   その数ヶ月後、ドキュメンタリー番組を担当したディレクタ-から、「岩城さんが再度、ベートーベンチクルス(連続演奏)に挑戦すると言っているんです。また、番組をつくれませんか」と聞いた。「番組をつくれませんか」というのは、つまるところ「お金をつくれませんか」との意味だ。 お金をつくれませんかといわれても、すでにテレビ業界から足を洗い、大学というアカデミックな場に身を置いていたので、これまでのように口八丁手八丁でスポンサーと掛け合うことはできる立場でもないし、番組とかかわる理由もなかった。だから、話は聞いてはいたが、放っておいた。

   そして、「運命の日」が巡ってきた。インターネットで地域の映像資産を配信する実証実験事業(経済産業省)に石川県映像事業協同組合の申請が採択された。この事業のコンソーシアムに金沢大学がかかわることになり、地域連携コーディネーターである私が担当となった。そして実証実験として県内のテレビ局が制作する優良な番組コンテンツをネットで配信することが決まった。季節は秋になっていた。

   番組の公募が始まり、くだんのディレクターに「岩城さんの番組の話、エントリーしてみたら」と促した。そして番組企画書がコンソーシアムに送られてきた。審査で採用が決まったが、それからが大変だった。演奏者の権利の処理問題など難問が山積していた。しかし、不思議な気がした。去年は放送でかかわり、今度はインターネットでかかわる。岩城さんの「運命の輪」に自分自身もいつしか絡まっていたのである。<次回に続く>

⇒20日(火)朝・金沢の天気    くもり

コメント (2)

☆ブログの技術⑭

2005年12月19日 | ⇒ノウハウ検証

  この3週間(11月27日-12月17日)で「自在コラム」へのアクセスIP(訪問者)数は1300を超えた。コラムという、どちらかと言えば地味なページにようこそとお礼を言いたい。ただ、われわれは何のためにブログを書くのかという問いを自らしなければならない。いくら訪問者が増えたとしても、この問いがないと長続きしないからだ。

         テーマ「何のために書くのか」

  私が所属する金沢大学のブログ仲間との最近の会話はこうだ。「写真撮れた?」「青空だったから雪景色がきれいだったね」「そう雪には青空が一番」…といった感じだ。ブログ用の写真が撮れたかどうか、情報を交換しているのである。また、「撮ろうとしたら電池がなくなっていてね、残念…」「じゃ、一枚あげようか」といった互助的な話し合いもする。私の場合、ブログがコミュニケーションの一つのテーマとなっている。

   アクセスIP数が増えることはうれしいことだが、減っても別段落ち込むことはない。私の場合、この世に生きた証(あかし)としてブログを書いているような気がする。ビジュアルな視点や自分の考えをインターネットの大海原に投げ込んでおきたい。そして誰かがたまに沈没船の引き揚げようにサルベージしてくれて、「こんなこと書いたヤツがいたのか」と感想のひと言もあればそれでよい。

  ブログ仲間とこんな話をしたことがある。「墓守のため永代供養をお寺にすることがあるが、死後にネット上でブログを50年間保存してくれる信託会社があれば、永代供養のお金をその会社に回してもいい」と。ちなみに金沢での永代供養の相場は300万円とか。とすると年間で6万円、月5千円である。ちょっと高い気もするが、そのうち欧米系の銀行が「ブログ・トラスト業務」を始めるだろう。

   特にアメリカでは実名で政治を評論をしている玄人はだしのブロガーの猛者たちがごまんといる。命をかけたブログ評論であろう。また、人生をかけてつくり上げたブログは自伝あるいは遺言と同じ意味を持つ。そんな気持ちで日々ブログと向き合って人は世界中に数え切れないほどいる。そのような人たちのためのブログ・トラスト、なかなかよいアイデアではないだろうか…。

⇒19日(月)朝・金沢の天気   ゆき           

コメント (3)