前回ブログの続き。 能登半島の能登町小木で制作されたスルメイカの巨大なモニュメント「イカキング」は国内のテレビ番組で繰り返し紹介された効果もあり、観光交流センター「イカの駅つくモール」には去年4月設置からことし7月までに16万4千人が来場、うち45%の来場者がイカキングがお目当てだったことがアンケート調査で分かった(今月30日付・能登町役場公式サイト「 能登町イカキング効果算出プロジェクト報告資料」)。
サイトによると、国内メディアだけでなく、海外メディアでも数多く紹介されている。 テレビでは9局(アメリカNBC、FOX、イギリスSkyNewsなど)、新聞では11社(フランスAFP通信、アメリカNewYork times、イギリスReutersなど)と。 自身が直接目にしたのはイギリスBBCニュースWeb版(2021年5月4日付)だった。
「Covid: Japan town builds giant squid statue with relief money」の見出しでイカの巨大モニュメントの写真を掲載していた=写真=。 日本の海辺の町は、コロナ禍の緊急援助金を使って巨大なイカの像を建て、物議をかもしている、と。 記事では「町の広報担当者は、このモニュメントは観光名所となり、能登のイカを宣伝する長期戦略の一部となるだろうと話している」と日本のメディアに語ったコメントを記載している。 おそらく、担当したBBC記者は現地を訪れて取材したのではなく、提携している日本のメディアの記事を引用し、ユー・チューブ動画を使ってニュースを構成したのだろう。
能登半島の尖端の小さな町での出来事を、グローバルメディアのBBCがなぜあえてニュースとして取り上げたのか。 憶測だが、記者はイカキングの写真をネットなどで見て興味が沸いたのだろう。 前回ブログでも述べたように、欧米では、タコやイカをデビルフィッシュ(Devilfish)、「悪魔の魚」と称して忌み嫌う文化がある。 巨大化したタコやイカと闘うアメリカ映画にもなっている。 その意味で、映像のインパクトを意識したニュースではないだろうか。
このBBCニュースが世界に流れ、その後、AFP通信ニュース(5月6日付)、New York times(同)など海外メディアが続々とイカキングの話題を取り上げている。 デビルフィッシュのグローバルな宣伝効果だ。金沢のサムライ文化と能登の巨大デビルフィッシュ、北陸のインバウンド観光の戦略に値するのではないだろうか。
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