自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★財布が小銭で膨らむ理由

2005年06月07日 | ⇒トレンド探査
  ひとつの不満を除けば、後は合格点だと思う。北陸鉄道バス(金沢市)のICカード「アイカ」=写真=のことである。当初、戸惑いもあった。昨年の12月、北鉄片町サービスセンターのシャッターが上がる午前9時にさっそく買いに行った。アイカを首かけのヒモつきカードに入れて、バスに乗車。ちょっとドキドキしながら「乗車タッチ」。ところが、数回タッチしても、ピッという受け付け音が出ない。後続の女性から「場所が違いますよ」と指摘され、ハッと気がついた。タッチしていたのは残金表示の黒部分で、オレンジ色のタッチ部分ではなかったのだ。「われながらちょっと緊張したかな」と。これがアイカ初体験だった。
  
  アイカに魅力に感じているのは、整理券を取る必要がなく小銭の準備、両替が不要なこと。これまで、整理券の番号と運賃表示を照らし合わせて小銭を用意しなければならなかった。これが意外と面倒なのだ。でも、アイカでは自動計算されるので、1回の「降車タッチ」でOK。勤め先の金沢大学の生協では、予め現金をカードに入れる「積み増し」もできる。金沢大学は6系統160本(往復)のバスが往来する大きなバスターミナルでもあり、とても便利に感じている。晴れの日は、ウオークとバスを組み合わせれば、とても体にいい。なるべく歩いて、バスに乗る。私の場合、片道「バス25分、歩き15分」の健康法にもなっている。

  冒頭の「ひとつの不満」は、アイカを使い出してから小銭が財布に滞留し始めたことである。小銭を取りすにはある程度、時間的なゆとりがないとできない。これまで、バスの回数券の番号で料金を予測しながら、たとえばバス代が200円なら1円玉を20枚、5円玉を6枚、10円玉15枚という、せせこましいこともやってきた。だから、小銭がはけた。コンビニで使おうと思っても、後ろに人がついたりすると「大の大人が・・・」と言われそうで、なんとなく小銭は数えにくい。いまでは財布が小銭でパンパンに膨らんで、貯金箱になっている。

  「小銭が財布に溜まるのはアイカのせいではない」、北鉄バスの関係者はそう言うだろう。そこはサービスの原点に立ち返って、小銭でもOKのアイカの「積み増し機」を設置してほしい。これは小銭がいらないというアイカの便利さの裏返しのサービスでもある。個人の要望というより利用者のニーズとして理解していただきたい。

⇒7日(火)午前・金沢の天気 晴れ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする